小説
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柱の木
まっすぐ高く伸びる針葉樹。生えている木を言い、軽性で一致する。
ésa lóna áuren an pélsei.
読み:エーサ ローナ アウレン アン ペルセイ。
| és-a | lóna | áur-en | an | péls-ei. |
| いる-<(軽いものが)> | 柱の木<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 上手 | 脂の木-<与格> |
「柱の木は脂の木より高い。」
性質の程度がまさるときは「an+与格」(〜の上手に)、劣るときは「du+与格」で比べる。「いちばん高い」は an lónail「柱の木々の上手に」と言う。立っている木なので軽性。下向きの性質(「より重い」)も規則どおり an で言うが、皮肉に響く(本文8節)。
sénim lónan áurenan sélvanes.
読み:セーニン ローナン アウレナン セルヴァネス。
| sén-im | lón-an | áur-en-an | sélvan-es. |
| 見る-<私が> | 柱の木-<対格> | 昇る-<〜した・〜された>-<対格> | セルヴァン-<属格> |
「私はセルヴァンの高い柱の木を見る。」
自動詞の分詞(形容詞として固まった áuren)の後ろの属格は、動作主ではなく持ち主。
ésa lóna sé áuren.
読み:エーサ ローナ セー アウレン。
| és-a | lóna | sé | áur-en. |
| いる-<(軽いものが)> | 柱の木<主格> | この<軽性> | 高い-<〜した・〜された> |
「この柱の木は高い。」
分詞 áuren を述語の形容詞として使った文。生えている柱の木は軽性なので、指示詞は sé になり、分詞は軽性・単数・主格で語尾がつかない。伐られて材木になると、まわりの語は重性の一致に変わる。
þóra lóna áuren.
読み:ソーラ ローナ アウレン。
| þór-a | lóna | áur-en. |
| 立つ-<(軽いものが)> | 柱の木<主格> | 昇る-<〜した・〜された> |
「高い柱の木が立っている。」
生えている木は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。分詞 áuren も軽性・単数・主格の形で、一致の語尾はつかない。
ésa lóna nakélen.
読み:エーサ ローナ ナケーレン。
| és-a | lóna | na-kél-en. |
| いる-<(軽いものが)> | 柱の木<主格> | <〜ない>-伐る-<〜した・〜された> |
「その柱の木はまだ伐られていない。」
まだ伐られていない立ち木なので軽性で受け、繋辞は -a をとる。伐り倒したあとは、同じ語でも、受ける語が重性の形になる。
ái, ésa tókal an lónei sé.
読み:アイ、エーサ トーカル アン ローネイ セー。
| ái, | és-a | tókal | an | lón-ei | sé |
| おや | いる-<(軽いものが)> | きつつき<主格> | 上手 | 柱の木-<与格> | この<軽性> |
「おや、この柱の木の上のほうにきつつきがいる。」
森の中でふと口にするひとこと。「〜がいる」は「és-+主語+場所」の形で言う。an+与格は「〜の上手で」という意味で、ここでは木の上のほうの位置を表す。生えている柱の木は軽性なので、与格の語尾は -ei、指示詞は軽性の sé になる。指示詞は格によって形が変わらない。きつつきは、木の中が空洞か詰まっているかを知る鳥とされている。
nílo lóna kélen ílmo.
読み:ニーロ ローナ ケーレン イルモ。
| níl-o | lóna | kél-en | ílmo. |
| 吸いこむ-<(重いものが)> | 柱の木<主格> | 伐る-<〜した・〜された> | 水<対格> |
「伐った柱の木は水を吸いこむ。」
lóna は名詞としては軽性a語幹の形のままだが、伐られた材なので、分詞 kélen も動詞 nílo も重性で一致する。名詞の語尾は軽性で、まわりの語は重性という組み合わせになる。樵や大工が、材を乾かして寝かせる理由を言うときの文。
þóro lóna kélen só.
読み:ソーロ ローナ ケーレン ソー。
| þór-o | lóna | kél-en | só. |
| 立つ-<(重いものが)> | 柱の木<主格> | 伐る-<〜した・〜された> | この<重性> |
「この、伐った柱の木の柱が立っている。」
lóna「柱の木」は、名詞としては軽性a語幹の語形のままである。けれども伐られて材になっているので、動詞は重性の þóro、分詞 kélen も重性・主格の形(語尾なし)、指示詞も重性の só で一致する。生えている木なら þóra lóna sé となる。
éso gandér euléren es lónes.
読み:エーソ ガンデール エウレーレン エス ローネス。
| és-o | gandér | euléren | es | lón-es. |
| いる-<(重いものが)> | 硬木<主格> | 違う | から | 柱の木-<属格・単数> |
「硬木は柱の木とは違う。」
物の種類や材質の違いを比べる中立的な用法。比べる相手は es+属格で示す。gandérは重性で、euléren は重性単数の形。lónaは軽性で属格単数は lónes。
lúin glǘno glünó, krása lóna.
読み:ルーイン グリューノ グリュノー、クラーサ ローナ。
| lúin | glǘn-o | glünó, | krás-a | lóna. |
| とき | 凍る-<(重いものが)> | 氷<主格> | ひびが入る-<(軽いものが)> | 柱の木<主格> |
「氷が凍ると、柱の木にひびが入る。」
凍りの頃に立ち木が寒さで縦に裂けることを言う。副文は lúin に導かれ、動詞が主語に先立つ。主文も VSO で krása lóna とする。lóna は軽性なので、動詞は軽性の krása をとる。割れきって粉になる意味ではなく、裂け目が入る意味。
柱材
伐られて柱や梁にする材木。受ける語は重性で一致する。
dúlo lóna kélen du orén.
読み:ドゥーロ ローナ ケーレン ドゥ オレーン。
| dúl-o | lóna | kél-en | du | orén. |
| 下る-<(重いものが)> | 柱材<主格> | 伐る-<〜した・〜された> | 下手 | 縁<対格> |
「伐った柱材が縁へ下りていく。」
名詞の lóna は軽性の語形のままだが、伐られた材なので、動詞は重性の -o で一致する。分詞 kélen も重性・主格の形で、語尾はつかない。du+対格で「下手へ」。
éso lóna só krán.
読み:エーソ ローナ ソー クラーン。
| és-o | lóna | só | krán. |
| いる-<(重いものが)> | 柱材<主格> | この<重性> | 硬い |
「この柱材は硬い。」
材木を検めるときの言い方。名詞は軽性の語形 lóna のままだが、繋辞は重性の -o、指示詞は重性の só になり、形容詞も重性の形をとる。立ち木について言う þóra lóna áuren(軽性)と比べるとよい。
まっすぐ高く伸びる針葉樹の名。家の柱と梁に使う。軽性のa語幹名詞で、主格の -a は古い脱落の条件に当たるが類推で復元された。生えているあいだは軽性で一致するが、伐られて柱材になると、名詞の語形は軽性のまま、受ける形容詞・分詞・動詞は重性で一致する(根を断たれた木はもう昇らないため)。
軽性・a語幹(語根に強勢)。対 lónan、属 lónes、与 lónei、複与 lónail。伐られた材では一致が重性。
古い脱落の条件に当たるが、類推で語末の a が復元された。
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