小説
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灰
燃え尽きた後の灰。
salésa ólmar eelþó aurándoi.
読み:サレーサ オルマル エールソー アウランドイ。
| sal-és-a | ólmar | eelþó | auránd-oi. |
| ならす-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 灰<対格> | 社-<与格> |
「「社では年長者が灰を平らにすべきである。」」
作法や碑文向けの当為法。語根 sál- に -és- -a が付き、語根の強勢が接尾辞へ移って salésa となる。主語 ólmar は人を指す軽性。場所 aurándoi は前置詞を伴わない裸与格。
tréla unlóur ólmar eelþó.
読み:トレーラ ウンロール オルマル エールソー。
| trél-a | unlóur | ólmar | eelþó. |
| 混ぜる-<(軽いものが)> | まだ | 年長者<主格> | 灰<対格> |
「年長者はまだ灰をかき立てている。」
炉ばたの儀礼でも行われる動作。unlóur「まだ」は動詞の直後、主語の前に置く。灰 eelþó は重性o語幹で、単数の対格が主格と同形である。
kekéla ólmar eelþó klér.
読み:ケケーラ オルマル エールソー クレール。
| kekél-a | ólmar | eelþó | klér. |
| こねる-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 灰<対格> | 冷たい |
「年長者が冷えた灰をかき回す。」
炉場の日常。主語 ólmar は軽性単数なので動詞は kekéla。灰 eelþó は重性o語幹の単数で、対格は主格と同形。形容詞 klér は重性単数では無標で、名詞の後ろに置かれる。
eelþéra endríña eelþó.
読み:エールセーラ エンドリーニャ エールソー。
| eelþér-a | endríña | eelþó |
| 炉の灰を軽く掻き回す-<(軽いものが)> | 子ども<主格> | 灰<対格><単数><重性> |
「子どもが炉の灰を軽く掻き回している。」
炉ばたの光景。本来義の「炉の灰を軽く掻き回す」で、灰 eelþó を目的語として明示する。主語 endríña は軽性で、主格は語を切らない。動詞は軽性の -a を受ける。
sláuro unlóur eelþó.
読み:スラウロ ウンロール エールソー。
| sláur-o | unlóur | eelþó |
| 残る-<(重いものが)> | まだ | 灰<主格> |
「灰がまだ残っている。」
日常の観察文。灰が自然に留まっていることを表す非意志の自動詞。誰かが意図的に残したという含みはない。「まだ」は動詞の直後に置かれる。
sórel, þréulo eelþó múlin.
読み:ソーレル、スレウロ エールソー ムーリン。
| sórel, | þréul-o | eelþó | múl-in. |
| 今日, | 着く-<(重いものが)> | 灰<主格> | 厚い-CVB. |
「今日は灰が厚く着いている。」
日常の観察文。今日sórel。完了を表す語尾 s は立てず、未完了の直説法で、現在に至る結果の状態を述べる。灰は重性なので動詞は重性の3人称単数語尾-oをとる。
houmsíla endríña eelþó hóumos
読み:ホウンシーラ エンドリーニャ エールソー ホーモス
| houmsíl-a | endríña | eelþó | hóum-os |
| 炉の灰を払う-<(軽いものが)> | 子<主格> | 灰<対格> | 炉-<属格> |
「子どもが炉の灰を払う。」
字義の「炉の灰を払う」の用例。eelþó は重性 o 語幹と考えられ、単数の対格は無標で主格と同形。hóumos は hóum の属格で「炉の」。日常の炉の手入れを示す文。
houmsíl eelþó hóumos
読み:ホウンシール エールソー ホーモス
| houmsíl | eelþó | hóum-os |
| 炉の灰を払う<命令法><あなたが> | 灰<対格> | 炉-<属格> |
「炉の灰を払え。」
命令法 2 人称単数の語幹形 houmsíl を用いた、くだけた指示。家庭や弟子への日常的な声かけ。重性 o 語幹 eelþó は対格が無標のまま。
灰汁
灰を溶かした水。洗い物に使う。
kráil eelþó só!
読み:クライル エールソー ソー!
| kráil | eelþó | só! |
| 手に持つ<命令法><あなたが> | 灰汁<対格> | この<重性> |
「この灰汁を持て。」
家事の場での命令文。命令法2単は語幹のみ。重性o語幹の単数対格は主格と同形で、目的語は語順によって示される。指示詞sóは重性で名詞句を閉じる。
éso eelþó só nagléin.
読み:エーソ エールソー ソー ナグレーン。
| és-o | eelþó | só | na-gléin. |
| いる-<(重いものが)> | 灰汁<単数><主格> | この<重性> | <〜ない>-清い |
「この灰汁は濁っている。」
日常会話で、洗い水としての灰汁の状態を述べる文。主語が重性なので、存在・繋辞の動詞は3単重性の-oで受ける。名詞の直後に重性指示詞sóを置く。nagléinはgléin「清い」に否定接頭辞na-を付けた形容詞で、ここでは灰汁が澄んでいないことを「清からぬ」と述べている。
燃え尽きたあとに炉に残る灰。火は昇るが、灰は下に残るので重性。炉の灰は字の稽古に使い(灰に字を書く)、水と混ぜて器や手を洗うのにも使う。霧期の病のときに、病人の世話をした手を灰と水で洗う習いは、ドルヴァルの炉から町に広まった(物語の第20話)。
重性・o語幹。属 eelþós、与 eelþói。複数はふつう使わない。
élþ-「燃える」の完了語根 éelþ-(e が長くなる)+ -ó「〜したもの(重)」。字義は「燃え終えたもの」。
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