ende

品詞
小辞
意味
どうぞ
発音
[ende]
読み
エンデ
分野
会話の定型・挨拶・応答

意味

  1. どうぞ・頼む

    依頼や勧めに添える。市の取引言葉の決まり文句。

    aulisénde aulisár sáindaran.

    読み:アウリセンデ アウリサール サインダラン。

    au-lis-énd-eau-lis-ársáindar-an
    <お〜になる・御〜>-書く-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-書く-<〜する人>証文-<対格>

    「書記の方に、証文をお書きいただきたく存じます。」

    目上の人に頼むときは、命令法ではなく願望法を使う。願望法の後ろでは、3人称単数・軽性の語尾が -e になる。動詞にも名詞にも au- がつく。

    ván fáron, ende.

    読み:ヴァーン ファーロン、エンデ。

    vánfáron,ende
    量る<命令法><あなたが>荷<対格>どうぞ

    「荷を量ってくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。vánd- をむき出しの語幹で言うと、語末の nd が n に削られて ván になる。ende は願望法の語尾が固まってできた小辞。

    aubandénde ausenár fáron.

    読み:アウバンデンデ アウセナール ファーロン。

    au-band-énd-eau-sen-árfáron
    <お〜になる・御〜>-量る-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>荷<対格>

    「目付殿に、荷をお量りいただきたく存じます。」

    前の例文と同じ用件を、都の手代が改まって言った形。au- と v- がくっついて aub- になる。ausenár は sén-「見る」+-ár「〜する人」に au- がついた語。名詞には補充形を使わない。

    luuménde ausenár plánan sé.

    読み:ルーメンデ アウセナール プラーナン セー。

    luum-énd-eau-sen-árplán-ansé.
    ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>帳簿-<対格>この<軽性>

    「目付殿に、この帳簿をご覧いただきたく存じます。」

    上向きの依頼。命令法の代わりに願望法の3人称を使い、目の前の相手を主語の「目付殿」として扱う。lúum- は「見る」の尊敬の補充形。下向きなら sén plánan sé!、縁の市なら sén plána, ende. と言う。

    aurénde selvá! an ilánais.

    読み:アウレンデ セルヴァー!アン イラーナイス。

    aur-énd-eselvá!anilán-ais.
    昇る-<〜しますように>-<(軽いものが)>息<主格>上手灯-<〜たちを>

    「「ごきげんよう(あなたの息が昇りますように)。」「星々へ。」」

    二人の発話(挨拶と返し)。会ったときと別れるときの挨拶。返しは、動詞を省いた前置詞句だけで答える。語尾 -énde が、市で聞く ende と同じ響きなので、尋はここで二つのつながりに気づくかもしれない。

    léim fáron séndo, ende.

    読み:レーン ファーロン センド、エンデ。

    léimfáronséndo,ende.
    置く<命令法><あなたが>荷<対格>ここどうぞ

    「荷はここに置いてくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹 léim で、末尾の ende「どうぞ」が添えてある。市は段に乗らない場なので、この形でも無礼にはならない。fáron は重性名詞なので、主格と対格が同じ形になる。

    sén gandér só, ende.

    読み:セーン ガンデール ソー、エンデ。

    séngandérsó,ende.
    見る<命令法><あなたが>杭材この<重性>どうぞ

    「この丸太、検めてくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹で、格語尾は落ちる。文末に ende を添える。市は段に乗らない場なので、命令法と同じ形でも無礼にはならない。指示詞は性で形が変わるだけなので、取引言葉でも重性の só が残る。

    lís virá sé, ende.

    読み:リース ヴィラー セー、エンデ。

    lísvirásé,ende.
    書く<命令法><あなたが>文字この<軽性>どうぞ

    「この字を書いてくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。格の語尾が落ちるので、目的語でも対格の virán ではなく virá の形のまま使う。むき出しの語幹 lís に ende を添えると軽い頼みになり、無礼にはならない。

    méir sáko, ende.

    読み:メール サーコ、エンデ。

    méirsáko,ende.
    与える<命令法><あなたが>塩どうぞ・頼む

    「塩をくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹(命令法2単と同じ形)で言い、ende を添えて頼みの言い方にする。市は段に乗らない場なので、この形は無礼にならない。ende は願望法の語尾 -énde が固まった小辞。運び人どうしでは énd とも言う。

    níl muró, ende.

    読み:ニール ムロー、エンデ。

    nílmuró,ende.
    飲む<命令法><あなたが>濁り酒どうぞ・頼む

    「濁り酒をどうぞ、飲んでくれ。」

    市の屋台や崖道の休み場で酒を勧めるときの言い方。ende は頼みだけでなく、勧めにも使う。改まった場では ende を使わず、願望法の文で勧める。

    méir fáron térin lísen, ende.

    読み:メール ファーロン テーリン リーセン、エンデ。

    méirfárontérinlís-en,ende.
    与える<命令法><あなたが>荷そのとおりに書く-<〜した・〜された>どうぞ

    「書いたとおりに荷を渡してくれ、頼む。」

    縁の市の決まり文句「térin lísen(書いたとおりに)」を使った取引言葉の文。分詞 lísen は、この決まり文句の中では一致の語尾をつけず、形を変えない。帳簿や証文の文面にたがわないことを念押しするときに使う。

    sén kumbór só, ende. pómbar?

    読み:セーン クンボール ソー、エンデ。ポンバル?

    sénkumbórsó,ende.pómbar?
    見る<命令法><あなたが>青銅この<重性>どうぞどれほど

    「この青銅を見てくれ、頼む。どれほどだ?」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹で使い、格語尾は落とす。最後の pómbar? は、目方や値を尋ねる決まった言い方で、これだけで使う。kumbór は金属なので重性になり、指示詞も重性の só をとる。

    faronér ín fáron, ende.

    読み:ファロネール イーン ファーロン、エンデ。

    faronérínfáron,ende.
    担ぐ<命令法><あなたが>一荷<対格>どうぞ

    「荷を一つ担いでくれ、頼む。」

    崖道や市で、運び人に仕事を頼むときの言葉。ín の後ろの名詞は単数になる。fáron は重性なので、対格も主格と同じ形。むき出しの語幹+ende は取引言葉の型。

    sén fáron selúin, ende.

    読み:セーン ファーロン セルーイン、エンデ。

    sénfáronselúin,ende.
    見る<命令法><あなたが>荷<対格>今どうぞ

    「今すぐ荷を見てくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。sén- は命令法2人称単数で、語幹がそのまま出る形。selúin を添えると「今すぐ」と急がせる響きになる。ende をつけるので、命令の形でも無礼にはならない。fáron は重性なので、もともと対格の語尾がない。

    vír rimbá, ende.

    読み:ヴィール リンバー、エンデ。

    vírrimbá,ende.
    言う<命令法><あなたが>数どうぞ

    「数を言ってくれ。」

    縁の市の取引言葉。格語尾が落ちるので、対格の rimbán ではなく rimbá と言う。値や品の数を聞くとき、ごくふつうに使う。

    tául fréun só, ende.

    読み:タウル フレウン ソー、エンデ。

    táulfréunsó,ende.
    取る<命令法><あなたが>額帯<対格>この<重性>どうぞ

    「この額帯を取ってくれ、頼む。」

    縁の市や崖道で使う取引言葉の言い方で、むき出しの語幹に ende を添える。fréun は重性なので、指示詞は重性の só になる。重性名詞は対格の語尾がもともとないため、格語尾が落ちる取引言葉でも形は変わらない。

    sén lámo, ende. éso sáko gléin.

    読み:セーン ラーモ、エンデ。エーソ サーコ グレーン。

    sénlámo,ende.és-osákogléin.
    見る<命令法><あなたが>掌<対格>どうぞいる-<(重いものが)>塩<主格>清い

    「掌を見てくれ、頼む。塩は清いぞ。」

    縁の市の取引言葉。むき出しの語幹 sén に ende を添える。lámo は重性o語幹の名詞なので、対格も主格と同じ形になる。sáko「塩」は干潟から借りた重性名詞なので、繋辞は重性の éso になり、gléin も重性・主格の形(語尾なし)をとる。掌に塩をひとつまみ載せて見せるのは、品を確かめさせるときのしぐさ。

    sén hervíña, ende.

    読み:セーン ヘルヴィーニャ、エンデ。

    sénhervíña,ende.
    見る<命令法><あなたが>麝香鹿どうぞ

    「麝香鹿(の香)を見てくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。格語尾が落ちて hervíña はむき出しの形になり、動詞もむき出しの語幹 sén で言う。ende は願望法の語尾が固まった「頼む」。交易の場では、hervíña はとくに香の材料をとる麝香鹿と、その産物を指す。

    méir sáindar, ende.

    読み:メール サインダル、エンデ。

    méirsáindar,ende.
    渡す<命令法><あなたが>証文どうぞ

    「証文を渡してくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞は語尾のない語幹で言い、目的語にも格語尾をつけない(改まった言い方なら対格 sáindaran)。ende は願望法の語尾が固まってできた小辞。市は段に乗らない場なので、むき出しの語幹で言っても無礼にはならない。ここでの「渡す」は手渡すことで、所有が移るとはかぎらない。

    tául fáron, ende.

    読み:タウル ファーロン、エンデ。

    táulfáron,ende.
    取る<命令法><あなたが>荷どうぞ

    「荷を取ってくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞は語幹をむき出しで使い(命令法2単と同じ形)、格語尾は落ち、ende を添える。市は段に乗らない場なので、この形でも無礼にはならない。

    bról plíndo, ende.

    読み:ブロール プリンド、エンデ。

    brólplíndo,ende.
    作る<命令法><あなたが>札どうぞ

    「札を作ってくれ、頼む。」

    縁の市で、荷札をこしらえるよう頼む取引言葉。むき出しの語幹+ende の形。脂の木の荷札 plíndo は伐った材なので重性になる。

    faronér fáron, ende.

    読み:ファロネール ファーロン、エンデ。

    faronérfáron,ende.
    担ぐ<命令法><あなたが>荷どうぞ

    「荷を担いでくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹 faronér で言い、そのあとに固まった小辞 ende を添える。語幹は r で終わるので、語末の子音を削る必要はない。市は段に乗らない場なので、命令法と同じ形を使っても無礼にはならない。

    léim fáron séndo, ende.

    読み:レーン ファーロン センド、エンデ。

    léimfáronséndo,ende.
    置く<命令法><あなたが>荷ここどうぞ

    「荷はここに置いてくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹 léim で言い、ende を添える。séndo「ここ」は格変化をしない場所の語。荷解きの場でよく聞かれる言い方である。

    tául fáron mór, ende.

    読み:タウル ファーロン モール、エンデ。

    táulfáronmór,ende.
    取る<命令法><あなたが>荷<対格>大きいどうぞ

    「大きいほうの荷を取ってくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹で言い、ende を添える。fáron は重性なので、対格でも形は変わらない。形容詞にも語尾はつかない。

    sén fáron pír, ende.

    読み:セーン ファーロン ピール、エンデ。

    sénfáronpír,ende.
    見る<命令法><あなたが>荷<対格>小さいどうぞ

    「小さい荷を見てくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹で言い、ende を添える。荷 fáron は重性なので、それにかかる形容詞は、対格でも語尾がつかない。

    tául sáko, ende.

    読み:タウル サーコ、エンデ。

    táulsáko,ende.
    取る<命令法><あなたが>塩どうぞ

    「塩を取ってくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹 tául で言い、目的語には格語尾をつけない。ただし sáko は干潟から借りた重性名詞なので、もともと主格と対格は同じ形である。

    vándim méldo, ende.

    読み:ヴァンディン メルド、エンデ。

    vánd-imméldo,ende.
    量る-<私が>蜜<対格>どうぞ

    「蜜を量りますよ、どうぞ。」

    縁の市でのやりとり。ende は願望法の語尾が固まってできた小辞で、市では「どうぞ・頼む」の軽い意味で添える。蜜は下ろし荷の一つ。

    méir síndra rús, ende.

    読み:メール シンドラ ルース、エンデ。

    méirsíndrarús,ende.
    与える<命令法><あなたが>帯茶色のどうぞ

    「茶色の帯をくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。格語尾が落ちて、宮廷語なら síndran rúsan となるところが síndra rús になる。動詞はむき出しの語幹で言い、ende を添える。市ではこの形でも無礼にはならない。

    sén kumbór, ende.

    読み:セーン クンボール、エンデ。

    sénkumbór,ende.
    見る<命令法><あなたが>青銅どうぞ

    「青銅を見てくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。地金として売る青銅の質を確かめてもらうときの言い方。動詞は語幹をむき出しにした形で使い、最後に ende を添える。取引言葉では格の語尾が落ちる。ただし kumbór は重性なので、もともと主格と対格が同じ形である。

    tául rása, ende.

    読み:タウル ラーサ、エンデ。

    táulrása,ende.
    取る<命令法><あなたが>衣どうぞ

    「その衣を取ってくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。格の語尾が落ちるので、目的語でも rása の形のままになる。動詞は語幹をむき出しにした形で使い、最後に ende を添える。

    sén pelsó, ende.

    読み:セーン ペルソー、エンデ。

    sénpelsó,ende
    見る<命令法><あなたが>ピッチどうぞ

    「ピッチを見てくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞は語幹そのままで言い、決まり文句の ende を添える。取引言葉では格語尾が落ちるが、pelsó はもともと主格と対格が同じ形なので、見た目は変わらない。市では、樽の目止めに使うピッチの質を確かめてから買う。

    lís sáindar, lisár, ende.

    読み:リース サインダル、リサール、エンデ。

    líssáindar,lisár,ende.
    書く<命令法><あなたが>証文帳付けどうぞ

    「帳付けさん、証文を書いてくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹で言い、格語尾も落とす(改まった言葉なら対格 sáindaran)。ende を添えるので、命令の形でも無礼には聞こえない。

    léim plíndo fáron, ende.

    読み:レーン プリンド ファーロン、エンデ。

    léimplíndofáron,ende.
    置く<命令法><あなたが>荷札荷どうぞ

    「荷札を荷につけてくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹(命令法2単と同じ形)で、格語尾が落ちるので、改まった言葉なら与格 fáronoi になる「荷に」も fáron のままで言う。文末に ende を添えて頼む。荷札を「つける」は léim-「置く」で表す。

    méir grúndo, ende.

    読み:メール グルンド、エンデ。

    méirgrúndo,ende.
    与える<命令法><あなたが>掛け<対格>どうぞ

    「掛けを払ってくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。掛けを「払う」は méir-「与える」で言い、動詞はむき出しの語幹の形になる。grúndo は重性o語幹なので、もともと主格と対格が同じ形。ende は願望法の語尾が固まってできた「どうぞ・頼む」。

    sén fáron sórel, ende.

    読み:セーン ファーロン ソーレル、エンデ。

    sénfáronsórel,ende.
    見る<命令法><あなたが>荷今日どうぞ

    「今日のうちに荷を見てくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。格語尾が落ちるので、都の言葉なら与格 sórelei となるところを、むき出しの sórel で言う。動詞もむき出しの語幹 sén で、ende を添える。市の場では、命令法と同じ形でも無礼にはならない。

    seirénde, ende. vándim fáron.

    読み:セイレンデ、エンデ。ヴァンディン ファーロン。

    seirénde,ende.vánd-imfáron.
    しばしお待ちをどうぞ量る-<私が>荷<対格>

    「ちょっと待ってくれ、頼む。いま荷を量るから。」

    縁の市で使う言い方。取引言葉では敬語の語形がほとんど落ちるが、seirénde は ende と同じく願望法の決まり文句として残り、軽い「ちょっと待って」の意味で使われる。ende を重ねて、さらに頼みの調子を加えている。

    póþul? vír, ende.

    読み:ポースル?ヴィール、エンデ。

    póþul?vír,ende.
    なんだって言う<命令法><あなたが>どうぞ

    「なんだって? もう一回言ってくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。むき出しの語幹 vír に ende を添えて、言い直しを頼んでいる。市は段に乗らない場なので、命令法と同じ形でも無礼にはならない。

    naþíl. vír virnourán némei, ende.

    読み:ナシール。ヴィール ヴィルノウラーン ネーメイ、エンデ。

    naþíl.vírvirnouránném-ei,ende.
    わからん言う<命令法><あなたが>意味<対格><私>-<与格>どうぞ

    「わからん。意味を言ってくれ、頼む。」

    わからないと伝えたうえで、説明を頼む言い方。縁の市の取引言葉らしく、vír-「言う」をむき出しの語幹で使い、ende を添えている。聞き手は与格 némei「私に」で表す。

    faronér fáron só, ende. nés, éso ó gróm.

    読み:ファロネール ファーロン ソー、エンデ。ネース、エーソ オー グローン。

    faronérfáronsó,ende.nés,és-oógróm.
    担ぐ<命令法><あなたが>荷<対格>この<重性>どうぞいや・だめだいる-<(重いものが)><3人称単数・重性>重い

    「「この荷を担いでくれ、頼む。」「いや、そいつは重い。」」

    縁の市で、運び人が荷の担ぎを断るやりとり。nés は市の取引言葉の短い断りの返事で、都の改まった言葉では使わない。断ったあとに理由を添えることが多い。繋辞の文は「éis-+主語+述語」の順で、重性の代名詞 ó を受けて動詞は -o、形容詞 gróm も重性・主格の形になる。

    méir tambór, ende. nés, sórel nés.

    読み:メール タンボール、エンデ。ネース、ソーレル ネース。

    méirtambór,ende.nés,sórelnés.
    与える<命令法><あなたが>雑穀どうぞない(品切れ)今日ない(品切れ)

    「「雑穀をくれ、頼む。」「ない、今日はもうない。」」

    縁の市の取引言葉。品切れを、時を表す語と組み合わせて繰り返す言い方。動詞はむき出しの語幹、目的語は格語尾なしで言い、ende を添えて頼む。

    funelér þelá, ende.

    読み:フネレール セラー、エンデ。

    funelérþelá,ende.
    書き留める<命令法><あなたが>名前どうぞ

    「名前を書き留めてくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞はむき出しの語幹で、目的語は格語尾の落ちた形 þelá を使い、ende を添える。命令法と同じ形だが、市では無礼にならない。口にしてはいけない名前でも書くことは許されるので、名前は書き留めて伝えることが多い。

    lís freimvirá, ende.

    読み:リース フレインヴィラー、エンデ。

    lísfreimvirá,ende.
    書く<命令法><あなたが>念押しどうぞ

    「念押しも書いてくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。動詞は語幹をそのまま使い、名詞の格語尾も落ちる(宮廷語なら freimvirán)。証文に数を書かせるとき、言い換えの念押しを添えるよう頼む決まり文句。

    vír freimvirá, ende.

    読み:ヴィール フレインヴィラー、エンデ。

    vírfreimvirá,ende.
    言う<命令法><あなたが>言い直しどうぞ

    「言い直してくれ、頼む。」

    縁の市の取引言葉。格語尾が落ちるので、目的語も主格と同じ形のまま置く。動詞はむき出しの語幹 vír で、ende を添える。聞き取れなかった数を言い換えて繰り返すよう頼む言い方。

    gromér, ende.

    読み:グロメール、エンデ。

    gromér,ende.
    体を動かす<命令法><あなたが>どうぞ

    「体をずらしてくれ。」

    縁の市での取引言葉。命令法と等しい裸語幹 gromér に、読点で区切って固まった依頼の小辞 ende を添える。狭い道や市で、体勢を少しずらして頼む軽い表現。

    krún fáron, ende.

    読み:クルーン ファーロン、エンデ。

    krúnfáron,ende.
    支える<命令法><あなたが>荷<対格>どうぞ

    「荷を支えてくれ、頼む。」

    荷役での依頼。命令法2単は語幹がそのまま語末に立つ。重性の荷は対格無標。endeは、依頼・頼みとして固まった小辞。市や降ろし場でよく使われる簡潔な言い方。

    sén houméro sákos, ende.

    読み:セーン ホウメーロ サーコス、エンデ。

    sénhoumérosák-os,ende.
    見る<命令法><あなたが>袋<対格>塩-<属格>どうぞ

    「塩の袋を見てくれ、頼む。」

    道具や荷を扱う場での短い依頼。houméro は対格も主格と同形。後置の sák-os は内容を表す属格で、「塩を入れた袋・塩用の袋」のように中身の質を強調する言い方になる。ende は縁の市で使われる決まり文句。

    kráil beilíño só, ende!

    読み:クライル ベイリーニョ ソー、エンデ!

    kráilbeilíñosó,ende!
    手に持つ<命令法><あなたが>小袋<対格>この<重性>どうぞ

    「この腰袋を持ってくれ、頼む。」

    親しい者どうしのくだけた依頼。beilíño は重性o語幹で、単数対格は主格と同形。命令法のむき出しの語幹に、固まった願望の決まり文句 ende が添えられる。改まった場ではこの語は使わない。

    kráil waró só, ende

    読み:クライル ワロー ソー、エンデ

    kráilwarósó,ende
    手に持つ<命令法><あなたが>水がめ<対格>この<重性>どうぞ

    「この水がめを持っていて、頼む。」

    炉ばたでの依頼文。kráil「手に持つ」は両手で抱える水がめと結びつく。命令法はむき出しの語幹。waróは直接目的語だが、重性は対格語尾が付かない。指示詞sóは重性名詞と対応する。依頼の決まり文句 ende は、文末に読点で区切って添える。

    bréun fálno, ende.

    読み:ブレウン ファルノ、エンデ。

    bréunfálno,ende
    積む<命令法><あなたが>薪<対格>どうぞ

    「薪を積んでくれ。」

    くだけた依頼文。bréun- は命令法2単では語幹そのままの bréun を取る。縁の市などでは ende を後に添えて軽く頼む。fálno は重量名詞の単数で、主格と目的語が同形。

    sál tambór, ende.

    読み:サール タンボール、エンデ。

    sáltambór,ende.
    ならす<命令法><あなたが>雑穀<対格>どうぞ

    「「雑穀を平らにしてくれ、頼む。」」

    家庭でのくだけた依頼。命令法2人称は語幹 sál をそのまま用いる。対象 tambór は重性で対格が主格と同形。依頼の小辞 ende を添えて、単なる命令を軽くする。

    tán fúnel, ende.

    読み:ターン フーネル、エンデ。

    tánfúnel,ende.
    張る<命令法>綱<対格>どうぞ

    「綱を張っていただけますか?」

    日常の依頼の文。命令法2人称単数は語幹のむき出しの形を使う。「fúnel」は重性子音語幹名詞で、単数の対格は主格と同形。「ende」は市の取引言葉でも使われる「どうぞ・頼む」の意の小辞。

    kún kíl, ende.

    読み:クーン キール、エンデ。

    kúnkíl,ende.
    する<命令法><あなたが>口笛<対格>どうぞ

    「口笛を吹いてくれ、頼む。」

    縁の市や崖道での、くだけた依頼。動詞kúnd-「する」の命令法2単は語末の子音のつながりが縮んでkúnとなる。「口笛をする」は吹く行為を指す。endeは縁の市でよく使う依頼の定型。

    frunéndes búl fúnelos, ende.

    読み:フルネンデス ブール フーネロス、エンデ。

    frun-énd-esbúlfúnel-os,ende.
    芯直す-<〜しますように>-<あなたが>芯<対格>綱-<属格>どうぞ

    「綱の芯を直してくれませんか、頼む。」

    同じ段の相手に頼む願望法。búl は「根」の語で、ここでは綱の芯・筋を指す用法。fúnelos は綱の属格。

    tául houmkranó, ende.

    読み:タウル ホウンクラノー、エンデ。

    táulhoumkranó,ende.
    取る<命令法><あなたが>火ばさみ<対格>どうぞ

    「火ばさみを取って、頼む。」

    日常での依頼。命令法の2人称単数はむき出しの語幹で表す。依頼の小辞 ende を添えた定型で、重性o語幹の目的語 houmkranó は主格と同形。

    lín fúnel, ende.

    読み:リーン フーネル、エンデ。

    línfúnel,ende.
    伸ばす<命令法><あなたが>綱<対格>どうぞ

    「綱を伸ばしてくれ、頼む。」

    日常の実用的な場面。引き寄せて綱を張るのではなく、綱の取り分や全長を長くする意。命令法は語幹のみ。ende は依頼に固まった定型。

    funeláur funelfáron, ende!

    読み:フネラウル フネルファーロン、エンデ!

    funeláurfunelfáron,ende!
    引き上げる<命令法><あなたが>引き揚げ荷<対格>どうぞ

    「引き揚げ荷を手繰り上げろ、頼む。」

    綱場での依頼。命令法2人称は語幹 funeláur のみで現れる。ende を添えて、ぶっきらぼうな命令を少しやわらげる。引き揚げ荷は、単に綱で持ち上げた荷というより、綱場が引き受けた荷物として帳場に組み込まれる荷を指す。

    kailér sóumbo, ende.

    読み:カイレール ソーンボ、エンデ。

    kail-érsóumbo,ende.
    乾く-<〜でする・命令法・あなたが>きのこ<対格>どうぞ

    「きのこを乾かしてくれ、頼む。」

    市での依頼。縁の市の取引言葉では動詞は語幹形となり、依頼の ende を添える。名詞から動詞を作る接辞 -ér- を含む裸語幹。命令2人称は語幹形で表される。きのこの長期保存調剤を表す。重性o語幹の単数対格は標識をもたない。

    kráil þéumo, ende.

    読み:クライル セウモ、エンデ。

    kráilþéumo,ende.
    手に持つ<命令法><あなたが>肩掛け<対格>どうぞ

    「肩掛けを持っていてください。」

    kráil-「手に持つ」の二人称単数命令法。þéumo は重性o語幹で、単数の主格と対格は同形。ende は願望法由来の決まり文句で、作業場や寝小屋でのくだけた依頼・注文に添える。

    ván snór fáronos, ende.

    読み:ヴァーン スノール ファーロノス、エンデ。

    vánsnórfáron-os,ende.
    量る<命令法><あなたが>幅荷-<属格>どうぞ

    「荷の幅を量ってくれ、頼む。」

    荷検めや取引きでの日常的な依頼。snórは測られる寸法そのものとして直接の目的語に取る。重性名詞のため、対格は主格と形が同じ。

    sakopúl, faronár, ende.

    読み:サコプール、ファロナール、エンデ。

    sakopúlfaronárende.
    塩額当<命令法><あなたが>運び人<主格>どうぞ

    「運び人さん、塩を額に当てて、どうぞ。」

    市井での命令。命令法は語幹そのまま。縁の市では ende を文末に読点で区切って添えて柔らかくする。faronár は呼格ではなく、主格形のまま区切って添えた呼びかけ。

    tául funelíñul, ende.

    読み:タウル フネリーニュル、エンデ。

    táulfunelíñ-ul,ende.
    取る<命令法><あなたが>小綱-<〜たちを>どうぞ

    「小綱を取ってくれ。」

    運び人・市の実務で、物を取って頼むときの軽い依頼。命令形に ende が加わって依頼になる。

    senomún un snúloi, ende.

    読み:セノムーン ウン スヌーロイ、エンデ。

    senomúnunsnúl-oi,ende.
    慎んでのぞく<命令法><あなたが>内穴-<与格>どうぞ

    「穴の中を慎んでのぞいて、頼む。」

    狭い穴の奥を確かめさせる、くだけた依頼。命令法は語幹のみを用いる。`ende` は軽い依頼・願いを表す定型として後に添える。

    kráil fláumo só, ende.

    読み:クライル フラウモ ソー、エンデ。

    kráilfláumosó,ende.
    持つ<命令法><あなたが>枠<対格>この<重性>,どうぞ

    「この枠を持っていて、頼む。」

    日常の作業・運搬の場面での依頼。命令法の目的語と指示詞のあとに、決まり文句 ende を添える。ende は動詞ではなく独立の小辞。

    síl baló, ende.

    読み:シール バロー、エンデ。

    sílbaló,ende
    払う<命令法><あなたが>草<対格>どうぞ

    「草を払ってくれ、頼む。」

    縁の市や作業現場での頼み。命令法2単は語幹のむき出し形 síl を使うくだけた表現。baló を雑草・厄介な草として片付ける用法。ende を添えてやわらげる。

    dukráil fáron es faronáres, ende.

    読み:ドゥクライル ファーロン エス ファロナーレス、エンデ。

    dukráilfáronesfaron-ár-es,ende.
    代って取る<命令法><あなたが>荷<対格>から荷-<〜する人>-<属格>どうぞ

    「運び人から荷を代って取っていただけますか。」

    縁での荷の受け渡しで、今荷を差し出している人から代わりに受け取るように頼む定型。荷主には es+属格を添える。命令法2単は根語そのもので、語末がやわらかい子音 l であるこの語では dukráil の形になる。

    prós ombaklón, ende.

    読み:プロース オンバクローン、エンデ。

    prósombaklónende
    押す<命令法><あなたが>曲がり節<対格>どうぞ

    「曲がり節を押して、どうぞ。」

    手仕事の依頼文。命令法の 2 人称単数は語幹 prós をそのまま用い、重性の単数目的語には格語尾がつかない。依頼の語 ende が後に続く。

    tául rimbó só, ende.

    読み:タウル リンボー ソー、エンデ。

    táulrimbósó,ende.
    取る<命令法><あなたが>枡<対格>この<重性>どうぞ

    「この枡を持って、どうぞ。」

    木製の枡そのものを渡す日常の命令。指示詞 só が重性名詞句を閉じる。市で使う固まった依頼の小辞 ende が添えられる。

    méir rimblóna sé, ende.

    読み:メール リンブローナ セー、エンデ。

    méirrimblónasé,ende.
    与える<命令法><あなたが>測り竿<対格>この<軽性>どうぞ

    「この測り竿をくれ、頼む。」

    道具の受け渡しで使う、くだけた依頼文。縁の市の言葉では格語尾が落ち、本来の対格 rimblónan は rimblóna のまま出る。命令法の語幹 méir の後ろに名詞 rimblóna と指示詞 sé が続き、語末の ende が頼みの定型になる。

    vúl ílmo, ende.

    読み:ヴール イルモ、エンデ。

    vúlílmo,ende.
    注ぐ<命令法><あなたが>水<対格>どうぞ

    「水を注いで、頼む。」

    縁の市などのくだけた取引言葉では、敬語や格語尾を省き、むき出しの語幹 vúl を使う。 ende は願望形の決まり文句。

    saléim anrásan sé, ende.

    読み:サレーン アンラーサン セー、エンデ。

    saléimanrása-nsé,ende
    外に据える<命令法>上着-<対格>この<軽性>どうぞ

    「この上着を脱いでくれ、頼む。」

    親しい者や並ぶ段の相手に向ける依頼。saléim- は衣服・帽子・履物を体から外す婉曲語で、体を直接言わず衣服が外へ出る動きだけで着替えを表す。命令のむき出し語幹 saléim に ende を添えると、くだけた依頼になる。

    vrunkríl fúnel, ende

    読み:ヴルンクリール フーネル、エンデ

    vrunkrílfúnel,ende
    ほどく<命令法><あなたが>綱<対格>どうぞ

    「綱をほどいてくれ、頼む。」

    命令法二人称単数は語幹のみを使う。綱 fúnel は重性なので対格語尾はつかない。ende は依頼の決まり文句。

    pál reinplén, ende.

    読み:パール レインプレーン、エンデ。

    pálreinplén,ende
    立てかける<命令法>雨よけ<対格>どうぞ

    「雨よけを立ててくれ、どうぞ。」

    市でのくだけた作業指示。命令法2人称単数は語幹のみ。語幹末は音節構造に合う軟子音として保つ。目的語の雨よけは重性で主格と同形だが、対格として受ける。endeは市の取引言葉で固まった定型。

    méir monsnembán némei, ende.

    読み:メール モンスネンバーン ネーメイ、エンデ。

    méirmonsnemb-ánném-ei,ende.
    与える<命令法><あなたが>写し-<対格><私>-<与格>どうぞ

    「写しを、私に、頼む。」

    手渡して欲しいものを求める日常会話。命令法は語幹 méir を用い、受取手は与格で表す。文末の ende で要求を柔らかくする。

    sén reiníñan sé, ende

    読み:セーン レイニーニャン セー、エンデ

    sénreiníñ-ansé,ende
    見る<命令法><あなたが>小雨-<対格>この<軽性>どうぞ

    「この小雨を見ておくれ。」

    くだけた日常の依頼。動詞命令法に、決まり文句 ende を添えてやわらげている。軽性a語幹名詞 reiníña の対格は語根 reiníñ- に -an を付けた形。指示詞 sé は軽性の形。

    vrún fúnel gandéroi, ende.

    読み:ヴルーン フーネル ガンデーロイ、エンデ。

    vrúnfúnelgandér-oi,ende.
    巻く<命令法><あなたが>綱<対格>硬木-<与格>どうぞ

    「硬木に綱を巻きつけてくれ、どうぞ。」

    作業場での依頼文。vrún は命令法2人称。fúnel は重性の直接目的語で無標識。gandér-oi は巻きつける先を示す与格。ende は取引言葉として命令文後に置かれる。

    vír amvirán ende.

    読み:ヴィール アンヴィラーン エンデ。

    víramvir-ánende
    言う<命令法><あなたが>きちんとした言葉づかい-<対格>どうぞ

    「きちんとした言葉づかいで言え、頼む。」

    市でのたしなめ。命令法 vír に目的語 amvirán を置き、縁の市で多用する ende を添える。この用法では amvirá が「正しく整った言葉づかい」を指す。

    gǘl sáko es kúrmos, ende.

    読み:ギュール サーコ エス クルモス、エンデ。

    gǘlsákoeskúrm-os,ende
    取り出す<命令法><あなたが>塩<対格>から壺-<属格>どうぞ

    「壺から塩を取り出してくれ、頼む。」

    家庭・倉での日常的な依頼。命令法2人称は語幹のむき出し gǘl。sáko は重性o語幹で、対格も無標。es kúrmos は壺からの出所。ende は願望語尾が固まった「どうぞ」。日常では目的語が容器から出して並べるまでを含み、塩を量るための下準備を言う。

    méir gáir némei ende

    読み:メール ガイル ネーメイ エンデ

    méirgáirném-eiende
    与える<命令法><あなたが>錐<対格><私>-<与格>どうぞ

    「私に錐を渡してくれ、頼む。」

    命令法。贈与の受け手は与格で示す。 ende は依頼の定型語で、命令法と共によく使われる。

    mé plár filduló, ende

    読み:メー プラール フィルドゥロー、エンデ

    méplárfilduló,ende
    <禁止・願いの打ち消し>割る<命令法>刻み通路<対格>どうぞ

    「刻み通路を割らないでください。」

    くだけた指示・依頼。mé+命令法で禁止を表す。plár は他動詞「割る」。filduló は目的語で対格だが、重性o語幹では対格が主格と同形。ende は市井の定型として添えられる。

    tául gálvul só, ende.

    読み:タウル ガルヴル ソー、エンデ。

    táulgálv-ulsó,ende.
    取る<命令法><あなたが>かけら-<〜たちを>この<重性>どうぞ

    「これらのかけらを取ってくれ、頼む。」

    家の中で落ちた小片を片付ける場面のような命令文。gálvo の重性o語幹の複数形は gálv-ul。命令法2人称単数は語根のみの形を使い、動詞に目的語の数を標識する語尾はない。

    marméir már táses, ende.

    読み:マルメール マール ターセス、エンデ。

    marméirmártás-es,ende
    差し向ける<命令法><あなたが>手<対格><あなた>-<属格>どうぞ

    「あなたの手を差し向けてくれ、頼む。」

    物の受け渡しではなく、受け取る用意を示す身振り。命令法は語幹形になる。már は重性子音語幹で、直接格に語尾がつかない。tás の属格は táses。

    fél fáron, ende.

    読み:フェール ファーロン、エンデ。

    félfáronende
    引く<命令法><あなたが>荷<対格>どうぞ

    「荷を引き、頼む。」

    縁の市の取引言葉。命令法はむき出しの語幹。重性名詞 fáron は単数主格と対格が同じで、市で格語尾が落ちても外形は変わらない。ende は本来の願望語尾が固まった定型。fél- 自体が干潟語由来の語で、宮廷では使われない。

    kráil snelíño só, ende.

    読み:クライル スネリーニョ ソー、エンデ。

    kráilsnelíñosó,ende.
    手に持つ<命令法><あなたが>蓋<対格>この<重性>どうぞ

    「この蓋を持ってくれ、頼む。」

    炉ばたや縁のくだけた依頼の文。命令法は語幹のむき出しの形 kráil に ende を添える。snelíño は重性o語幹なので、指示詞は só を使う。

    lírer vrélmo, ende.

    読み:リーレル ヴレルモ、エンデ。

    lírervrélmo,ende
    縫う<命令法><あなたが>毛皮<対格>どうぞ

    「毛皮を縫い合わせろ、頼む。」

    命令法は語幹をそのまま使う。毛皮の接ぎ・補修という布ものの縫いあわせの用法。ende は縁の市でも聞かれる依頼の定型。

    slél snélan ném-ei ende

    読み:スレール スネーラン ネーメイ エンデ

    slélsnél-anném-eiende
    広げる<命令法><あなたが>布-<対格><私>-<与格>どうぞ

    「布を広げて、私に見せてくれ。」

    市や店での依頼。命令法と依頼の小辞 ende を組み合わせ、布を自分のほうへ平に広げて差し出させる意を示す。与格 némei が受取人・提示先を表す。

    krémer fáron krélvoi, ende

    読み:クレーメル ファーロン クレルヴォイ、エンデ

    krémerfáronkrélv-oi,ende
    環に掛ける<命令法><あなたが>荷<対格>鉤-<与格>どうぞ

    「荷を鉤に掛けてくれ、頼む。」

    現場での指示。命令法・2人称単数は語幹形krémerを用いる。依頼の定型endeを添えている。掛かり先の与格はkrélv-oi。

    sindrér krúmoi, ende.

    読み:シンドレール クルーモイ、エンデ。

    sindrérkrúm-oi,ende.
    締める<命令法><あなたが>腰-<与格>どうぞ

    「腰に帯を締めてください。」

    身支度の際のくだけた依頼。krúm-oi は重性o語幹 krúmo の単数与格で、身体上の付着点・位置を表す。与格接辞は -oi。命令法に ende を添えることで、市場でも自然な軽い依頼になる。

    krún fáron só krúmoi, ende.

    読み:クルーン ファーロン ソー クルーモイ、エンデ。

    krúnfáronsókrúm-oi,ende.
    支える<命令法><あなたが>荷<対格>この<重性>腰-<与格>どうぞ

    「この荷を腰で支えてください。」

    荷の受け渡しや運び作業での手順指示。対象 fáron só に次いで、荷を支える位置としての腰を krúm-oi の与格に取る。与格接辞は -oi。裸語幹の命令に ende を添えて、依頼の形にしている。

    ván þárno fúnelos, ende!

    読み:ヴァーン サルノ フーネロス、エンデ!

    vánþárnofúnel-os,ende!
    量る<命令法><あなたが>端<対格>綱-<属格>どうぞ

    「綱の端を量ってくれ、頼む。」

    日常の作業・市の場面での命令文。þárno は重性o語幹であり、単数の主格・対格は無標識の þárno と同型である。命令法では vánd- の語末子音連結が単純化して ván となる。所有主 fúnelos は重性属格で、物の所有を示す。

解説

縁の市の取引言葉で「どうぞ」「頼む」の意味で使う決まり文句。むき出しの語幹の命令の後ろに添えて、依頼をやわらげる。都の改まった願望の言い方が、市で縮まって固まったもの。都の人の耳には「半ば沈んだ言葉」に聞こえる。

文法

不変化の小辞。文末に読点で区切って添える(ván fáron, ende)。強勢は弱い。強勢をもたないので ´ をつけずに書く。運び人どうしでは end、干潟の人の口では enëde。

語源

願望法3人称単数・軽性の語尾 -énde が独立したもの。今のくだけた脱落で end にもなるが、市では干潟の人に通じやすい母音つきの形で固まった。

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