ké

品詞
小辞
意味
〜か
発音
[ˈke]
読み
ケ
分野
会話の定型・挨拶・応答

意味

  1. 〜か

    はい・いいえの問いを作る。ké máines?「食べたか」。

    ké éso tambór tásei? na éso tambór némei.

    読み:ケー エーソ タンボール ターセイ?ナ エーソ タンボール ネーメイ。

    kéés-otambórtás-ei?naés-otambórném-ei.
    <〜か>いる-<(重いものが)>雑穀<主格><あなた>-<与格><〜ない>いる-<(重いものが)>雑穀<主格><私>-<与格>

    「「お前、雑穀はあるか?」「私には雑穀はない。」」

    二人の発話。所有は「持つ」という動詞ではなく、「ある+持ち主の与格」で言う。動詞は持ち主ではなく、持たれている物 tambór(重性)に一致する。はい・いいえで答える問いは、文のいちばん前の ké で作る。答えは動詞を繰り返すが、動詞が物に一致しているので人称は変わらず、「はい」なら éso、「いいえ」なら na éso となる。ké máines?「食べたか」→ máinim「食べた」のような、人称を変える答え方と比べてほしい。

    ké líses sáindaran? lísim.

    読み:ケー リーセス サインダラン?リーシン。

    kélís-essáindar-an?lís-im.
    <〜か>書く-<あなたが>証文-<対格>書く-<私が>

    「「証文を書くか」「書く」」

    答えの形では、問いに出た目的語の枠を空けてよい。

    ké lísa lisár sáindaran, orvél lísa fléilan?

    読み:ケー リーサ リサール サインダラン、オルヴェール リーサ フレーラン?

    kélís-alis-ársáindar-an,orvéllís-afléil-an?
    <〜か>書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>証文-<対格>または書く-<(軽いものが)>手紙-<対格>

    「書記は証文を書くのか、それとも手紙を書くのか。」

    orvél「日の出側か日の入り側か」は選択。問いでは ké を一つめの文にだけ置く。

    ké an kórvoi, éso ílmo klér?

    読み:ケー アン コルヴォイ、エーソ イルモ クレール?

    kéankórv-oi,és-oílmoklér?
    <〜か>上手倉-<与格>いる-<(重いものが)>水<主格>冷たい

    「倉の北側では、水は冷たいか。」

    ké は文のいちばん前、そのあとに場面の枠が来る。

    ké gélau társ dáun du orén? gélau.

    読み:ケー ゲーラウ タルス ダウン ドゥ オレーン?ゲーラウ。

    kégél-autársdáunduorén?gél-au.
    <〜か>行く-<双数><あなたがた>二人下手縁<対格>行く-<双数>

    「「お前たち二人は縁へ行くのか」「行く」」

    答えの形では、問いに出た語(ここでは主語の társ dáun と行き先)を省ける。双数の動詞は人称で形が変わらないので、答えも gélau のまま。

    ké an kórvoi, éso ílmo klér? éso.

    読み:ケー アン コルヴォイ、エーソ イルモ クレール?エーソ。

    kéankórv-oi,és-oílmoklér?és-o.
    <〜か>上手倉-<与格>いる-<(重いものが)>水<主格>冷たいいる-<(重いものが)>

    「「倉の北側では、水は冷たいか」「冷たい」」

    答えの形では、場面の枠も問いに出た語として省ける。

    ké gandér te sénim, dulíþo ílmo?

    読み:ケー ガンデール テ セーニン、ドゥリーソ イルモ?

    kégandértesén-im,dul-íþ-oílmo?
    <〜か>硬木<対格><関係節>見る-<私が>下る-<〜させる>-<(重いものが)>水<主格>

    「私が見た硬木を、水が下ろすのか。」

    ké は主題の前置きより前、文のいちばん前に置く。

    ké rímbin þíles?

    読み:ケー リンビン シーレス?

    kérímb-inþíl-es?
    <〜か>数える-<〜して・〜く>分かる-<あなたが>

    「お前は数えられるのか。」

    能力を尋ねる。2人称を使うので下向きの話し方。目上の人には使わない。

    ké líses lisáis? lísim.

    読み:ケー リーセス リサイス?リーシン。

    kélís-eslis-áis?lís-im.
    <〜か>書く-<あなたが>字-<〜たちを>書く-<私が>

    「「字は書けるか?」「書ける。」」

    二人の発話。はい・いいえの問いは文頭の ké で作る。「はい」にあたる語がないので、答えるときは動詞を自分の人称に変えて繰り返す。lisá「字」は lís- から派生した軽性 a 語幹の名詞。

    ké tóra sélvan?

    読み:ケー トーラ セルヴァン?

    kétór-asélvan?
    <〜か>来る-<(軽いものが)>セルヴァン<主格>

    「セルヴァンは来たか。」

    同じ段の者か目下の者のあいだの、くだけた問い。成名は、同じ段の者や目上の者が口にしてよい。目下の者が目上の人を指すときは、名ではなく役職で言う。人名は軽性なので、動詞は -a をとる。

    ké éses an fóndaros ráimaros? ésim.

    読み:ケー エーセス アン フォンダロス ライマロス?エーシン。

    kéés-esanfóndar-osráimar-os?és-im.
    <〜か>いる-<あなたが>上手源-<属格>ライマル-<属格>いる-<私が>

    「「お前はライマルの源の流れか?」「そうだ。」」

    二人の発話。同じ段か目下の相手に、どの家系の者かを尋ねている。ké と2人称を使っているので、目上の人には使えない。高原語には「はい」にあたる語がないので、動詞を1人称に言い換えて ésim と答える。氏族の名 ráimar は重性で、属格 ráimaros の形で fóndar の後ろに置く。

    ké éso fóndar só gléin? éso gléin.

    読み:ケー エーソ フォンダル ソー グレーン?エーソ グレーン。

    kéés-ofóndarsógléin?és-ogléin.
    <〜か>いる-<(重いものが)>源<主格>この<重性>清いいる-<(重いものが)>清い

    「「この泉は清いか?」「清い。」」

    二人の発話。はい・いいえで答える問いは、文のいちばん前に ké を置いて作る。fóndar は重性なので、繋辞は éso になる。述語の形容詞 gléin は重性・単数・主格に一致するが、この形には語尾がつかない。高原語には「はい」にあたる語がないので、答えでは問いの動詞をそのまま繰り返す。

    ké dúles sórel? na dúlim, duléim dórel.

    読み:ケー ドゥーレス ソーレル?ナ ドゥーリン、ドゥレーン ドーレル。

    kédúl-essórel?nadúl-im,dul-é-imdórel.
    <〜か>南へ行く-<あなたが>今日<〜ない>南へ行く-<私が>南へ行く-<〜だろう>-<私が>明日

    「「今日は下へ行くのか?」「いや、行かない。明日行くだろう。」」

    崖道の商人どうしの、くだけた問いと答え。はい・いいえの問いは文頭の ké で作り、答えは問いの動詞を自分の人称に変えてくり返す。確かでない未来のことは推量法で言う。1人称の語尾の前では推量の -él- の l が落ちて duléim になる。

    ké sénes gandér tó? éso ó fóndel.

    読み:ケー セーネス ガンデール トー?エーソ オー フォンデル。

    késén-esgandértó?és-oófóndel.
    <〜か>見る-<あなたが>硬木<対格>あの<重性>いる-<(重いものが)><3人称単数・重性>古い

    「あの硬木が見えるか?あれは由緒ある古木だ。」

    樵が森で若い者に話しかける言い方。生えている木はふつう軽性だが、硬木だけは生えていても重性で受けるので、指示詞は重性の tó、代名詞も重性の ó、繋辞も重性の éso になる。fóndel は、由緒があって尊い「古い」。

    ké rímbes slúun sáindarar?

    読み:ケー リンベス スルーン サインダラル?

    kérímb-esslúunsáindar-ar?
    <〜か>数える-<あなたが>千証文-<〜らの>

    「証文を千通、数えるのか。」

    役所や市で、仲間か目下の者に尋ねる問い。ké で始め、2人称を使っている。slúun は名詞として働き、数えるものを複数属格でとる。sáindar は軽性なので、複数属格は -ar になる。帳簿では量の名詞を入れることが多いが、会話ではこのように省く。

    ké ésa plána tásei? ésa.

    読み:ケー エーサ プラーナ ターセイ?エーサ。

    kéés-aplánatás-ei?és-a.
    <〜か>いる-<(軽いものが)>帳簿<主格><あなた>-<与格>いる-<(軽いものが)>

    「「お前、帳簿はあるか?」「ある。」」

    二人の発話。同じ段どうしか、目下に向けたくだけた問い。所有は「ある+持ち主の与格」で言い、動詞は持たれている物 plána(軽性)に一致する。「はい」にあたる語はないので、動詞を繰り返して答える。動詞が物に一致しているので、答えでも人称は変わらない。

    ké toréla faronár dórel?

    読み:ケー トレーラ ファロナール ドーレル?

    kétor-él-afaron-árdórel?
    <〜か>来る-<〜だろう>-<(軽いものが)>荷-<〜する人>明日

    「運び人は明日来るだろうか。」

    同輩どうしの問い。時制の語形がないので、確かでない未来のことは推量法で言う。強勢は推量法の -él- に移り、語根の ´ は消える(tóra → toréla)。faronár は fáron「荷」に -ár「〜する人」がついた語。

    ké vándes tambór? vándim.

    読み:ケー ヴァンデス タンボール?ヴァンディン。

    kévánd-estambór?vánd-im.
    <〜か>量る-<あなたが>雑穀<対格>量る-<私が>

    「「雑穀を量るか?」「量る。」」

    二人の発話で、倉や家で交わすくだけた問いと答え。高原語には「はい」にあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。時制がないので、「量ったか」「量ったよ」とも訳せる。tambór は重性なので、主格と対格が同じ形になる。

    ké sénes álmaran? sénim.

    読み:ケー セーネス アルマラン?セーニン。

    késén-esálmar-an?sén-im.
    <〜か>見る-<あなたが>白月-<対格>見る-<私が>

    「「白月が見えるか?」「見える。」」

    二人の発話。雨期に、雲の切れ間から白月がのぞいているかを尋ねる、家族や同輩どうしの問い。答えは問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返す。目上の人には ké を使わず、尊敬の補充形 lúum- を推量法にして尋ねる。

    ké éso fáron tásei? na éso.

    読み:ケー エーソ ファーロン ターセイ?ナ エーソ。

    kéés-ofárontás-ei?naés-o.
    <〜か>いる-<(重いものが)>荷<主格><あなた>-<与格><〜ない>いる-<(重いものが)>

    「「お前、荷はあるか?」「いや、ない。」」

    所有の問いと否定の答え。所有は「ある+持ち主の与格」で言い、動詞は持ち主ではなく、持たれている物 fáron(重性)に一致する。そのため答えでも人称は変わらず、na éiso となる。

    ké tóra séulin táses?

    読み:ケー トーラ セウリン ターセス?

    kétór-aséulintás-es?
    <〜か>来る-<(軽いものが)>友<主格><あなた>-<属格>

    「お前の友は来たか?」

    はい・いいえの問いは、文のいちばん前の ké で作る。tás の属格 táses は、所有者として名詞の後ろに置く。2人称と ké を使っているので、目上の人には使えない話し方。

    ké éso tambór tásei? na éso.

    読み:ケー エーソ タンボール ターセイ?ナ エーソ。

    kéés-otambórtás-ei?naés-o.
    <〜か>いる-<(重いものが)>雑穀<主格><あなた>-<与格><〜ない>いる-<(重いものが)>

    「「お前、雑穀はあるか?」「ない。」」

    二人の発話。高原語には「はい」「いいえ」にあたる語がないので、問いの動詞を繰り返して答え、否定なら na をつける。所有は「ある+持ち主の与格」で言い、動詞は持たれている物 tambór(重性)に一致する。そのため答えでも人称は変わらず、「ある」なら éso、「ない」なら na éso となる。

    ké ésau tambór si sáko tásei?

    読み:ケー エーサウ タンボール シ サーコ ターセイ?

    kéés-autambórsisákotás-ei?
    <〜か>いる-<双数>雑穀<主格>と塩<主格><あなた>-<与格>

    「お前のところに雑穀と塩はあるか?」

    市での品の問い合わせ。所有は「ある+持ち主の与格」で言う。単数の名詞を si で二つ並べたので、動詞は双数の ésau になる。si には強勢がなく、後ろの語に寄りかかって発音される。

    ké tórau dáun es orénos?

    読み:ケー トーラウ ダウン エス オレーノス?

    kétór-audáunesorén-os?
    <〜か>来る-<双数>二人から縁-<属格>

    「お前たち二人は、縁から来たのか。」

    双数の動詞 tórau は人称を区別しないので、dáun を添えて「二人が」をはっきりさせている。dáun も人称を区別しないので、「われら二人」「お前たち二人」「あの二人」のどれにあたるかは場面で決まる。ké を使った問いなので、目下か同じ段の相手に向けた言い方になる。

    ké tóra senár? na tóra.

    読み:ケー トーラ セナール?ナ トーラ。

    kétór-asen-ár?natór-a.
    <〜か>来る-<(軽いものが)>見る-<〜する人><〜ない>来る-<(軽いものが)>

    「「目付は来たか?」「まだ来ていない。」」

    市の店先で、仲間どうしが第三者について尋ねあう文。答えは動詞を繰り返すが、主語が3人称のままなので人称は変わらず、「いいえ」は na を前に置くだけで言う。目付本人に向かって尋ねるなら、ké は使わず推量法にする。

    ké sénes nébro? sénim ó.

    読み:ケー セーネス ネーブロ?セーニン オー。

    késén-esnébro?sén-imó.
    <〜か>見る-<あなたが>霧<対格>見る-<私が>それ<対格>

    「「霧が見えるか?」「ああ、見える。」」

    霧期に、縁の肩の見張りどうしで交わす問答。霧 nébro は重性なので、受ける代名詞も重性の ó になる。答えでは動詞 sén- を1人称に変えて繰り返し、目的語を ó で受ける。霧を指して軽性の él を使うことはない。

    ké tóres es orénos? tórim.

    読み:ケー トーレス エス オレーノス?トーリン。

    kétór-esesorén-os?tór-im.
    <〜か>来る-<あなたが>から縁-<属格>来る-<私が>

    「「縁から来たのか?」「来た。」」

    二人の発話。ké は文のいちばん前に置いて、はい・いいえで答える問いを作る。時制がないので、過去のことでも同じ形で言う。「はい」にあたる語がないので、答えるときは問いの動詞を自分の人称(1人称単数)に変えて繰り返す。目上の人には ké を使わず、推量法で尋ねる。

    ké tóro ó es dáloros?

    読み:ケー トーロ オー エス ダーロロス?

    kétór-oóesdálor-os?
    <〜か>来る-<(重いものが)>あいつ<主格>から下の国-<属格>

    「あいつ、下の国から来やがったのか?」

    人を重性の代名詞 ó で指し、動詞も重性の -o で受けた、さげすみの問い。ふつう人は軽性の él で受ける。人を重性で指すのは、相手を「下へ沈んだ者」として扱うことになるので、本人に聞こえれば争いのもとになる。陰口で干潟の人を指すときによく使われる。

    ké lísan dalorárai térin?

    読み:ケー リーサン ダロラーライ テーリン?

    kélís-andalor-ár-aitérin?
    <〜か>書く-<彼らが>下の国-<〜する人>-<〜たちが>そのように

    「下の国の者たちは、ああいうふうに書くのか。」

    よそから来た文字の書きぶりを見て尋ねる、はい・いいえの問い。ké は文のいちばん前に置く。térin は、離れたところで見た書き方を指す。答えるときは、動詞を繰り返して lísan か na lísan と言う。

    ké dúlo fáron du séndo?

    読み:ケー ドゥーロ ファーロン ドゥ センド?

    kédúl-ofáronduséndo?
    <〜か>下る-<(重いものが)>荷<主格>下手ここ<対格>

    「荷はここへ下りてくるのか。」

    店先で荷の行き先を確かめる、くだけた問い。séndo は重性o語幹の名詞として変化し、主格と対格が同じ形になる。du+対格で「(下手の)ここへ」を表す。動詞は主語の fáron(重性)に一致して dúlo になる。答えは dúlo(来る)か na dúlo(来ない)。

    ké tóra páin?

    読み:ケー トーラ パイン?

    kétór-apáin?
    <〜か>来る-<(軽いものが)>誰か<主格>

    「誰か来たか。」

    家や番所で人の気配に気づいたときの、くだけた問い。páin は人を指すので軽性で、動詞は3人称単数・軽性の -a で受ける。時制がないので「来るか」「来たか」のどちらにもなり、場面で決まる。目上の人には ké を使わない。

    ké éso póin tásei?

    読み:ケー エーソ ポイン ターセイ?

    kéés-opóintás-ei?
    <〜か>いる-<(重いものが)>何か<主格><あなた>-<与格>

    「何か持っているか。」

    所有は「ある+持ち主の与格」で言う。動詞は持たれている物 póin(重性)に一致するので éso になる。2人称 tás を使っているので、下向きか、ごく親しい相手への問い。

    ké fíndes póin?

    読み:ケー フィンデス ポイン?

    kéfínd-espóin?
    <〜か>聞く-<あなたが>何か<対格>

    「何か聞こえるか?」

    霧期の夜、不安になって連れに尋ねる言い方。はい・いいえで答える問いなので、文のいちばん前に ké を置く。póin は重性なので、主格と対格が同じ形になる。霧の中では名前を呼ばないので、正体のわからないものは póin や指示詞で指すことが多い。

    ké sénes ánþa kelárais?

    読み:ケー セーネス アンサ ケラーライス?

    késén-esánþakel-ár-ais?
    <〜か>見る-<あなたが>八伐る-<〜する人>-<〜たちを>

    「樵が八人見えるか。」

    文頭に ké を置いた、はい・いいえの問い。2人称を使っているので、同じ段か下の相手に向けた話し方になる。樵は働き手なので、人数を数えてかまわない(目上の人は数えない)。答えるときは動詞を繰り返して sénim、または na sénim と言う。

    ké rímbes néman?

    読み:ケー リンベス ネーマン?

    kérímb-esném-an?
    <〜か>物のように扱う-<あなたが><私>-<対格>

    「お前、俺を物扱いするのか。」

    人を目的語にとると、「数える」は「物のように扱う、軽んじる」という非難の意味になる。2人称と問いの小辞 ké を使っているので、同じ段か下の段の相手に、腹を立てて言う言い方。

    ké lísa lisár fáir lénais sáindarar?

    読み:ケー リーサ リサール ファイル レーナイス サインダラル?

    kélís-alis-árfáirlén-aissáindar-ar?
    <〜か>書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人・主格>四枚-<〜たちを>証文-<〜らの>

    「書記は証文を四枚書くのか。」

    同じ段か下の段の相手への問い。lén は軽性の子音語幹で、三以上の数の後ろでは複数になる。ここでは目的語なので、複数対格の lénais になる。数えるもの sáindar は複数属格。目上の人に尋ねるときは、ké を使わず推量法で尋ねる。

    ké éso senó téndoi?

    読み:ケー エーソ セノー テンドイ?

    kéés-osenóténd-oi?
    <〜か>いる-<(重いものが)>見張り<主格>あそこ-<与格>

    「「あそこに見張りはいるか。」」

    はい・いいえで答える問いなので、文のいちばん前に ké を置く。存在の文で、動詞は重性の senó に一致して éso になる。答えは動詞を繰り返して、「はい」なら éso、「いいえ」なら na éso と言う。崖道の上り口で番の有無を確かめるときの、くだけた問い。

    ké éso már táses só?

    読み:ケー エーソ マール ターセス ソー?

    kéés-omártás-essó?
    <〜か>いる-<(重いものが)>手跡<主格><あなた>-<属格>この<重性>

    「「この手跡はお前のものか。」」

    はい・いいえの問いで、ké を文のいちばん前に置く。már は重性なので、指示詞は重性の só、繋辞は -o。手紙や証文の筆跡が誰のものか確かめるときの、下向きの問い。目上の人には ké を使わず、推量法で尋ねる。

    ké víres dáumbar? vírim, ombár dáu fréimau.

    読み:ケー ヴィーレス ダウンバル?ヴィーリン、オンバール ダウ フレーマウ。

    kévír-esdáumbar?vír-im,ombárdáufréim-au.
    <〜か>言う-<あなたが>二十言う-<私が>十二倍-<双数>

    「「二十と言ったか?」「言った。十の二倍だ。」」

    二人の発話。市で数を確かめ合うやりとり。はい・いいえにあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える(vírim)。そのあとに念押しの言い換えを添える。掛ける数が dáu なので、fréim は双数の fréimau になる。

    ké glǘno klóno táses? glǘno.

    読み:ケー グリューノ クローノ ターセス?グリューノ。

    kéglǘn-oklónotás-es?glǘn-o.
    <〜か>凍る-<(重いものが)>膝<主格><あなた>-<属格>凍る-<(重いものが)>

    「「膝が冷えるか?」「冷える。」」

    二人の発話。家の中で、年長の者を気づかう日常のやりとり。はい・いいえで答える問いは文頭の ké で作り、答えは動詞を繰り返す。動詞は重性の klóno に一致しているので、答えでも人称は変わらず glǘno のまま。

    ké vríners ólmarais?

    読み:ケー ヴリーネルス オルマライス?

    kévrín-ersólmar-ais?
    <〜か>ないがしろにする-<あなたがたが>年長者-<〜たちを>

    「お前たちは年長者をないがしろにするのか。」

    転じて、目上の人や順序を飛び越えて軽んじる意味。ké は文のいちばん前に置く。年長の者が若い者を叱るときの言い方。

    ké ésa brél tásei? ésau brélau némei.

    読み:ケー エーサ ブレール ターセイ?エーサウ ブレーラウ ネーメイ。

    kéés-abréltás-ei?és-aubrél-auném-ei.
    <〜か>いる-<(軽いものが)>きょうだい<主格><あなた>-<与格>いる-<双数>きょうだい-<双数><私>-<与格>

    「「お前にはきょうだいがいるか?」「きょうだいが二人いる。」」

    二人の発話。所有の動詞は持たれているほうに一致するので、答えでは人称ではなく数が変わり、双数の ésau になる。brél は年の上下を問わない言い方で、上下を言うときは ambrél・dubrél を使う。

    ké éses es ráunos ráimaros? ésim.

    読み:ケー エーセス エス ラウノス ライマロス?エーシン。

    kéés-esesráun-osráimar-os?és-im.
    <〜か>いる-<あなたが>から流れ-<属格>ライマル-<属格>いる-<私が>

    「「お前はライマルの流れの者か?」「そうだ。」」

    二人の発話。「〜の流れの者である」を、és-+es+流れの属格で「〜の流れから出ている」と言う。答えには「はい」にあたる語を使わない。動詞を自分の人称(1人称単数 ésim)に変えて繰り返す。2人称と ké を使っているので、同じ段か下の者への問いになる。

    ké sénes keláran éulan?

    読み:ケー セーネス ケラーラン エウラン?

    késén-eskel-ár-anéul-an?
    <〜か>見る-<あなたが>伐る-<〜する人>-<対格>よその家の-<軽性・対格>

    「よその家の樵を見かけたか。」

    村の中のくだけた問い。はい・いいえで答える問いは文頭の ké で作る。2人称を使っているので、下向きか並びの話し方になる。kelár は軽性の子音語幹で、対格は -an。éul も軽性・対格の -an で一致する。答えるときは動詞を繰り返し、sénim「見た」か na sénim「見ていない」と言う。

    ké ésa éndra téndoi? na ésa éndra, ésa hérvan.

    読み:ケー エーサ エンドラ テンドイ?ナ エーサ エンドラ、エーサ ヘルヴァン。

    kéés-aéndraténd-oi?naés-aéndra,és-ahérvan.
    <〜か>いる-<(軽いものが)>人<主格>あそこ-<与格><〜ない>いる-<(軽いものが)>人<主格>いる-<(軽いものが)>大鹿<主格>

    「「「あそこに人がいるか?」「いや、人じゃない。大鹿だ。」」」

    二人の発話。「はい」「いいえ」にあたる語がないので、問いの動詞を繰り返し、na をつけて否定の答えにしている。éndra は、獣と区別した「人」を指す。人も大鹿も軽性なので、動詞はどちらも ésa になる。

    ké éses houmár? ésim.

    読み:ケー エーセス ホウマール?エーシン。

    kéés-eshoumár?és-im.
    <〜か>いる-<あなたが>家の主いる-<私が>

    「「お前がこの家の主か?」「そうだ。」」

    二人の発話。戸口で訪ねてきた者が家の者に尋ねる、くだけた問い。「AはBだ」の文も繋辞 és- で始める。高原語に「はい」にあたる語はないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える(éses → ésim)。2人称を使っているので下向きか並びの話し方で、目上の人には使わない。

    ké tórau dáu torárau dórel? tórau.

    読み:ケー トーラウ ダウ トラーラウ ドーレル?トーラウ。

    kétór-audáutorár-audórel?tór-au.
    <〜か>来る-<双数>二客-<双数>明日来る-<双数>

    「「明日はお客が二人来るのか?」「来る。」」

    二人の発話。家の中での打ち合わせ。数詞 dáu「二」の後ろの名詞は双数になり、動詞も双数(人称・性の区別なし)。答えは問いの動詞を繰り返す。客が目上の人なら au- をつけた高め名詞にし、数えずに言う。

    ké éses dalorár?

    読み:ケー エーセス ダロラール?

    kéés-esdalorár?
    <〜か>いる-<あなたが>下の国の者<主格>

    「お前は下の国の者か。」

    縁の市や崖道で、見慣れない者の素性を尋ねるくだけた問い。ké を文頭に置き、繋辞 és- の2人称単数を使っているので、下向きか並びの話し方になる。dalorár は述語の名詞で、ふつうの軽性・単数・主格の形。人を指す語なので、この意味では軽性で受けるのが正しい。

    ké éso glünó véinoros tráumo?

    読み:ケー エーソ グリュノー ヴェーノロス トラウモ?

    kéés-oglünóvéinor-ostráumo?
    <〜か>いる-<(重いものが)>氷<主格>湖-<属格>渡り氷

    「湖の氷は、もう荷車が渡れるほどか。」

    凍りの頃に、湖畔の村でよく交わされる問い。はい・いいえで答える問いは、文頭の ké で作る。tráumo は述語の名詞。答えは動詞を繰り返し、「はい」は éso、「いいえ」は na éso と言う。

    ké ésa fléura ál sórel?

    読み:ケー エーサ フレウラ アール ソーレル?

    kéés-afléuraálsórel?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>雲<主格>白い今日

    「今日は白い雲が出ているか。」

    同じ段の者か目下の者に向けた、くだけた問い。存在を言う動詞は、主語の fléura(軽性)に一致して -a をとる。形容詞 ál も軽性・主格の形。答えるときは動詞を繰り返し、「はい」なら éisa、「いいえ」なら na éisa と言う。動詞は雲に一致しているので、人称は変わらない。

    ké bruuméla réina dórel?

    読み:ケー ブルーメーラ レーナ ドーレル?

    kébruum-él-aréinadórel?
    <〜か>落ちる-<〜だろう>-<(軽いものが)>雨<主格>明日

    「明日は雨が降るだろうか。」

    天気を尋ねる日常の問い。未来のことは推量法で言う。強勢は -él- に移るので、語根の ´ は消える。答えるときは bruuméla「降るだろう」か na bruuméla と、動詞を繰り返す。

    ké ésa réina gléin tásei?

    読み:ケー エーサ レーナ グレーン ターセイ?

    kéés-aréinagléintás-ei?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>雨水<主格>清い<あなた>-<与格>

    「清い雨水はお前のところにあるか。」

    墨をするときや祀りの器を清めるときに、家の者に尋ねる言い方。所有は「ある+持ち主の与格」で言う。動詞は持ち主ではなく、持たれている雨水 réina(軽性)に一致する。答えは éisa か na éisa。

    pá éses? ké éses dulána?

    読み:パー エーセス?ケー エーセス ドゥラーナ?

    páés-es?kéés-esdulána?
    誰<主格>いる-<あなたが><〜か>いる-<あなたが>落ちてきた者<主格>

    「お前は何者だ。上から落ちてきた者か?」

    正体のわからない相手に、警戒しながら投げかける問い。2人称と問いの小辞 ké を使っているので、下向きの話し方になる。「AはBだ」の文は繋辞を先頭に置き、主語の tás を省いて述語の dulána を後ろに続ける。上から下へ落ちてくる人の形をしたものは、高原では不吉なもの、あるいは昇れなかった魂としか考えられない。そのため、この語を人に向けるのは強い警戒と畏れの表れになる。

    ké sénes fíñelan? nés, sénim dráunan.

    読み:ケー セーネス フィーニェラン?ネース、セーニン ドラウナン。

    késén-esfíñel-an?nés,sén-imdráun-an.
    <〜か>見る-<あなたが>山猫-<対格>いや見る-<私が>狼-<対格>

    「「山猫を見たか?」「いや、狼を見た。」」

    森の民どうしのくだけたやりとり。はい・いいえで答える問いは、文頭の ké で作る。否定の答えでは、間投詞 nés のあとに、動詞を自分の人称に変えて言い直す。2人称を使っているので、並びか下向きの話し方になる。

    ké hála húula?

    読み:ケー ハーラ フーラ?

    kéhál-ahúula
    <〜か>呼ぶ-<(軽いものが)>ふくろう<主格>

    「ふくろうが鳴いているか。」

    夜のくだけた場で使う問い。はい・いいえで答える問いなので、文のいちばん前に ké を置く。ふくろうは鳥なので軽性で、動詞は -a をとる。答えるときは動詞を繰り返して、hála「鳴いている」か na hála「鳴いていない」と言う。

    ké ésa þóvra tásei?

    読み:ケー エーサ ソーヴラ ターセイ?

    kéés-aþóvratás-ei?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>影の木<主格><あなた>-<与格>

    「お前のところに影の木はあるか。」

    はい・いいえで答える問いなので、文のいちばん前に ké を置く。所有は「ある+持ち主の与格」で言い、動詞は持たれている物に一致する。生えている木を指すので軽性の ésa。2人称を使っているので、同じ段か下の者に向けたくだけた問い。

    ké ésa flaindél kélen sé káil?

    読み:ケー エーサ フラインデール ケーレン セー カイル?

    kéés-aflaindélkél-ensékáil?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>版の木<主格>伐る-<〜した・〜された>この<軽性>乾いた

    「この伐った版の木は乾いているか。」

    版木の工房で交わされる、くだけた問い。版木は、伐ってから数年寝かせて乾かす。伐った木はふつう一致が重性に移るが、版の木は例外で、伐ったあとも軽性のままである。そのため、繋辞は ésa、分詞 kélen は軽性・単数・主格(語尾なし)、指示詞は軽性の sé になる。伐った脂の木なら kélenoi(重性)のように重性の形で一致するので、比べるとわかりやすい。

    ké mánes? mánim.

    読み:ケー マーネス?マーニン。

    kémán-es?mán-im.
    <〜か>食事をとる-<あなたが>食事をとる-<私が>

    「「飯は食ったか?」「食った。」」

    森や崖道で交わすくだけた挨拶で、問いと答えの二人の発話。高原語には時制がないので、直説法の未完了形でも「食ったか」の意味になる。目的語を言わずに「食事を済ませたか」の意味になる。高原語には「はい」がないので、動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。目上の人には使わない。

    ké táulses plíndo es orenvandáres?

    読み:ケー タウルセス プリンド エス オレンヴァンダーレス?

    kétáuls-esplíndoesorenvandár-es?
    <〜か>受け取る<〜し終えた>-<あなたが>札<対格>から縁商人-<属格>

    「縁商人から札はもう受け取ったか。」

    完了相の文。語根が二重母音なので、-s- を足して táuls- になる。ké で始めるはい・いいえの問いは、同じ段か目下の相手にだけ使う。答えるときは動詞を繰り返し、táulsim「受け取った」か na táulsim「受け取っていない」と言う。

    ké nóirses? nóirsim.

    読み:ケー ノイルセス?ノイルシン。

    kénóirs-es?nóirs-im.
    <〜か>眠る<〜し終えた>-<あなたが>眠る<〜し終えた>-<私が>

    「「よく眠れたか。」「眠れた。」」

    二人の発話。家族や親しい者が朝に交わす、くだけた挨拶。語根が二重母音なので、完了相は -s- を足して nóirs- になる。「はい」にあたる語はないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。

    ké éso sóumbo só þérno?

    読み:ケー エーソ ソーンボ ソー セルノ?

    kéés-osóumbosóþérno?
    <〜か>いる-<(重いものが)>きのこ<主格>この<重性>毒きのこ<主格>

    「このきのこは毒きのこか?」

    はい・いいえで答える問いは、文のいちばん前に ké を置いて作る。sóumbo も þérno も重性o語幹なので、指示詞は重性の só、繋辞は重性の éso になる。答えは動詞を繰り返して、éso(そうだ)、na éso(違う)と言う。

    ké ésa orenvandár séndoi? na ésa, válsa.

    読み:ケー エーサ オレンヴァンダール センドイ?ナ エーサ、ヴァルサ。

    kéés-aorenvandársénd-oi?naés-a,váls-a.
    <〜か>いる-<(軽いものが)>縁商人<主格>ここ-<与格><〜ない>いる-<(軽いものが)>行く<〜し終えた>-<(軽いものが)>

    「「縁商人はここにいるか?」「いない。もう行ってしまった。」」

    gél- を、行き先を言わずに使うと「立ち去る・いなくなる」の意味になる。時制の形がないので、géla だけで「行ってしまった」と訳せる。答えは問いの動詞を繰り返して na ésa とする。

    ké brúumes? na brúumim.

    読み:ケー ブルーメス?ナ ブルーミン。

    kébrúum-es?nabrúum-im.
    <〜か>転ぶ-<あなたが><〜ない>転ぶ-<私が>

    「「転んだのか?」「いや、転んでない。」」

    親しい者どうしのくだけたやりとり。2人称を使っているので、同じ段か下向きの話し方になる。答えは動詞を自分の人称に変えて繰り返し、否定なら na を前に置く。

    ké élþa elþá du aldárei? élþa.

    読み:ケー エルサ エルサー ドゥ アルダーレイ?エルサ。

    kéélþ-aelþádualdár-ei?élþ-a.
    <〜か>灯る-<(軽いものが)>火<主格>下手座-<与格>灯る-<(軽いものが)>

    「「上座の手前の火は灯っているか?」「灯っている。」」

    二人のやりとり。はい・いいえで答える問いは文頭の ké で作る。「はい」にあたる語はないので、答えでは動詞を繰り返す。動詞は主語の火に一致しているので、答える人の人称に変える必要はない。「いいえ」なら na élþa と言う。

    ké fíndes virán némes?

    読み:ケー フィンデス ヴィラーン ネーメス?

    kéfínd-esvir-ánném-es?
    <〜か>聞く-<あなたが>言葉-<対格><私>-<属格>

    「俺の声が聞こえるか。」

    日常のくだけた問い。はい・いいえで答える問いなので、文のいちばん前に ké を置き、2人称を使っている(下向きか並びの話し方)。答えるときは動詞を繰り返し、fíndim「聞こえる」/na fíndim「聞こえない」と言う。virá「言葉」は、ここでは相手に届く声や話を指す。

    ké ráines ré dúlan faronárai du orén dórel?

    読み:ケー ライネス レー ドゥーラン ファロナーライ ドゥ オレーン ドーレル?

    kéráin-esrédúl-anfaronár-aiduoréndórel?
    <〜か>知る-<あなたが><〜と(節)>下る-<彼らが>運び人-<〜たちが>下手縁<対格>明日

    「運び人たちが明日縁へ下りることを、お前は知っているか。」

    知っている内容を ré の節で示す、日常の問い。ké は文のいちばん前に置く。ré の後ろの節も動詞で始まる。下向きか並びの相手に使う言い方。

    ké ráines orenvandáran té?

    読み:ケー ライネス オレンヴァンダーラン テー?

    kéráin-esorenvandár-anté?
    <〜か>面識がある-<あなたが>縁商人-<対格>あの<軽性>

    「あの縁商人と知り合いか。」

    人を対格の目的語にとると「見知っている」の意味になる。指示詞 té は格変化せず、名詞句の終わりに置く。

    na ráinim éndran té. ké ráines élan?

    読み:ナ ライニン エンドラン テー。ケー ライネス エーラン?

    naráin-iméndr-anté.kéráin-esél-an?
    <〜ない>面識がある-<私が>人-<対格>あの<軽性><〜か>面識がある-<あなたが><3人称単数・軽性>-<対格>

    「あの人は知らない。お前は知っているか。」

    日常の会話。二度目は代名詞の対格 élan で、前に出た人を受けている。目上の人を指すときは、代名詞を使わず役職名で言う。

    ké þíles virán némes?

    読み:ケー シーレス ヴィラーン ネーメス?

    kéþíl-esvir-ánném-es?
    <〜か>分かる-<あなたが>言葉-<対格><私>-<属格>

    「私の言うことが分かるか。」

    言葉が通じるかを確かめる、日常の問い。所有者は属格の代名詞 némes で表し、名詞の後ろに置く。

    ké þíles? þílim.

    読み:ケー シーレス?シーリン。

    kéþíl-es?þíl-im.
    <〜か>了解する-<あなたが>了解する-<私が>

    「「分かったか?」「承知した。」」

    二人の発話。時制がないので、同じ形で「分かったか」とも「分かるか」とも言える。はい・いいえにあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返す。目上の人には dómim「はっ」などを使う。

    ké néules muró? néulim.

    読み:ケー ネウレス ムロー?ネウリン。

    kénéul-esmuró?néul-im.
    <〜か>好む-<あなたが>濁り酒<対格>好む-<私が>

    「「濁り酒は好きか?」「好きだ。」」

    二人の発話。くだけた場面での問いと答え。高原語には「はい」にあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。muró は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形。

    ké véilses hémbro?

    読み:ケー ヴェールセス ヘンブロ?

    kévéils-eshémbro?
    <〜か>忘れる<〜し終えた>-<あなたが>恥じる心<対格>

    「恥を知る心を忘れてしまったのか。」

    厚かましいふるまいを責める言い方。véil- は二重母音の語根なので、完了相は -s- を足して véils- になる。hémbro は重性なので、対格も主格と同じ形。

    ké na éso hémbro tásei?

    読み:ケー ナ エーソ ヘンブロ ターセイ?

    kénaés-ohémbrotás-ei?
    <〜か><〜ない>いる-<(重いものが)>恥<主格><あなた>-<与格>

    「お前には恥というものがないのか。」

    たしなめる下向きの問い。ké は文のいちばん前、na は動詞の直前に置く。所有は「ある+持ち主の与格」で言い、動詞は持たれている物 hémbro(重性)に一致して éso になる。

    ké víres lúdro? na vírim lúdro.

    読み:ケー ヴィーレス ルードロ?ナ ヴィーリン ルードロ。

    kévír-eslúdro?navír-imlúdro.
    <〜か>言う-<あなたが>嘘<対格><〜ない>言う-<私が>嘘<対格>

    「「嘘をついているのか?」「嘘などついていない。」」

    二人の発話。はい・いいえで答える問いは、文頭に ké を置いて作る。高原語には「いいえ」にあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて na をつけ、繰り返して答える。2人称を使っているので、同じ段か下向きの話し方になる。

    ké ésa tíula sé gléin?

    読み:ケー エーサ ティーウラ セー グレーン?

    kéés-atíulaségléin?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>音<主格>この<軽性>清い

    「この音は澄んでいるか?」

    日常の問い。繋辞 és- を先頭に置き、「és-–主語–述語」の順に並べる。tíula「音」は軽性なので、繋辞は -a、述語の gléin も軽性・主格の形になる。軽性の指示詞 sé は格によって形が変わらず、名詞句の最後に置く。

    ké véilses fáron? na véilsim.

    読み:ケー ヴェールセス ファーロン?ナ ヴェールシン。

    kévéils-esfáron?navéils-im.
    <〜か>忘れる<〜し終えた>-<あなたが>荷<対格><〜ない>忘れる<〜し終えた>-<私が>

    「「荷を忘れてきたのか?」「忘れてない。」」

    二人の発話。語根 véil- は二重母音をもつので、完了相は -s- を足して véils- にする。はい・いいえで答える問いには、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。2人称を使っているので、くだけた話し方か下向きの話し方。

    ké éso tambór káil?

    読み:ケー エーソ タンボール カイル?

    kéés-otambórkáil?
    <〜か>いる-<(重いものが)>雑穀<主格>乾いた

    「雑穀は乾いているか。」

    乾風期の前半、干した雑穀の穂を脱穀する前に確かめるときの問い。「AはBだ」の文なので、繋辞 és- を文頭に置く。tambór は重性なので、繋辞は -o の形、述語の形容詞は語尾のない káil になる。

    ké éso glünó krán? éso.

    読み:ケー エーソ グリュノー クラーン?エーソ。

    kéés-oglünókrán?és-o.
    <〜か>いる-<(重いものが)>氷<主格>硬いいる-<(重いものが)>

    「「氷は硬いか?」「硬い。」」

    凍った湖に乗る前に交わす日常の問答。glünó「氷」は重性なので、繋辞は3人称単数・重性の éiso になる。述語の krán は重性・主格に一致するが、この形には語尾がつかない。答えは「はい」の代わりに動詞を繰り返す。

    ké éso tálmo tásei?

    読み:ケー エーソ タルモ ターセイ?

    kéés-otálmotás-ei?
    <〜か>いる-<(重いものが)>斧<主格><あなた>-<与格>

    「お前、斧は持っているか。」

    森の村などで使うくだけた問い。所有は「ある+持ち主の与格」で言い、動詞は持たれている物 tálmo(重性)に一致して éso になる。答えは「はい」なら éso、「いいえ」なら na éso で、動詞の人称は変わらない。

    ké kúulses tambór? kúulsim.

    読み:ケー クールセス タンボール?クールシン。

    kékúuls-estambór?kúuls-im.
    <〜か>煮る<〜し終えた>-<あなたが>雑穀<対格>煮る<〜し終えた>-<私が>

    「「雑穀はもう炊いたか?」「炊いたよ。」」

    二人の発話。kúul- は長母音の語根なので、完了相は語根の後ろに -s- を足して kúuls- になる。「はい」にあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。

    ké éso reinándo tásei? éso.

    読み:ケー エーソ レイナンド ターセイ?エーソ。

    kéés-oreinándotás-ei?és-o.
    <〜か>いる-<(重いものが)>雨水甕<主格><あなた>-<与格>いる-<(重いものが)>

    「「お前のところに雨水甕はあるか?」「ある。」」

    二人の発話。reinándo は「雨水を受ける所」を表す、場所の接尾辞 -ándo をもつ重性の o語幹名詞なので、繋辞は éso になる。所有は「és-+物+持ち主の与格」で言う。はい・いいえの語がないので、問いの動詞を繰り返して答える。

    ké ésa dreumá tásei? ésa dreumá némei.

    読み:ケー エーサ ドレウマー ターセイ?エーサ ドレウマー ネーメイ。

    kéés-adreumátás-ei?és-adreumáném-ei.
    <〜か>いる-<(軽いものが)>墨<主格><あなた>-<与格>いる-<(軽いものが)>墨<主格><私>-<与格>

    「「お前、墨は持っているか?」「持っている。」」

    二人の発話。dreumá は dréum「黒い」に軽いものを表す -á がついた語で、強勢が語尾にある。言葉を載せて昇るものなので軽性になり、繋辞は ésa。所有は「és-+物+持ち主の与格」で言い、動詞は持ち主ではなく墨に一致する。

    ké ténda ambrél?

    読み:ケー テンダ アンブレール?

    kéténd-aambrél
    <〜か>織る-<(軽いものが)>姉<主格>

    「姉さんは機を織っているか。」

    家族の中で交わすくだけた問い。はい・いいえの問いは、文のいちばん前に ké を置いて作る。答えは動詞を繰り返して言い、「はい」なら ténda、「いいえ」なら na ténda となる。時制がないので、「織ったか」とも訳せる。

    ké tóres es kéndoros? tórim.

    読み:ケー トーレス エス ケンドロス?トーリン。

    kétór-eseskéndor-os?tór-im.
    <〜か>来る-<あなたが>から市-<属格>来る-<私が>

    「「市から来たのか?」「来た。」」

    二人の発話。同じ段どうしか、目上から目下へのくだけた問いで、はい・いいえを問う ké を文のいちばん前に置く。高原語には「はい」がないので、答えは動詞を自分の人称にして繰り返す。重性の kéndor の属格は -os になる。

    ké lísa lisár plíndo só?

    読み:ケー リーサ リサール プリンド ソー?

    kélís-alis-árplíndosó?
    <〜か>書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>荷札<対格>この<重性>

    「書記がこの荷札を書くのか。」

    はい・いいえで答える問いは、文のいちばん前に ké を置いて作る。荷札は伐った脂の木の板なので重性o語幹で、主格と対格が同じ形の plíndo になる。指示詞も重性の só を使う。動詞は主語の lisár(人なので軽性)に一致して -a をとる。

    ké ésa meirtaulá sé lísen?

    読み:ケー エーサ メイルタウラー セー リーセン?

    kéés-ameirtaulásélís-en?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>取引<主格>この<軽性>書く-<〜した・〜された>

    「この取引は書き留めてあるか。」

    meirtaulá は méir-「与える」と tául-「取る」に -á がついた軽性a語幹の名詞で、語尾に強勢がある。述語の分詞 lísen「書かれた」は、主語に一致して軽性・単数・主格の形(語尾なし)になる。王国では口約束より書きつけが重く、取引は帳簿に一つ一行で書く。

    ké élþa aurvirá? elþíþir élan elþéi.

    読み:ケー エルサ アウルヴィラー?エルシーシル エーラン エルセー。

    kéélþ-aaurvirá?elþ-íþ-irél-anelþ-éi.
    <〜か>燃える-<(軽いものが)>祈りの紙<主格>燃える-<〜させる>-<皆で〜せよ><3人称単数・軽性>-<対格>火-<与格>

    「祈りの紙は燃えているかい。皆でそれを火にくべて燃やしなさい。」

    家の中で、年長者が年少の者たちに言う下向きの話し方。élþ- に使役の -íþ- をつけると「燃やす」になり、複数への命令の語尾 -ir が続く。代名詞 élan は軽性の aurvirá を受けている。

    ké tóra ráuvan? na tóra. séiran kelárai.

    読み:ケー トーラ ラウヴァン?ナ トーラ。セーラン ケラーライ。

    kétór-aráuvan?natór-a.séir-ankel-ár-ai.
    <〜か>来る-<(軽いものが)>森の巫<主格><〜ない>来る-<(軽いものが)>待つ-<彼らが>伐る-<〜する人>-<〜たちが>

    「「巫は来たか?」「まだ来ていない。樵たちが待っている。」」

    伐り出しの前の、森の村での日常のやりとり。二人の発話を一つにまとめている。儀式の詞を唱えずには硬木を伐れないので、樵たちは森の巫の到着を待つ。「はい/いいえ」にあたる語はなく、問いの動詞を繰り返して答える(否定なら na tóra)。時制がないので、tóra は「来た」とも「来ている」とも訳せる。

    ké ésa loimá kéumos só ráuvanes?

    読み:ケー エーサ ロイマー ケウモス ソー ラウヴァネス?

    kéés-aloimákéum-ossóráuvan-es?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>碑の詞<主格>碑-<属格>この<重性>森の巫-<属格>

    「この碑の詞は、森の巫のものか?」

    古い碑の前で交わす問い。降ろし場の碑のように、森の巫の詞をそのまま刻んだ碑がある。名詞句の終わりの指示詞 só は重性の形なので、軽性の loimá ではなく、重性の kéumo(碑)にかかる。そのため「この碑の」と読む。答えは動詞を繰り返して ésa、または na ésa と言う。

    ké méirses meiró? méirsim.

    読み:ケー メールセス メイロー?メールシン。

    kéméirs-esmeiró?méirs-im.
    <〜か>与える<〜し終えた>-<あなたが>税<対格>与える<〜し終えた>-<私が>

    「「税は納めたか?」「納めた。」」

    村の者どうしのくだけたやりとり。二人の発話を一つにまとめている。méir- は二重母音の語根なので、完了相は -s- を足して méirs- にする。高原語には「はい」にあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。

    ké ráines ré ésa orenvandár té sal þrénuls?

    読み:ケー ライネス レー エーサ オレンヴァンダール テー サル スレーヌルス?

    kéráin-esréés-aorenvandártésalþrén-uls?
    <〜か>知る-<あなたが><〜と(節)>いる-<(軽いものが)>縁商人<主格>あの<軽性>〜の枠の外に段-<〜らに>

    「あの縁商人が段の外の者だと、お前は知っているか。」

    同じ段どうしの、くだけた問い。縁商人が仮の段の者として扱われるのは市の札が効く商いの場だけで、それ以外では段の外の者だ、ということを話題にしている。指示詞 té は強勢をもち、後ろに続くのが動詞ではなく前置詞なので、関係節の小辞 ti と取り違えることはない。

    ké éso orén trúin? éso trúin.

    読み:ケー エーソ オレーン トルーイン?エーソ トルーイン。

    kéés-ooréntrúin?és-otrúin.
    <〜か>いる-<(重いものが)>縁<主格>近いいる-<(重いものが)>近い

    「「縁は近いか。」「近い。」」

    二人のやりとりで、道を尋ねる日常の問いと答え。orén は重性なので、繋辞は -o をとり、述語の trúin も重性・主格の形(語尾なし)になる。高原語には「はい」がなく、答えるときは動詞と述語をくり返す。

    ké vóiles sáindaran anóreles?

    読み:ケー ヴォイレス サインダラン アノーレレス?

    kévóil-essáindar-ananórel-es?
    <〜か>読む-<あなたが>証文-<対格>昨日-<属格>

    「昨日の証文は読んだか。」

    同じ段か目下の相手への、くだけた問い。属格の anóreles を名詞の後ろに置いて、「昨日の〜」を表す。目上の人には ké を使わず、推量法で尋ねる。

    tóro nebrálvo. ké éso gleinó tásei?

    読み:トーロ ネブラルヴォ。ケー エーソ グレイノー ターセイ?

    tór-onebrálvo.kéés-ogleinótás-ei?
    来る-<(重いものが)>霧期<主格><〜か>いる-<(重いものが)>護符<主格><あなた>-<与格>

    「霧期が来る。お前、護符は持っているか?」

    家族や親しい者どうしの日常会話。nebrálvo は重性なので、動詞は重性の -o(tóro)で一致する。季節名のうち、重性の一致をとるのはこの語だけである。所有は「ある+持ち主の与格」で言い、動詞は持たれている物 gleinó(重性)に一致する。

    ké þíles? naþíl.

    読み:ケー シーレス?ナシール。

    kéþíl-es?naþíl.
    <〜か>分かる-<あなたが>わからん

    「「分かるか?」「わからん。」」

    二人の発話。高原語には「いいえ」がないので、正式には動詞を繰り返して na þílim と答える。naþíl は否定の小辞 na と þíl-「分かる」の語幹がくっついて固まったくだけた言い方で、人称の語尾をつけない。森や崖道、市で使い、改まった場では使わない。

    hóu! ké dúles du orén?

    読み:ホー!ケー ドゥーレス ドゥ オレーン?

    hóu!kédúl-esduorén?
    おーい<〜か>下る-<あなたが>下手縁<対格>

    「おーい!縁へ下りるのか?」

    谷の向こうや坂の下にいる相手に、大声で行き先を確かめる言い方。はい・いいえの問いは文のいちばん前に ké を置くが、間投詞 hóu はさらにその前に、独立した叫びとして置く。目上の人には使わない、くだけた呼びかけ。

    ké dúlimor du orén dórel? éun.

    読み:ケー ドゥーリモル ドゥ オレーン ドーレル?エウン。

    kédúl-imorduoréndórel?éun.
    <〜か>下る-<我々が>下手縁<対格>明日うん

    「「明日、縁へ下りるか?」「うん。」」

    運び人どうしのくだけたやりとり。時を表す語 dórel は文の後ろに置く。éun だけで答えるのは仲間内や目下への返事で、改まった場では動詞を繰り返すか、目上の人には dómim を使う。

    ké éso sáko tásei? nés.

    読み:ケー エーソ サーコ ターセイ?ネース。

    kéés-osákotás-ei?nés.
    <〜か>いる-<(重いものが)>塩<主格><あなた>-<与格>ない(品切れ)

    「「塩はあるか?」「ない。」」

    市で品物の有無を尋ねられて、品切れだと答える言い方。所有は「持つ」という動詞を使わず、「ある+持ち主の与格」で言う。改まった言葉なら na éiso と動詞を繰り返して答えるところを、取引言葉では nés の一語ですませる。sáko は干潟から借りた語で重性。

    hóu! ké éses? na sénim tásan.

    読み:ホー!ケー エーセス?ナ セーニン ターサン。

    hóu!kéés-es?nasén-imtás-an.
    おい<〜か>いる-<あなたが><〜ない>見る-<私が><あなた>-<対格>

    「おい!いるのか?お前が見えない。」

    霧期に、名前を呼ぶかわりに hóu で相手の注意を引く言い方。霧の中で名前を呼ぶと名前の主が下の国に引かれるとされるので、名前のかわりにこの声を使う。はい・いいえの問いは文のいちばん前の ké で作る。

    ké ésa lisár? dómim.

    読み:ケー エーサ リサール?ドーミン。

    kéés-alis-ár?dómim.
    <〜か>いる-<(軽いものが)>書く-<〜する人>はい、ここに

    「「書記はいるか?」「はい、ここに。」」

    二人の発話。目上の者が人を探して呼んだとき、呼ばれた本人がそばに控えていることを示す返事。「はい」にあたる語がない高原語で、呼びかけへの返事として固まった形。目上の者が書記を3人称で尋ねても、本人は1人称の dómim で答える。

    ké tóres es orénos? éun, tórim.

    読み:ケー トーレス エス オレーノス?エウン、トーリン。

    kétór-esesorén-os?éun,tór-im.
    <〜か>来る-<あなたが>から縁-<属格>うん来る-<私が>

    「「縁から来たのか?」「うん、来た。」」

    森や崖道のくだけたやりとり。高原語には「はい」がなく、ふつうは動詞を自分の人称に変えて繰り返して答えるが、くだけた場では éun を先に言い、そのあとに動詞を添えることが多い。時制がないので tóres は「来る」とも「来た」とも訳せる。目上の人には使わない。

    ké vóiles lisáis?

    読み:ケー ヴォイレス リサイス?

    kévóil-eslis-áis?
    <〜か>読む-<あなたが>字-<〜たちを>

    「お前は字が読めるか。」

    はい・いいえで答える下向きの問い。「〜できる」にあたる専用の形はなく、直説法で「字を読むか」と尋ねて読み書きの力を問う。答えは動詞を繰り返して vóilim、または na vóilim と言う。

    ké vóiles sáindaran sé?

    読み:ケー ヴォイレス サインダラン セー?

    kévóil-essáindar-ansé?
    <〜か>読む-<あなたが>証文-<対格>この<軽性>

    「お前、この証文が読めるか?」

    下向きの問い。はい・いいえで答える問いは、文のいちばん前に ké を置いて作る。答えるときは動詞を繰り返して vóilim(読める)、na vóilim(読めない)と言う。目上の人には ké も2人称も使わない。

    ké ésa virnourá viréi sé?

    読み:ケー エーサ ヴィルノウラー ヴィレー セー?

    kéés-avirnourávir-éisé
    <〜か>いる-<(軽いものが)>含み<主格>言葉-<与格>この<軽性>

    「この言葉に含みはあるか。」

    詩合わせなどで、目上の者が目下の者を試すときの問い。はい・いいえで答える問いなので、文のいちばん前に ké を置く。所有の文で、動詞は持ち主の viréi(与格)ではなく、持たれている virnourá(軽性)に一致して ésa になる。答えるときは動詞を繰り返して ésa(ある)か na ésa(ない)と言い、人称は変えない。virá は語尾に強勢のある軽性a語幹の名詞で、与格は -éi になる。

    ké géles an kloimándo sórel? gélim.

    読み:ケー ゲーレス アン クロイマンド ソーレル?ゲーリン。

    kégél-esankloimándosórel?gél-im.
    <〜か>行く-<あなたが>上手学び舎<対格>今日行く-<私が>

    「「今日は学び舎へ行くの?」「行くよ。」」

    家族のあいだの日常のやりとり。はい・いいえの問いは文頭の ké で作り、答えは「はい」の語を使わず、動詞を自分の人称に変えて繰り返す。行き先はかならず方向の前置詞をつけて言う(an+対格「上手の〜へ」)。kloimándo は重性o語幹で、主格と対格が同じ形。

    ké ráines ombríl só?

    読み:ケー ライネス オンブリール ソー?

    kéráin-esombrílsó?
    <〜か>知る-<あなたが>句<対格>この<重性>

    「この句を知っているか。」

    同じ段か目下の相手への、くだけた問い。ombríl は重性なので、指示詞は重性の só を使う。「はい」「いいえ」にあたる語はなく、ráinim(知っている)か na ráinim(知らない)と動詞を繰り返して答える。

    ké vóiles kéumo só?

    読み:ケー ヴォイレス ケウモ ソー?

    kévóil-eskéumosó?
    <〜か>読む-<あなたが>碑<対格>この<重性>

    「この碑を読めるか。」

    古い字形の碑を前にした、くだけた問い。「〜できる」にあたる語形はなく、直説法のまま「読むか」で能力も尋ねる。kéumo は重性の o語幹なので、対格も主格と同じ形で、指示詞は só を使う。

    ké pándes ombríl só?

    読み:ケー パンデス オンブリール ソー?

    képánd-esombrílsó?
    <〜か>刷る-<あなたが>十拍の句<対格>この<重性>

    「この句を刷るのか。」

    詩合わせで勝った詩は木版で刷られて広まる。その刷りを話題にした、並びか下向きの問い。ombríl「十拍の句」は重性なので、主格と対格が同じ形になり、指示詞は só を使う。直説法には法の印がなく、時制もないので、「刷るのか」とも「刷っているのか」とも訳せる。

    ké éso sáko tásei?

    読み:ケー エーソ サーコ ターセイ?

    kéés-osákotás-ei?
    <〜か>ある-<(重いものが)>塩<主格><あなた>-<与格>

    「お前、塩はあるか?」

    所有は持ち主の与格で表す。動詞は持ち主ではなく、持たれている塩 sáko(重性)に一致する。答えは動詞を繰り返して、「はい」なら éiso、「いいえ」なら na éiso と言う。

    ké ésa lisár?

    読み:ケー エーサ リサール?

    kéés-alis-ár?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>書く-<〜する人>

    「書記はいるか?」

    はい・いいえで答える問いは、文のいちばん前の ké で作る。目上の人について尋ねるなら、ké を使わずに推量法と aulisár を使う。

    ké éso só fírna? na éso. na éso só póin sal árnelei.

    読み:ケー エーソ ソー フィルナ?ナ エーソ。ナ エーソ ソー ポイン サル アルネレイ。

    kéés-osófírna?naés-o.naés-osópóinsalárnel-ei.
    <〜か>いる-<(重いものが)>この<重性>筆<〜ない>いる-<(重いものが)><〜ない>いる-<(重いものが)>この<重性>何か外木-<与格>

    「「これはペン(書く道具)ですか?」 「いいえ。これはただの木の棒です」」

    直訳は「これは筆か?」「(筆では)ない。これは木の外の何ものでもない」。辞書の語だけで訳せたので、仮置きの語はありません。既存の用例と照らし合わせましたが、食い違いは見つからなかったので、元の訳のまま返します。 1. 「ペン」:辞書の fírna(筆)を使いました。「書く道具」の意味にちょうど合います。 2. 「これ」:指示詞 só を単独で「これ」として使いました(定型句 póso「これは何だ」と同じ使い方)。重性の só にしたのは、指している物が伐った木の切れ端だからです。伐った木は荷札と同じく重性で受けます(既存の sén gandér só と同じ)。繋辞も só に合わせて重性の éso にしました。述語の fírna は軽性の名詞ですが、述語の名詞は自分の性・主格のまま置くので、形は変えていません(既存の na éso nébro fléura と同じ組み立て)。 3. 問いの形:目上かどうか分からない相手へのふつうの問いとして、文頭に ké を置きました(既存の ké éso fóndar só gléin? と同じ形)。目上の人に聞くなら、ké を使わず推量法で尋ねます。 4. 「いいえ」:高原語には「はい」「いいえ」にあたる語がありません。そこで問いの動詞を繰り返して na をつけ、na éso としました。動詞は物に一致しているので、人称は変わりません(既存の「na éso tambór némei」と同じ)。 5. 「ただの木の棒」は言い換えました。「棒」にあたる語はないので、árnel(木・材木)で「木切れ」の意味にしました。「ただの」にあたる語もないので、na … póin sal árnelei「木の外の何ものでもない」と否定で言い換えました。前置詞 sal(〜の外に)がとる格は決まっていません。ほかの前置詞が「その場にあること」を与格で言うのにならって、与格にしました。 6. 性の決め方:árnel は生えている木と同じ軽性の子音語幹とみて、与格を -ei にしました。名詞の形は伐っても軽性のままで、一致だけが重性になります。póin(何か)は疑問詞 pó にならって重性とし、主語 só と同じく、繋辞は重性の éso にしました。

    ké néules krévan? na néulim.

    読み:ケー ネウレス クレーヴァン?ナ ネウリン。

    kénéul-eskréva-n?nanéul-im.
    <〜か>好む-<あなたが>練習-<対格><〜ない>好む-<私が>

    「「練習は好きか?」「好きじゃない。」」

    二人の会話で、家族や仲間どうしのくだけたやりとり。はい・いいえで答える問いなので、文頭に ké を置いている。答えでは、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返す。答えの形なので、問いに出た目的語 krévan は言わなくてよい。kréva は語根に強勢のある軽性a語幹で、対格は語尾 -n をつけて krévan になる。

    ké éso dulilmó un kórvoi?

    読み:ケー エーソ ドゥリルモー ウン コルヴォイ?

    kéés-odulilmóunkórv-oi?
    <〜か>いる-<(重いものが)>水汲み桶<主格>内に倉-<与格>?

    「倉の中に汲み桶はあるか。」

    存在の問い。動詞は持たれている物(汲み桶、重性)に一致して -o。un+与格で「〜の中で」。答えは éso(ある)または na éso(ない)で、人称は変わらない(所有・存在の動詞は物に一致するため)。

    ké súles lúsan?

    読み:ケー スーレス ルーサン?

    késúl-eslús-an?
    <〜か>すする-<あなたが>粥-<対格>

    「粥をすすっているのか。」

    食卓での日常的な問い。ké ではい・いいえの問いを作る。2人称を使っているので、同じ身分か目下の相手への問い。答えは動詞を繰り返して「súlim」(すすっている)または「na súlim」(すすっていない)。

    ké foumtáules tás lúsan?

    読み:ケー フォウンタウレス タース ルーサン?

    kéfoumtául-estáslús-an
    <〜か>温取る-<あなたが><あなた・主格>粥-<対格>

    「お前は温かい粥をすするのか。」

    日常会話での直接問い。縁の市の取引言葉では foumtául- は使われない。2人称単数の直説法 foumtáules を使っている。

    ké múndaures tás?

    読み:ケー ムンダウレス タース?

    kémúndaur-estás?
    <〜か>笑う-<あなたが><あなた>

    「お前は笑っているのか。」

    文頭に ké を置くはい/いいえの問い。同輩から下の者に対する下向きの形なので、2人称単数の語尾 -es を直接使う。主語の代名詞 tás は対比的な強調で動詞の後ろに置いた。múndaur- は顔の動きを見る語として、くだけた場面で使いやすい。

    ké éso kúulo fóum?

    読み:ケー エーソ クーロ フォーン?

    kéés-okúulofóum?
    <〜か>いる-<(重いものが)>鍋<主格>暖かい

    「「鍋は暖かいのか。」」

    日常会話での尋ね。主語 kúulo は重性o語幹なので、存在・描写の動詞 éso は3人称単数・重。形容詞 fóum は単数主格で無標。

    ké vélo grél?

    読み:ケー ヴェーロ グレール?

    kévél-ogrél?
    <〜か>渇く-<(重いものが)>のど<主格>

    「喉が渇いているか。」

    くだけた日常の問い。のどは肉体の部分なので重性で、動詞は3人称単数・重性の語尾をとる。

    ké éso krénmo tásei?

    読み:ケー エーソ クレンモ ターセイ?

    kéés-okrénmotás-ei?
    <〜か>いる-<(重いものが)>環<主格><あなた>-<与格>

    「あなたに環はあるか。」

    日常の尋ね。所有や存在は「ある」+持ち主の与格で表す。krénmo は重性o語幹で、主格と対格が同形。éso は主語 krénmo に一致して重性単数の語尾 -o。

    ké þovonóres, orenvandár?

    読み:ケー ソヴォノーレス、オレンヴァンダール?

    kéþovonór-es,orenvandár?
    <〜か>顔を影へ向ける-<あなたが>縁商人<主格>

    「縁商人よ、顔を影へ向けるのか。」

    縁の市での公的な詰問の文。ké は文頭に置き、2人称-es は下向きの形。呼びかけ orenvandár は読点の後に置く。この語は市井では滅多に使われず、用いられるなら不信・拒絶を強く暗示する公的な場に向く。

    ké þréines sórel?

    読み:ケー スレーネス ソーレル?

    kéþréin-essórel?
    <〜か>目を覚ます<〜し終えた>-<あなたが>今日

    「今日、目を覚ましたか。」

    日常会話で、眠りから覚めたかどうかを尋ねる文。はいにあたる単独の語はなく、肯定は þréinim のように動詞を言い、否定は na þréinim、くだけた場では na だけで答えることもできる。þrín- は自分で目覚める意味で、人が人を起こす場合は使役 þríníþ- を使う。

    ké vráno snóimo némes

    読み:ケー ヴラーノ スノイモ ネーメス

    kévrán-osnóimoném-es
    <〜か>硬直する-<(重いものが)>肩<主格><私>-<属格>

    「私の肩はこわばっていますか。」

    日常の体の訴え。身体部分を示すsnóimoは重性として、動詞は3人称単数重性の-oで受ける。所有は、主格の身体名詞の後ろに1人称属格を置く。

    ké þóla endríña selván?

    読み:ケー ソーラ エンドリーニャ セルヴァーン?

    kéþól-aendríñaselv-án
    <〜か>息を止める-<(軽いものが)>子ども<主格>息-<対格>

    「子どもは息を止めていますか。」

    日常会話の疑問文。疑問小辞 ké は文頭に置く。主語 endríña は人を指す軽性名詞なので、動詞は 3人称単数・軽性の語尾 -a を受ける。目的語は selván。

    ké éso grél táses klér?

    読み:ケー エーソ グレール ターセス クレール?

    kéés-ogréltás-esklér?
    <〜か>いる-<(重いものが)>のど<主格><あなた>-<属格>冷たい

    「あなたののどは冷たいですか。」

    日常会話で身体の状態を尋ねる文。grél は身体部位としては重性の名詞とみなす。所有は名詞に属格 tás-es を後置する。述語形容詞 klér は重性単数の主格で無標識。

    ké selvaþréunes?

    読み:ケー セルヴァスレウネス?

    késelvaþréun-es?
    <〜か>慌てる-<あなたが>

    「あなたは慌てているのですか。」

    日常会話での直接の問い。動詞の語尾が2人称単数を示すため、主語の代名詞は補わない。改まった場では ké を使わず推量法で尋ねる。

    ké éso þám tásei?

    読み:ケー エーソ サーン ターセイ?

    kéés-oþámtás-ei?
    <〜か>いる-<(重いものが)>釘<主格><あなた>-<与格>

    「釘はあるか。」

    日常の所有の問い。þám は重性名詞なので存在動詞は3単重性 éso になる。所有は「持つ」という動詞ではなく、被所有物の存在と持ち主の与格で表す。目上には ké を使わない。

    ké ésa anrása té fóndel?

    読み:ケー エーサ アンラーサ テー フォンデル?

    kéés-aanrásatéfóndel?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>上着<主格>あの古い

    「その上着は由緒ある古いものか。」

    書物・家系・古着市のように、衣服の由来を確かめる場面。疑問の小辞 ké を文頭に置き、述語形容詞 fóndel には軽性単数主格の語尾がつかない。

    ké fíndes þúmvan?

    読み:ケー フィンデス スンヴァン?

    kéfínd-esþúmva-n?
    <〜か>聞く-<あなたが>口笛-<対格>

    「「口笛が聞こえるか。」」

    ké を文頭に置くありふれた問い。口笛を目的語に取っており、軽性a語幹の対格は語幹 þúmva に -n が付く形になっている。

    ké súndau orenvandár si faronár?

    読み:ケー スンダウ オレンヴァンダール シ ファロナール?

    késúnd-auorenvandársifaronár?
    <〜か>世間話する-<双数>縁商人<主格>と運び人<主格>

    「縁商人と運び人は世間話をしているか。」

    縁の市でのくだけた問い。ké は文頭に置く。顔見知りの二人を並べると動詞は双数になる。

    ké éso ruunó táses klér?

    読み:ケー エーソ ルーノー ターセス クレール?

    kéés-oruunótás-esklér
    <〜か>be-<(重いものが)>後ろ<主格><あなた>-<属格>冷たい

    「「あなたの背(後ろ側)は冷たいか。」」

    人体の背面、背中から尻にかけての背面を表す用法。所有は名詞の後ろに属格の代名詞を置く。

    ké éso ráuvo glóur?

    読み:ケー エーソ ラウヴォ グロール?

    kéés-oráuvoglóur?
    <〜か>いる-<(重いものが)>森<主格>緑

    「森は緑か。」

    日常の会話文。疑問は文頭の ké で作る。繋辞 éso は主語 ráuvo が重性・単数なので -o をとる。述語形容詞 glóur は主語の性・数・格に一致し、重性・単数・主格では無標で現れる。この文では、森の通常の緑色を尋ねる意味で使われている。

    ké ésa ín píma un kórvoi?

    読み:ケー エーサ イーン ピーマ ウン コルヴォイ?

    kéés-aínpímaunkórv-oi?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>一紙<主格>内に倉-<与格>

    「倉に紙が一枚あるか。」

    倉・帳場での確認の文。意味2「数える対象としての紙一片」を、単位として数える。紙一枚は「ínn píma」と表し、主語は軽性なので存在動詞はéさ。un kórv-oi「倉の中で」。

    ké éso brinó símbos?

    読み:ケー エーソ ブリノー シンボス?

    kéés-obrinósímb-os?
    <〜か>いる-<(重いものが)>摩耗<主格>印-<属格>

    「印の摩耗があるか。」

    帳簿・荷札・目印などの刻み・印が摩耗して薄れるかどうかを問う、市や帳場での言い方。ké を文頭に置いてはい・いいえの問いを作る。

    ké þínes lénþan

    読み:ケー シーネス レンサン

    kéþín-eslénþ-an
    <〜か>摘む-<あなたが>若菜-<対格>

    「若菜を摘むのか。」

    日常の素朴な問い。ké が文頭に立ち、2人称単数の語尾 -es で主語を表す。

    ké grúmbes kálmo sáunin

    読み:ケー グルンベス カルモ サウニン

    kégrúmb-eskálmosáun-in
    <〜か>噛む-<あなたが>粟<対格>良い-<〜して・〜く>

    「お前は粟をよく噛んでいるか。」

    日常会話の二項質問。主語の代名詞 tás は動詞語尾で足りるため省く。sáun に副詞化の -in をつけた sáunin が「よく」の意味になる。

    ké éso filplén tásei?

    読み:ケー エーソ フィルプレーン ターセイ?

    kéés-ofilpléntás-ei?
    <〜か>存在-<(重いものが)>数え盤<主格><あなた>-<与格>

    「あなたには数え盤があるか。」

    帳場や市での日常会話。所有は存在動詞と与格で表し、持たれるもの filplén が主語になって動詞に一致する。filplén は重性子音語幹として扱う。

    ké vándes fáron þílin?

    読み:ケー ヴァンデス ファーロン シーリン?

    kévánd-esfáronþílin?
    <〜か>量る-<あなたが>荷わざと

    「わざと荷を量るのか。」

    対等か目下の相手への問い。ké を文頭に置き、主語の人称は動詞語尾に含める。目的語 fáron は重性名詞で対格同形。

    ké gélimor un þóuno?

    読み:ケー ゲーリモル ウン ソーノ?

    kégél-imorunþóuno?
    <〜か>行く-<我々が>内に夜用の用足し<対格>

    「私たちは夜用の用足し場へ行くか。」

    日常の問い。þóuno は場所を指す意味。un と対格は「〜の中へ」を表す。þóuno は重性o語幹で、対格は主格と同じ形。ké は文頭に置く。

    ké éso þéumo húmel?

    読み:ケー エーソ セウモ フーメル?

    kéés-oþéumohúmel?
    <〜か>いる-<(重いものが)>肩掛け<主格>湿った

    「肩掛けは湿っているか。」

    ké は文頭に置くはい/いいえの問いの小辞。éso は重性単数の主語 þéumo に一致する。述語形容詞 húmel は重性単数の無標識形。衣類や道具の状態を確認する場面。

    ké breséres elþés?

    読み:ケー ブレセーレス エルセース?

    kébres-ér-eselþ-és?
    <〜か>胸-<〜でする>-<あなたが>火-<属格>

    「火に驚いたのか。」

    友人や子どもへのくだけた問い。文頭に疑問小辞 ké を置く。二人称の語尾 -es だけなら主語の代名詞を省ける。原因は裸の属格 elþés で示す。目上の相手には ké と二人称ではなく、推量法を使う。

    ké kánþes tás tambór?

    読み:ケー カンセス タース タンボール?

    kékánþ-estástambór?
    <〜か>立っている穀物を刈る-<あなたが><あなた・主格>雑穀<対格>

    「お前は雑穀を刈るのか。」

    日常会話で、作業の最中に直接問いかける場面。ké は文頭に置く。明示的な tás は確認や念押しの響き。tambór は重性で、目的語も無変化。

    ké kranéro kranó?

    読み:ケー クラネーロ クラノー?

    kékranér-okranó?
    <〜か>伸びる-<(重いものが)>爪<主格>

    「爪が伸びているか。」

    日常会話で、爪が伸びていないか確かめる問い。爪の語 kranó が重性o語幹なので、動詞は3人称単数・重性の語尾 -o をとる。はい・いいえの問いには ké を文頭に置き、答えでは kranéro を繰り返す。

    ké virfíla virá orenvandárei?

    読み:ケー ヴィルフィーラ ヴィラー オレンヴァンダーレイ?

    kévirfíl-aviráorenvandár-ei?
    <〜か>通じる-<(軽いものが)>言葉<主格>縁商人-<与格>

    「言葉は縁商人に通じるか。」

    縁の市の問合わせの場面。主語 virá は軽性なので、動詞は 3人称単数軽性の -a をとる。受け手は裸の与格で表す。通じる・教える・分かるのうち、ここでは意味が相手側へ渡っているかどうかだけを問う。

    ké sakopúles? sakopúlim.

    読み:ケー サコプーレス?サコプーリン。

    késakopúl-es?sakopúl-im.
    <〜か>塩額当-<あなたが>塩額当-<私が>

    「「塩を額に当てるのか」「当てる」」

    日常会話での問いと答え。肯定の答えは動詞を繰り返す形で、主語代名詞は必要としない。この語は sáko を目的語に取らずに動作全体を表す。

    ké senkríla endríña es toráres?

    読み:ケー センクリーラ エンドリーニャ エス トラーレス?

    késenkríl-aendríñaestorár-es?
    <〜か>目を逸らす-<(軽いものが)>子ども<主格>から客-<属格>

    「その子は客から目を逸らすのか。」

    日常会話での yes/no 問い。`es` に属格を添え、視線を外す対象を「〜から」で示す。主語の `endríña` は人なので動詞は軽性の `senkríla` を取る。

    ké ésa virá táses slém?

    読み:ケー エーサ ヴィラー ターセス スレーン?

    kéés-avirátás-esslém?
    <〜か><である>-<(軽いものが)>言葉<主格><あなた>-<属格>甘ったるい

    「お前の言葉は甘ったるいか。」

    日常会話。同等か目下の者への、からかいを含んだ問い。軽性名詞 virá に、二人称単数属格 táses を後置する。存在・繋辞 és- は三人称単数軽性 ésa で、形態素は és-a と分析する。述語の slém は主格単数で無標。

    ké sindéres, endríña?

    読み:ケー シンデーレス、エンドリーニャ?

    késindér-esendríña
    <〜か>泣く-<あなたが>子

    「泣いているのか、子ども。」

    直説法2人称単数のくだけた問い。呼びかけの「子」は文末に添える。

    ké éso unlóur gólvo só?

    読み:ケー エーソ ウンロール ゴルヴォ ソー?

    kéés-ounlóurgólvosó
    <〜か>いる-<(重いものが)>まだ旧道<主格>この<重性>

    「この旧道は、まだありますか。」

    場面:日常会話。存在の動詞が重性主語に一致して3人称単数重性のésoになっている。疑問小辞kéは文頭に置き、副詞unlóurは動詞の直後、主語の前に置く。gólvo sóは重性o語幹の単数主格名詞句。

    ké tóra oráur?

    読み:ケー トーラ オラウル?

    kétór-aoráur?
    <〜か>来る-<(軽いものが)>夜明け<主格>

    「夜明けが近づいたのか。」

    日常の問い。oráur は東の空から上る光をさす語として軽性とみなし、動詞は3単軽性語尾 -a をとる。ké は文頭に置く。

    ké sórel, voltáules snúlvo?

    読み:ケー ソーレル、ヴォルタウレス スヌルヴォ?

    késórel,voltául-essnúlvo
    <〜か>今日地面を掘る-<あなたが>穴<対格>

    「今日、穴を掘るのか。」

    意味2の用法。意味2では穴・井戸など完成した形の名詞を対格で受ける。ké は文頭に置き、場面枠の sórel は読点で区切る。snúlvo は重性o語幹で、対格は主格と同形。

    ké dunþrémo klóno táses?

    読み:ケー ドゥンスレーモ クローノ ターセス?

    kédunþrém-oklónotás-es?
    <〜か>腫れる-<(重いものが)>膝<主格><あなた>-<属格>

    「あなたの膝は腫れていますか。」

    日常会話。はい/いいえの問いは ké を文頭に置く。対等・下向きの表現で、目上の人には ké と直接の質問は使わない。所有者は 2人称単数属格 táses。

    ké éso prúumo an orénoi? na éso.

    読み:ケー エーソ プルーモ アン オレーノイ?ナ エーソ。

    kéé-soprúumoanorén-oi?naé-so.
    <〜か>存在-<(重いものが)>水たまり<主格>上手縁-<与格><〜ない>存在-<(重いものが)>

    「「縁の上手に水たまりがあるか。」「ない。」」

    日常会話。an と与格 orénoi が場所を示す。prúumo は重性o語幹で、単数主格は辞書形のままとする。存在文への否定応答は éso を繰り返す。

    ké tánes tanfílan?

    読み:ケー ターネス タンフィーラン?

    kétán-estanfíl-an
    <〜か>張る-<あなたが>経糸-<対格>

    「お前は経糸を張っているのか。」

    作業中に互いに確認し合う日常の疑問文。tanfíl は軽性子音語幹なので、直接目的語には単数対格 -an をつける。2人称の疑問文で、くだけた場の下向きの問い。

    ké sórel, tóra vríma?

    読み:ケー ソーレル、トーラ ヴリーマ?

    késórel,tór-avríma?
    <〜か>今日来る-<(軽いものが)>仲間<主格>

    「仲間(一同)は今日来るのか。」

    くだけた日常会話での問い。ké が文頭、時間の句 sórel を場面の枠に置く。vríma は同じ場や作業で集う者たちをひとまとまりの集団として指す総称名詞で、文中では単数扱いになる。

    ké þalfíndes virán?

    読み:ケー サルフィンデス ヴィラーン?

    kéþalfínd-esvir-án
    <〜か>耳を澄ます-<あなたが>言葉-<対格>

    「言葉に耳を澄ませているのか。」

    日常の問い。kéは文頭に置き、同輩・目下への直接の疑問を作る。目上にはkéを使わず推量法で尋ねる。

    ké éso fenlapúl séndoi?

    読み:ケー エーソ フェンラプール センドイ?

    kéés-ofenlapúlsénd-oi?
    <〜か>いる-<(重いものが)>蒸し枝<主格>ここ-<与格>

    「ここに蒸し枝があるか。」

    汗蒸し小屋や道具場で、蒸し枝の有無を尋ねる口語的な文。存在の動詞 és- は、主語 fenlapúl が重性なので語尾が -o で受け取る。séndoi は séndo「ここ」の与格形。

    ké éso lúuko séndoi?

    読み:ケー エーソ ルーコ センドイ?

    kéés-olúukosénd-oi?
    <〜か>いる-<(重いものが)>熱石<主格>ここ-<与格>

    「ここに熱石があるのか。」

    存在文のはい/いいえの問い。ké は文頭に置く。

    ké vándes kailsámon só?

    読み:ケー ヴァンデス カイルサーモン ソー?

    kévánd-eskailsámonsó?
    <〜か>量る-<あなたが>革<対格>この<重性>

    「この革を量るのか。」

    市での日常会話。kéは文頭に置いてはい/いいえの問いを作る。重性名詞は主格と対格が同形だが、動詞の直後が主語、その次が目的語という語順から対格と読む。

    ké krélo houmkreló só?

    読み:ケー クレーロ ホウンクレロー ソー?

    kékrél-ohoumkrelósó?
    <〜か>足りる-<(重いものが)>家分<主格>この<重性>

    「この家分は足りるか。」

    日常のやり取り。yes-no 疑問は ké を文頭に置く。主語の houmkreló は重性o語幹の単数で、動詞 krél- は 3人称単数・重性語尾 -o を受ける。指示詞 só は名詞句に後置し、格変化しない。

    ké sénes kuuldulún só?

    読み:ケー セーネス クールドゥルーン ソー?

    késén-eskuuldulúnsó?
    <〜か>見る-<あなたが>鍋底<対格>この<重性>

    「この鍋底が見えますか。」

    日常の炉ばたで、鍋の中を見せ合うときや、残った煮汁を確かめるときに使う問い。疑問小辞 ké が文頭に立ち、主語は動詞語尾で示す。kuuldulún は重性名詞で、単数は主格と対格が同形。指示詞 só が名詞句の終わりを閉じる。

    ké dukráilim fáron es táses?

    読み:ケー ドゥクライリン ファーロン エス ターセス?

    kédukráil-imfáronestás-es?
    <〜か>代って取る-<私が>荷<対格>から<あなた>-<属格>

    「荷をあなたから代って取ろうか。」

    荷を差し出している相手に対して、荷を自分の側へ取り寄せて手伝おうとする申し出。直説法1単に疑問の小辞 ké を添えた問いかけの形。語義2では、荷を受け取る動作そのものより、押しつけがましくなく世話を焼く含みが強い。荷主には es+属格を添える。

    ké sórel, géles du meulvéinor?

    読み:ケー ソーレル、ゲーレス ドゥ メウルヴェーノル?

    késórel,gél-esdumeulvéinor?
    <〜か>今日行く-<あなたが>下手メウルヴェイノル<対格>

    「今日、メウルヴェイノルへ行くのか。」

    日常会話向けの疑問文。時節語 sórel を場面の枠に置いている。du と組む meulvéinor は目的地を表し、重性名詞の対格は無標の単独形になる。

    ké sénes krambóra?

    読み:ケー セーネス クランボーラ?

    késén-eskrambóra?
    <〜か>見る-<あなたが>クランボーラ<対格>

    「クランボーラが見えるか?」

    旧道の上から二つ目の岩棚を尋ねる日常会話。ké を文頭に置いてはい/いいえの問いを作る。sén-「見る」の2人称単数形。krambóra は旧地名 *-óra の土地名として重性扱いとし、対格は主格と同形で語尾が立たない。funelór 周辺では語末 a を発音し、他では krambór とも言う。

    ké tóra faronár sé es dulóros?

    読み:ケー トーラ ファロナール セー エス ドゥローロス?

    kétór-afaron-árséesdulór-os?
    <〜か>来る-<(軽いものが)>荷-<〜する人・主格>この<軽性>からドゥローラ-<属格>

    「この運び人は、ドゥローラから来たのか。」

    道場や宿での確認の文。疑問小辞 ké は文頭に置く。faron-ár は「荷に携わる人」の意。固有名詞 dulóra は重性o語幹の名詞として扱い、es の後に属格 dulóros をとる。指示詞 sé は faronár を修飾する軽性形。

    ké ésa bréula

    読み:ケー エーサ ブレウラ

    kéés-abréula
    <〜か>いる-<(軽いものが)>卵<主格>

    「卵があるか。」

    存在文。主語 bréula は主格無標で、見出し語の形をそのまま使う。食卓で卵があるかを尋ねる日常表現。

    ké fíndes halán es nébros

    読み:ケー フィンデス ハラーン エス ネーブロス

    kéfínd-eshalá-nesnébr-os
    <〜か>聞く-<あなたが>呼び-<対格>から霧-<属格>

    「霧の中から呼びを聞くか。」

    日常で声の聞こえを尋ねる文。呼び声を fínd-「聞く」の直接目的語に取る。halá に単数対格 -n が接して halán となる。前置詞 es は方向を問わない出所を表し、属格と組む。

    ké táules dulmón só?

    読み:ケー タウレス ドゥルモーン ソー?

    kétául-esdulmónsó?
    <〜か>取る-<あなたが>下げ振り<対格>この<重性>

    「この下げ振りを持って行くか?」

    日常の道具の受け渡し。二人称主語は動詞語尾-esのみで現れる。重性o語幹の「下げ振り」は単数目的語でも主格と同形。指示詞sóは名詞句の末尾に置かれる。

    ké þínes lénþan?

    読み:ケー シーネス レンサン?

    kéþín-eslénþa-n?
    <〜か>摘む-<あなたが>若菜-<対格>

    「若菜を摘むのか。」

    日常会話での問い。疑問の小辞 ké を文頭に置く。動詞 þín-「摘む」の2人称単数現在 þín-es。若菜 lénþa は軽性a語幹として、語幹 lénþa に目的語の対格接辞 -n をつけ lénþa-n とする。上向きの礼法場面では2人称を使わず、推量法や願望法に言い換える。

    ké éso ílmo só sakonén?

    読み:ケー エーソ イルモ ソー サコネーン?

    kéés-oílmosósakonén
    <〜か>いる-<(重いものが)>水<主格>この<重性>しょっぱい

    「この水はしょっぱいか。」

    井戸端や台所で、味を確かめる日常の問い。重性名詞述語文で、主語名詞句は ílmo só、述語形容詞 sakonén を後に置く。はい/いいえの疑問は文頭 ké で作る。

    ké lóima endríña simboselván?

    読み:ケー ロイマ エンドリーニャ シンボセルヴァーン?

    kélóim-aendríñasimboselvá-n?
    <〜か>唱える-<(軽いものが)>子ども<主格>覚え歌-<対格>

    「「その子は覚え歌を唱えるのか。」」

    日常の尋ね問。名詞は軽性の語幹に -n を添えて対格を作る。主語 endríña が軽性の単数なので動詞は -a を受ける。

    ké éso fúnel só ín ómbo?

    読み:ケー エーソ フーネル ソー イーン オンボ?

    kéés-ofúnelsóínómbo?
    <〜か>いる-<(重いものが)>綱<主格>この<重性>一指<主格>

    「この綱は、一指(の太さ)あるか。」

    市での日常会話。長さ・幅を単位「指」で表す用法。存在・名詞述語文の主語 fúnel が重性単数なので、動詞 és- は重性 3 人称単数 -o をとる。単数の主格 ómbo は、語を切らずに一つの形態素として示す。

    ké sénes nebroauró só?

    読み:ケー セーネス ネブロアウロー ソー?

    késén-esnebroaurósó
    <〜か>見る-<あなたが>霧上げ<対格>この<重性>

    「お前は、この霧上げが見えるか。」

    日常会話。nebroauró は重性o語幹名詞で、単数主格・対格同形。指示詞 só は名詞句の末尾に置く。

    ké sénes prímon só?

    読み:ケー セーネス プリーモン ソー?

    késén-esprímonsó?
    <〜か>見る-<あなたが>爪砥石<対格>この<重性>

    「この爪砥石が見えるか。」

    日常で、炉辺にある家用の爪砥石を指して尋ねる文。重性名詞は単数の目的語が無標なので、prímon に対格接辞はつかず、名詞句の終わりの重性指示詞 só が性を示す。金属用の研石や穀物の挽き石には使わない。

    ké tóres es dáloros, orvél tóres es orénos?

    読み:ケー トーレス エス ダーロロス、オルヴェール トーレス エス オレーノス?

    kétór-esesdálor-os,orvéltór-esesorén-os?
    <〜か>来る-<あなたが>から下国-<属格>,OR来る-<あなたが>から縁-<属格>?

    「下の国から来たのか、それとも縁から来たのか。」

    道中や再会で相手の出所を二者択一で問う日常句。kéは最初の節にのみ置き、orvélは二つ目の節の頭に置く。2人称は動詞語尾に現れるため、主語代名詞は繰り返さない。

    ké vándes fáron, orvél líses sáindaran?

    読み:ケー ヴァンデス ファーロン、オルヴェール リーセス サインダラン?

    kévánd-esfáron,orvéllís-essáindar-an?
    <〜か>量る-<あなたが>荷<対格>,OR書く-<あなたが>証文-<対格>?

    「荷を量っているのか、それとも証文を書いているのか。」

    縁の市で働き手に仕事の種別を選ぶ問い。orvélが節を並べ、同じ2人称主語は第二節の動詞語尾だけで示す。目的語の枠は空けず、二つ目の節でも名詞を置く。

    ké éso kumborhóum pír?

    読み:ケー エーソ クンボルホーン ピール?

    kéés-okumborhóumpír?
    <〜か>いる-<(重いものが)>クンボルホウム<主格>小さい

    「クンボルホウムは小さいですか。」

    日常で、町の大きさについて尋ねる文。繋辞 éso は主語 kumborhóum の重性に一致して -o を受ける。固有名詞は主格無標で、述語形容詞 pír も重性単数主格の無標形。

    ké éso snúlvo tén?

    読み:ケー エーソ スヌルヴォ テーン?

    kéés-osnúlvotén?
    <〜か>いる-<(重いものが)>穴<主格>浅い

    「穴は浅いのか。」

    日常会話での問い。ké が文頭に立つ。主語 snúlvo は重性・単数・主格、述語形容詞 tén は無語尾。穴について底がすぐ近くにあることを尋ねる。

    ké éso ílmo bún?

    読み:ケー エーソ イルモ ブーン?

    kéés-oílmobún?
    <〜か>いる-<(重いものが)>水<主格>深い

    「水は深いか。」

    水場の深さを確かめる日常的な問い。はい/いいえの問いは文頭の小辞 ké で作る。地面を流れる水 ílmo は重性o語幹で、存在・繋辞は -o に一致する。形容詞 bún は無標の重性単数主格形。

    ké éso helándo un méndalei?

    読み:ケー エーソ ヘランド ウン メンダレイ?

    kéés-ohelándounméndal-ei?
    <〜か>いる-<(重いものが)>休み場<主格>内に中-<与格>

    「休み場はありますか。」

    日常会話での問い。存在・繋辞の és- が重性名詞 helándo を主語として受けるため、動詞は 3 人称単数・重性の éso。helándo は主格単数。存在文で場所も持ち主も言わない場合は un méndalei「この世に」を添える。

    ké prénda líura némes ráun gléinaros?

    読み:ケー プレンダ リーウラ ネーメス ラウン グレーナロス?

    képrénd-alíuraném-esráungléinar-os?
    <〜か>移る-<(軽いものが)>女<主格><私>-<属格>流れ<対格>グレイナル-<属格>

    「娘はグレイナルの流れへ嫁いだのか。」

    日常の会話を想定した是非問い。意味2では、家系を「流れ」と言い、結婚して配偶者側の家系へ入ることを prénd- で表す。目的語として置く「流れ」は移り先を示す道のりの対格で、家系名は属格で名詞句に後続する。

    ké kúndes monsnembán sórel?

    読み:ケー クンデス モンスネンバーン ソーレル?

    kékúnd-esmonsnemb-ánsórel?
    <〜か>する-<あなたが>石写し-<対格>今日

    「今日、石写しの作業をするのか。」

    作業の予定を確認する日常の質問。動作としての石写しを、名詞 monsnembá を対格に取って表す。monsnembá は軽性 a 語幹として扱う。

    ké éso puló só sélen?

    読み:ケー エーソ プロー ソー セーレン?

    kéés-opulósósélen
    <〜か>いる-<(重いものが)>拍<主格>この<重性>正しい

    「この拍は正しいですか。」

    帳簿や数えの記録で、刻んだ拍に狂いがないか確かめるやり取り。はい・いいえで答える問いは文頭に ké を置く。主語 puló が重性なので、繋辞 és- は 3人称単数・重性の éso になる。指示詞 só が重性の名詞句を閉じ、その後の sélen が述語形容詞として立つ。

    ké éso mérvo só lárno?

    読み:ケー エーソ メルヴォ ソー ラルノ?

    kéés-omérvosólárno?
    <〜か>いる-<(重いものが)>村<主格>この<重性>湖畔<主格>

    「この村は湖畔の集落か。」

    名詞述文による尋ね。lárno は水際そのものではなく、湖畔の低い土地・集落を指す用法。述語名詞は主語に一致せず、主格のまま置く。

    ké tóra berunvríma némes?

    読み:ケー トーラ ベルンヴリーマ ネーメス?

    kétór-aberunvrímaném-es?
    <〜か>来る-<(軽いものが)>道連れ<主格><私>-<属格>

    「私の道連れが来たのか。」

    日常会話でのはい/いいえの問い。所有は「持つ」動詞を使わず、被所有名詞の後ろに属格を置く。答えでは肯定なら tóra、否定なら na tóra のように動詞を繰り返す。

    ké klénes senosnívo táses?

    読み:ケー クレーネス セノスニーヴォ ターセス?

    kéklén-essenosnívotás-es?
    <〜か>拭く-<あなたが>睫毛<対格><あなた>-<属格>

    「お前は自分の睫毛を拭くのか。」

    二人称単数への日常の問い。所有は「睫毛+二人称単数属格 táses」の名詞句で表す。睫毛をさす語は体部の語として重性o語幹で、単数では対格が主格と同形。

    ké líses plánan un þailviréi?

    読み:ケー リーセス プラーナン ウン サイルヴィレー?

    kélís-esplán-anunþailvir-éi?
    <〜か>書く-<あなたが>帳簿-<対格>内に都の改まった言葉-<与格>

    「帳簿を都の改まった言葉で書くか。」

    帳場や書記の日常で、書きぶりの改まりを確かめる文。un+与格で「〜という言語・文体で」と範囲を示す。þailviráは宮廷語と都の標準的な書き言葉を指す。

    ké vóilin þíles sóndelan un þailviréi?

    読み:ケー ヴォイリン シーレス ソンデラン ウン サイルヴィレー?

    kévóil-inþíl-essóndel-anunþailvir-éi?
    <〜か>読む-<〜して・〜く>分かる-<あなたが>書物-<対格>内に高原語(雅称)-<与格>

    「書物を高原語(雅称)で読めるか。」

    学び舎で能力を尋ねる文。副動詞+þíl-「分かる」で、やり方を身につけていてできることを問う。ここでのþailviráは、都の改まった言葉としてだけでなく、高原語全体を雅に呼ぶ名として使う。

    ké elþasénes tás fáron só?

    読み:ケー エルサセーネス タース ファーロン ソー?

    kéelþasén-estásfáronsó?
    <〜か>火に透かして見る-<あなたが><あなた・主格>荷<対格>この<重性>

    「あなたはこの荷を火に透かして見るか。」

    日常会話の単純疑問。ké を動詞の前に置く。主語 tás は動詞の直後に置く。fáron は重性なので対格語尾がつかず、指示詞 só は重形で一致する。時制は語形に表れない。

    ké prambéra vándar sáko?

    読み:ケー プランベーラ ヴァンダル サーコ?

    képrambér-avándarsáko
    <〜か>値踏みする-<(軽いものが)>商人<主格>塩<対格>

    「商人は塩を値踏みしているか。」

    市の会話でのはい/いいえの問い。ké は文頭に立つ。答えは動詞の反復で、この問いには prambéra のように返す。

    ké prambérin þíles dervó só?

    読み:ケー プランベーリン シーレス デルヴォー ソー?

    képrambér-inþíl-esdervósó?
    <〜か>品定めする-<〜して・〜く>分かる-<あなたが>挽き石<対格>この<重性>

    「この挽き石を品定めできるか。」

    prambér-in þíl- は能力表現。主語の2人称は þíles の語尾で示す。対象の dervó só は重性単数の目的語。

    ké hóines próum?

    読み:ケー ホイネス プローン?

    kéhóin-espróum?
    <〜か>帰る-<あなたが>今夜

    「今夜、戻るのか?」

    日常会話での問い。主語は動詞語尾 -es が示すため代名詞 tás は省略する。時名詞 próum は前置詞・格語尾を伴わない副詞的用法で、動詞句の後に置いている。

    ké ésa torár sé þelvéun?

    読み:ケー エーサ トラール セー セルヴェウン?

    kéés-atorárséþelvéun?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>客<主格>この<軽性>名知らぬ

    「この客は、名知らぬ方でしょうか。」

    日常で、客がまだ名を告げていないことを、名なしと断じずに確認する言い方。torár は軽性単数なので動詞は és-a。指示詞 sé が名詞の直後に置かれ、その後の þelvéun は修飾語ではなく述語として読む。ké を使うのは同等・目下への問いで、客そのものではなく、同伴者や主人へ向けた確認とする。

    ké sénes seiraldáran némes?

    読み:ケー セーネス セイラルダーラン ネーメス?

    késén-esseiraldár-anném-es
    <〜か>見る-<あなたが>待席-<対格><私>-<属格>

    「私の待席が見えるか。」

    日常会話で、目の前や見覚えの席を確かめる問い。ké が文頭に立つ。seiraldár は軽性単数で、目的語には -an が付く。所有表現は、対格の seiraldáran の後ろに 1 人称属格 némes を置く。

    ké éso kálmo tásei?

    読み:ケー エーソ カルモ ターセイ?

    kéés-okálmotás-ei?
    <〜か>いる-<(重いものが)>粟の粒<主格><あなた>-<与格>

    「粟の粒があるか?」

    日常会話での所持・存在の問い。存在・所有は és-+与格で表す。kálmo は脱穀した粟の実を指す用法で、重性o語幹の単数として éso と一致する。

    ké éso gáir tásei

    読み:ケー エーソ ガイル ターセイ

    kéés-ogáirtás-ei
    <〜か>いる-<(重いものが)>錐<主格><あなた>-<与格>

    「お前、錐はあるか。」

    所有・存在の疑問文。持ち主は与格で示し、存在する物は主格として扱う。動詞は存在する物に一致する。名詞 gáir は主格と対格が同形の語として扱う。

    ké ésa píma véun?

    読み:ケー エーサ ピーマ ヴェウン?

    kéés-apímavéun?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>紙<主格>素の

    「紙は何も書き込まれていないのか。」

    日常会話で、書き付けをする前に紙の状態を確かめる問い。軽性の名詞 píma を主語にするため、存在・繋辞 ésa を使う。存在・繋辞 ésa は és-a に分割し、text・segmented・gloss の語数が4語ずつで一致するようにする。形容詞 véun は主格単数では語尾が変わらない。問いの ké は文頭に置く。

    ké kreinéres tás?

    読み:ケー クレイネーレス タース?

    kékreinér-estás?
    <〜か>震える(骨が鳴る)-<あなたが><あなた・主格>

    「骨までがたがた震えているのか。」

    日常の問い。動詞語幹 kreinér- に二人称単数の語尾 -es が付く。語尾は強勢をもたないので、強勢は語幹の é に残る。tás を置いて相手に向かっていることを明示する。語は骨や関節がこすれ合うほどの強い震えを指し、宮廷ではややくだけた響き。

    ké ésa líra tásei?

    読み:ケー エーサ リーラ ターセイ?

    kéés-alíratás-ei?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>糸<主格><あなた>-<与格>

    「あなたに糸はあるか。」

    日常会話で、手元に糸があるかどうかを尋ねる文。存在・所有の構文では、動詞は主語となる líra の軽性に合わせて 3 人称単数軽性の語尾 -a を受ける。持ち主は与格 tásei で表し、疑問文には文頭小辞 ké を添える。

    ké na þála unlóur tíula léumes?

    読み:ケー ナ サーラ ウンロール ティーウラ レウメス?

    kénaþál-aunlóurtíulaléum-es?
    <〜か><〜ない>やむ-<(軽いものが)>まだ音<主格>風-<属格>

    「風の音はまだやまないのか?」

    否定の na と「まだ」unlóur を添えた疑問文。見出し語 þál- の基本語形 þál-a を使う。主語 tíula は軽性の単数で、動詞は3人称単数軽性の語尾 -a をとる。属格 léumes が名詞句の後ろに続く。

    ké trómes tráumo?

    読み:ケー トローメス トラウモ?

    kétróm-estráumo?
    <〜か>踏みしめて確かめる-<あなたが>渡り氷<対格>

    「お前は渡り氷を踏みしめて確かめているのか。」

    凍りの頃の渡口で、運び人が互いに掛ける問い。踏みしめて確かめる動詞 tróm- は、踏む対象を対格でとる。渡り氷は重性o語幹で、単数対格は主格と同形の tráumo。ké を添えた直説法は、同じくらいか目下に向けるくだけた問いの形。

    ké kréula endríña sé?

    読み:ケー クレウラ エンドリーニャ セー?

    kékréul-aendríñasé?
    <〜か>首を振る-<(軽いものが)>子<主格>この<軽性>

    「この子は首を振ったのか。」

    日常のはい/いいえの疑問。文頭に ké を置く。主語の軽性名詞句は名詞の後に指示詞を置き、句末は指示詞が目印になる。

    ké sán síndul un senóei táses?

    読み:ケー サーン シンドゥル ウン セノーエイ ターセス?

    késánsínd-ulunsenó-eitás-es?
    <〜か>存在<彼らが>涙-<〜たちが>内に目-<与格><あなた>-<属格>

    「あなたの目に涙が浮かんでいますか?」

    日常会話で、相手の目に浮かぶ涙ぐみを尋ねる文。複数名詞 síndul が「涙ぐみ」という状態を表す。存在の文で複数の主語を受け、存在動詞は sán になる。un senóei は「目に」で、un に与格形 senóei が従う。後置の táses が所有を表す。

    ké tromráuma faronár?

    読み:ケー トロンラウマ ファロナール?

    kétromráum-afaronár?
    <〜か>急ぐ-<(軽いものが)>運び人<主格>

    「運び人は急いでいるのか。」

    日常の問いかけ。疑問の小辞 ké が文頭に立ち、主語 faronár は軽性なので、動詞は 3 人称単数・軽性の -a をとる。踏みしめる足音を連想させる語として、改まった場では避けられやすい。

    ké kréves fáron?

    読み:ケー クレーヴェス ファーロン?

    kékrév-esfáron?
    <〜か>引き受け人となる-<あなたが>荷<対格>

    「荷の引き受け人になるのか。」

    引き受け人の相談や手続きの場で、荷について相手の意思を確かめる日常の問い。krév- は荷が物理的に手渡されることではなく、引き渡すまでの安全と管理の責任を引き受ける法的・社会的行為を指す用法。ké を用いた 2 人称の直接疑問は、同等または下向きの場面で使う。fáron は重性子音語幹で、主格と対格が同形。動詞 kréves が 2 人称なので、 fáron は目的語として読む。

    ké ésa anrása táses glóur?

    読み:ケー エーサ アンラーサ ターセス グロール?

    kéés-aanrásatás-esglóur?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>上層の衣<主格><あなた>-<属格>緑

    「あなたの上層の衣は緑ですか。」

    くだけた日常会話で、相手の衣の最上層の色をたずねる文。所有の táses は名詞の後ろに置く。anrása は内側の衣と区別した衣の最上層を指す用法。

    ké brínau síndra si fúnel?

    読み:ケー ブリーナウ シンドラ シ フーネル?

    kébrín-ausíndrasifúnel?
    <〜か>ゆるむ-<双数>帯<主格>と綱<主格>

    「帯と綱はゆるんでいるか。」

    日常で、手元の帯や綱のしまりを確かめる場面の単純疑問。動詞 brín- は二つの主格単数名詞を si で並べた主語を受けて双数 brínau になる。双数の動詞は性を区別しない。

    ké ésa snóur sé sáun?

    読み:ケー エーサ スノール セー サウン?

    kéés-asnóursésáun?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>整い<主格>この<軽性>良い

    「この整いはよいですか。」

    日常会話での確認・批評。整い(意味2)は物の輪そのものではなく、外見としてととのっている度合いを表す。主語 snóur は軽性子音語幹なので、存在・繋辞 és- は軽性単数形 ésa になる。指示詞は名詞に一致して軽性の sé を使う。

    ké éso kloníño táses krém?

    読み:ケー エーソ クロニーニョ ターセス クレーン?

    kéés-okloníñotás-eskrém?
    <〜か>いる-<(重いものが)>肘<主格><あなた>-<属格>痛い

    「あなたの肘は痛いか。」

    日常の問いかけ。ké を文頭に置く下向きの問い。身体部位の所属は属格 táses で表す。

    ké houmsíla ólmar endríñan hóumoi

    読み:ケー ホウンシーラ オルマル エンドリーニャン ホーモイ

    kéhoumsíl-aólmarendríñ-anhóum-oi
    <〜か>炉ばたで諫める-<(軽いものが)>年長者<主格>子-<対格>炉-<与格>

    「年長者が炉ばたで子どもを諫めているのか。」

    改まった場面での問い。疑問小辞 ké が文頭に立つ。houmár の場合と違い、ólmar を主語にして、炉の場を hóumoi の裸与格で補っている。儀礼的な所作を含む戒めとして使える。

    ké ráuman faronárai drúnoroi es orénos du kéndor?

    読み:ケー ラウマン ファロナーライ ドルーノロイ エス オレーノス ドゥ ケンドル?

    kéráum-anfaron-ár-aidrúnor-oiesorén-osdukéndor?
    <〜か>歩く-<彼らが>荷-<〜する人>-<〜たちが>縁の石段道-<与格>から縁-<属格>下手市<対格>

    「運び人たちは、縁の石段道を、縁から市まで歩いているのか。」

    日常の問いかけ。faronárai は faronár の複数。drúnor は重性子音語幹として与格単数 drúnoroi を取る。 ráum-「歩く」は道・経路を裸の与格で取るため un は用いない。 es orénos du kéndor が両端を指定することで、縁の石段道をひと続きの区間として指す用法を示す。

解説

はい・いいえで答える問いを作る疑問の小辞。文のいちばん前に置く。答えには「はい」「いいえ」にあたる語がなく、問いの動詞を繰り返して答える。目上の人には使わず、推量法で推し量る形で尋ねる。

文法

疑問の小辞(強勢あり)。文のいちばん前に置く。

語源

古高原語 *ké から。はい・いいえで答える問いを作る小辞として古くからある語。

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