þáil

品詞
形容詞
意味
澄んだ
発音
[ˈθail]
読み
サイル
分野
性質・状態

意味

  1. 澄んだ

    水・空気に濁りがないこと。

    aldána aldár áuren þáiles selúin.

    読み:アルダーナ アルダール アウレン サイレス セルーイン。

    aldán-aaldáráur-enþáil-esselúin.
    おわす-<(軽いものが)>座<主格>昇る-<〜した・〜された>澄んだ-<属格>今の世

    「今の世には、澄みの高き座がおわします。」

    年代記や碑文の改まった文体。ここでの selúin は「この瞬間」ではなく、今の王が座にある時代全体を指す。書き言葉なので座名をそのまま書いてよく、文字では上げ書きにする。aldán- は「いる」の尊敬の補充形。

    éso séimo véinoros þáil.

    読み:エーソ セーモ ヴェーノロス サイル。

    és-oséimovéinor-osþáil.
    いる-<(重いものが)>静み水<主格>湖-<属格>澄んだ

    「湖の静み水は澄んでいる。」

    湖や淵の静かな水を言う描写の文。séimo は、走り水 rúndo や湧き水 þéul と区別して使う。重性なので、繋辞は -o をとり、形容詞 þáil は語尾なしの形で一致している。

    ésa élvar þáil sórel, aurélau dáu sílarau.

    読み:エーサ エルヴァル サイル ソーレル、アウレーラウ ダウ シーララウ。

    és-aélvarþáilsórel,aur-él-audáusílar-au.
    いる-<(軽いものが)>天<主格>澄んだ今日昇る-<〜だろう>-<双数>二月-<双数>

    「今日は天が澄んでいる。二つの月も昇るだろう。」

    乾風期の晴れた日によく交わす言葉。述語の形容詞 þáil は軽性・単数・主格なので語尾がつかない。未来のことは推量法で言い、強勢は -él- に移る。dáu「二」の後ろの名詞は双数になり、双数の動詞は人称も性も区別しない。月は星ではないので、数えて双数にしてもかまわない。

    dúla anléuma es þráinos, ésa élvar þáil.

    読み:ドゥーラ アンレウマ エス スライノス、エーサ エルヴァル サイル。

    dúl-aanléumaesþráin-os,és-aélvarþáil.
    下る-<(軽いものが)>上の風<主格>から峰-<属格>いる-<(軽いものが)>天<主格>澄んだ

    「上の風が峰から下りてきて、空が澄みわたっている。」

    乾風期の初めのころの空模様を言う文。接続詞を使わずに主節を二つ並べ、あいだを区切りの印(読点)で区切っている。anléuma は北の高みから下りてくる風なので、動詞は「昇る」ではなく dúl-「下る」を使う。þráin「峰」は石の峰なので重性で、属格は -os になる。anléuma は清く良い風とされ、この風が吹くと星読みの季節が来る。

    éso þéul só þáil.

    読み:エーソ セウル ソー サイル。

    és-oþéulsóþáil.
    いる-<(重いものが)>湧き水<主格>この<重性>澄んだ

    「この湧き水は澄んでいる。」

    地を流れる水は重性なので、繋辞は éiso、指示詞は só になる。水の濁りのなさを言う、いちばん基本の用法。

    éso lóur só þáil, an þráinos tóro.

    読み:エーソ ロール ソー サイル、アン スライノス トーロ。

    és-olóursóþáil,anþráin-ostór-o.
    いる-<(重いものが)>瀬<主格>この<重性>澄んだ上手峰-<属格>来る-<(重いものが)>

    「この瀬は澄んでいる。峰の方から流れてくる水だ。」

    水の澄み方を言う用法。瀬 lóur は重性なので、繋辞は éiso、形容詞は重性の主格(語尾なし)。重性の指示詞 só が主語の名詞句の終わりを示す。後半は an+属格で「上手から」を表し、主語は前半と同じ瀬。北の高みから来る水ほど清いとされる。

    éso análor þáil

    読み:エーソ アナーロル サイル

    és-oanálorþáil
    いる-<(重いものが)>高原<主格>澄んだ

    「高原は澄んでいる。」

    崖の上の土地そのものを主語にする言い方。乾風期の澄んだ空気や天候を指す。重性の名詞に重性の繋辞 éso が対応する。

  2. 晴れた

    空に雲も霧もなく、星がよく見えること。

    lúin ésa élvar þáil, sénimor sílarau.

    読み:ルーイン エーサ エルヴァル サイル、セーニモル シーララウ。

    lúinés-aélvarþáil,sén-imorsílar-au.
    ときいる-<(軽いものが)>天<主格>晴れた見る-<我々が>月-<双数>

    「空が晴れると、我々には二つの月が見える。」

    lúin で始まる時の節を主節の前に置いている。雲も霧もない空を言う用法で、乾風期の夜によく使う。月は星ではないので、双数で言ってよい。

    lúin ésa élvar þáil, þondésa.

    読み:ルーイン エーサ エルヴァル サイル、ソンデーサ。

    lúinés-aélvarþáil,þond-és-a.
    ときいる-<(軽いものが)>天<主格>晴れた誓う-<〜すべし>-<(軽いものが)>

    「誓いは、空の晴れたときに立てるべし。」

    主語のない当為法は「人は〜すべし」という一般の主語を表し、軽性の形をとる。祖先が見ている、星の見える晴れた夜の誓いだけが重いとされ、霧の夜の誓いは無効とされる。

  3. 澄み

    名詞化して、澄んでいること自体を指す。座名などの称えの語に使う。

    néulimor þáilan élvares, grémimor nébros.

    読み:ネウリモル サイラン エルヴァレス、グレーミモル ネーブロス。

    néul-imorþáil-anélvar-es,grém-imornébr-os.
    好む-<我々が>澄み-<対格>天-<属格>恐れる-<我々が>霧-<属格>

    「「我々は空の澄みを好み、霧を恐れる。」」

    þáil を名詞として使い、軽性の対格 -an をつけている。二つの主節を読点で区切って並べた文。澄んだ空と霧を、上と下の対として語る高原らしい言い方。

    lísa lisár þelán aldáres áurenes þáiles sáindarei.

    読み:リーサ リサール セラーン アルダーレス アウレネス サイレス サインダレイ。

    lís-alis-árþel-ánaldár-esáur-en-esþáil-essáindar-ei.
    書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>名前-<対格>座-<属格>昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格>澄み-<属格>証文-<与格>

    「書記は証文に「澄みの高き座」の名を書く。」

    座名「aldár áuren+称えの語の属格」で、名詞として使った þáil「澄み」が称えの語になっている。座名ごと属格で þelán にかかる。書き言葉では座名を記してよく、上げ書きにする。

解説

水や空気に濁りがないことを言う語。高原語には、水の「澄んでいる」から「濁っている」までの段階を表す語が多く、þáil はそのいちばん上の段階。泉の水、乾風期の夜空、言葉や声の響きにも使う。王の座名の称えの語として、名詞化した属格(「澄みの」)で使われることがある。

文法

形容詞。名詞の後ろに置き、性・数・格に一致する。名詞化して「澄んだもの・澄み」の意味でも使う(属格 þáiles)。

語源

þéul「湧き水」と古い母音交替の関係にあるとする説がある。

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