小説
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転がる(物が表面を回転して進む)
石・木の実・卵・球状の物が、地面や斜面の上を回転しながら移動する運動。表面と継続的に接している点が brúum-「落ちる」との違いである。
tróuno món es dúnos.
読み:トローノ モーン エス ドゥーノス。
| tróun-o | món | es | dún-os. |
| 転がる<〜し終えた>-<(重いものが)> | 石<主格> | から | 丘-<属格> |
「石が丘から転がった。」
記録文のような平叙。完了相は u の語根 trún- が ou に変わる。es+属格で「〜から」を表し、出どころを示す。
転げ落ちる(人が斜面を転がる)
人が斜面や段差を転げ落ちる様子。þréun-「よろける」が一度だけつまずいて倒れるのに対し、trún- は何度も回転しながら下へ行く運動を含む。
mé trún du klivó, endríña!
読み:メー トルーン ドゥ クリヴォー、エンドリーニャ!
| mé | trún | du | klivó, | endríña! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 転がる<命令法><あなたが> | 下手 | 斜面<対格> | 子<主格> |
「斜面を転げ落ちるな、子ども!」
子どもへの禁止。命令法の 2人称単数は語幹がむき出しになり trún となる。þréun- が一度つまずいて倒れるのに対し、trún- は何度も回転しながら下へ行く含みがある。縁や崖道のくだけた言葉では直説法 trúna の語末母音が落ちて trún ともなり、命令形と同形に見える。
うまく回る(比喩)
物事が順調に進んでいく様子。市や取引の場で「荷がうまく転がっていく」=商いが回る、という意味で使う。
trúno fáron sáunin un kéndoroi.
読み:トルーノ ファーロン サウニン ウン ケンドロイ。
| trún-o | fáron | sáun-in | un | kéndor-oi. |
| 転がる-<(重いものが)> | 荷<主格> | 良い-<〜して・〜く> | 内に | 市-<与格> |
「荷が市の中でうまく回る。」
市や取引の場で、商いが順調に進むことを「荷がうまく転がる」と言って表す。形容詞 sáun に -in をつけて「よく・うまく」の意の副詞を作る。un+与格で「〜の中で」。
石・木の実・球状の物が、斜面や地面の上を回転しながら進んでいく運動を表す基本の動詞。表面と接しながら回る点で、垂直に落下する brúum-「落ちる」と区別され、人がつまずいて倒れる þréun-「よろける」とも意味が異なる。無機物の転がり(小石が崖の縁から外へ回る、どんぐりが斜面を転がる)が基本の用法で、人が斜面を転げ落ちる場合や、物事が順調に回って進んでいく比喩的な場合にも使う。縁や崖道のくだけた言葉では語末の母音が落ちて trún の形で語幹がむき出しになることがある。
prálan trúndul si kumbórul.
読み:プラーラン トルンドゥル シ クンボールル。
| prál-an | trúnd-ul | si | kumbór-ul. |
| ぶつかる-<彼らが> | 杭-<〜たちが> | と | 青銅-<〜たちが> |
「杭と青銅の塊とがぶつかり合った。」
ぶつかり合う意味では、物の複数や群れを si で並べて主語にする。複数主語には動詞の3人称複数語形 -an をつける。
自動詞。完了語幹 tróun-(u→ou)。例:trúno món.「石が転がる」、tróuno moníño.「小石が転がっていった」。
古高原語 *trún- から。語源は不明だが、語末の鼻音 n と長母音 ú が「回って戻る」円運動の感覚を表すと考えられる。brúum-「落ちる」や þréun-「よろける」とは別系統の語根である。
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