brúum-

品詞
動詞(自動詞)
意味
落ちる
辞書形
brúuma
発音
[ˈbruuma]
読み
ブルーマ
分野
基本動作

意味

  1. 落ちる

    ものが支えを失って落ちる。

    lúin brúuma éndra es orénos, dúlau gromó si selvá.

    読み:ルーイン ブルーマ エンドラ エス オレーノス、ドゥーラウ グロモー シ セルヴァー。

    lúinbrúum-aéndraesorén-os,dúl-augromósiselvá.
    とき落ちる-<(軽いものが)>人<主格>から縁-<属格>下る-<双数>体<主格>と魂<主格>

    「人が縁から落ちると、体も魂もともに下へ引かれていく。」

    崖から落ちて死ぬことが恐れられる理由を述べる、教えの文。単数の名詞を si で二つ並べたので、動詞は双数の dúlau になり、性を区別しない。重い体と軽い魂がそろって下るのは、高原の考えではいちばん不吉なことである。

    brúumo ílmo es lóuros du lóur.

    読み:ブルーモ イルモ エス ローロス ドゥ ロール。

    brúum-oílmoeslóur-osdulóur.
    落ちる-<(重いものが)>水<主格>から瀬-<属格>下手瀬<対格>

    「水は瀬から瀬へと落ちていく。」

    川の流れを言い表す文。es+属格で「〜から」、du+対格で「下手の〜へ」を表す。lóur は重性なので、対格は主格と同じ形になる。川の水が段を下るごとに落ちていくという見方は、系譜を瀬で数える考え方のもとになっている。

    brúumo pélsa es fáronos.

    読み:ブルーモ ペルサ エス ファーロノス。

    brúum-opélsaesfáron-os.
    落ちる-<(重いものが)>脂の木の材・荷札<主格>から荷-<属格>

    「荷札が荷から落ちた。」

    荷札を主語にした文。名詞は軽性の語形 pélsa のままだが、伐った材を指すので、動詞は3人称単数・重性の -o で一致する。立ち木なら同じ動詞でも brúuma になる。

    brúumo frúm es fréunos táses.

    読み:ブルーモ フルーン エス フレウノス ターセス。

    brúum-ofrúmesfréun-ostás-es.
    落ちる-<(重いものが)>血<主格>から額-<属格><あなた>-<属格>

    「お前の額から血が垂れているぞ。」

    けがを知らせるくだけた文。主語の frúm「血」が重性なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。es+属格で「〜から」を表す。時制の語形がないので、「垂れた」とも「垂れている」とも読める。

    brúumo ílmo es drálos só.

    読み:ブルーモ イルモ エス ドラーロス ソー。

    brúum-oílmoesdrál-ossó.
    落ちる-<(重いものが)>水<主格>から器の首-<属格>この<重性>

    「この(甕の)口もとから水がこぼれる。」

    drál は、甕や瓶の細くくびれた口もとも指す。重性の指示詞 só は格変化せず、名詞句の終わりに置く。主語の ílmo「水」は重性なので、動詞は -o をとる。

    víran dalorárai ré brúuma naþrenár es élvares.

    読み:ヴィーラン ダロラーライ レー ブルーマ ナスレナール エス エルヴァレス。

    vír-andalorár-airébrúum-anaþrenáresélvar-es.
    言う-<彼らが>下の国の者-<〜たちが><〜と(節)>落ちる-<(軽いものが)>異邦人<主格>から天-<属格>

    「下の国の者たちは、異邦人が天から落ちてきたと言う。」

    干潟の言い伝えを、高原の人が伝え聞いた形で言う文。ré の節は主節の後ろに置く。高原の世界観では、上から落ちてくる者は流れ星と同じく不吉なものとされるので、この種の話は泥の国の迷信として語られることが多い。es+属格で方向を問わない「〜から」。

    raumíre endríña glüníñoi, bruuméla du ílmo.

    読み:ラウミーレ エンドリーニャ グリュニーニョイ、ブルーメーラ ドゥ イルモ。

    raum-ír-eendríñaglüníñ-oi,bruum-él-aduílmo.
    歩く-<もし〜なら>-<(軽いものが)>子ども<主格>薄氷-<与格>落ちる-<〜だろう>-<(軽いものが)>下手水<対格>

    「「子どもが薄氷の上を歩けば、水に落ちるだろう。」」

    凍りの頃の事故を戒める文。条件の節は動詞を仮定法にするだけで作り、帰結の節は推量法で言う。水に落ちることは「下へ引かれる」恐ろしい出来事とされるので、du + 対格「下手へ」を使う。主語は人なので、動詞は軽性の形をとる。

    lúin brúuma réina, éso rúndo múr.

    読み:ルーイン ブルーマ レーナ、エーソ ルンド ムール。

    lúinbrúum-aréina,és-orúndomúr.
    とき落ちる-<(軽いものが)>雨<主格>いる-<(重いものが)>走り水<主格>濁った

    「雨が降ると、走り水は濁る。」

    lúin で始まる「〜とき」の節を、主節の前に置いた文。雨 réina は軽性で、地を走る水 rúndo は重性なので、二つの節で動詞の語尾が -a と -o に分かれる。雨期に谷の流れが増水して濁るようすを言う。

    lúin brúuma réina, ésa fléura du aursárail.

    読み:ルーイン ブルーマ レーナ、エーサ フレウラ ドゥ アウルサーライル。

    lúinbrúum-aréina,és-afléuraduaursár-ail.
    とき落ちる-<(軽いものが)>雨<主格>いる-<(軽いものが)>天の屋根<主格>下手祖先-<〜らに>

    「雨が降るときも、天の屋根は祖先の方々の下にある。」

    雨期に星が見えなくても不安に思わなくてよい、と説くときの決まった言い方。du+与格で「〜の下手に」。天の屋根が祖先の下にあるということは、祖先は屋根の上にいて、変わらず下界を聞いているということになる。

    brúuma réina sórel, mé gél du orén!

    読み:ブルーマ レーナ ソーレル、メー ゲール ドゥ オレーン!

    brúum-aréinasórel,mégélduorén!
    落ちる-<(軽いものが)>雨<主格>今日<禁止・願いの打ち消し>行く<命令法><あなたが>下手縁<対格>

    「今日は雨だ。縁へは行くな。」

    雨で崖道が滑るときに、目下の者や家の者に言う注意。雨は上から来るものなので軽性で、動詞は -a をとる。禁止は mé+命令法で、命令法の2人称単数はむき出しの語幹 gél になる。

    ké bruuméla réina dórel?

    読み:ケー ブルーメーラ レーナ ドーレル?

    kébruum-él-aréinadórel?
    <〜か>落ちる-<〜だろう>-<(軽いものが)>雨<主格>明日

    「明日は雨が降るだろうか。」

    天気を尋ねる日常の問い。未来のことは推量法で言う。強勢は -él- に移るので、語根の ´ は消える。答えるときは bruuméla「降るだろう」か na bruuméla と、動詞を繰り返す。

    brúuma hílva es élvares sórel.

    読み:ブルーマ ヒルヴァ エス エルヴァレス ソーレル。

    brúum-ahílvaesélvar-essórel.
    落ちる-<(軽いものが)>雪<主格>から天-<属格>今日

    「今日、天から雪が降った。」

    凍りの頃の朝によく交わす言葉。雪は上から来るものなので軽性で、動詞は -a をとる。es+属格で「〜から」。時制がないので、「降った」とも「降る」とも訳せる。

    lúin brúuma sírna, glǘno véinor.

    読み:ルーイン ブルーマ シルナ、グリューノ ヴェーノル。

    lúinbrúum-asírna,glǘn-ovéinor.
    とき落ちる-<(軽いものが)>霜<主格>凍る-<(重いものが)>湖<主格>

    「霜が降りるようになると、湖が凍る。」

    湖畔の村で季節の移り変わりを言う決まった言い方。従属節の主語 sírna は軽性なので動詞は -a をとり、主節の主語 véinor(地の上の水)は重性なので動詞は -o をとる。性の対比が、一つの文の中に出ている。

    dúlo krámbo es orénos, na brúumo.

    読み:ドゥーロ クランボ エス オレーノス、ナ ブルーモ。

    dúl-okrámboesorén-os,nabrúum-o.
    下る-<(重いものが)>崖山羊<主格>から縁-<属格><〜ない>落ちる-<(重いものが)>

    「崖山羊は縁から下りても、落ちはしない。」

    崖道でよく言われる言い回し。主語 krámbo が重性なので、二つの動詞はどちらも3人称単数・重性の -o をとる。後ろの節では主語を言わないが、動詞の語尾から同じ崖山羊が主語だとわかる。

    brúuma líndra, na hóina.

    読み:ブルーマ リンドラ、ナ ホイナ。

    brúum-alíndra,nahóin-a.
    落ちる-<(軽いものが)>金の落葉樹<主格><〜ない>帰る-<(軽いものが)>

    「金の葉は散り、もう戻らない。」

    去りゆく美しさを詠む詩句。過ぎた若さや亡くなった人をしのぶときに、会話の中でも引かれる。二つの節が接続詞なしで並び、区切りの印で区切られている。

    brúumo bóula es árneles.

    読み:ブルーモ ボーラ エス アルネレス。

    brúum-obóulaesárnel-es.
    落ちる-<(重いものが)>どんぐり<主格>から木-<属格>

    「どんぐりが木から落ちる。」

    村の日常の描写。名詞 bóula は軽性a語幹の形のままだが、木から離れた実はもう昇らないものなので、動詞は重性の -o で一致する。名詞の形と一致が「ちぐはぐ」になる例。es+属格で「〜から」を表す。

    brúumo frélo es máros némes.

    読み:ブルーモ フレーロ エス マーロス ネーメス。

    brúum-ofréloesmár-osném-es.
    落ちる-<(重いものが)>魚<主格>から手-<属格><私>-<属格>

    「魚が私の手から落ちた。」

    日常の文。frélo「魚」は重性o語幹なので、動詞は重性の -o をとる。már「手」も重性で、属格は -os。es+属格で「〜から」。所有者の属格 némes は名詞の後ろに置く。

    bruumíro fáron es orénos, droumélan faronárai.

    読み:ブルーミーロ ファーロン エス オレーノス、ドロウメーラン ファロナーライ。

    bruum-ír-ofáronesorén-os,droum-él-anfaron-ár-ai.
    落ちる-<もし〜なら>-<(重いものが)>荷<主格>から縁-<属格>嘆く-<〜だろう>-<彼らが>荷-<〜する人>-<〜たちが>

    「縁から荷が落ちれば、運び人たちは嘆くだろう。」

    条件の節は接続詞を使わず、動詞を仮定法にするだけで作る。仮定法の -ír- が強勢をとるので、語根の ´ は消えて bruumíro になる。崖から物が落ちることは忌まれるので、崖道の人々は口にするのを嫌う言い方でもある。

    brúumo frúm rús es máros némes.

    読み:ブルーモ フルーン ルース エス マーロス ネーメス。

    brúum-ofrúmrúsesmár-osném-es.
    落ちる-<(重いものが)>血<主格>赤いから手-<属格><私>-<属格>

    「私の手から赤い血が落ちる。」

    血 frúm は体に属するものなので重性。動詞は3人称単数・重性の -o をとり、形容詞 rús は重性の主格なので語尾がつかない。樵が手を切ったときのような日常の一言。

    brúumo reinándo bóralos só.

    読み:ブルーモ レイナンド ボーラロス ソー。

    brúum-oreinándobóral-ossó.
    落ちる-<(重いものが)>樋<主格>家-<属格>この<重性>

    「この家の樋が落ちた。」

    reinándo は甕も樋も表す。軒から落ちるものとして言われていれば、樋の意味だとわかる。重性なので動詞は -o をとる。時制がないので、文脈によって「落ちる」とも「落ちた」とも訳せる。

    aursáre! brúumsa faronár es orénos.

    読み:アウルサーレ!ブルーンサ ファロナール エス オレーノス。

    aursáre!brúums-afaron-áresorén-os.
    ああ落ちる<〜し終えた>-<(軽いものが)>荷-<〜する人>から縁-<属格>

    「ああ、ご先祖よ、運び人が縁から落ちてしまった。」

    凶事を聞いたときの言い方。崖から落ちて死ぬことは、魂が下へ引かれるとして最も恐れられる死に方で、このような知らせには aursáre を添えることが多い。brúum- の語根は長母音なので、完了相は -s- を足して brúums- になる。

    dáloro! brúumso fáron.

    読み:ダーロロ!ブルーンソ ファーロン。

    dáloro!brúums-ofáron.
    ちくしょう落ちる<〜し終えた>-<(重いものが)>荷<主格>

    「ちくしょう!荷が落ちやがった。」

    dálor「下の国」の重性呼格から来た卑語。「下の国よ」と呼ぶことが悪態になる。崖道の運び人の言葉に多く、炉の前や目上の人の前では口にしてはならない。fáron は重性なので、動詞は -o をとる。

    brúumo krǘmo endríñes

    読み:ブルーモ クリューモ エンドリーニェス

    brúum-okrǘmoendríñ-es
    落ちる-<(重いものが)>歯<主格>子-<属格>

    「子どもの歯が抜けた。」

    子どもの乳歯が抜けた場面。brúumo は主語 krǘmo が重性なので3人称単数・重性語尾-oで受ける。所有者 endríñ-es は名詞krǘmoの後ろに属格を置く。

  2. 転ぶ

    人がつまずいて倒れる。凍った道や坂でよく使う。

    ké brúumes? na brúumim.

    読み:ケー ブルーメス?ナ ブルーミン。

    kébrúum-es?nabrúum-im.
    <〜か>転ぶ-<あなたが><〜ない>転ぶ-<私が>

    「「転んだのか?」「いや、転んでない。」」

    親しい者どうしのくだけたやりとり。2人称を使っているので、同じ段か下向きの話し方になる。答えは動詞を自分の人称に変えて繰り返し、否定なら na を前に置く。

    bruumíre kelár, mé grúun.

    読み:ブルーミーレ ケラール、メー グルーン。

    bruum-ír-ekel-ár,mégrúun.
    転ぶ-<もし〜なら>-<(軽いものが)>伐る-<〜する人・主格><禁止・願いの打ち消し>怒る<命令法><あなたが>

    「樵が転んでも、怒るな。」

    凍った坂道や森の道での日常の文。条件の節は接続詞を使わず、動詞を仮定法にするだけで作る。仮定法の3人称単数・軽性は -e で終わる(bruumíre)。人は軽性なので、樵には軽性の形を使う。禁止は「mé+命令法」で、grúun はむき出しの語幹。

解説

意志と関わりなく、ものが落ちる、人が転ぶことを表す。dúl-「下る」は、決まった道や作法に従って下りることを言うが、brúum- は抑えのきかない落下を言う。崖から落ちて死ぬことは高原でいちばん恐れられる死である。そのため、人が崖から落ちたことをこの語で直接言うのは避けられ、遠回しな言い方が使われる。

文法

完了語根は brúums-。使役形 bruumíþ- は「取り落とす」の意味で、うっかり落とすことを言う。作法に従って下ろすのは dulíþ-。

語源

古高原語から受け継いだ語。もとは落ちる音を表す擬音語だったとも言われる。

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