snémb-

品詞
動詞(他動詞)
意味
こする
発音
[ˈsnemb]
読み
スンメム
分野
基本動作

意味

  1. こする

    指先で布・木・石などの表面を小さく往復させ、質感や織り目・木目・粒の粗さを触覚で確かめる。織物の良し悪しを判断する基本動作。

    snémbim þúlo némes

    読み:スネンビン スーロ ネーメス

    snémb-imþúloném-es
    こする-<私が>鼻<対格><私>-<属格>

    「私は鼻をこする。」

    身体動作を表す日常文。重性o語幹 þúlo は対格も主格と同形で、語を切らずに書く。所有の人称代名詞 némes は名詞句の後ろに置く。動きが伴う場面では婉曲せず þúlo を使う。

    snémba kelár gandér só.

    読み:スネンバ ケラール ガンデール ソー。

    snémb-akel-árgandérsó.
    こする-<(軽いものが)>伐る-<〜する人・主格>硬木<対格>この<重性>

    「樵がこの硬木を指先で確かめるようにこする。」

    森や木口の場面。主語 kelár は人を指す軽性なので、動詞は3人称単数軽性 -a をとる。硬木 gandér は重性で、単数の直接目的語は主格と同じ形のまま。指示詞 só は重性名詞句を閉じる。

  2. (表面を)なぞる

    目的が判断でなく、表面をなぞること自体を言う比喩的な使い方。詩で「指が布の上をこする」は、織り手の意図を触覚で読む、という意味を含む。

    snémbo már virán.

    読み:スネンボ マール ヴィラーン。

    snémb-omárvir-án.
    なぞる-<(重いものが)>手<主格>言葉-<対格>

    「手が、言葉の上をなぞる。」

    詩的用法。主語 már は体の部分なので重性であり、動詞は3人称単数重性 -o をとる。目的語 virán は抽象的な「言葉」だが、書かれた言葉の表面を指先で触る意に転じた用法。

解説

指先や指の腹で、布・木・石などの表面を小さく往復させ、質感や織りの粗さを確かめる触覚の動詞。織物の良し悪しを判断する基本動作で、縁の市で織物を手に取ったとき、親指と人差し指で生地の表面をなぞる動作を指す。krémb-「引く・曳く」が荷を引っ張る手全体の動きであるのに対し、snémb-は指先が表面に沿って小さく動く触覚の動作である。klén-「拭く」が表面の汚れを取る目的をもつのに対し、snémb-は質感を確かめる目的をもつ。木版の彫り師が版木の木目を指先で確かめるとき、鋳物師が青銅の表面のきずを確かめるときにも使う。

文法

他動詞。目的語は対格で受ける(snémbo snél-an「布をこする」)。

語源

古高原語 *snémbro から。古い脱落の条件(強勢音節の直後で流音・鼻音に続く強勢のない語末母音の脱落)に当たり、語末の -o が落ちた形。

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