níl-

品詞
動詞(他動詞)
意味
飲む
辞書形
níla
発音
[ˈnila]
読み
ニーラ
分野
基本動作

意味

  1. 飲む

    茶・酒・乳・水などの液体を飲む。

    méirim torárei nímbo te níla endríña.

    読み:メーリン トラーレイ ニンボ テ ニーラ エンドリーニャ。

    méir-imtorár-einímboteníl-aendríña.
    与える-<私が>客-<与格>乳<対格><関係節>飲む-<(軽いものが)>子ども<主格>

    「子どもが飲む乳を、私は客に出す。」

    関係節のついた名詞句は節のいちばん最後に置くので、与格の torárei が目的語より前に出る。

    níl muró, ende.

    読み:ニール ムロー、エンデ。

    nílmuró,ende.
    飲む<命令法><あなたが>濁り酒どうぞ・頼む

    「濁り酒をどうぞ、飲んでくれ。」

    市の屋台や崖道の休み場で酒を勧めるときの言い方。ende は頼みだけでなく、勧めにも使う。改まった場では ende を使わず、願望法の文で勧める。

    níla torár ílmo gléin.

    読み:ニーラ トラール イルモ グレーン。

    níl-atorárílmogléin.
    飲む-<(軽いものが)>客<主格>水<対格>清い

    「客は清い水を飲む。」

    VSO の基本の文。ílmo は重性o語幹で主格と対格が同じ形なので、形容詞も重性・対格の形(語尾なし)になる。客に清い水を出すのは、もてなしの場面でよく使う言い方。

    lúin hóines, niléimor muró.

    読み:ルーイン ホイネス、ニレーモル ムロー。

    lúinhóin-es,nil-é-imormuró.
    とき帰る-<あなたが>飲む-<〜だろう>-<我々が>濁り酒<対格>

    「お前が帰ってきたら、濁り酒を飲もう。」

    親しい者どうしの別れぎわの言い方。時制がないので、まだ起きていないことも lúin の節では直説法で言える。主節の未来のことは推量法で言う。1人称複数の前では、推量法の -él- の l が落ちる。

    nílim ílmo véinoros.

    読み:ニーリン イルモ ヴェーノロス。

    níl-imílmovéinor-os.
    飲む-<私が>水<対格>湖-<属格>

    「私は湖の水を飲む。」

    日常の言い方。主語は動詞の語尾 -im でわかるので言わない。地の上の水がどこの水かは、属格で言う。空から降る水は、地の水 ílmo とは別の語 réina「雨」で言う。

    mé níl ílmo múr!

    読み:メー ニール イルモ ムール!

    ménílílmomúr!
    <禁止・願いの打ち消し>飲む<命令法><あなたが>水<対格>濁った

    「濁った水を飲むな!」

    禁止は「mé+命令法」。形容詞 múr は名詞の後ろに置き、重性・単数・対格の ílmo に一致するが、語尾はつかない。濁った水は重く病を運ぶものとされ、とくに霧期によく言われる戒め。

    níla kelár nímbo.

    読み:ニーラ ケラール ニンボ。

    níl-akel-árnímbo.
    飲む-<(軽いものが)>伐る-<〜する人・主格>乳<対格>

    「樵が乳を飲む。」

    VSO の基本的な文。主語の kelár「樵」は人なので軽性で、動詞は -a をとる。nímbo「乳」は重性o語幹なので、対格も主格と同じ形。毛山羊の乳は高原の日常の飲み物である。

    nílim ílmo klér es þéulos.

    読み:ニーリン イルモ クレール エス セウロス。

    níl-imílmokléresþéul-os.
    飲む-<私が>水<対格>冷たいから湧き水-<属格>

    「私は湧き水の冷たい水を飲む。」

    日常の文。地上を流れる水 ílmo は重性なので、主格と対格が同じ形になり、形容詞も語尾がつかない。es+属格で「〜から」と出どころを表す。

    mé níl ílmo múr!

    読み:メー ニール イルモ ムール!

    ménílílmomúr!
    <禁止・願いの打ち消し>飲む<命令法><あなたが>水<対格>濁った

    「濁った水を飲むな。」

    親が子どもに言う日常の禁止。mé+命令法で禁止を表す。ílmo「水」は重性o語幹なので、対格も ílmo のまま。形容詞 múr も重性・単数・対格で一致し、語尾はつかない。

    niléndes muró, séulin.

    読み:ニレンデス ムロー、セウリン。

    nil-énd-esmuró,séulin.
    飲む-<〜しますように>-<あなたが>濁り酒<対格>友

    「まあ一杯やってくれ、友よ。」

    同じ段の相手に酒を勧める「並び」の言い方で、願望法の2人称を使う。muró は強勢のある -ó で終わる重性o語幹で、主格と対格が同じ形。日常では呼格を使わず、呼びかけの名詞を読点で区切って文の終わりに添える。

    níla kelár nímbo.

    読み:ニーラ ケラール ニンボ。

    níl-akel-árnímbo.
    飲む-<(軽いものが)>伐る-<〜する人・主格>乳<対格>

    「樵が乳を飲む。」

    日常のことを述べる VSO の文。nímbo は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。主語の kelár「樵」は人なので軽性で、動詞は -a をとる。

    fláinim. nílim ílmo.

    読み:フライニン。ニーリン イルモ。

    fláinim.níl-imílmo.
    助かる飲む-<私が>水<対格>

    「助かる。水を飲むよ。」

    崖道で、仲間から水を差し出されたときの返事。fláinim は「私は軽い」というのがもとの意味で、くだけた礼の言葉として使う。同じ段の者どうしや、目下の者に対して使い、目上の人には使わない。

    anórel, níla faronár té muró bróus, esós ésa él murár sórel.

    読み:アノーレル、ニーラ ファロナール テー ムロー ブロース、エソース エーサ エール ムラール ソーレル。

    anórel,níl-afaron-ártémuróbróus,esósés-aélmur-ársórel.
    昨日飲む-<(軽いものが)>荷-<〜する人>あの<軽性>濁り酒<対格>多いだからいる-<(軽いものが)><3人称単数・軽性>濁った-<〜する人>今日

    「昨日、あの運び人は濁り酒をしこたま飲んだ。だから今日のあいつは、まるで酔いどれだ。」

    崖道の宿などで交わす、くだけた噂話。muró「濁り酒」と murár の音が近いことを使った当てこすりで、ここでは「酔ってぼんやりしている者」の意味になる。時の語 anórel は場面の枠に置いて読点で区切る。esós「だから」は二つめの文の頭に置く。主語の代名詞 él をわざわざ言っているので、「あいつときたら」という強調の響きがある。

    mé níl dóulin muró, murár!

    読み:メー ニール ドーリン ムロー、ムラール!

    méníldóulinmuró,mur-ár!
    <禁止・願いの打ち消し>飲む<命令法><あなたが>もう濁り酒<対格>濁った-<〜する人>

    「もう濁り酒は飲むな、この酔っぱらいめ!」

    縁や崖道の炉ばたで、家の者が酔った身内をたしなめる言い方。相の副詞 dóulin「もう」は動詞のすぐ後ろに置き、否定と組んで「もう〜しない」の意味になる。muró と murár を並べた語呂合わせが面白がられ、決まり文句のようにも使われる。都の改まった言葉では、この当てこすりの使い方はしない。

    nárim velíman nílin ílmo

    読み:ナーリン ヴェリーマン ニーリン イルモ

    nár-imvel-ím-anníl-inílmo
    しのぐ-<私が>渇く-<〜の技・〜さ>-<対格>飲む-<〜して・〜く>水<対格>

    「私は水を飲んで渇きをしのぐ。」

    日常会話で、喉の渇きを完全に止めるまでではないが、水を含んで取り急ぎやりすごす動作を示す。velím は véli- の語根 vel- に抽象名詞化の -ím をつけた軽性名詞で、対格単数は -an。副動詞 nílin は主語が後ろの動詞と同一であることを示す。ílmo は重性名詞で、対格単数は同形。

    níla endríña auró.

    読み:ニーラ エンドリーニャ アウロー。

    níl-aendríñaauró.
    飲む-<(軽いものが)>子ども<主格>薬<対格>

    「子どもが薬を飲む。」

    日常の文。VSO の語順で、動詞は軽性の主語 endríña に一致して -a をとる。重性 o語幹 auró は対格が主格と同形なので、目的語も auró のまま。語順と他動詞の構文によって目的語とわかる。

    nílim ílmo þulklér.

    読み:ニーリン イルモ スルクレール。

    níl-imílmoþulklér.
    飲む-<私が>水<対格>ぬるい

    「ぬるい水を飲む。」

    飲み物としての水の温度を言う日常文。目的語 ílmo は重性単数対格で、重性名詞は主格と対格が同形である。修飾の þulklér も重性単数対格に対応するが、この形では語尾不加。

  2. 吸いこむ

    苔や土、布などが水を吸いこむ。主語はふつう重性の名詞になる(nílo drúmo ílmo「苔が水を吸う」)。

    nílo drúmo ílmo.

    読み:ニーロ ドルーモ イルモ。

    níl-odrúmoílmo.
    吸いこむ-<(重いものが)>苔<主格>水<対格>

    「苔が水を吸いこむ。」

    「吸いこむ」の意味では、主語はふつう重性の名詞になり、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。ílmo「水」も重性なので、主格と対格が同じ形になる。VSO の語順で、動詞のすぐ後ろが主語、その次が目的語と決まる。家のすき間を苔で埋める理由を説明するときの言い方。

    nílo lóna kélen ílmo.

    読み:ニーロ ローナ ケーレン イルモ。

    níl-olónakél-enílmo.
    吸いこむ-<(重いものが)>柱の木<主格>伐る-<〜した・〜された>水<対格>

    「伐った柱の木は水を吸いこむ。」

    lóna は名詞としては軽性a語幹の形のままだが、伐られた材なので、分詞 kélen も動詞 nílo も重性で一致する。名詞の語尾は軽性で、まわりの語は重性という組み合わせになる。樵や大工が、材を乾かして寝かせる理由を言うときの文。

解説

液体を飲むことを表す。目的語には、針葉樹の葉を煮出した苦い茶、雑穀の濁り酒、毛山羊の乳、湧き水などをとる。苔や乾いた土が水を吸いこむことにも使う。ただし、空から降る雨については「地が雨を飲む」とは言わず、「雨を受ける」と言うのが改まった言い方である。

文法

完了語根は néil-。目上の人について言うときは nélis-、自分をへりくだるときは dúmar- を使う。

語源

古高原語から受け継いだ語。

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