小説
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腹が空く(婉曲)
腹の中の炉が冷える、食物の火が落ちた状態。改まった場での婉曲表現。
houmþálo némei.
読み:ホウンサーロ ネーメイ。
| houm-þál-o | ném-ei. |
| 炉-止まる-<(重いものが)> | 私-<与格> |
「炉が冷えます(=私は腹が空く)。」
家庭生活での婉曲な日常表現。houmþál- は「炉」を語中に取り込み、経験者・持ち主は与格で示す。取り込まれた炉は重性なので、動詞は重性3人称単数接尾辞 -o をとる。
腹が空いた(完了相)
houmþáil- で「炉が冷えた=そろそろ食事の時間になった」。
houmþálo dóulin némei.
読み:ホウンサーロ ドーリン ネーメイ。
| houmþál-o | dóulin | ném-ei. |
| 炉が冷える-<(重いものが)> | もう | 私-<与格> |
「炉が冷えました(=私はもう腹が空きました)。」
食事を始める頃に使える定型。houmþál- は houm「炉」+þál-「止まる」の複合動詞として一語で受け、炉が止まって食事の支度が整った/腹が空いた合図を表す。相の副詞 dóulin は動詞の直後に置く。
「(腹の)炉が止まる」の婉曲表現。高原の家の中心である炉(hóum)が冷め、食物の火が落ちた状態に例えて空腹を表す。炉は石を積んだ重性のものなので、動詞は重性の一致をとる(houmþálo「炉が冷える=腹が空く」)。宮廷や改まった場では、この婉曲表現が好まれ、「腹が空いた」と直截に言うのを粗野と見る傾向がある。くだけた言葉では「腹が空いた」をそのまま言う。完了相 houmþáil- で「炉が冷えた=腹が空いた(食事の時間になった)」。塩をひとつまみ客に出す最高のもてなしと並んで、高原の食文化の中心にある感覚を、家の中心の炉の比喩で語ったものである。
自動詞(複合)。主語の「炉」は重性なので、重性の一致をとる(houmþálo)。完了相は þál- 側の a → ai(houmþáil-)。
hóum「炉」+þál-「止まる」。家の中心の炉が冷える比喩から、腹の中の食物の火が落ちた状態、すなわち空腹を婉曲に表す複合語。
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