小説
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フレウレラ
女性の成名。雲にあやかった名で、上へ昇る軽いものの名として縁起がよいとされる。
géla fleuréla du orén.
読み:ゲーラ フレウレーラ ドゥ オレーン。
| gél-a | fleuréla | du | orén |
| 行く-<(軽いものが)> | フレウレラ<主格> | 下手 | 縁<対格> |
「フレウレラは縁へ行く。」
日常の会話で使われる文。基本語順はVSO。fleurélaは軽性の人名なので、動詞は3人称単数・軽性の -a で受ける。du+対格で「下手へ」、orén は「縁」。
tóra fleuréla gléinaros.
読み:トーラ フレウレーラ グレーナロス。
| tór-a | fleuréla | gléinar-os |
| 来る-<(軽いものが)> | フレウレラ<主格> | グレイナル-<属格> |
「グレイナル家のフレウレラが来る。」
記録・系譜的な文。フルネームは名の後に家名の属格を置く。家名 gléinar は重性で、属格は -os となる。動詞は中心となる人名 fleuréla に一致して、軽性の -a をとる。
女性の成名(成人の儀でつけるおとなの名)の一つ。「雲」fléura にあやかった名である。名は息の形とされるので、上へ昇る軽いものの語からつける。雲は「天の屋根」と呼ばれ、上の層に属する。雨・雪を祖先の手で返してよこすものでもあるので、縁起のよい名とされる。同じ白く湿ったものでも、霧 nébro(重性・下の国の息)にあやかって名をつけることは決してない。雲と霧を言い分ける高原の世界観が、そのまま名づけにも出ている。湖盆や縁の肩の、農家・職人・運び人の家でよく見られる名で、宮廷風の気取った響きはない。文法上は軽性のa語幹名詞として変化し、動詞は3人称単数・軽性の -a で受ける(tóra fleuréla「フレウレラが来る」)。フルネームでは家名の属格を後ろに置く(fleuréla dórvaros「ドルヴァルのフレウレラ」)。目下の者が目上の女性をこの名で呼ぶのは無礼なので、その場合は「〜の炉の母」など、住まいや立場で言い表す。くだけた話し方では語末の母音が落ちて fleurél と言うが、綴りはいつも〈fleurela〉と書く。語末の母音を落とさない保守的な土地では、くだけた場でも fleuréla と言う。日本語話者には「フレウレラ」「フレーレラ」と聞こえやすい。eu を長い「エー」と聞いたり、l と r の区別がつかなかったりするからである。
軽性・a語幹(語根に強勢)。主 fleuréla/対 fleurélan/属 fleuréles/与 fleurélei。呼格 fleuréle は古い詩と系譜の唱えにだけ使う。動詞は3人称単数・軽性(-a、願望法・仮定法では -e)で受ける。幼名は指小辞をつけた fleuríña(「雲っこ」)。
fléura「雲」の語根 fleur- に、女子名に多い語尾 -éla がついたもの(viréla が vir-「言う・言葉」からできたのと同じ型)。強勢をもつ -éla がつくと、語根の強勢は消える。旧道の岩棚の名 fleuróra「雲の棚」と同じ語根をもつ。
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