símbo

品詞
名詞
意味
印
発音
[ˈsimbo]
読み
シンボ
分野
社会・信仰・儀礼

意味

  1. 印

    証文に押す印章と、その印影。

    auleiménde ausenár símbo sáindarei.

    読み:アウレイメンデ アウセナール シンボ サインダレイ。

    au-leim-énd-eau-sen-ársímbosáindar-ei.
    <お〜になる・御〜>-置く-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>印<対格>証文-<与格>

    「目付殿に、証文に印をお押しいただきたく存じます。」

    縁の市で市の目付に頼む改まった言い方。命令の代わりに願望法の3人称を使い、相手を役職名+au- で呼ぶ。「印を押す」は léim-「置く」で言う。sáindar は軽性の子音語幹で、与格は -ei。

    ésa dráun símbo némores.

    読み:エーサ ドラウン シンボ ネーモレス。

    és-adráunsímbonémor-es.
    いる-<(軽いものが)>狼<主格>印<主格><我々>-<属格>

    「狼は我々のしるしだ。」

    森の氏族の者が、自分の氏族のしるしを言う文。繋辞の文は「és-+主語+述語」の順に並べる。繋辞は主語 dráun(軽性)に一致して -a をとり、述語の名詞 símbo は主格のままにする。

    ésa aurá símbo aldáres áurenes.

    読み:エーサ アウラー シンボ アルダーレス アウレネス。

    és-aaurásímboaldár-esáur-en-es
    いる-<(軽いものが)>縁鷲<主格>印<主格>座-<属格>昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格>

    「縁鷲は高き座のしるしである。」

    「AはBだ」の文なので、繋辞 és- が文頭に来る。縁鷲が王家のしるしであることを述べる、書物風の言い方。述語の名詞 símbo は主格のまま置き、主語に一致させない。aldáres áurenes は、王を指す総称 aldár áuren「高き座」の属格。分詞も軽性・属格の -es で一致している。

    luuménde ausenár símbo só.

    読み:ルーメンデ アウセナール シンボ ソー。

    luum-énd-eau-senársímbosó.
    ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-目付印<対格>この<重性>

    「目付殿に、この印をご覧いただきたく存じます。」

    市で、手代などが目付にじかに頼むときの上向きの話し方。目の前の相手を2人称で呼ばず、ausenár「目付殿」を3人称の主語にして、願望法で言う。símbo「印」は重性なので、対格は主格と同じ形で、指示詞も só になる。

    léimim símbo némes sáindarei.

    読み:レーミン シンボ ネーメス サインダレイ。

    léim-imsímboném-essáindar-ei.
    置く-<私が>印<対格><私>-<属格>証文-<与格>

    「証文に私の印を押します。」

    「印を押す」は léim-「置く」に símbo を目的語にとって言う。押す先は与格で表す。帳簿と証文が重んじられる市の取引で、日常的によく聞く言い方。

    lúin tóro nébro, mé leimésa símbo sáindarei.

    読み:ルーイン トーロ ネーブロ、メー レイメーサ シンボ サインダレイ。

    lúintór-onébro,méleim-és-asímbosáindar-ei.
    とき来る-<(重いものが)>霧<主格><禁止・願いの打ち消し>置く-<〜すべし>-<(軽いものが)>印<対格>証文-<与格>

    「霧が来たら、証文に印を押さぬこと。」

    法典や碑文に見られる当為法の禁止。主語を言わないので一般の人が主語になり、軽性の -a をとる。強勢は -és- に移り、語根の ´ は消える。前半は lúin「〜とき」の節で、霧 nébro は重性なので動詞は -o をとる。霧の中で結んだ約束は「霧の約束」として重んじられない、という禁忌を表している。

    vóila faronár símbo gandéros, na vóila lisáis.

    読み:ヴォイラ ファロナール シンボ ガンデーロス、ナ ヴォイラ リサイス。

    vóil-afaron-ársímbogandér-os,navóil-alis-áis.
    見分ける-<(軽いものが)>荷-<〜する人>印<対格>硬木-<属格><〜ない>読む-<(軽いものが)>字-<〜たちを>

    「運び人は硬木の焼印は見分けるが、字は読めない。」

    同じ vóil- が、前半では焼印の形を見分ける意味で、後半では文字を読む意味で使われている。丸太の木口の焼印は何百本にも同じ形で押されているので、文字を知らない者もその形を覚える。

    pórin vóilimor símbo só?

    読み:ポーリン ヴォイリモル シンボ ソー?

    pórinvóil-imorsímbosó?
    どのように見分ける-<我々が>印<対格>この<重性>

    「この印は、どう見分ければいいのか。」

    荷札や焼印のしるしの読み方を仲間に尋ねる言い方。疑問詞 pórin は動詞の前に置く。símbo は重性なので、指示詞も重性の só を使う。

    lísa lisár símbo monþóros.

    読み:リーサ リサール シンボ モンソーロス。

    lís-alis-ársímbomonþór-os
    書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>印<対格>壁-<属格>

    「書記は壁の印を書く。」

    記録・帳簿向き。目的語的名詞句「壁の印」は、中心語 símbo の後ろに属格 monþóros を置く。monþór の単数属格は monþóros。

    þalíþim símbo es sáindares.

    読み:サリーシン シンボ エス サインダレス。

    þal-íþ-imsímboessáindar-es.
    止まる-<〜させる>-<私が>印<対格>から証文-<属格>

    「私は証文から印を消す。」

    帳場・書の日常。痕を消す意。símbo は重性o語幹で、単数の主格と対格は同形。es+属格 sáindares は「証文から」。

    ké éso brinó símbos?

    読み:ケー エーソ ブリノー シンボス?

    kéés-obrinósímb-os?
    <〜か>いる-<(重いものが)>摩耗<主格>印-<属格>

    「印の摩耗があるか。」

    帳簿・荷札・目印などの刻み・印が摩耗して薄れるかどうかを問う、市や帳場での言い方。ké を文頭に置いてはい・いいえの問いを作る。

    éso sindrasímbo símbo aldáres.

    読み:エーソ シンドラシンボ シンボ アルダーレス。

    és-osindrasímbosímboaldár-es.
    いる-<(重いものが)>役札<主格>印<主格>座-<属格>

    「役札は座の印である。」

    書物や帳場での定義文。繋辞és-による述語名詞文で、述語名詞は自分の格と性を保つ。名詞+属格の順で「座の印」を作り、役札が座(役)を象徴するしるしであることを説明する。

    na dulilána lisár símbo sáindares

    読み:ナ ドゥリラーナ リサール シンボ サインダレス

    nadulilán-alis-ársímbosáindar-es
    <〜ない>痕を消す-<(軽いものが)>書く-<〜する人・主格>印<対格>証文-<属格>

    「書記は証文の印を消さない」

    記録・書物の文。否定の na を動詞の前に置く。主語は書記で、主語が軽性なので動詞は3人称単数軽性の -a で一致する。目的語の印が証文に属することを後置の属格で示す。

  2. 焼印

    硬木の丸太の木口に押すしるし。

    sén símbo gandéros só!

    読み:セーン シンボ ガンデーロス ソー!

    sénsímbogandér-ossó!
    見る<命令法><あなたが>焼印<対格>硬木-<属格>この<重性>

    「この硬木の焼印を見ろ。」

    下向きの命令。森の司の検め役が、運び人や樵に向かって言うような言い方。硬木の丸太には木札を結べないので、木口に焼印を押す。並び順は「名詞–属格–指示詞」。

    na ráina faronár lisáis, ráina símbo.

    読み:ナ ライナ ファロナール リサイス、ライナ シンボ。

    naráin-afaronárlis-áis,ráin-asímbo.
    <〜ない>知る-<(軽いものが)>運び人<主格>字-<〜たちを>知る-<(軽いものが)>焼印<対格>

    「運び人は字を知らないが、焼印なら知っている。」

    後半の文は、主語が前半と同じなので省いている。símbo は重性o語幹なので、対格も主格と同じ形になる。ここでは単数で「焼印というもの」を総称している。同じ形の焼印が何百本もの丸太に押されているので、字の読めない者もまず焼印の形を覚える。

解説

証文や帳簿に押す印章と、押された印影。王国では、証文は印を押してはじめて効力をもつ。硬木の丸太の木口に押す焼印もこの語で呼び、森の司の印、伐った谷のしるし、等級のしるしの三つが並ぶ。「印を押す」は派生動詞 simbér- で言い、市の決まり文句の一つになっている。

文法

重性・o語幹(④型)。属 símbos、複 símbul。派生動詞 simbér-「印を押す」。

語源

語源未詳。古くは青銅の印章だけを指した。日本語話者は si を「シ」と聞く。

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