klér

品詞
形容詞
意味
冷たい
発音
[ˈkler]
読み
クレール
分野
性質・状態

意味

  1. 冷たい

    温度が低いこと。

    éso ílmo klér un kórvoi.

    読み:エーソ イルモ クレール ウン コルヴォイ。

    és-oílmoklérunkórv-oi.
    いる-<(重いものが)>水<主格>冷たい内に倉-<与格>

    「倉の中に冷たい水がある。」

    前置詞つきの与格も、動詞の後ろにあれば存在の文と読む。

    un kórvoi, éso ílmo klér.

    読み:ウン コルヴォイ、エーソ イルモ クレール。

    unkórv-oi,és-oílmoklér.
    内に倉-<与格>いる-<(重いものが)>水<主格>冷たい

    「倉の中では、水は冷たい。」

    場所を動詞の前に出すと、述語の形容詞の文になる(場所を対比の前置きとして出した形)。

    éso ílmo klér an kórvoi.

    読み:エーソ イルモ クレール アン コルヴォイ。

    és-oílmoklérankórv-oi.
    いる-<(重いものが)>水<主格>冷たい上手倉-<与格>

    「水は倉より冷たい。」

    述語の形容詞のすぐ後ろの an+与格は、比較として読む。

    an kórvoi, éso ílmo klér.

    読み:アン コルヴォイ、エーソ イルモ クレール。

    ankórv-oi,és-oílmoklér.
    上手倉-<与格>いる-<(重いものが)>水<主格>冷たい

    「倉の北側では、水は冷たい。」

    比較でない場所の an+与格は、動詞の前に出す。

    ké an kórvoi, éso ílmo klér?

    読み:ケー アン コルヴォイ、エーソ イルモ クレール?

    kéankórv-oi,és-oílmoklér?
    <〜か>上手倉-<与格>いる-<(重いものが)>水<主格>冷たい

    「倉の北側では、水は冷たいか。」

    ké は文のいちばん前、そのあとに場面の枠が来る。

    éso ílmo klér ín an kórvoi.

    読み:エーソ イルモ クレール イーン アン コルヴォイ。

    és-oílmoklérínankórv-oi.
    いる-<(重いものが)>水<主格>冷たい一上手倉-<与格>

    「倉の北側に、冷たい水がある。」

    ín「一」を名詞句の終わりに置いて、不定の名詞句を閉じる。閉じたあとの an+与格は比較ではなく場所。

    ké an kórvoi, éso ílmo klér? éso.

    読み:ケー アン コルヴォイ、エーソ イルモ クレール?エーソ。

    kéankórv-oi,és-oílmoklér?és-o.
    <〜か>上手倉-<与格>いる-<(重いものが)>水<主格>冷たいいる-<(重いものが)>

    「「倉の北側では、水は冷たいか」「冷たい」」

    答えの形では、場面の枠も問いに出た語として省ける。

    éso fíndo némes klér.

    読み:エーソ フィンド ネーメス クレール。

    és-ofíndoném-esklér.
    いる-<(重いものが)>耳<主格><私>-<属格>冷たい

    「耳が冷たい。」

    凍りの頃によく聞く、くだけた言い方。「AはBだ」の文も繋辞 és- を先頭に置く。fíndo は体の部分なので重性で、繋辞は重性の -o をとる。述語の形容詞 klér は重性・単数・主格なので語尾がない。

    ésa léuma klér sórel.

    読み:エーサ レウマ クレール ソーレル。

    és-aléumaklérsórel.
    いる-<(軽いものが)>風<主格>冷たい今日

    「今日は風が冷たい。」

    日常の会話で天気を言う文。繋辞 és- を文頭に置き、「és-+主語+述語」の順に並べる。léuma は軽性なので、繋辞は3人称単数・軽性の -a をとる。述語の形容詞 klér も軽性・単数・主格の形で、語尾はつかない。léuma は吹いてくる高さを言わない一般の語なので、どちらから吹く風かを問わず使える。

    hél órelei, éso nébro klér.

    読み:ヘール オーレレイ、エーソ ネーブロ クレール。

    hélórel-ei,és-onébroklér.
    座る<命令法><あなたが>日の光-<与格>いる-<(重いものが)>霧<主格>冷たい

    「日なたに座れ。霧が冷たい。」

    家族や目下の者への、くだけた気づかいの言葉。órel の与格 órelei は「日の当たる所で」、つまり日なたの意味になる。hél- の命令法2人称単数は語幹そのままの形。後半の主語 nébro は重性なので、繋辞は éso になり、述語の形容詞 klér は一致の語尾をとらない。

    nílim ílmo klér es þéulos.

    読み:ニーリン イルモ クレール エス セウロス。

    níl-imílmokléresþéul-os.
    飲む-<私が>水<対格>冷たいから湧き水-<属格>

    「私は湧き水の冷たい水を飲む。」

    日常の文。地上を流れる水 ílmo は重性なので、主格と対格が同じ形になり、形容詞も語尾がつかない。es+属格で「〜から」と出どころを表す。

    éso gandér klér.

    読み:エーソ ガンデール クレール。

    és-ogandérklér.
    いる-<(重いものが)>硬木<主格>冷たい

    「硬木は冷たい。」

    手で触れた冷たさを言う文。主語の gandér は重性なので、繋辞は -o をとる。述語の形容詞は重性・単数・主格で一致し、語尾はつかない。

    klér nébro, fóum þovríl.

    読み:クレール ネーブロ、フォーン ソヴリール。

    klérnébro,fóumþovríl.
    冷たい霧<主格>暖かい茶<主格>

    「霧は冷たく、茶は温かい。」

    霧期に茶をすすめたり飲んだりするときに言う決まり文句。諺や詩と同じ語順なので、és- を省き、形容詞の述語を先に置いている。ふつうの名詞句は「名詞+形容詞」の順なので、形容詞が先頭に来ると格言だとわかる。

    ésa nóra sé klér, élþa elþá.

    読み:エーサ ノーラ セー クレール、エルサ エルサー。

    és-anóraséklér,élþ-aelþá.
    いる-<(軽いものが)>夜<主格>この<軽性>冷たい燃える-<(軽いものが)>火<主格>

    「今夜は冷える。火が燃えている。」

    凍りの頃の家の中の会話。nóra sé「この夜」で「今夜」を表す。指示詞は軽性の sé で、格では変化しない。述語の形容詞 klér は主語の nóra に一致する。

    un kórvoi, éso dulilmó klér.

    読み:ウン コルヴォイ、エーソ ドゥリルモー クレール。

    unkórv-oi,és-odulilmóklér.
    内に倉-<与格>,いる-<(重いものが)>水汲み桶<主格>冷たい

    「倉の中では、汲み桶が冷たい。」

    述語の形容詞の文(és-+主語+述語)。場所を動詞の前に出すと場面の枠として機能し、存在の文にはならない(統語論4.1)。動詞は主語の汲み桶(重性)に一致して -o。凍りの頃に井戸や谷の湧き水を汲んで倉に置いた桶が冷たい。

    tóro dulilmó klér an fóndaros.

    読み:トーロ ドゥリルモー クレール アン フォンダロス。

    tór-odulilmókléranfóndar-os.
    来る-<(重いものが)>水汲み桶<主格>冷たい上手源-GEN.

    「冷たい汲み桶が源から(戻って)来る。」

    名詞句 dulilmó klér(冷たい汲み桶)が主語。an+属格(「上手から・上流から」)で出どころを表す。tór-「来る」は自動詞なので目的語の枠がない。凍りの頃に、源のそばに置いていた汲み桶が冷たいまま持ち帰ってくる様子。

    éso þúlno mónos klér.

    読み:エーソ スルノ モーノス クレール。

    és-oþúlnomón-osklér.
    いる-<(重いものが)>床<主格>石-<属格>冷たい

    「石の床は冷たい。」

    日常の会話。重性子音語幹 món の属格単数は mónos。名詞句では中心語 þúlno の後ろに属格を置いて「石の床」と言い表す。述語形容詞 klér は名詞句の後に置かれる。

    kekéla ólmar eelþó klér.

    読み:ケケーラ オルマル エールソー クレール。

    kekél-aólmareelþóklér.
    こねる-<(軽いものが)>年長者<主格>灰<対格>冷たい

    「年長者が冷えた灰をかき回す。」

    炉場の日常。主語 ólmar は軽性単数なので動詞は kekéla。灰 eelþó は重性o語幹の単数で、対格は主格と同形。形容詞 klér は重性単数では無標で、名詞の後ろに置かれる。

    ké éso grél táses klér?

    読み:ケー エーソ グレール ターセス クレール?

    kéés-ogréltás-esklér?
    <〜か>いる-<(重いものが)>のど<主格><あなた>-<属格>冷たい

    「あなたののどは冷たいですか。」

    日常会話で身体の状態を尋ねる文。grél は身体部位としては重性の名詞とみなす。所有は名詞に属格 tás-es を後置する。述語形容詞 klér は重性単数の主格で無標識。

    ké éso ruunó táses klér?

    読み:ケー エーソ ルーノー ターセス クレール?

    kéés-oruunótás-esklér
    <〜か>be-<(重いものが)>後ろ<主格><あなた>-<属格>冷たい

    「「あなたの背(後ろ側)は冷たいか。」」

    人体の背面、背中から尻にかけての背面を表す用法。所有は名詞の後ろに属格の代名詞を置く。

    éso snulvéumo klér.

    読み:エーソ スヌルヴェウモ クレール。

    és-osnulvéumoklér.
    存在-<(重いものが)>穴風<主格>冷たい

    「穴風が冷たい。」

    日常の室内で、壁や窓の穴から入る風が冷たいと述べる文。述語形容文は繋辞 éso を文頭に置き、主語 snulvéumo を重性単数で受ける。

    lúin héla éndra, éso heló klér.

    読み:ルーイン ヘーラ エンドラ、エーソ ヘロー クレール。

    lúinhél-aéndra,és-ohelóklér.
    とき座る-<(軽いものが)>人<主格>居る-<(重いものが)>尻<主格>冷たい

    「人が座ると、尻は冷たい。」

    暮らしの心得や書物のような場面を想定した文。lúin で「〜とき」節を導き、節内も動詞を先頭に置いた VSO とする。heló は重性単数の主語で、klér はそれに一致して単数主格形のまま。

    éso krailmón klér.

    読み:エーソ クライルモーン クレール。

    és-okrailmónklér
    いる-<(重いものが)>石垣<主格>冷たい

    「石垣は冷たい。」

    重性子音語幹名詞の単数主格。存在・状態を表す繋辞 éso は主語 krailmón に一致して重性単数 -o をとる。

    éso unó só klér.

    読み:エーソ ウノー ソー クレール。

    és-ounósóklér
    いる-<(重いものが)>裏<主格>この<重性>冷たい

    「この裏は冷たい。」

    物や衣の背面を表す用法。表へ向けていない面を unó といい、重性名詞 unó に重性の指示詞 só を後置する。

    glünlúin, gíro duléumo klér már.

    読み:グリュンルーイン、ギーロ ドゥレウモ クレール マール。

    glünlúin,gír-oduléumoklérmár
    凍りの頃刺す-<(重いものが)>下風<主格>冷たい手<対格>

    「凍りの頃、冷たい下風が手を刺す。」

    凍りの頃の冷気による刺すような感覚。凍りの頃を場面の枠として文頭に置く。 klér が主語 duléumo を修飾する。冷気が主語の言い方は、改まった場でも自然。

    éso brespáumo klér.

    読み:エーソ ブレスパウモ クレール。

    és-obrespáumoklér.
    存在-<(重いものが)>肺<主格>冷たい

    「肺は冷たい。」

    brespáumo は重性o語幹の名詞で、主格単数では見出し形 brespáumo をそのまま一形態素として用いる。存在動詞 éso は主語の重性に一致する。

    lúin éso nébro húmel, éso gromsámon klér.

    読み:ルーイン エーソ ネーブロ フーメル、エーソ グロンサーモン クレール。

    lúinés-onébrohúmel,és-ogromsámonklér
    ときいる-<(重いものが)>霧<主格>湿った,いる-<(重いものが)>皮膚感<主格>冷たい

    「霧が湿ると、肌触りは冷たい。」

    霧期の触れ感。この文では皮膚表面で受ける感じの意味であり、gloss 上は「皮膚感」と出す。gromsámon も nébro も重性なので、いずれも 3単・重性の éso で受ける。

    éso ílmo klér un dulúnoi.

    読み:エーソ イルモ クレール ウン ドゥルーノイ。

    és-oílmoklérundulún-oi.
    いる-<(重いものが)>水<主格>冷たい内に底-<与格>

    「底のほうに冷たい水がある。」

    器物や空間の底を日常の所在文で述べる例。un は与格と組んで「〜の中で/側に」を示し、dulún の与格は重性語幹に -oi が付いた形。

    éso mardrál némes klér.

    読み:エーソ マルドラール ネーメス クレール。

    és-omardrálném-esklér.
    いる-<(重いものが)>手首<主格><私>-<属格>冷たい

    「私の手首は冷たい。」

    日常会話で身体の状態を述べる文。éso(és-o)は存在・述語の動詞 és-「いる」に 3 人称単数・重性の語尾 -o がついた形。主語名詞句「mardrál némes(私の手首)」が重性なので、動詞は 3 人称単数・重性になる。属格 ném-es は名詞の後ろに置かれ、述語の形容詞 klér は名詞句の外に置かれる。

    flínim ílmo klér.

    読み:フリーニン イルモ クレール。

    flín-imílmoklér.
    嫌う-<私が>水<対格>冷たい

    「冷たい水は嫌いだ。」

    炉ばたや食事の場で、冷たい水のように口当たりを拒む日常的な言い方。flín-は感情の語だが、構文は通常の他動詞で、経験者は動詞の人称語尾に示し、対象は対格にとる。重性単数のílmoは主格と対格が同形で、対格語尾は形態素として分けない。形容詞klérは名詞の後位に置かれ、重性単数の主格・対格では無標識となる。

    tína endríña ílmoi kléroi.

    読み:ティーナ エンドリーニャ イルモイ クレーロイ。

    tín-aendríñaílm-oiklér-oi
    慣れる-<(軽いものが)>子ども<主格>水-<単数・与格>冷たい-<単数・与格>

    「子どもは冷たい水に慣れる。」

    日常場面。tín- は主観的な順応を表し、対象には与格を用いる。重性o語幹 ílmo の単数与格は ílm-oi で、形容詞 klér も重性単数与格 klér-oi で一致する。物や道具が使い込まれて手になじむ意味には使わない。

  2. よそよそしい

    人の態度が冷ややかで、打ち解けないこと。

    víra senár viráis klérais orenvandárei.

    読み:ヴィーラ セナール ヴィライス クレーライス オレンヴァンダーレイ。

    vír-asen-árvir-áisklér-aisorenvandár-ei.
    言う-<(軽いものが)>見る-<〜する人>言葉-<〜たちを>よそよそしい-<軽性・〜ら(古い母音交替)・対格>縁商人-<与格>

    「目付は縁商人によそよそしい言葉をかける。」

    人の態度が冷ややかなことも klér で表す。この文では言葉を修飾している。語順は動詞–主語–目的語–与格(受け手)の基本どおり。段の外の相手に、改まってはいても打ち解けない話し方をする様子を言う。

    grémim virár klérar senáres.

    読み:グレーミン ヴィラール クレーラル セナーレス。

    grém-imvir-árklér-arsen-ár-es.
    恐れる-<私が>言葉-<〜らの>よそよそしい-<軽性・〜ら(古い母音交替)・属格>見る-<〜する人>-<属格>

    「「私は目付のよそよそしい言葉が怖い。」」

    人の態度の冷たさを言う転義。言葉 virá は軽性なので、形容詞も軽性・複数・対格の -ais で一致する。所有者を表す属格 senáres は、形容詞の後ろに置く。

解説

温度が低いことを言う基本の語。水、風、石、氷に使い、凍りの頃の空気や湖の水を言うときによく出てくる。高原では冷たさは悪いものではなく、澄んだ上の空気の性質とされる。人の態度について言うと「よそよそしい」の意味になる。

文法

形容詞。名詞の後ろに置き、性・数・格に一致する。

語源

古高原語 *klér- から。基本の形容詞で、派生・複合の構造は確認できない。

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