小説
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眠る
眠る、寝床で休む。
éso gromó némes gróm, nóirim.
読み:エーソ グロモー ネーメス グローン、ノイリン。
| és-o | gromó | ném-es | gróm, | nóir-im. |
| いる-<(重いものが)> | 体<主格> | <私>-<属格> | 重い | 眠る-<私が> |
「体が重い。もう寝るよ。」
疲れたときのくだけた言い方。体は重性の名詞で、繋辞も重性の -o をとる。「体が重い」は、肉体を重いものと見る世界観とも重なる。時制がないので、nóirim は文脈によって「これから寝る」の意味になる。
nóira véiran némes.
読み:ノイラ ヴェーラン ネーメス。
| nóir-a | véiran | ném-es. |
| 眠る-<(軽いものが)> | 配偶者 | <私>-<属格> |
「連れ合いは眠っている。」
家に来た人への日常の受け答え。véiran は夫にも妻にも使い、性別を区別しない。人を指すので軽性の子音語幹で、動詞は軽性の -a をとる。時制がないので「眠っている」とも「眠った」とも取れる。
nóira endríña séndoi.
読み:ノイラ エンドリーニャ センドイ。
| nóir-a | endríña | sénd-oi. |
| 眠る-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | ここ-<与格> |
「「ここで子どもが眠っている。」」
家の中で声を落とさせるときの、日常の一言。endríña は éndra「人」に指小の -íña がついてできた語で、軽性の a 語幹として変化する。
táulan faronárai drúmo ré noiréndan.
読み:タウラン ファロナーライ ドルーモ レー ノイレンダン。
| tául-an | faronár-ai | drúmo | ré | noir-énd-an. |
| 取る-<彼らが> | 運び人-<〜たちが> | 苔<対格> | <〜と(節)> | 眠る-<〜しますように>-<彼らが> |
「運び人たちは、眠るために苔を集める。」
崖道の野宿を語る文。苔は寝具や家のすき間の詰め物に使われる。drúmo は重性o語幹なので、対格は主格と同じ形になる。目的の「〜するために」は ré+願望法で表す。ここでの願望法は丁寧さではなく、「そうなってほしいこと」を表す。
ké nóirses? nóirsim.
読み:ケー ノイルセス?ノイルシン。
| ké | nóirs-es? | nóirs-im. |
| <〜か> | 眠る<〜し終えた>-<あなたが> | 眠る<〜し終えた>-<私が> |
「「よく眠れたか。」「眠れた。」」
二人の発話。家族や親しい者が朝に交わす、くだけた挨拶。語根が二重母音なので、完了相は -s- を足して nóirs- になる。「はい」にあたる語はないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。
nóirau dáu kelárau.
読み:ノイラウ ダウ ケラーラウ。
| nóir-au | dáu | kel-ár-au. |
| 眠る-<双数> | 二 | 伐る-<〜する人>-<双数> |
「樵が二人、眠っている。」
dáu「二」の後ろの名詞は双数になり、動詞も双数の -au をとる。双数の動詞は人称も性も区別しない。時制がないので、「眠る」とも「眠っている」とも訳せる。
lúin nóiran kelárai, nóura ólmar.
読み:ルーイン ノイラン ケラーライ、ノーラ オルマル。
| lúin | nóir-an | kel-ár-ai, | nóur-a | ólmar. |
| とき | 眠る-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 思案する-<(軽いものが)> | 年長者<主格> |
「樵たちが眠ると、年長者は思いにふける。」
「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。nóur- はここでは、ひとりで静かに考えこむことを表す。
(材が)寝る
伐った木材が、水に浸けられたり乾かされたりして、寝かせた状態にある。版の木を何年も寝かせることにも使う。
nóira flaindél.
読み:ノイラ フラインデール。
| nóir-a | flaindél. |
| 寝る-<(軽いものが)> | 版の木<主格> |
「版の木は寝かせてある。」
版木にする材を、数年乾かしている状態を言う。版の木は伐ったあとも軽性のままなので、動詞は軽性の -a をとる。ほかの伐った材なら、重性の -o で一致する。
nóiro gandér kélen.
読み:ノイロ ガンデール ケーレン。
| nóir-o | gandér | kél-en. |
| 寝る-<(重いものが)> | 硬木<主格> | 伐る-<〜した・〜された> |
「伐った硬木は寝かせてある。」
樵や森の司の検め役が、材の状態を言うときの文。硬木は重性なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。分詞 kélen は重性・単数・主格なので、一致の語尾はつかない。
眠ること、横になって休むことを表す。寝床はふつう苔を詰めた敷物である。樵や版木の彫り師の言葉では、材木を水に浸けたり乾かしたりして寝かせておく状態のことも言う。その場合、主語は伐った材なので、動詞は重性で一致する(nóiro gandér「硬木が寝かされている」)。
完了語根は nóirs-。使役形は noiríþ-「寝かせる」で、材を寝かせる意味でも使う。尊敬は aunóir-「お休みになる」。
古高原語から受け継いだ語。
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