小説
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目
ものを見る器官。両目は双数 senóu。
lúin tóro nébro, na séno senó dáu sílarau.
読み:ルーイン トーロ ネーブロ、ナ セーノ セノー ダウ シーララウ。
| lúin | tór-o | nébro, | na | sén-o | senó | dáu | sílar-au. |
| とき | 来る-<(重いものが)> | 霧<主格> | <〜ない> | 見る-<(重いものが)> | 目<主格> | 二 | 月-<双数> |
「霧が来れば、目には二つの月も見えない。」
霧期の不安を言う、言い習わしのような文。senó は sén-「見る」に重性のもの名詞の接辞 -ó がついた語で、重性なので動詞は -o をとる。月は星ではないので、dáu「二」で数えて双数にしてよい。
na sénim sáindaran sé, éso senó némes múr.
読み:ナ セーニン サインダラン セー、エーソ セノー ネーメス ムール。
| na | sén-im | sáindar-an | sé, | és-o | senó | ném-es | múr. |
| <〜ない> | 見る-<私が> | 証文-<対格> | この<軽性> | いる-<(重いものが)> | 目<主格> | <私>-<属格> | 濁った |
「この証文は見えぬ。私の目はかすんでいる。」
年長の者が細かい字を読めないときの言い方。主節二つを接続詞なしで並べるので、あいだに区切りを入れる。senó は重性なので、繋辞は -o をとり、述語の múr「濁った」にも語尾がつかない。目がよく見えないことを、水と同じ「濁る」で言っている。
ái! senkráno senó némes.
読み:アイ!センクラーノ セノー ネーメス。
| ái! | senkrán-o | senó | ném-es. |
| おや! | 目が止まる-<(重いものが)> | 目<主格> | <私>-<属格> |
「おや!私の目が、思わず見開かれた。」
驚きの感嘆詞 ái を添えた日常の言い方。身体部位の所有は名詞に属格代名詞を後接する。主語が単数の目なので、動詞は重性3SG.HV。両目を指す文脈では双数の主語形も取りうる。
lóima kelár loimán, senkráno senó keláres.
読み:ロイマ ケラール ロイマーン、センクラーノ セノー ケラーレス。
| lóim-a | kel-ár | loim-án, | senkrán-o | senó | kel-ár-es. |
| 唱える-<(軽いものが)> | 伐る-<〜する人> | 詞-<対格>, | 目が止まる-<(重いものが)> | 目<主格> | 伐る-<〜する人>-<属格> |
「樵が詞を唱えると、樵の目は思わず見開かれた。」
儀礼の詞を唱える場面を想定した文。森の言葉ではこの語が通常の言い方として使われ、宮廷では「目が硬くなる」という語感が粗野に響くため、婉曲的な言い方に置き換えることがある。loimán は loimá「詞」の対格。
ké sán síndul un senóei táses?
読み:ケー サーン シンドゥル ウン セノーエイ ターセス?
| ké | sán | sínd-ul | un | senó-ei | tás-es? |
| <〜か> | 存在<彼らが> | 涙-<〜たちが> | 内に | 目-<与格> | <あなた>-<属格> |
「あなたの目に涙が浮かんでいますか?」
日常会話で、相手の目に浮かぶ涙ぐみを尋ねる文。複数名詞 síndul が「涙ぐみ」という状態を表す。存在の文で複数の主語を受け、存在動詞は sán になる。un senóei は「目に」で、un に与格形 senóei が従う。後置の táses が所有を表す。
見張り
見張る役目や見張る人。崖道や縁の番について言う。
ké éso senó téndoi?
読み:ケー エーソ セノー テンドイ?
| ké | és-o | senó | ténd-oi? |
| <〜か> | いる-<(重いものが)> | 見張り<主格> | あそこ-<与格> |
「「あそこに見張りはいるか。」」
はい・いいえで答える問いなので、文のいちばん前に ké を置く。存在の文で、動詞は重性の senó に一致して éso になる。答えは動詞を繰り返して、「はい」なら éso、「いいえ」なら na éso と言う。崖道の上り口で番の有無を確かめるときの、くだけた問い。
léim senó an orén!
読み:レーン セノー アン オレーン!
| léim | senó | an | orén! |
| 置く<命令法><あなたが> | 見張り<対格> | 上手 | 縁<対格> |
「縁の上手へ見張りを置け。」
崖の縁の番について言う下向きの命令。見張りの意味の senó は、人そのものではなく「見張る役目」として扱うので、重性のままで使う。見張る人個人を指すときは senár を使うのがふつうである。an+対格は「〜の上手へ」。
目。両目はふつう双数 senóu で言う。「見る」sén- から派生した語で、文字どおりには「見るもの」。体の部分なので重性の -ó で派生している。目上の人の目は ausenó(双数 ausenóu)。見張りの役目そのものを指して「目」と言うこともある。
名詞・重性・o語幹。属 senós、与 senói、双 senóu、複 senúl。尊敬形 ausenó。
sén-「見る」+重性のもの名詞化 -ó。
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