vánd-

品詞
動詞
意味
量る
辞書形
vánda
発音
[ˈvanda]
読み
バンダ
分野
基本動作

意味

  1. 量る

    秤で重さや量を量る。

    ván fáron, ende.

    読み:ヴァーン ファーロン、エンデ。

    vánfáron,ende
    量る<命令法><あなたが>荷<対格>どうぞ

    「荷を量ってくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。vánd- をむき出しの語幹で言うと、語末の nd が n に削られて ván になる。ende は願望法の語尾が固まってできた小辞。

    aubandénde ausenár fáron.

    読み:アウバンデンデ アウセナール ファーロン。

    au-band-énd-eau-sen-árfáron
    <お〜になる・御〜>-量る-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>荷<対格>

    「目付殿に、荷をお量りいただきたく存じます。」

    前の例文と同じ用件を、都の手代が改まって言った形。au- と v- がくっついて aub- になる。ausenár は sén-「見る」+-ár「〜する人」に au- がついた語。名詞には補充形を使わない。

    vándin fáron, lísa lisár plánan.

    読み:ヴァンディン ファーロン、リーサ リサール プラーナン。

    vánd-infáron,lís-alis-árplán-an.
    量る-<〜して・〜く>荷<対格>書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>帳簿-<対格>

    「荷を量りながら、書記は帳簿を書く。」

    未完了の語根+-in で「〜しながら」。量るのも書くのも書記。

    lísa lisár plánan, vándin fáron.

    読み:リーサ リサール プラーナン、ヴァンディン ファーロン。

    lís-alis-árplán-an,vánd-infáron.
    書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>帳簿-<対格>量る-<〜して・〜く>荷<対格>

    「書記は荷を量りながら、帳簿を書く。」

    未完了の -in は文の後ろに置くのが基本。読点で区切るので、枠には数えない。

    na vándin fáron, lísa lisár plánan.

    読み:ナ ヴァンディン ファーロン、リーサ リサール プラーナン。

    navánd-infáron,lís-alis-árplán-an.
    <〜ない>量る-<〜して・〜く>荷<対格>書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>帳簿-<対格>

    「荷を量らずに、書記は帳簿を書く。」

    「〜せずに」は -in の動詞の前に na を置く。量らないのも書くのも書記。

    lisésa lisár sáindarais, ré vandénde senár fáron.

    読み:リセーサ リサール サインダライス、レー ヴァンデンデ セナール ファーロン。

    lis-és-alis-ársáindar-ais,révand-énd-esen-árfáron.
    書く-<〜すべし>-<(軽いものが)>書く-<〜する人>証文-<〜たちを><〜と(節)>量る-<〜しますように>-<(軽いものが)>見る-<〜する人>荷<対格>

    「目付が荷を量れるよう、書記は証文を書くべし。」

    市の決まりの文。sáindar は軽性の子音語幹なので、複数対格は -ais になる。ré+願望法で目的「〜するように」を表す。この願望法は丁寧さではなく、そうなってほしいことを表している。

    vánda senár téir fáronul.

    読み:ヴァンダ セナール テール ファーロヌル。

    vánd-asen-ártéirfáron-ul.
    量る-<(軽いものが)>見る-<〜する人>三荷-<〜たちを>

    「目付が荷を三つ量る。」

    三以上の数詞の後ろの名詞は複数になる。fáron は重性なので、複数対格は -ul(主格と同じ形)。市の目付は秤と分銅を預かり、荷の重さを量って証文に印を押す。

    ké vándes tambór? vándim.

    読み:ケー ヴァンデス タンボール?ヴァンディン。

    kévánd-estambór?vánd-im.
    <〜か>量る-<あなたが>雑穀<対格>量る-<私が>

    「「雑穀を量るか?」「量る。」」

    二人の発話で、倉や家で交わすくだけた問いと答え。高原語には「はい」にあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。時制がないので、「量ったか」「量ったよ」とも訳せる。tambór は重性なので、主格と対格が同じ形になる。

    vánda senár fáron.

    読み:ヴァンダ セナール ファーロン。

    vánd-asen-árfáron.
    量る-<(軽いものが)>見る-<〜する人>荷<対格>

    「目付が荷を量る。」

    直説法を使った基本の VSO の文。年代記や帳簿の地の文にも使う言い切りの形。直説法には法の印がないので、強勢は語根に残る(vánda)。fáron は重性なので、目的語でも主格と同じ形になる。

    mé vandésa fáron du lisímei sáindares.

    読み:メー ヴァンデーサ ファーロン ドゥ リシーメイ サインダレス。

    mévand-és-afárondulis-ím-eisáindar-es.
    <禁止・願いの打ち消し>量る-<〜すべし>-<(軽いものが)>荷<対格>〜の後に書く-<〜の技・〜さ>-<与格>証文-<属格>

    「証文を書いたあとに荷を量らぬこと。」

    市の決まりを述べる当為法の文。荷は先に秤で量り、そのあとで証文に書く、という順序を定めている。主語を言わないので「人は〜すべし」という一般の主語になり、軽性の形をとる。du+与格は、an+与格「〜の前に」と対になって使われる。

    fáron pól vándes?

    読み:ファーロン ポール ヴァンデス?

    fáronpólvánd-es?
    荷<対格>どの<重性>量る-<あなたが>

    「「どの荷を量っているんだ?」」

    縁の市でよく聞く問い。pél は名詞の後ろに置き、「名詞+pél」をひとまとまりにして文頭に出す。pél は格でも性でも形を変えない。fáron は重性なので、主格と対格が同じ形になる。2人称を使っているので、下向きか並びの話し方。

    vánda senár lím gandérul.

    読み:ヴァンダ セナール リーン ガンデールル。

    vánd-asen-árlímgandér-ul.
    量る-<(軽いものが)>見る-<〜する人>五硬木-<〜たちを>

    「目付が硬木を五本量る。」

    降ろし場での会話。lím の後ろなので名詞は複数になり、重性の gandér は複数対格 -ul をとる。話し言葉なので量の名詞 báron を省いている。森の言葉では lími とも言う。

    vándim pómbarin fáronul.

    読み:ヴァンディン ポンバリン ファーロヌル。

    vánd-impómbarinfáron-ul.
    量る-<私が>いくつか荷-<〜たちを>

    「荷をいくつか量る。」

    pómbarin は数詞と同じく名詞の前に置き、後ろの名詞は複数になる。fáron「荷」は重性なので、複数対格は -ul。縁の市で手代が、途中の進み具合を伝えるときの言い方。帳簿では pómbarin のようなあいまいな数は書かず、かならず数字で書く。

    þúnda senár lúdro vándos.

    読み:スンダ セナール ルードロ ヴァンドス。

    þúnd-asen-árlúdrovánd-os.
    裁く-<(軽いものが)>見る-<〜する人>偽り<対格>秤-<属格>

    「市の目付は秤の偽りを裁く。」

    縁の市で、秤の不正のような揉め事を言うときの言い方。lúdro は口にした嘘だけでなく、秤や印のごまかしにも使う。属格 vándos「秤の」は名詞の後ろに置く。vándo「秤」は強勢が語根にある例外的な o語幹名詞。

    vándim méldo, ende.

    読み:ヴァンディン メルド、エンデ。

    vánd-imméldo,ende.
    量る-<私が>蜜<対格>どうぞ

    「蜜を量りますよ、どうぞ。」

    縁の市でのやりとり。ende は願望法の語尾が固まってできた小辞で、市では「どうぞ・頼む」の軽い意味で添える。蜜は下ろし荷の一つ。

    vándo kórvo tambór.

    読み:ヴァンド コルヴォ タンボール。

    vánd-okórvotambór
    量る-<(重いものが)>倉の司<主格>雑穀<対格>

    「倉の司が雑穀を量る。」

    役所としての倉の司が主語の文。主語が重性なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる(vánda ではなく vándo)。雑穀 tambór も重性で主格と対格が同じ形なので、動詞のすぐ後ろが主語、その次が目的語という VSO の語順で役割が決まる。乾風期の前半に税の雑穀を量って取り立てる場面の言い方。

    vandésa grúndo kéndoros orénos.

    読み:ヴァンデーサ グルンド ケンドロス オレーノス。

    vand-és-agrúndokéndor-osorén-os.
    量る-<〜すべし>-<(軽いものが)>掛け<対格>縁の市-<属格>縁-<属格>

    「縁の市の掛けは、量って(精算して)おくべし。」

    度量衡の碑に刻まれた市の決まりを思わせる、当為法の文。主語を言わないので一般の人が主語になり、軽性の形をとる。kéndor orénos で「縁の市」を表し、ここでは grúndo「掛け」にかかる属格になっている。

    vándan lisárai meiró tambóros.

    読み:ヴァンダン リサーライ メイロー タンボーロス。

    vánd-anlis-ár-aimeirótambór-os.
    量る-<彼らが>書く-<〜する人>-<〜たちが>税<対格>雑穀-<属格>

    「書記たちが雑穀の税を量る。」

    乾風期の前半、倉の司が雑穀の税を取り立てる場面の文。meiró は méir-「与える」に重いものを表す -ó がついた語で、もとは「差し出されるもの」の意味。重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。何の税かは、属格を後ろに置いて表す。

    vándir fáron an vélunei!

    読み:ヴァンディル ファーロン アン ヴェールネイ!

    vánd-irfáronanvélun-ei!
    量る-<皆で〜せよ>荷<対格>上手日の入り-<与格>

    「日が沈む前に荷を量れ。」

    縁の市で、働き手たちに指図する命令(命令法の2人称複数)。時間は川の流れとして言い表すので、an+与格「日の入りの上手で」が「日の入りの前に」という意味になる。

    seirénde, ende. vándim fáron.

    読み:セイレンデ、エンデ。ヴァンディン ファーロン。

    seirénde,ende.vánd-imfáron.
    しばしお待ちをどうぞ量る-<私が>荷<対格>

    「ちょっと待ってくれ、頼む。いま荷を量るから。」

    縁の市で使う言い方。取引言葉では敬語の語形がほとんど落ちるが、seirénde は ende と同じく願望法の決まり文句として残り、軽い「ちょっと待って」の意味で使われる。ende を重ねて、さらに頼みの調子を加えている。

    selvéna ausenár ré vandésa fáron.

    読み:セルヴェーナ アウセナール レー ヴァンデーサ ファーロン。

    selvén-aau-sen-árrévand-és-afáron.
    おっしゃる-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人><〜と(節)>量る-<〜すべし>-<(軽いものが)>荷<対格>

    「目付殿は、荷を量るべしとおっしゃる。」

    縁の市で、目付の言葉を伝える文。ré の節の中は、もとの当為法のまま引用している。当為法で主語を言わないときは一般の人が主語になり、軽性の形をとる。

    lúin þrílo már, mé vandésa fáron.

    読み:ルーイン スリーロ マール、メー ヴァンデーサ ファーロン。

    lúinþríl-omár,mévand-és-afáron.
    とき震える-<(重いものが)>手<主格><禁止・願いの打ち消し>量る-<〜すべし>-<(軽いものが)>荷<対格>

    「手が震えるときは、荷を量ってはならない。」

    帳場や作法書に見る規則。時節 lúin 節は主節の前に置ける。手のみが一時的に震える(意味2)。主節は主語を言わない当為法なので軽性形 vandésa。

    éso fáron só navánden

    読み:エーソ ファーロン ソー ナヴァンデン

    és-ofáronsóna-vánd-en
    いる-<(重いものが)>荷<主格>この<重性><〜ない>-量る-<〜した・〜された>

    「この荷は取るに足らぬ。」

    縁の市で品物を値踏みする日常の場面。形容詞は主語の重性単数主格と一致し、語尾を添えない。実際の品物に直接向けると切り捨てが強い。

    ésa virá némes navánden

    読み:エーサ ヴィラー ネーメス ナヴァンデン

    és-aviráném-esna-vánd-en
    いる-<(軽いものが)>言葉<主格><私>-<属格><〜ない>-量る-<〜した・〜された>

    「私の言葉は取るに足らぬ。」

    礼の場や会釈の場で、自分の申し述べをへりくだる言い方。virá は軽性a語幹の単数主格。形容詞は主語に一致して無標識。

    vándim fáron króndeloi.

    読み:ヴァンディン ファーロン クロンデロイ。

    vánd-imfáronkróndel-oi
    量る-<私が>荷<対格>石の定め-<与格>

    「私は石の定めのところで荷を量る。」

    作業の日常文。主語は動詞語尾で示す。króndeloi は重性子音語幹の与格単数で、場・場所を示す。荷を量る行為が石に据えられた規則に従うことを表す。

    vándan kundárai fáron

    読み:ヴァンダン クンダーライ ファーロン

    vánd-ankundár-aifáron
    量る-<彼らが>役人-<〜たちが>荷<対格>

    「役人たちが荷を量る。」

    縁の市や降ろし場の帳場で、度量の手当て・荷の検めを記す文。複数主語でも人を数詞で直接数えず、名詞の複数形で受ける。荷を量るのは帳場の勤め人の仕事として描かれる。

    ké vándes fáron þílin?

    読み:ケー ヴァンデス ファーロン シーリン?

    kévánd-esfáronþílin?
    <〜か>量る-<あなたが>荷わざと

    「わざと荷を量るのか。」

    対等か目下の相手への問い。ké を文頭に置き、主語の人称は動詞語尾に含める。目的語 fáron は重性名詞で対格同形。

    vándim prámbo vóoros.

    読み:ヴァンディン プランボ ヴォーロス。

    vánd-imprámbovóor-os.
    量る-<私が>値<対格>紫染め-<属格>

    「私は紫染めの値を量る。」

    帳簿・会計での用法。prámbo「値」を数えるものを属格 vóoros で示す。紫染料や紫布などの取引品としての意味。

    ván snór fáronos, ende.

    読み:ヴァーン スノール ファーロノス、エンデ。

    vánsnórfáron-os,ende.
    量る<命令法><あなたが>幅荷-<属格>どうぞ

    「荷の幅を量ってくれ、頼む。」

    荷検めや取引きでの日常的な依頼。snórは測られる寸法そのものとして直接の目的語に取る。重性名詞のため、対格は主格と形が同じ。

    ké vándes kailsámon só?

    読み:ケー ヴァンデス カイルサーモン ソー?

    kévánd-eskailsámonsó?
    <〜か>量る-<あなたが>革<対格>この<重性>

    「この革を量るのか。」

    市での日常会話。kéは文頭に置いてはい/いいえの問いを作る。重性名詞は主格と対格が同形だが、動詞の直後が主語、その次が目的語という語順から対格と読む。

    vándim fáron só silóur.

    読み:ヴァンディン ファーロン ソー シロール。

    vánd-imfáronsósilóur
    量る-<私が>荷<対格>この<重性>も

    「私はこの荷も量る。」

    目的語名詞句の末尾に置いた例。指示詞 só は重性荷に合わせる。取り立ては指示詞の後ろに置かれ、名詞句そのものの格は変わらない。

    vándo þailvéinor prámbo só

    読み:ヴァンド サイルヴェーノル プランボ ソー

    vánd-oþailvéinorprámbosó
    量る-<(重いものが)>都<主格>値<対格>この<重性>

    「都はこの値を決める。」

    市・帳場での場面。prámbo は値を重さで表す語であり、vánd-「量る」がこの値を計って定める意味に転じて使う。þailvéinor は都側・当局を指す換喩。指示詞 só は名詞 prámbo と性のみで一致し、格には変化しない。

    vándim ín rimbó tambóros.

    読み:ヴァンディン イーン リンボー タンボーロス。

    vánd-imínrimbótambór-os.
    量る-<私が>一枡<対格>雑穀-GEN.

    「雑穀を枡一枡、量る。」

    日常の計量の場面。数量の単位として rimbó を用いる。不定の数量詞 ín は名詞の前に置き、測られた物は部分属格 tambóros で表す。

    vánda vándar frélo sakonén só.

    読み:ヴァンダ ヴァンダル フレーロ サコネーン ソー。

    vánd-avándarfrélosakonénsó
    量る-<(軽いものが)>商人<主格>魚<対格>塩漬けのこの<重性>

    「商人はこの塩漬けの魚を量る。」

    市で、塩蔵品としての魚の重さを量る場面。主語 vándar は -ár 由来の軽性なので、動詞は 3人称単数・軽性の vánda。目的語 frélo は重性で、対格が主格と同形。目的語名詞句は「名詞-形容詞-指示詞」の順に並び、sakonén は「塩漬けの」の意。

    na vándim tromsnórul faronárar, salóur vándim fáron.

    読み:ナ ヴァンディン トロンスノールル ファロナーラル、サロール ヴァンディン ファーロン。

    navánd-imtromsnór-ulfaronár-ar,salóurvánd-imfáron.
    <〜ない>量る-<私が>歩幅-<〜たちを>運び人-<〜らの>,しかし量る-<私が>荷<対格>

    「運び人たちの歩幅は量らず、荷を量る。」

    帳場や書面の作法を示す文。人の歩みを直接量るのではなく、荷の重さを見積もる。salóurは流れを変える逆接。tromsnórulは重性子音語幹の複数対格で主格と同形、faronárarは運び人の複数属格。

    ké vándes fáron, orvél líses sáindaran?

    読み:ケー ヴァンデス ファーロン、オルヴェール リーセス サインダラン?

    kévánd-esfáron,orvéllís-essáindar-an?
    <〜か>量る-<あなたが>荷<対格>,OR書く-<あなたが>証文-<対格>?

    「荷を量っているのか、それとも証文を書いているのか。」

    縁の市で働き手に仕事の種別を選ぶ問い。orvélが節を並べ、同じ2人称主語は第二節の動詞語尾だけで示す。目的語の枠は空けず、二つ目の節でも名詞を置く。

    lís plíndo, orvél na vandéla senár fáron.

    読み:リース プリンド、オルヴェール ナ ヴァンデーラ セナール ファーロン。

    lísplíndo,orvélnavand-él-asen-árfáron.
    書く<命令法><あなたが>荷札<対格>,OR<〜ない>量る-<〜だろう>-<(軽いものが)>見る-<〜する人・主格>荷<対格>

    「荷札を書け、さもなくば目付は荷を量らないだろう。」

    市や帳場でのくだけた命令。命令法は語幹のむき出しの形で、語尾標識がないため書く.IMP.2SGのようにドットで法・人称を示す。orvélが後節の頭に立ち、成り行きを推量法で示す。重性o語幹plíndoは主格と対格が同形なので、対格は無標示として.ACCで注記する。

    éso fáron vánden salván.

    読み:エーソ ファーロン ヴァンデン サルヴァーン。

    és-ofáronvánd-ensalván.
    いる-<(重いものが)>荷<主格>量る-<〜した・〜された>秤を越えて

    「荷は規定の分銅を越えて量られている。」

    市の目付や倉の司の記録的な言い方。vánden salván で「量り越されている」。原句 sal vándoi を縮めた度量衡の感覚が残る。

    ván þárno fúnelos, ende!

    読み:ヴァーン サルノ フーネロス、エンデ!

    vánþárnofúnel-os,ende!
    量る<命令法><あなたが>端<対格>綱-<属格>どうぞ

    「綱の端を量ってくれ、頼む。」

    日常の作業・市の場面での命令文。þárno は重性o語幹であり、単数の主格・対格は無標識の þárno と同型である。命令法では vánd- の語末子音連結が単純化して ván となる。所有主 fúnelos は重性属格で、物の所有を示す。

    vándim þárnou fúnelos.

    読み:ヴァンディン サルノウ フーネロス。

    vánd-imþárn-oufúnel-os.
    量る-<私が>端-<双数・対格>綱-<属格>

    「私は綱の両端を量っている。」

    þárn-ou は語幹 þárn- に重性o語幹の双数主格・対格 -ou が接した形で、グロスも 端-DU.ACC と二形態素に対応させる。fúnelos は属格。

解説

重さや量を量る他動詞。市の目付が秤と青銅の分銅で荷を量ることが典型。市の決まり文句「秤に問え」が示すように、量ることは揉め事を収める手段でもある。

文法

他動詞。直説法3単 vánda/vándo。完了語根 váind-。命令2単は語末の nd が n に削られて ván。尊敬 aubánd-、謙譲 dumbánd-(接頭辞と v- の不規則な融合)。

語源

派生語に vándo「秤」。

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