小説
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都
王の居所のある湖都。大湖の北岸の丘に段をなして広がる都市。
vólim plánan þailvéinoros
読み:ヴォーリン プラーナン サイルヴェーノロス
| vól-im | plán-an | þailvéinor-os |
| 読む-<私が> | 帳簿-<対格> | 都-<属格> |
「都の帳簿を読む。」
帳簿・帳場での場面。名詞句は中心語 plána の対格 plánan のあとに属格 þailvéinoros を置いて、「都の〜」を作る。þailvéinor を直接の目的語としてではなく、修飾語として属格にする点に注意。
都の側・都の人々
宮廷と都の人々を、縁・森・湖畔の村に対する一つの側としてまとめて言う転義。「都がそう決めた」「都の者は笑う」のように、くだけた話し方で使う。
vándo þailvéinor prámbo só
読み:ヴァンド サイルヴェーノル プランボ ソー
| vánd-o | þailvéinor | prámbo | só |
| 量る-<(重いものが)> | 都<主格> | 値<対格> | この<重性> |
「都はこの値を決める。」
市・帳場での場面。prámbo は値を重さで表す語であり、vánd-「量る」がこの値を計って定める意味に転じて使う。þailvéinor は都側・当局を指す換喩。指示詞 só は名詞 prámbo と性のみで一致し、格には変化しない。
王都(湖都)を指す語。中央の大湖の北岸の丘に築かれた、王の居所のある都市のことで、土地を指す語なので重性で変化する。もとは「澄んだ湖」という意味で、大湖とそのほとりの町を合わせて呼んだ名が、王家の都の名として固まった。高原には都が一つしかないので、ふつう名詞として「都」と言えば、この湖都のことになる。王国の正式名 anaurím(国全体)と違い、この語は都市そのものだけを指す。名詞の後ろに属格 þailvéinoros を置くと「都の〜」となり、職人・商家・役所・品物の出どころを言うのに使う(「都の彫り師」「都の紙」など)。þailvirá「都の改まった言葉」や þailfírna「都の書体」と同じく、þáil「澄んだ」を頭にもつ語の仲間で、「都のもの」は「澄んだもの」だという響きがつきまとう。湖盆の人々にとって「都へ行く」は用向きのある改まった旅で、ふだんの買い物はメウルで済ませる。縁や森の人の口では、この語に、礼法が重く値の高い、少し冷たい所という含みがこもることがある。
重性・子音語幹。主格・対格 þailvéinor、属格 þailvéinoros、与格 þailvéinoroi。ふつう単数でだけ使う。行き先を言うときも、ほかの土地と同じく方向の前置詞+対格で言う。
þáil「澄んだ」+ véinor「湖」の複合語。複合語なので前の要素の強勢は落ちる(meulvéinor「毛山羊の湖」と同じ作り)。大湖を呼んだ「澄み湖」の名が、そのほとりの町に移った。
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