小説
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音
耳に聞こえる、澄んだ音や響き。
ké ésa tíula sé gléin?
読み:ケー エーサ ティーウラ セー グレーン?
| ké | és-a | tíula | sé | gléin? |
| <〜か> | いる-<(軽いものが)> | 音<主格> | この<軽性> | 清い |
「この音は澄んでいるか?」
日常の問い。繋辞 és- を先頭に置き、「és-–主語–述語」の順に並べる。tíula「音」は軽性なので、繋辞は -a、述語の gléin も軽性・主格の形になる。軽性の指示詞 sé は格によって形が変わらず、名詞句の最後に置く。
áura tíula kumbóros an élvaran.
読み:アウラ ティーウラ クンボーロス アン エルヴァラン。
| áur-a | tíula | kumbór-os | an | élvar-an. |
| 昇る-<(軽いものが)> | 音<主格> | 青銅-<属格> | 上手 | 天-<対格> |
「青銅の音は天へ昇る。」
祭祀や鈴の護符について言う決まり文句。音は「上へ昇る軽いもの」なので tíula は軽性で、動詞も -a をとる。青銅 kumbór は重性なので、属格は -os になる。an+対格で「上手へ」。
flélau selvá si tíula es múndos snálenos
読み:フレーラウ セルヴァー シ ティーウラ エス ムンドス スナーレノス
| flél-au | selvá | si | tíula | es | múnd-os | snál-en-os |
| 漏れる-<双数> | 息<主格> | と | 音<主格> | から | 口-<属格> | 閉じる-<〜した・〜された>-<属格> |
「閉じた口から息と音が漏れている。」
口を閉じたままで、意に反して息や音がわずかに漏れる場面。selvá「息」とtíula「音・声」の二単数主語をsiで並べ、動詞を双数-auにする。出所はes+属格の名詞句で、中心名詞múndos「口」の後に、重性・単数・属格に一致する分詞snálenos「閉じた」が続く。snál-en-osは動詞根snál-+PTCP+GENとして切る。
áura tíula sávres.
読み:アウラ ティーウラ サーヴレス。
| áur-a | tíula | sávr-es |
| 昇る-<(軽いものが)> | 音<主格> | 葦笛-<属格> |
「葦笛の音が昇っていく。」
sávr-es は sávra の斜格語幹 sávr に単数属格 -es が付いた形。tíula「音」は上へ昇るものとして軽性で、動詞 áura も軽性の語尾 -a で受ける。葦笛は軽性のまま受けるため、重性の属格 -os ではなく軽性の属格 -es をとる。
ésa tíula bún.
読み:エーサ ティーウラ ブーン。
| és-a | tíula | bún. |
| いる-<(軽いものが)> | 音<主格> | 深い |
「声が深い。」
声が低く奥へ沈むような響きをもつことを表す日常表現。tíula は「音・声」を表し、音は上へ昇る軽いものとして軽性a語幹に属する。存在・繋辞 ésa が軽性単数に一致し、bún は無標形をとる。
un nébroi, gúma tíula.
読み:ウン ネーブロイ、グーマ ティーウラ。
| un | nébr-oi, | gúm-a | tíula |
| 内に | 霧-<与格> | くぐもる-<(軽いものが)> | 音<主格> |
「霧のなかでは、音がくぐもる。」
日常の霧中の状況で使う文。場所の与格に un を添える。主体は tíula「音」。音は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a になる。
lúin tór-o nébro es orénos, gúma tíula.
読み:ルーイン トーロ ネーブロ エス オレーノス、グーマ ティーウラ。
| lúin | tór-o | nébro | es | orén-os, | gúm-a | tíula |
| とき | 来る-<(重いものが)> | 霧<主格> | から | 縁-<属格> | くぐもる-<(軽いものが)> | 音<主格> |
「縁から霧が上がってくると、音がくぐもる。」
縁や崖道の日常語としての場面。主節・従属節ともに動詞を先頭にする。霧 nébro は重性なので、来るの動詞は3人称単数・重性の -o になる。es は属格と組んで「〜から」。
un nébroi, gúma tíula faronáres.
読み:ウン ネーブロイ、グーマ ティーウラ ファロナーレス。
| un | nébr-oi, | gúm-a | tíula | faronár-es |
| 内に | 霧-<与格> | くぐもる-<(軽いものが)> | 音<主格> | 運び人-<属格> |
「霧のなかでは、運び人の声がくぐもる。」
tíula に属格を添えた名詞句で、人に関わる音=声として読む。運び人 faronár は人の語なので軽性。動詞は主語の tíula に一致して軽性の3人称単数になる。
nebrálvoi, gúma tíula lourviráres.
読み:ネブラルヴォイ、グーマ ティーウラ ロウルヴィラーレス。
| nebrálv-oi, | gúm-a | tíula | lourvirár-es |
| 霧期-<与格> | くぐもる-<(軽いものが)> | 音<主格> | 系譜読み-<属格> |
「霧の季節には、系譜読みの声がくぐもる。」
書物や記録の記述に近い、季節を場面とする文。nebrálvo「霧期」の与格が場面を示す。系譜読み lourvirár は人の語で軽性。tíula lourvirár で「系譜読みが唱える声」という読みになる。
ésa tíula sé núl
読み:エーサ ティーウラ セー ヌール
| és-a | tíula | sé | núl |
| いる-<(軽いものが)> | 音<主格> | この<軽性> | 低い |
「この声は低い。」
tíula が軽性名詞句の中心で、指示詞 sé が名詞句を閉じる。その後の núl は名詞句内部の修飾語ではなく述語形容詞になる。軽性単数の述語形容詞は無語尾。声・音のピッチが低いことを言う。
fíndim tíulan núlan
読み:フィンディン ティーウラン ヌーラン
| fínd-im | tíul-an | núl-an |
| 聞く-<私が> | 音-<対格> | 低い-<対格> |
「私は低い声(音)を聞く。」
tíula は「音・声」の意で軽性。fínd-「聞く」の目的語として単数対格 tíulan を取り、それに後置された形容詞も軽性対格 núlan に一致する。この用法の núl は高さではなく、声や音のピッチが低いことを表す。
ké na þála unlóur tíula léumes?
読み:ケー ナ サーラ ウンロール ティーウラ レウメス?
| ké | na | þál-a | unlóur | tíula | léum-es? |
| <〜か> | <〜ない> | やむ-<(軽いものが)> | まだ | 音<主格> | 風-<属格> |
「風の音はまだやまないのか?」
否定の na と「まだ」unlóur を添えた疑問文。見出し語 þál- の基本語形 þál-a を使う。主語 tíula は軽性の単数で、動詞は3人称単数軽性の語尾 -a をとる。属格 léumes が名詞句の後ろに続く。
sórel, ésa tíula þrúl.
読み:ソーレル、エーサ ティーウラ スルール。
| sórel, | és-a | tíula | þrúl. |
| 今日 | いる-<(軽いものが)> | 音<主格> | 騒がしい |
「今日は音が騒がしい。」
くだけた家庭内の呟きとして自然な文。存在の文 és- の主語が軽性単数 tíula で、述語形容詞 þrúl も軽性単数主格の形になる。þrúl- は、音そのものの物理的な大きさではなく、聞き手がその音を受けて不快であることを表す。
声の響き
人の声や詩句の、音としての美しさ。
séuril tíula virár, gléin selvá.
読み:セウリル ティーウラ ヴィラール、グレーン セルヴァー。
| séuril | tíula | vir-ár, | gléin | selvá. |
| 美しい | 響き<主格> | 言葉-<〜らの> | 清い | 息<主格> |
「美しきは言葉の響き、清きは息。」
整った言葉をほめるときに引く、格言ふうの詩句。諺や詩では繋辞を落として形容詞を先に置くので、それだけで格言だとわかる。この意味の tíula は、人の声や詩句の音としての美しさを言う。
ésa tíula ombrílur sélvanes gléin.
読み:エーサ ティーウラ オンブリールル セルヴァネス グレーン。
| és-a | tíula | ombríl-ur | sélvan-es | gléin. |
| いる-<(軽いものが)> | 響き<主格> | 句-<〜らの> | セルヴァン-<属格> | 清い |
「「セルヴァンの句の響きは清らかだ。」」
人の詩をほめるときの言い方。詩は句と拍で数え、句の響き(強勢と音節の重さの並び)が整っていることが教養の証とされる。名詞句の中では、中心の名詞 tíula の後ろに属格が続く。繋辞と述語の形容詞は、軽性の主語 tíula に一致している。
音・響き。音は息と同じく「上へ昇るもの」で、軽性に属する。青銅の鐘や鈴の音は魔を払い、祭祀に欠かせない。人の声の響き、詩の音の美しさについても言う。重い物がぶつかる鈍い音は、別の語で区別される。
na þríla tíula.
読み:ナ スリーラ ティーウラ。
| na | þríl-a | tíula. |
| <〜ない> | 震える-<(軽いものが)> | 声<主格> |
「声は震えない。」
声や息を主語に立てる形。声 tíula は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性 -a をとる。直説法の否定は na を動詞の直前に置く。慰め・観察で使う。
軽性・a語幹。強勢は語根にある(tíula/tíulan/tíules…)。
鈴の音をまねた擬音 tíu に由来するとされる。
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