小説
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量る
秤で重さや量を量る。
ván fáron, ende.
読み:ヴァーン ファーロン、エンデ。
| ván | fáron, | ende |
| 量る<命令法><あなたが> | 荷<対格> | どうぞ |
「荷を量ってくれ、頼む。」
縁の市の取引言葉。vánd- をむき出しの語幹で言うと、語末の nd が n に削られて ván になる。ende は願望法の語尾が固まってできた小辞。
aubandénde ausenár fáron.
読み:アウバンデンデ アウセナール ファーロン。
| au-band-énd-e | au-sen-ár | fáron |
| <お〜になる・御〜>-量る-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 荷<対格> |
「目付殿に、荷をお量りいただきたく存じます。」
前の例文と同じ用件を、都の手代が改まって言った形。au- と v- がくっついて aub- になる。ausenár は sén-「見る」+-ár「〜する人」に au- がついた語。名詞には補充形を使わない。
vándin fáron, lísa lisár plánan.
読み:ヴァンディン ファーロン、リーサ リサール プラーナン。
| vánd-in | fáron, | lís-a | lis-ár | plán-an. |
| 量る-<〜して・〜く> | 荷<対格> | 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 帳簿-<対格> |
「荷を量りながら、書記は帳簿を書く。」
未完了の語根+-in で「〜しながら」。量るのも書くのも書記。
lísa lisár plánan, vándin fáron.
読み:リーサ リサール プラーナン、ヴァンディン ファーロン。
| lís-a | lis-ár | plán-an, | vánd-in | fáron. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 帳簿-<対格> | 量る-<〜して・〜く> | 荷<対格> |
「書記は荷を量りながら、帳簿を書く。」
未完了の -in は文の後ろに置くのが基本。読点で区切るので、枠には数えない。
na vándin fáron, lísa lisár plánan.
読み:ナ ヴァンディン ファーロン、リーサ リサール プラーナン。
| na | vánd-in | fáron, | lís-a | lis-ár | plán-an. |
| <〜ない> | 量る-<〜して・〜く> | 荷<対格> | 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 帳簿-<対格> |
「荷を量らずに、書記は帳簿を書く。」
「〜せずに」は -in の動詞の前に na を置く。量らないのも書くのも書記。
lisésa lisár sáindarais, ré vandénde senár fáron.
読み:リセーサ リサール サインダライス、レー ヴァンデンデ セナール ファーロン。
| lis-és-a | lis-ár | sáindar-ais, | ré | vand-énd-e | sen-ár | fáron. |
| 書く-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 証文-<〜たちを> | <〜と(節)> | 量る-<〜しますように>-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人> | 荷<対格> |
「目付が荷を量れるよう、書記は証文を書くべし。」
市の決まりの文。sáindar は軽性の子音語幹なので、複数対格は -ais になる。ré+願望法で目的「〜するように」を表す。この願望法は丁寧さではなく、そうなってほしいことを表している。
vánda senár téir fáronul.
読み:ヴァンダ セナール テール ファーロヌル。
| vánd-a | sen-ár | téir | fáron-ul. |
| 量る-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人> | 三 | 荷-<〜たちを> |
「目付が荷を三つ量る。」
三以上の数詞の後ろの名詞は複数になる。fáron は重性なので、複数対格は -ul(主格と同じ形)。市の目付は秤と分銅を預かり、荷の重さを量って証文に印を押す。
ké vándes tambór? vándim.
読み:ケー ヴァンデス タンボール?ヴァンディン。
| ké | vánd-es | tambór? | vánd-im. |
| <〜か> | 量る-<あなたが> | 雑穀<対格> | 量る-<私が> |
「「雑穀を量るか?」「量る。」」
二人の発話で、倉や家で交わすくだけた問いと答え。高原語には「はい」にあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。時制がないので、「量ったか」「量ったよ」とも訳せる。tambór は重性なので、主格と対格が同じ形になる。
vánda senár fáron.
読み:ヴァンダ セナール ファーロン。
| vánd-a | sen-ár | fáron. |
| 量る-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人> | 荷<対格> |
「目付が荷を量る。」
直説法を使った基本の VSO の文。年代記や帳簿の地の文にも使う言い切りの形。直説法には法の印がないので、強勢は語根に残る(vánda)。fáron は重性なので、目的語でも主格と同じ形になる。
mé vandésa fáron du lisímei sáindares.
読み:メー ヴァンデーサ ファーロン ドゥ リシーメイ サインダレス。
| mé | vand-és-a | fáron | du | lis-ím-ei | sáindar-es. |
| <禁止・願いの打ち消し> | 量る-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 荷<対格> | 〜の後に | 書く-<〜の技・〜さ>-<与格> | 証文-<属格> |
「証文を書いたあとに荷を量らぬこと。」
市の決まりを述べる当為法の文。荷は先に秤で量り、そのあとで証文に書く、という順序を定めている。主語を言わないので「人は〜すべし」という一般の主語になり、軽性の形をとる。du+与格は、an+与格「〜の前に」と対になって使われる。
fáron pól vándes?
読み:ファーロン ポール ヴァンデス?
| fáron | pól | vánd-es? |
| 荷<対格> | どの<重性> | 量る-<あなたが> |
「「どの荷を量っているんだ?」」
縁の市でよく聞く問い。pél は名詞の後ろに置き、「名詞+pél」をひとまとまりにして文頭に出す。pél は格でも性でも形を変えない。fáron は重性なので、主格と対格が同じ形になる。2人称を使っているので、下向きか並びの話し方。
vánda senár lím gandérul.
読み:ヴァンダ セナール リーン ガンデールル。
| vánd-a | sen-ár | lím | gandér-ul. |
| 量る-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人> | 五 | 硬木-<〜たちを> |
「目付が硬木を五本量る。」
降ろし場での会話。lím の後ろなので名詞は複数になり、重性の gandér は複数対格 -ul をとる。話し言葉なので量の名詞 báron を省いている。森の言葉では lími とも言う。
vándim pómbarin fáronul.
読み:ヴァンディン ポンバリン ファーロヌル。
| vánd-im | pómbarin | fáron-ul. |
| 量る-<私が> | いくつか | 荷-<〜たちを> |
「荷をいくつか量る。」
pómbarin は数詞と同じく名詞の前に置き、後ろの名詞は複数になる。fáron「荷」は重性なので、複数対格は -ul。縁の市で手代が、途中の進み具合を伝えるときの言い方。帳簿では pómbarin のようなあいまいな数は書かず、かならず数字で書く。
þúnda senár lúdro vándos.
読み:スンダ セナール ルードロ ヴァンドス。
| þúnd-a | sen-ár | lúdro | vánd-os. |
| 裁く-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人> | 偽り<対格> | 秤-<属格> |
「市の目付は秤の偽りを裁く。」
縁の市で、秤の不正のような揉め事を言うときの言い方。lúdro は口にした嘘だけでなく、秤や印のごまかしにも使う。属格 vándos「秤の」は名詞の後ろに置く。vándo「秤」は強勢が語根にある例外的な o語幹名詞。
vándim méldo, ende.
読み:ヴァンディン メルド、エンデ。
| vánd-im | méldo, | ende. |
| 量る-<私が> | 蜜<対格> | どうぞ |
「蜜を量りますよ、どうぞ。」
縁の市でのやりとり。ende は願望法の語尾が固まってできた小辞で、市では「どうぞ・頼む」の軽い意味で添える。蜜は下ろし荷の一つ。
vándo kórvo tambór.
読み:ヴァンド コルヴォ タンボール。
| vánd-o | kórvo | tambór |
| 量る-<(重いものが)> | 倉の司<主格> | 雑穀<対格> |
「倉の司が雑穀を量る。」
役所としての倉の司が主語の文。主語が重性なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる(vánda ではなく vándo)。雑穀 tambór も重性で主格と対格が同じ形なので、動詞のすぐ後ろが主語、その次が目的語という VSO の語順で役割が決まる。乾風期の前半に税の雑穀を量って取り立てる場面の言い方。
vandésa grúndo kéndoros orénos.
読み:ヴァンデーサ グルンド ケンドロス オレーノス。
| vand-és-a | grúndo | kéndor-os | orén-os. |
| 量る-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 掛け<対格> | 縁の市-<属格> | 縁-<属格> |
「縁の市の掛けは、量って(精算して)おくべし。」
度量衡の碑に刻まれた市の決まりを思わせる、当為法の文。主語を言わないので一般の人が主語になり、軽性の形をとる。kéndor orénos で「縁の市」を表し、ここでは grúndo「掛け」にかかる属格になっている。
vándan lisárai meiró tambóros.
読み:ヴァンダン リサーライ メイロー タンボーロス。
| vánd-an | lis-ár-ai | meiró | tambór-os. |
| 量る-<彼らが> | 書く-<〜する人>-<〜たちが> | 税<対格> | 雑穀-<属格> |
「書記たちが雑穀の税を量る。」
乾風期の前半、倉の司が雑穀の税を取り立てる場面の文。meiró は méir-「与える」に重いものを表す -ó がついた語で、もとは「差し出されるもの」の意味。重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。何の税かは、属格を後ろに置いて表す。
vándir fáron an vélunei!
読み:ヴァンディル ファーロン アン ヴェールネイ!
| vánd-ir | fáron | an | vélun-ei! |
| 量る-<皆で〜せよ> | 荷<対格> | 上手 | 日の入り-<与格> |
「日が沈む前に荷を量れ。」
縁の市で、働き手たちに指図する命令(命令法の2人称複数)。時間は川の流れとして言い表すので、an+与格「日の入りの上手で」が「日の入りの前に」という意味になる。
seirénde, ende. vándim fáron.
読み:セイレンデ、エンデ。ヴァンディン ファーロン。
| seirénde, | ende. | vánd-im | fáron. |
| しばしお待ちを | どうぞ | 量る-<私が> | 荷<対格> |
「ちょっと待ってくれ、頼む。いま荷を量るから。」
縁の市で使う言い方。取引言葉では敬語の語形がほとんど落ちるが、seirénde は ende と同じく願望法の決まり文句として残り、軽い「ちょっと待って」の意味で使われる。ende を重ねて、さらに頼みの調子を加えている。
selvéna ausenár ré vandésa fáron.
読み:セルヴェーナ アウセナール レー ヴァンデーサ ファーロン。
| selvén-a | au-sen-ár | ré | vand-és-a | fáron. |
| おっしゃる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | <〜と(節)> | 量る-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 荷<対格> |
「目付殿は、荷を量るべしとおっしゃる。」
縁の市で、目付の言葉を伝える文。ré の節の中は、もとの当為法のまま引用している。当為法で主語を言わないときは一般の人が主語になり、軽性の形をとる。
lúin þrílo már, mé vandésa fáron.
読み:ルーイン スリーロ マール、メー ヴァンデーサ ファーロン。
| lúin | þríl-o | már, | mé | vand-és-a | fáron. |
| とき | 震える-<(重いものが)> | 手<主格> | <禁止・願いの打ち消し> | 量る-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 荷<対格> |
「手が震えるときは、荷を量ってはならない。」
帳場や作法書に見る規則。時節 lúin 節は主節の前に置ける。手のみが一時的に震える(意味2)。主節は主語を言わない当為法なので軽性形 vandésa。
éso fáron só navánden
読み:エーソ ファーロン ソー ナヴァンデン
| és-o | fáron | só | na-vánd-en |
| いる-<(重いものが)> | 荷<主格> | この<重性> | <〜ない>-量る-<〜した・〜された> |
「この荷は取るに足らぬ。」
縁の市で品物を値踏みする日常の場面。形容詞は主語の重性単数主格と一致し、語尾を添えない。実際の品物に直接向けると切り捨てが強い。
ésa virá némes navánden
読み:エーサ ヴィラー ネーメス ナヴァンデン
| és-a | virá | ném-es | na-vánd-en |
| いる-<(軽いものが)> | 言葉<主格> | <私>-<属格> | <〜ない>-量る-<〜した・〜された> |
「私の言葉は取るに足らぬ。」
礼の場や会釈の場で、自分の申し述べをへりくだる言い方。virá は軽性a語幹の単数主格。形容詞は主語に一致して無標識。
vándim fáron króndeloi.
読み:ヴァンディン ファーロン クロンデロイ。
| vánd-im | fáron | króndel-oi |
| 量る-<私が> | 荷<対格> | 石の定め-<与格> |
「私は石の定めのところで荷を量る。」
作業の日常文。主語は動詞語尾で示す。króndeloi は重性子音語幹の与格単数で、場・場所を示す。荷を量る行為が石に据えられた規則に従うことを表す。
vándan kundárai fáron
読み:ヴァンダン クンダーライ ファーロン
| vánd-an | kundár-ai | fáron |
| 量る-<彼らが> | 役人-<〜たちが> | 荷<対格> |
「役人たちが荷を量る。」
縁の市や降ろし場の帳場で、度量の手当て・荷の検めを記す文。複数主語でも人を数詞で直接数えず、名詞の複数形で受ける。荷を量るのは帳場の勤め人の仕事として描かれる。
ké vándes fáron þílin?
読み:ケー ヴァンデス ファーロン シーリン?
| ké | vánd-es | fáron | þílin? |
| <〜か> | 量る-<あなたが> | 荷 | わざと |
「わざと荷を量るのか。」
対等か目下の相手への問い。ké を文頭に置き、主語の人称は動詞語尾に含める。目的語 fáron は重性名詞で対格同形。
vándim prámbo vóoros.
読み:ヴァンディン プランボ ヴォーロス。
| vánd-im | prámbo | vóor-os. |
| 量る-<私が> | 値<対格> | 紫染め-<属格> |
「私は紫染めの値を量る。」
帳簿・会計での用法。prámbo「値」を数えるものを属格 vóoros で示す。紫染料や紫布などの取引品としての意味。
ván snór fáronos, ende.
読み:ヴァーン スノール ファーロノス、エンデ。
| ván | snór | fáron-os, | ende. |
| 量る<命令法><あなたが> | 幅 | 荷-<属格> | どうぞ |
「荷の幅を量ってくれ、頼む。」
荷検めや取引きでの日常的な依頼。snórは測られる寸法そのものとして直接の目的語に取る。重性名詞のため、対格は主格と形が同じ。
ké vándes kailsámon só?
読み:ケー ヴァンデス カイルサーモン ソー?
| ké | vánd-es | kailsámon | só? |
| <〜か> | 量る-<あなたが> | 革<対格> | この<重性> |
「この革を量るのか。」
市での日常会話。kéは文頭に置いてはい/いいえの問いを作る。重性名詞は主格と対格が同形だが、動詞の直後が主語、その次が目的語という語順から対格と読む。
vándim fáron só silóur.
読み:ヴァンディン ファーロン ソー シロール。
| vánd-im | fáron | só | silóur |
| 量る-<私が> | 荷<対格> | この<重性> | も |
「私はこの荷も量る。」
目的語名詞句の末尾に置いた例。指示詞 só は重性荷に合わせる。取り立ては指示詞の後ろに置かれ、名詞句そのものの格は変わらない。
vándo þailvéinor prámbo só
読み:ヴァンド サイルヴェーノル プランボ ソー
| vánd-o | þailvéinor | prámbo | só |
| 量る-<(重いものが)> | 都<主格> | 値<対格> | この<重性> |
「都はこの値を決める。」
市・帳場での場面。prámbo は値を重さで表す語であり、vánd-「量る」がこの値を計って定める意味に転じて使う。þailvéinor は都側・当局を指す換喩。指示詞 só は名詞 prámbo と性のみで一致し、格には変化しない。
vándim ín rimbó tambóros.
読み:ヴァンディン イーン リンボー タンボーロス。
| vánd-im | ín | rimbó | tambór-os. |
| 量る-<私が> | 一 | 枡<対格> | 雑穀-GEN. |
「雑穀を枡一枡、量る。」
日常の計量の場面。数量の単位として rimbó を用いる。不定の数量詞 ín は名詞の前に置き、測られた物は部分属格 tambóros で表す。
vánda vándar frélo sakonén só.
読み:ヴァンダ ヴァンダル フレーロ サコネーン ソー。
| vánd-a | vándar | frélo | sakonén | só |
| 量る-<(軽いものが)> | 商人<主格> | 魚<対格> | 塩漬けの | この<重性> |
「商人はこの塩漬けの魚を量る。」
市で、塩蔵品としての魚の重さを量る場面。主語 vándar は -ár 由来の軽性なので、動詞は 3人称単数・軽性の vánda。目的語 frélo は重性で、対格が主格と同形。目的語名詞句は「名詞-形容詞-指示詞」の順に並び、sakonén は「塩漬けの」の意。
na vándim tromsnórul faronárar, salóur vándim fáron.
読み:ナ ヴァンディン トロンスノールル ファロナーラル、サロール ヴァンディン ファーロン。
| na | vánd-im | tromsnór-ul | faronár-ar, | salóur | vánd-im | fáron. |
| <〜ない> | 量る-<私が> | 歩幅-<〜たちを> | 運び人-<〜らの>, | しかし | 量る-<私が> | 荷<対格> |
「運び人たちの歩幅は量らず、荷を量る。」
帳場や書面の作法を示す文。人の歩みを直接量るのではなく、荷の重さを見積もる。salóurは流れを変える逆接。tromsnórulは重性子音語幹の複数対格で主格と同形、faronárarは運び人の複数属格。
ké vándes fáron, orvél líses sáindaran?
読み:ケー ヴァンデス ファーロン、オルヴェール リーセス サインダラン?
| ké | vánd-es | fáron, | orvél | lís-es | sáindar-an? |
| <〜か> | 量る-<あなたが> | 荷<対格>, | OR | 書く-<あなたが> | 証文-<対格>? |
「荷を量っているのか、それとも証文を書いているのか。」
縁の市で働き手に仕事の種別を選ぶ問い。orvélが節を並べ、同じ2人称主語は第二節の動詞語尾だけで示す。目的語の枠は空けず、二つ目の節でも名詞を置く。
lís plíndo, orvél na vandéla senár fáron.
読み:リース プリンド、オルヴェール ナ ヴァンデーラ セナール ファーロン。
| lís | plíndo, | orvél | na | vand-él-a | sen-ár | fáron. |
| 書く<命令法><あなたが> | 荷札<対格>, | OR | <〜ない> | 量る-<〜だろう>-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人・主格> | 荷<対格> |
「荷札を書け、さもなくば目付は荷を量らないだろう。」
市や帳場でのくだけた命令。命令法は語幹のむき出しの形で、語尾標識がないため書く.IMP.2SGのようにドットで法・人称を示す。orvélが後節の頭に立ち、成り行きを推量法で示す。重性o語幹plíndoは主格と対格が同形なので、対格は無標示として.ACCで注記する。
éso fáron vánden salván.
読み:エーソ ファーロン ヴァンデン サルヴァーン。
| és-o | fáron | vánd-en | salván. |
| いる-<(重いものが)> | 荷<主格> | 量る-<〜した・〜された> | 秤を越えて |
「荷は規定の分銅を越えて量られている。」
市の目付や倉の司の記録的な言い方。vánden salván で「量り越されている」。原句 sal vándoi を縮めた度量衡の感覚が残る。
ván þárno fúnelos, ende!
読み:ヴァーン サルノ フーネロス、エンデ!
| ván | þárno | fúnel-os, | ende! |
| 量る<命令法><あなたが> | 端<対格> | 綱-<属格> | どうぞ |
「綱の端を量ってくれ、頼む。」
日常の作業・市の場面での命令文。þárno は重性o語幹であり、単数の主格・対格は無標識の þárno と同型である。命令法では vánd- の語末子音連結が単純化して ván となる。所有主 fúnelos は重性属格で、物の所有を示す。
vándim þárnou fúnelos.
読み:ヴァンディン サルノウ フーネロス。
| vánd-im | þárn-ou | fúnel-os. |
| 量る-<私が> | 端-<双数・対格> | 綱-<属格> |
「私は綱の両端を量っている。」
þárn-ou は語幹 þárn- に重性o語幹の双数主格・対格 -ou が接した形で、グロスも 端-DU.ACC と二形態素に対応させる。fúnelos は属格。
重さや量を量る他動詞。市の目付が秤と青銅の分銅で荷を量ることが典型。市の決まり文句「秤に問え」が示すように、量ることは揉め事を収める手段でもある。
他動詞。直説法3単 vánda/vándo。完了語根 váind-。命令2単は語末の nd が n に削られて ván。尊敬 aubánd-、謙譲 dumbánd-(接頭辞と v- の不規則な融合)。
派生語に vándo「秤」。
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