vrún-

品詞
動詞(他動詞)
意味
巻く
発音
[ˈvrun]
読み
ヴルーヌ
分野
基本動作

意味

  1. 巻く

    糸・綱・帯などを円形に回して巻き取る。巻胴に綱を巻く、糸を紡ぎ玉にする、帯を腰に巻く、すべてこの意味。

    vrúnim rúm

    読み:ヴルーニン ルーン

    vrún-imrúm
    巻く-<私が>袖<対格>

    「袖をまくる。」

    作業の前に袖をまくり上げる日常の場面。rúmを重性の子音語幹名詞として扱い、対格は主格と同形になる。第一人称単数の直説法で、時制は語形でなく文脈に依存する。

  2. 巻きつける

    綱・帯・布などを何かに何回か回して固定する。丸太を束ねて縛る、腕木に綱を巻きつける。

    vrún fúnel gandéroi, ende.

    読み:ヴルーン フーネル ガンデーロイ、エンデ。

    vrúnfúnelgandér-oi,ende.
    巻く<命令法><あなたが>綱<対格>硬木-<与格>どうぞ

    「硬木に綱を巻きつけてくれ、どうぞ。」

    作業場での依頼文。vrún は命令法2人称。fúnel は重性の直接目的語で無標識。gandér-oi は巻きつける先を示す与格。ende は取引言葉として命令文後に置かれる。

    vrúna faronár fúnel fáronoi.

    読み:ヴルーナ ファロナール フーネル ファーロノイ。

    vrún-afaronárfúnelfáron-oi.
    巻く-<(軽いものが)>運び人<主格>綱<対格>荷-<与格>

    「運び人が荷に綱を巻きつける。」

    通常の叙述。主語 faronár は軽性なので動詞は -a。直接目的語 fúnel は重性のため無標識、巻きつける先 fáronoi は与格語尾 -oi を受ける。

  3. (髪を)結う

    髪を円形にまとめ上げて結う。宮廷では髪の高さが身分を表すので、この動作自体に社会的意味が伴う。目上の人には auríþ- で言う。

    vrúna líura sóilan sélvan-es.

    読み:ヴルーナ リーウラ ソイラン セルヴァネス。

    vrún-alíurasóil-ansélvan-es.
    巻く-<(軽いものが)>女<主格>髪-<対格>セルヴァン-<属格>

    「女がセルヴァンの髪を結い上げる。」

    日常文。主語 líura は軽性。名詞句内の属格 sélvan-es で「セルヴァンの」を示す。髪 sóila は語彙上軽性の a語幹で、直接目的語は対格語尾 -an を受ける。

    na ésa sóila vrúnen.

    読み:ナ エーサ ソイラ ヴルーネン。

    naés-asóilavrún-en.
    <〜ない>いる-<(軽いものが)>髪<主格>巻く-<〜した・〜された>

    「髪は結い上げられていない。」

    書き言葉・儀礼文。na + ésa + 名詞 + 分詞 vrún-en で「〜している状態にない」。髪 sóila は語彙上軽性なので存在動詞は軽性。

解説

糸・綱・帯などを円形に回して巻き取る、または何かに巻きつける、基本的な他動詞。降ろし場の巻胴を回して綱を巻く、荷に帯を巻きつける、髪を結い上げる(結い髪)など、日常の「巻く」動作のすべてに使う。文化の文脈では、散らばったものを一つに集めて「上へ」まとめる行為として、わずかに尊い含みをもつ。髪を結い上げることは身分の表れなので、目上の人に「髪を結う」は敬語形 auríþ-(上げる)に切り替えることがある。

そのほかの用例

tréna líura téir vrúndul.

読み:トレーナ リーウラ テール ヴルンドゥル。

trén-alíuratéirvrúnd-ul.
編む-<(軽いものが)>女<主格>三束-<対格・〜ら(古い母音交替)>

「女は三本の束を編む。」

作業場の平叙文。基本語順はVSO。主語líuraは軽性の人名詞なので、動詞は3人称単数軽性の-aをとる。数詞téirは名詞の前に置き、三本以上なのでvrúndoを複数形vrúndulにする。vrúndoは重性o語幹として扱い、複数形は語根vrúnd-に-plural-ulをつけて作る。重性名詞の対格は語形で見えないため、目的語性は語順から読み取る。

trenésa téir vrúndul.

読み:トレネーサ テール ヴルンドゥル。

tren-és-atéirvrúnd-ul.
編む-<〜すべし>-<(軽いものが)>三束-<対格・〜ら(古い母音交替)>

「三本の束を編むべきだ。」

作業書のきまりや作法のように、当為法で主語を言わない一般主語の文。動詞は軽性の3人称単数形となる。当為法接尾辞-és-が強勢を奪うため、語根の強勢は消え、連続表記ではtrenésaとなる。目的語のvrúndulは重性o語幹の複数対格で、格語尾は見える形として現れない。

文法

他動詞。規則活用(vrúna / vrúno / vrúnim / vrúnes / vrúnau / vrúnan)。命令2単:vrún!

語源

新規の語根。v の滑らかな息の流れと、長母音 ú の持続が、円を描き続ける連続的な運動を連想させる。

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