póin

品詞
代名詞
意味
何か
発音
[ˈpoin]
読み
ポイン
分野
代名詞・指示詞・疑問詞

意味

  1. 何か

    特定しないものを指す。

    mé þraunésa póin es orénos.

    読み:メー スラウネーサ ポイン エス オレーノス。

    méþraun-és-apóinesorén-os.
    <禁止・願いの打ち消し>投げる-<〜すべし>-<(軽いものが)>何か<対格>から崖の際-<属格>

    「崖の際から何も投げ落とさぬこと。」

    碑文や法の文体。当為法は mé で否定する。主語を言わないので一般の人が主語になり、軽性の形をとる。強勢は当為法の -és- に移る(þraunésa)。崖から物を投げ落とすのは、下の国を呼び寄せる行いとして禁じられている。

    mé þraunésa póin es orénos.

    読み:メー スラウネーサ ポイン エス オレーノス。

    méþraun-és-apóinesorén-os.
    <禁止・願いの打ち消し>投げる-<〜すべし>-<(軽いものが)>何か<対格>〜から縁-<属格>

    「縁から物を投げ落とさぬこと。」

    碑文に刻まれる型の禁止の文。当為法の -és- が強勢をとるので、語根 þráun- の強勢は消える。崖の縁から物を投げ落とすことは、決められた降ろし場の作法の外では禁忌とされる。

    ké éso póin tásei?

    読み:ケー エーソ ポイン ターセイ?

    kéés-opóintás-ei?
    <〜か>いる-<(重いものが)>何か<主格><あなた>-<与格>

    「何か持っているか。」

    所有は「ある+持ち主の与格」で言う。動詞は持たれている物 póin(重性)に一致するので éso になる。2人称 tás を使っているので、下向きか、ごく親しい相手への問い。

    ké fíndes póin?

    読み:ケー フィンデス ポイン?

    kéfínd-espóin?
    <〜か>聞く-<あなたが>何か<対格>

    「何か聞こえるか?」

    霧期の夜、不安になって連れに尋ねる言い方。はい・いいえで答える問いなので、文のいちばん前に ké を置く。póin は重性なので、主格と対格が同じ形になる。霧の中では名前を呼ばないので、正体のわからないものは póin や指示詞で指すことが多い。

    mé þraunésa póin es orénos.

    読み:メー スラウネーサ ポイン エス オレーノス。

    méþraun-és-apóinesorén-os.
    <禁止・願いの打ち消し>投げ捨てる-<〜すべし>-<(軽いものが)>何か<対格>から縁-<属格>

    「縁から何ものも投げ捨てぬこと。」

    碑文や決まりごとの文体。当為法 -és- で「〜すべし」、mé で否定して禁止になる。主語を言わないので一般の人が主語になり、軽性の形をとる。崖から物を投げ落とすのは禁忌なので、崖について þráun- を使うと、この「投げ捨てる」の意味になる。

    lúin ésa sílar dréum, na sénim póin.

    読み:ルーイン エーサ シーラル ドレウン、ナ セーニン ポイン。

    lúinés-asílardréum,nasén-impóin.
    ときいる-<(軽いものが)>月<主格>暗い<〜ない>見る-<私が>何か

    「月が暗いときは、何も見えない。」

    光がなくて暗いことを言う文。月は軽性なので、繋辞は -a をとり、形容詞は語尾なしで一致する。否定の小辞 na は動詞の直前に置く。

    ké éso só fírna? na éso. na éso só póin sal árnelei.

    読み:ケー エーソ ソー フィルナ?ナ エーソ。ナ エーソ ソー ポイン サル アルネレイ。

    kéés-osófírna?naés-o.naés-osópóinsalárnel-ei.
    <〜か>いる-<(重いものが)>この<重性>筆<〜ない>いる-<(重いものが)><〜ない>いる-<(重いものが)>この<重性>何か外木-<与格>

    「「これはペン(書く道具)ですか?」 「いいえ。これはただの木の棒です」」

    直訳は「これは筆か?」「(筆では)ない。これは木の外の何ものでもない」。辞書の語だけで訳せたので、仮置きの語はありません。既存の用例と照らし合わせましたが、食い違いは見つからなかったので、元の訳のまま返します。 1. 「ペン」:辞書の fírna(筆)を使いました。「書く道具」の意味にちょうど合います。 2. 「これ」:指示詞 só を単独で「これ」として使いました(定型句 póso「これは何だ」と同じ使い方)。重性の só にしたのは、指している物が伐った木の切れ端だからです。伐った木は荷札と同じく重性で受けます(既存の sén gandér só と同じ)。繋辞も só に合わせて重性の éso にしました。述語の fírna は軽性の名詞ですが、述語の名詞は自分の性・主格のまま置くので、形は変えていません(既存の na éso nébro fléura と同じ組み立て)。 3. 問いの形:目上かどうか分からない相手へのふつうの問いとして、文頭に ké を置きました(既存の ké éso fóndar só gléin? と同じ形)。目上の人に聞くなら、ké を使わず推量法で尋ねます。 4. 「いいえ」:高原語には「はい」「いいえ」にあたる語がありません。そこで問いの動詞を繰り返して na をつけ、na éso としました。動詞は物に一致しているので、人称は変わりません(既存の「na éso tambór némei」と同じ)。 5. 「ただの木の棒」は言い換えました。「棒」にあたる語はないので、árnel(木・材木)で「木切れ」の意味にしました。「ただの」にあたる語もないので、na … póin sal árnelei「木の外の何ものでもない」と否定で言い換えました。前置詞 sal(〜の外に)がとる格は決まっていません。ほかの前置詞が「その場にあること」を与格で言うのにならって、与格にしました。 6. 性の決め方:árnel は生えている木と同じ軽性の子音語幹とみて、与格を -ei にしました。名詞の形は伐っても軽性のままで、一致だけが重性になります。póin(何か)は疑問詞 pó にならって重性とし、主語 só と同じく、繋辞は重性の éso にしました。

    mé kún póin ói!

    読み:メー クーン ポイン オイ!

    mékúnpóinói!
    <禁止・願いの打ち消し>する<命令法><あなたが>何か<3人称単数・重性・与格>!

    「それに手を出すな。」

    禁止は mé+命令法。ó-i ではなく、与格代名詞 ói を語として用いる。

  2. 何も(〜ない)

    否定の na と組んで、全否定を表す。

    na mánim póin anórel.

    読み:ナ マーニン ポイン アノーレル。

    namán-impóinanórel.
    <〜ない>食べる-<私が>何も<対格>昨日

    「昨日は何も食べていない。」

    日常会話の文。mán-「食べる」を na で否定し、póin と組み合わせて「何も〜ない」と言う。時制がないので、anórel「昨日」で過去のことだとわかる。

    na lísa lisár póin sáindarei sórel.

    読み:ナ リーサ リサール ポイン サインダレイ ソーレル。

    nalís-alis-árpóinsáindar-eisórel.
    <〜ない>書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>何も<対格>証文-<与格>今日

    「書記は今日、証文に何も書かなかった。」

    取引のなかった日の帳場の様子を言う文。語順は動詞–主語–目的語–与格–時で、na は動詞の直前に置く。sórel「今日」のような時の語は文の後ろに回す。

解説

不特定のものを指す不定代名詞。否定の na と組むと「何も〜ない」になる。物は重性で受けるのがふつうなので重性の形をとる。

文法

重性。主・対 póin、属 póinos、与 póinoi。

語源

疑問代名詞 pó「何」+数詞 ín「一」。

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