gromó

品詞
名詞
意味
体
発音
[groˈmo]
読み
グロモー
分野
身体

意味

  1. 体

    生きている人や獣の肉体。

    dúlo gromó du dálor, áura selvá.

    読み:ドゥーロ グロモー ドゥ ダーロル、アウラ セルヴァー。

    dúl-ogromódudálor,áur-aselvá.
    下る-<(重いものが)>体<主格>下手地の底<対格>昇る-<(軽いものが)>息<主格>

    「体は地の底へ沈み、息は昇る。」

    弔いのときに森の巫や系譜読みが唱える句。重性の gromó「体」と軽性の selvá「息」が、動詞の語尾 -o/-a でも対になっている。dálor はここでは干潟ではなく、上・中・下の三層の「下」、重いものが沈んでいく地の底を指す。

    lúin brúuma éndra es orénos, dúlau gromó si selvá.

    読み:ルーイン ブルーマ エンドラ エス オレーノス、ドゥーラウ グロモー シ セルヴァー。

    lúinbrúum-aéndraesorén-os,dúl-augromósiselvá.
    とき落ちる-<(軽いものが)>人<主格>から縁-<属格>下る-<双数>体<主格>と魂<主格>

    「人が縁から落ちると、体も魂もともに下へ引かれていく。」

    崖から落ちて死ぬことが恐れられる理由を述べる、教えの文。単数の名詞を si で二つ並べたので、動詞は双数の dúlau になり、性を区別しない。重い体と軽い魂がそろって下るのは、高原の考えではいちばん不吉なことである。

    éso gromó némes gróm, nóirim.

    読み:エーソ グロモー ネーメス グローン、ノイリン。

    és-ogromóném-esgróm,nóir-im.
    いる-<(重いものが)>体<主格><私>-<属格>重い眠る-<私が>

    「体が重い。もう寝るよ。」

    疲れたときのくだけた言い方。体は重性の名詞で、繋辞も重性の -o をとる。「体が重い」は、肉体を重いものと見る世界観とも重なる。時制がないので、nóirim は文脈によって「これから寝る」の意味になる。

    méira houmár tambór faronárei, ré eséndo gromó éles krán.

    読み:メーラ ホウマール タンボール ファロナーレイ、レー エセンド グロモー エーレス クラーン。

    méir-ahoumártambórfaronár-ei,rées-énd-ogromóél-eskrán.
    与える-<(軽いものが)>家の主<主格>雑穀<対格>運び人-<与格><〜と(節)>いる-<〜しますように>-<(重いものが)>体<主格><3人称単数・軽性>-<属格>硬い

    「家の主は、体が丈夫であるようにと、運び人に雑穀を与える。」

    「ré+願望法」で目的を表す文。ここでの願望法は丁寧さではなく、「そうなってほしいこと」を表す。主語の gromó は重性なので、願望法の語尾は -o になる。

    éso gromó némes frél

    読み:エーソ グロモー ネーメス フレール

    és-ogromóném-esfrél
    いる-<(重いものが)>体<主格><私>-<属格>寒い

    「私の体は寒い。」

    gromóは重性の体。主語の名詞句はgromó némesで、属格は名詞の後ろに置く。述語のfrélは名詞句の後に置かれる。

    púlim gromó só fenlapúloi.

    読み:プーリン グロモー ソー フェンラプーロイ。

    púl-imgromósófenlapúl-oi.
    叩く-<私が>体<対格>この<重性>蒸し枝-<与格>

    「私はこの体を蒸し枝で軽く叩く。」

    汗蒸し小屋での日常の所作を示す文。fenlapúl は重性子音語幹名詞と扱い、与格 -oi を付けた fenlapúloi が手段を示す。体 gromó は重性の o 語幹で、対格は主格と形が同じである。

    þrílo gromó só un aurándoi.

    読み:スリーロ グロモー ソー ウン アウランドイ。

    þríl-ogromósóunauránd-oi.
    震える-<(重いものが)>体<主格>この<重性>内に社-<与格>

    「この体は、社の中で震えている。」

    儀礼・書面的な描写。主語は gromó só「この体」で、重性名詞句。un は「〜の中」で、与格と組むと場所を表す。aurándo の与格は aurándoi。全身の震えを内発的事象として述べている。

    na þrílo gromó némes.

    読み:ナ スリーロ グロモー ネーメス。

    naþríl-ogromóném-es.
    <〜ない>震える-<(重いものが)>体<主格><私>-<属格>

    「私(の体)は震えていない。」

    日常の否定応答。主語は体全体を表す重性の gromó で、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。身体部位の領有者は名詞の後ろに属格で置き、1人称単数属格は ném-es と分節される。na は否定・推量・仮定法の前。この語は内発的な震えで、外力で揺れる krúel- とは区別される。

    aursáre, kreinéro gromó nébroi.

    読み:アウルサーレ、クレイネーロ グロモー ネーブロイ。

    aursáre,kreinér-ogromónébr-oi.
    おお震える(骨が鳴る)-<(重いものが)>体<主格>霧-<与格>

    「ああ、ご先祖よ、霧の中で体が骨まで震える。」

    古い歌や詞の一節のような語調。aursáre はご先祖への嘆き。VSO の語順で動詞が先に立ち、主語 gromó と場所の与格 nébroi が後に続く。宮廷ではやや下向きの語だが、古い詞では骨の震えを直接言う。

  2. 亡骸

    魂の去ったあとの遺体。

    lúin na sénimor gromó éles, elþíþimor fáron éles.

    読み:ルーイン ナ セーニモル グロモー エーレス、エルシーシモル ファーロン エーレス。

    lúinnasén-imorgromóél-es,elþ-íþ-imorfáronél-es.
    とき<〜ない>見る-<我々が>亡骸<対格><3人称単数・軽性>-<属格>燃える-<〜させる>-<我々が>荷<対格><3人称単数・軽性>-<属格>

    「亡骸が見つからないときは、その人の荷を燃やして送る。」

    崖から落ちた者や溺れた者を弔うときの習わしを説明する文。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。élþ-「燃える」に使役の -íþ- をつけて「燃やす」にしている。

    élþo gromó, áura selvá.

    読み:エルソ グロモー、アウラ セルヴァー。

    élþ-ogromó,áur-aselvá.
    燃える-<(重いものが)>亡骸<主格>昇る-<(軽いものが)>息<主格>

    「亡骸は燃え、息は昇る。」

    火葬を語る弔いの言い回し。重性の亡骸と軽性の息を並べ、動詞の語尾 -o と -a で、下へ残るものと上へ行くものを対比している。火葬は村の北側の高い場所で行う。

解説

人や獣の体、肉体。文字どおりには「重いもの」で、魂や息(軽いもの)と対になる。死後、魂が上へ昇ったあとに残る亡骸もこの語で言う。火葬の煙がまっすぐ昇るのは、gromó の重さから魂がうまく離れたしるしとされる。

文法

名詞・重性・o語幹。属 gromós、与 gromói、複 gromúl。尊敬形 augromó。

語源

gróm「重い」+重性のもの名詞化 -ó。

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