小説
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お出ましになる
目上の人が出向く・行くことを高めて言う。
du pó fleiréla ausenár?
読み:ドゥ ポー フレイレーラ アウセナール?
| du | pó | fleir-él-a | au-sen-ár? |
| 下手 | 何<対格> | お出ましになる-<〜だろう>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> |
「目付殿は、下手のどちらへお出ましになるのでしょうか。」
上向きの問い。ké を使わず推量法で尋ね、相手は役職名+au- の3人称で言う。高原語には方向を決めない「どこへ」がないので、du pó「下手の何へ」と前置詞句ごと文頭に出す。東西なら or pó・vel pó と言う。
fléira aulisár si tóra faronár.
読み:フレーラ アウリサール シ トーラ ファロナール。
| fléir-a | au-lis-ár | si | tór-a | faron-ár. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人> | と | 来る-<(軽いものが)> | 荷-<〜する人> |
「書記の方がお出ましになり、運び人も来る。」
目上の人と目下の人は、一つの主語に並べずに二つの文に分けるのが改まった言い方。
lúin fléira aldár áuren es dúnos, snéiman éndrai.
読み:ルーイン フレーラ アルダール アウレン エス ドゥーノス、スネーマン エンドライ。
| lúin | fléir-a | aldár | áur-en | es | dún-os, | snéim-an | éndr-ai. |
| とき | お出ましになる-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | から | 王の丘-<属格> | 身をかがめる-<彼らが> | 人-<〜たちが> |
「高き座が王の丘からお出ましになると、人々は身をかがめる。」
都での王の行幸を言う文。単に dún と言っても、文脈から湖都の北の、王の居所がある丘を指す。fléir- は「行く」の尊敬の補充形。lúin の時の節は主節の前に置く。
fléira aldár áuren du orén.
読み:フレーラ アルダール アウレン ドゥ オレーン。
| fléir-a | aldár | áur-en | du | orén. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | 王の位 | 昇る-<〜した・〜された> | 下手 | 縁<対格> |
「高き座が、縁へお出ましになる。」
aldár áuren「高き座」は、王の位と今の王をあわせて指す総称で、今の王を指すときはこれだけで足りる。fléir- は「行く」の尊敬の補充形。王が縁の方へ下る行幸の知らせに使われる。
mé fleirénde ausenár du orén.
読み:メー フレイレンデ アウセナール ドゥ オレーン。
| mé | fleir-énd-e | au-sen-ár | du | orén. |
| <禁止・願いの打ち消し> | お出ましになる-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 下手 | 縁<対格> |
「目付殿、縁へはお出ましになりませぬよう。」
目上の人への禁止。命令法は使わず、「mé+願望法3人称」で言う。目の前の相手も、役職名に au- をつけた3人称の主語として扱う。du+対格で「下手へ」。orén は重性なので、主格と対格が同じ形になる。霧期に、霧のあふれる縁の方へ行くのをいさめるときの言い方。
or pó fleiréla aulisár dórel?
読み:オル ポー フレイレーラ アウリサール ドーレル?
| or | pó | fleir-él-a | au-lis-ár | dórel? |
| 日の出側 | 何<対格> | お出ましになる-<〜だろう>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人> | 明日 |
「書記の方は、明日は日の出側のどちらへお出ましになるのでしょうか。」
上向きの問い。目上の人には問いの小辞 ké を使わず、推量法 -él- で推し量る形で尋ねる。方向を決めない「どこへ」はないので、or pó「日の出側の何へ」と前置詞句ごと文頭に出す。推量法の接尾辞が強勢をとるので、語根の ´ は消える。
fléira aulisár du orén.
読み:フレーラ アウリサール ドゥ オレーン。
| fléir-a | au-lis-ár | du | orén. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人> | 下手 | 縁<対格> |
「書記の方は、縁へお出ましになる。」
目上の人の移動を言い切る文。fléir- 自体が「行く」gél- の尊敬の補充形なので、au- はつけない。主語の aulisár は役職名に au- をつけた高め名詞。du+対格で「下手へ」の意味になる。時制がないので「お出ましになった」とも訳せる。
an pó fleiréla aurél?
読み:アン ポー フレイレーラ アウレール?
| an | pó | fleir-él-a | aurél? |
| 上手 | どこ<対格> | お出ましになる-<〜だろう>-<(軽いものが)> | あの方 |
「あの方は、上手のどちらへお出ましになるのでしょうか。」
目上の人の行き先を尋ねる、上向きの問い。高原語には方向を決めない「どこへ」がないので、an pó「上手のどこへ」と前置詞句ごと文頭に出す。ké は使わず、推量法で推し量る形にする。fléir- は「行く」の尊敬の補充形で、強勢は推量法の -él- に移る。
fléira aurél an dún.
読み:フレーラ アウレール アン ドゥーン。
| fléir-a | aurél | an | dún. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | あの方<主格> | 上手 | 丘<対格> |
「あの方は丘の上へお出ましになる。」
目上の人の行き先を、同じ段の聞き手に伝える日常の文。aurél は él に尊敬の au- がついた語で、母音の前なので aur- の形になる。動詞にも「行く」の尊敬の補充形 fléir- を使い、主語と動詞の両方で相手を高めている。動詞は3人称単数・軽性。dún は重性なので、対格も主格と同じ形になる。
fléira ausenár du téndo.
読み:フレーラ アウセナール ドゥ テンド。
| fléir-a | au-sen-ár | du | téndo. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 下手 | あそこ<対格> |
「目付殿はあちら(下手のあそこ)へお出ましになる。」
離れた場所へ行く目上の人の行き先を教える文。téndo も séndo と同じく重性o語幹で、主格と対格が同じ形になる。du+対格で「下手のあそこへ」と言う。人を指さすのは避けられるので、ふつうは言葉で場所を示す。
fléira ausenár du tról orénos.
読み:フレーラ アウセナール ドゥ トロール オレーノス。
| fléir-a | au-sen-ár | du | tról | orén-os. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 下手 | 麓<対格> | 縁-<属格> |
「目付殿は縁の麓へお出ましになる。」
tról orénos「縁の麓」は、崖の下、縁の市の立つあたりを指す。du+対格で「下手へ」。fléir- は「行く」の尊敬の補充形。
fléira aldár áuren es véinoros.
読み:フレーラ アルダール アウレン エス ヴェーノロス。
| fléir-a | aldár | áur-en | es | véinor-os. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | から | 湖-<属格> |
「高き座が湖からお出ましになる。」
王の動きを言う、改まった言い方。fléir- は「行く」の尊敬の補充形。座 aldár は人を指すので軽性で、動詞は -a をとる。es+属格で、方向を問わない「〜から」を表す。重性の véinor は、属格が -os になる。
fléira aldár áuren an þráinul.
読み:フレーラ アルダール アウレン アン スライヌル。
| fléir-a | aldár | áur-en | an | þráin-ul. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 上手 | 峰-<〜たちを> |
「高き座が北の高みへお出ましになる。」
王家の聖地や納骨所のある北の高みへの行幸を言う文。峰の複数 þráinul が「北の高み(峰々の連なり)」を表す。an+対格で「上手へ」。重性の複数は主格も対格も -ul。fléir- は「行く」の尊敬の補充形。
dunóurim ré fleiréla ausenár du orén.
読み:ドゥノーリン レー フレイレーラ アウセナール ドゥ オレーン。
| du-nóur-im | ré | fleir-él-a | au-sen-ár | du | orén. |
| <〜させていただく>-思う-<私が> | <〜と(節)> | お出ましになる-<〜だろう>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> | 下手 | 縁<対格> |
「目付殿は縁へお出ましになるかと存じます。」
謙譲の du- で自分の考えを低め、目上の人の動きを推量法でやわらげて言う。
dupovérim aulisárei ré du pó fleiréla ausenár.
読み:ドゥポヴェーリン アウリサーレイ レー ドゥ ポー フレイレーラ アウセナール。
| du-povér-im | au-lis-ár-ei | ré | du | pó | fleir-él-a | au-sen-ár. |
| <〜させていただく>-問う-<私が> | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人>-<与格> | <〜と(節)> | 下手 | 何<対格> | お出ましになる-<〜だろう>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> |
「書記の方にお尋ねいたします。目付殿は下手のどちらへお出ましになったのでしょうか。」
役所での改まった問い合わせ。謙譲の du- は子音 p の前ではそのままの形でつく。方向を決めない「どこへ」はないので、du pó「下手の何へ」と尋ねる。ré の節の中も推量法にして、遠回しな問いにしている。
fléiran aubrándalai an dún.
読み:フレーラン アウブランダライ アン ドゥーン。
| fléir-an | au-brándal-ai | an | dún. |
| お出ましになる-<彼らが> | <お〜になる・御〜>-諸司-<〜たちが> | 上手 | 丘<対格> |
「宮廷の方々が丘の上へお出ましになる。」
複数形で宮廷の役人全体を漠然と指す、高めた言い方。高め名詞には数詞をつけられないので、何人かは言わず、ひとまとまりの複数で受ける。dún は重性で、対格は主格と同じ形。
vel pó fleiréla ausenár?
読み:ヴェル ポー フレイレーラ アウセナール?
| vel | pó | fleir-él-a | au-sen-ár? |
| 西へ | 何<対格> | お出ましになる-<〜だろう>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-見る-<〜する人> |
「目付殿は、日の入り側のどちらへお出ましになるのでしょうか。」
上向きの丁寧な問い。目上の人には問いの小辞 ké も2人称も使わず、推量法と役職名の3人称で尋ねる。行き先は vel pó「日の入り側の何へ」と、前置詞句ごと文頭に出す。強勢は推量法の -él- に移る。
「行く」gél- の尊敬の補充形。目上の人がどこかへ出向くことを高めて言う。高め名詞を主語にとり、複数で受けるときは数えずにひとまとまりで言う(fléiran ausenárai「目付の方々がお出ましになる」)。目上の人の行き先を尋ねるときは ké を使わず推量法で、方向を決めて尋ねる(du pó fleiréla ausenár?)。謙譲形は drén-「参る」。
自動詞(尊敬の補充形)。直説法3単 fléira、3複 fléiran、推量 fleiréla。完了語根 fléirs-。ふつうの形は gél-、謙譲の形は drén-「参る」。
gél-「行く」の尊敬の補充形。
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