小説
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乾いた
湿り気がないこと。乾かし終えた材や穂についても言う。
ésau éndra si fáron káilau.
読み:エーサウ エンドラ シ ファーロン カイラウ。
| és-au | éndra | si | fáron | káil-au. |
| いる-<双数> | 人<主格> | と | 荷<主格> | 乾いた-<双数> |
「人と荷は乾いている。」
性の違う語を並べたとき、人が含まれれば形容詞は軽性にする。単数が二つなので双数。
ké ésa flaindél kélen sé káil?
読み:ケー エーサ フラインデール ケーレン セー カイル?
| ké | és-a | flaindél | kél-en | sé | káil? |
| <〜か> | いる-<(軽いものが)> | 版の木<主格> | 伐る-<〜した・〜された> | この<軽性> | 乾いた |
「この伐った版の木は乾いているか。」
版木の工房で交わされる、くだけた問い。版木は、伐ってから数年寝かせて乾かす。伐った木はふつう一致が重性に移るが、版の木は例外で、伐ったあとも軽性のままである。そのため、繋辞は ésa、分詞 kélen は軽性・単数・主格(語尾なし)、指示詞は軽性の sé になる。伐った脂の木なら kélenoi(重性)のように重性の形で一致するので、比べるとわかりやすい。
dúlo gandér káil du ílmo.
読み:ドゥーロ ガンデール カイル ドゥ イルモ。
| dúl-o | gandér | káil | du | ílmo. |
| 下る-<(重いものが)> | 硬木<主格> | 乾いた | 下手 | 水<対格> |
「乾かした硬木でも水の底へ沈む。」
硬木の性質を言う、樵や森の司の言い方。káil は乾かし終えた材についても使う。du+対格で「下手へ」、つまり水の中へ沈むことを表す。硬木が「下へ行きたがる木」とされるのは、この性質のためである。
ké éso tambór káil?
読み:ケー エーソ タンボール カイル?
| ké | és-o | tambór | káil? |
| <〜か> | いる-<(重いものが)> | 雑穀<主格> | 乾いた |
「雑穀は乾いているか。」
乾風期の前半、干した雑穀の穂を脱穀する前に確かめるときの問い。「AはBだ」の文なので、繋辞 és- を文頭に置く。tambór は重性なので、繋辞は -o の形、述語の形容詞は語尾のない káil になる。
éso fálno káil
読み:エーソ ファルノ カイル
| és-o | fálno | káil |
| いる-<(重いものが)> | 薪<主格> | 乾いた |
「薪は乾いている。」
冬支度の実用的な句。述語形容文で、重性主語 fálno に繋辞 éso が対応する。形容詞 káil は単数主格で無標識。
kailérim tambór.
読み:カイレーリン タンボール。
| kail-ér-im | tambór. |
| 乾く-<〜でする>-<私が> | 雑穀<対格> |
「私は雑穀を乾かす。」
日常の保存作業。名詞から動詞を作る接辞 -ér- を含む直説法。1人称単数の語尾 -im をとる。重性子音語幹とされる tambór の単数対格は主格と同形。
kailér sóumbo, ende.
読み:カイレール ソーンボ、エンデ。
| kail-ér | sóumbo, | ende. |
| 乾く-<〜でする・命令法・あなたが> | きのこ<対格> | どうぞ |
「きのこを乾かしてくれ、頼む。」
市での依頼。縁の市の取引言葉では動詞は語幹形となり、依頼の ende を添える。名詞から動詞を作る接辞 -ér- を含む裸語幹。命令2人称は語幹形で表される。きのこの長期保存調剤を表す。重性o語幹の単数対格は標識をもたない。
éso þurán káil némei
読み:エーソ スラーン カイル ネーメイ
| és-o | þurán | káil | ném-ei |
| いる-<(重いものが)> | 唇<主格> | 乾いた | <私>-<与格> |
「私には唇が乾いている。」
日常的な身体の状態を言う文。þurán は上唇・下唇を含む口まわりの肉縁をひと続きの部位として指すため、ここでの単数は唇全体を指す。重性名詞で、存在文の持ち主は与格 ném-ei に置く。述語の káil は主語に一致して重性単数の形をとる。
éso kailsámon só káil.
読み:エーソ カイルサーモン ソー カイル。
| és-o | kailsámon | só | káil. |
| いる-<(重いものが)> | 革<主格> | この<重性> | 乾いた |
「この革は乾いている。」
作業場での確認。存在・繋辞ésoは主語に一致し、重性には-oが付く。述語の形容詞は主語に一致し、重性単数主格では語尾がつかない。
káma líura snélan káilan un ílmoi.
読み:カーマ リーウラ スネーラン カイラン ウン イルモイ。
| kám-a | líura | snél-an | káil-an | un | ílm-oi |
| 浸す-<(軽いものが)> | 女<主格> | 布-<対格> | 乾いた-<対格> | 中に | 水-<与格> |
「その女は、乾いた布を水に浸して扱いやすく戻す。」
「乾いた布」という文脈で、単に浸すのではなく元に戻す意味が出る。主語が軽性の女であるため、動詞は軽性の語尾 -a をとる。
ésa snéla káil.
読み:エーサ スネーラ カイル。
| és-a | snéla | káil. |
| いる-<(軽いものが)> | 布<主格> | 乾いた |
「布は乾いている。」
物干しなどの日常の場面。存在・状態の文は és- を文頭に置き、形容詞 káil は主語 snéla に一致して単数軽性・無語尾になる。主格 snéla は無切分。布・衣・荷の材料としての織物を指し、着衣 rása とは区別する。
flína endríña tambór káil.
読み:フリーナ エンドリーニャ タンボール カイル。
| flín-a | endríña | tambór | káil. |
| 嫌う-<(軽いものが)> | 子<主格> | 雑穀<対格> | 乾いた |
「子どもは乾いた雑穀が嫌いだ。」
食卓で子どもが食べ物を拒む場面。主語éndríñaは人を指す軽性の名詞なので、動詞は3人称単数軽性の-aを取る。対象tambórは重性で、主格・対格同形により対格語尾は形態素として分けない。形容詞káilも重性単数では語尾をもたない。語順はVSOで、目的語句は名詞+形容詞の順になる。
湿り気がないことを言う語。乾風期の空気、干し上がった雑穀、寝かせて乾かした版の木や材に使う。高原では乾きは清さや軽さと結びつく良い性質とされる。
形容詞。名詞の後ろに置き、性・数・格に一致する。
古高原語 *káil- から。基本の形容詞で、派生・複合の構造は確認できない。
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