小説
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または
二つの事柄のうち、どちらか一方であることを示す。原則として、片方だけが成り立つ選択を表す。
ké lísa lisár sáindaran, orvél lísa fléilan?
読み:ケー リーサ リサール サインダラン、オルヴェール リーサ フレーラン?
| ké | lís-a | lis-ár | sáindar-an, | orvél | lís-a | fléil-an? |
| <〜か> | 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 証文-<対格> | または | 書く-<(軽いものが)> | 手紙-<対格> |
「書記は証文を書くのか、それとも手紙を書くのか。」
orvél「日の出側か日の入り側か」は選択。問いでは ké を一つめの文にだけ置く。
それとも
問いの中で選ぶ肢を示す。ké で始めた問いの二つめの節に置く(ké tóres es dáloros, orvél tóres es orénos?「下の国から来たのか、それとも縁から来たのか」)。
ké tóres es dáloros, orvél tóres es orénos?
読み:ケー トーレス エス ダーロロス、オルヴェール トーレス エス オレーノス?
| ké | tór-es | es | dálor-os, | orvél | tór-es | es | orén-os? |
| <〜か> | 来る-<あなたが> | から | 下国-<属格>, | OR | 来る-<あなたが> | から | 縁-<属格>? |
「下の国から来たのか、それとも縁から来たのか。」
道中や再会で相手の出所を二者択一で問う日常句。kéは最初の節にのみ置き、orvélは二つ目の節の頭に置く。2人称は動詞語尾に現れるため、主語代名詞は繰り返さない。
ké vándes fáron, orvél líses sáindaran?
読み:ケー ヴァンデス ファーロン、オルヴェール リーセス サインダラン?
| ké | vánd-es | fáron, | orvél | lís-es | sáindar-an? |
| <〜か> | 量る-<あなたが> | 荷<対格>, | OR | 書く-<あなたが> | 証文-<対格>? |
「荷を量っているのか、それとも証文を書いているのか。」
縁の市で働き手に仕事の種別を選ぶ問い。orvélが節を並べ、同じ2人称主語は第二節の動詞語尾だけで示す。目的語の枠は空けず、二つ目の節でも名詞を置く。
さもなくば
命令・願望・当為の文のあとに置いて、そうしなかった場合の成り行きを示す(lís sáindaran, orvél na vandéla senár fáron「証文を書け、さもなくば目付は荷を量るまい」)。
lís plíndo, orvél na vandéla senár fáron.
読み:リース プリンド、オルヴェール ナ ヴァンデーラ セナール ファーロン。
| lís | plíndo, | orvél | na | vand-él-a | sen-ár | fáron. |
| 書く<命令法><あなたが> | 荷札<対格>, | OR | <〜ない> | 量る-<〜だろう>-<(軽いものが)> | 見る-<〜する人・主格> | 荷<対格> |
「荷札を書け、さもなくば目付は荷を量らないだろう。」
市や帳場でのくだけた命令。命令法は語幹のむき出しの形で、語尾標識がないため書く.IMP.2SGのようにドットで法・人称を示す。orvélが後節の頭に立ち、成り行きを推量法で示す。重性o語幹plíndoは主格と対格が同形なので、対格は無標示として.ACCで注記する。
二つ(以上)の事柄のうち、どちらか一つを選ぶことを示す接続の小辞。「文1, orvél 文2」の形で、動詞で始まる二つめの文の頭に置く。前置詞の or「日の出側」と vel「日の入り側」が一語になったもので、「日の出側へ行くか、日の入り側へ行くか」という分かれ道の言い方から来ている。高原の人は、上手(an)と下手(du)をほぼ必ず上下・優劣と結びつけて考える。そのため、比べずに並べた二つの道は、縦ではなく横、つまり東西に分かれるものとして言い表す。湖盆の湖の鎖が東西に並び、そこから流れが分かれていく地形とも合う。「上か下か」と言うと片方を低く見る響きになるので、どちらにも上下をつけない選択には、この東西の語を使う。並列の si「と・そして」と違って強勢をもち、前に短い切れ目を置いて発音する。都の改まった言葉では、選ぶものが名詞でも、動詞をくり返して節どうしを並べる形が好まれる(lísa sáindaran, orvél lísa fléilan「証文を書く、または手紙を書く」)。いっぽう崖道や縁の市のくだけた言葉では、名詞どうしのあいだにもそのまま置く(gandér orvél kumbór?「硬木か、青銅か」)。法典や碑文では「orvél 文1, orvél 文2」と二度置き、「〜か、さもなくば〜か」と選ぶ肢をはっきり分けて書く。日本語話者には v がバ行に聞こえるので、「オルベル」と聞こえる。
接続の小辞。強勢あり(orvél の第二音節)。格変化しない。二つめの節のいちばん頭に置き、その後ろに否定の na・mé、または動詞が続く(orvél na lísa…)。問いでは、一つめの節に ké を置き、二つめの節には ké をくり返さずに orvél で始める。答えるときは、選んだほうの動詞をくり返す(「はい」「いいえ」の語はない)。法典の文体では「orvél 文1, orvél 文2」と二度置ける。くだけた言葉では名詞句どうしをつなぐこともある。
前置詞 or「日の出側」(órun「日の出」から)と vel「日の入り側」(vélun「日の入り」から)を合わせた語。道案内の定型句「or …, vel …」(日の出側へ行けば…、日の入り側へ行けば…)が縮まって一語になり、「二つに一つ」を表すようになった。前置詞の or・vel は強勢をもたないが、一語になったあとは後ろの音節に強勢が置かれるようになった。
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