un

品詞
前置詞
意味
〜の内に
発音
[un]
読み
ウン
分野
時間・空間・方向

意味

  1. 〜の内に

    囲まれた場所や、ものの内側にあることを表す。

    éso sáko némei un kórvoi.

    読み:エーソ サーコ ネーメイ ウン コルヴォイ。

    és-osákoném-eiunkórv-oi.
    いる-<(重いものが)>塩<主格><私>-<与格>内に倉-<与格>

    「私には倉の中に塩がある。」

    持ち主は裸の与格、場所は前置詞+与格。語順は「主語→与格→前置詞句」。

    éso fáron gróm un méndalei.

    読み:エーソ ファーロン グローン ウン メンダレイ。

    és-ofárongrómunméndal-ei.
    いる-<(重いものが)>荷<主格>重い内に中-<与格>

    「重い荷がある(この世にある)。」

    場所を言わない存在文には un méndalei「中の世界に」を添える。くだけた言葉では séndoi「ここに」で代える。

    éso ílmo klér un kórvoi.

    読み:エーソ イルモ クレール ウン コルヴォイ。

    és-oílmoklérunkórv-oi.
    いる-<(重いものが)>水<主格>冷たい内に倉-<与格>

    「倉の中に冷たい水がある。」

    前置詞つきの与格も、動詞の後ろにあれば存在の文と読む。

    un kórvoi, éso ílmo klér.

    読み:ウン コルヴォイ、エーソ イルモ クレール。

    unkórv-oi,és-oílmoklér.
    内に倉-<与格>いる-<(重いものが)>水<主格>冷たい

    「倉の中では、水は冷たい。」

    場所を動詞の前に出すと、述語の形容詞の文になる(場所を対比の前置きとして出した形)。

    gélim un kórvo.

    読み:ゲーリン ウン コルヴォ。

    gél-imunkórvo.
    行く-<私が>内に倉<対格>

    「私は倉の中へ行く。」

    un+対格で「〜の中へ」。

    tóra éndra un kórvos.

    読み:トーラ エンドラ ウン コルヴォス。

    tór-aéndraunkórv-os.
    来る-<(軽いものが)>人<主格>内に倉-<属格>

    「人が倉の中から来る。」

    un+属格で「〜の中から」。

    dulíþes nóumo némes un torárail.

    読み:ドゥリーセス ノーモ ネーメス ウン トラーライル。

    dul-íþ-esnóumoném-esuntorár-ail.
    下る-<〜させる>-<あなたが>体面<対格><私>-<属格>内に客-<〜らに>

    「お前は客たちの前で、私の顔をつぶした。」

    相手をとがめる言い方。慣用句 nóumo dúlo の動詞を使役の dulíþ-「下ろす」に変えて、「人の面目を失わせる」の意味にしている。2人称の直説法を使っているので、下向きか、同じ段の相手への言い方になる。

    mé léim virán gráisan un múndo táses!

    読み:メー レーン ヴィラーン グライサン ウン ムンド ターセス!

    méléimvir-ángráis-anunmúndotás-es!
    <禁止・願いの打ち消し>置く<命令法><あなたが>言葉-<対格>悪い-<対格>内に口<対格><あなた>-<属格>

    「悪い言葉を口に入れるな(=口にするな)。」

    親が子を叱るときの言い方。炉の前では粗野な言葉を口にしてはいけないとされる。禁止は「mé+命令法」で言う。un+対格で「〜の中へ」を表す。múndo は重性なので、対格は主格と同じ形になる。形容詞 gráis は軽性の virá に合わせて、対格の -an をとる。

    léimim tambór un múndo.

    読み:レーミン タンボール ウン ムンド。

    léim-imtambórunmúndo.
    置く-<私が>雑穀<対格>内に口<対格>

    「雑穀を口に運ぶ。」

    食事の日常の言い方。un+対格で「〜の中へ」を表す。重性の múndo は対格でも主格と同じ形になる。主語は動詞の語尾 -im でわかるので言わない。

    mé leimésa fáron un múndo orénos.

    読み:メー レイメーサ ファーロン ウン ムンド オレーノス。

    méleim-és-afáronunmúndoorén-os.
    <禁止・願いの打ち消し>置く-<〜すべし>-<(軽いものが)>荷<対格>内に出口<対格>縁-<属格>

    「縁の口の中へ荷を置かぬこと。」

    市の決まりを刻んだ碑文の文体。道の口をふさがないための決まり。当為法は mé で否定する。主語を言わないので「人は」という一般の主語になり、軽性の形をとる。強勢は当為法の -és- に移る。un+対格で「〜の中へ」。

    hoinéim un dáu álmaraun.

    読み:ホイネーン ウン ダウ アルマラウン。

    hoin-é-imundáuálmar-aun.
    帰る-<〜だろう>-<私が>内二ひと月-<双数の〜の・〜に>

    「ふた月のうちには帰るだろう。」

    旅立つ者が日数の見込みを言う文。暦の月は白月の満ち欠けの一巡りで数える。dáu「二」の後ろの名詞は双数になり、un「〜の内に」と組むので双数の属格・与格 -aun をとる。推量法の -él- は、1人称の語尾の前で l が落ちて -é- になる。

    lísa lisár þelán némes un sáindarei.

    読み:リーサ リサール セラーン ネーメス ウン サインダレイ。

    lís-alis-árþel-ánném-esunsáindar-ei.
    書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>名前-<対格><私>-<属格>内に証文-<与格>

    「書記は証文の中に私の名を書く。」

    un+与格で「〜の内に」を表す。前置詞なしの与格でも場所は言えるが、un を添えると「その内側に」という意味がはっきりする。un には強勢がない。名前を書くことは息を使わないので、禁忌にならない。

    lúin tóro nébro, na sénimor álmaran un élvarei.

    読み:ルーイン トーロ ネーブロ、ナ セーニモル アルマラン ウン エルヴァレイ。

    lúintór-onébro,nasén-imorálmar-anunélvar-ei.
    とき来る-<(重いものが)>霧<主格><〜ない>見る-<我々が>白月-<対格>内に天-<与格>

    「霧が来ると、天の内に白月が見えなくなる。」

    霧期を言う文。un+与格で、天という広がりの内側にあることを表す。霧は下から割りこむ帳なので、天にあるものが見えなくなる。

    lisésa lisár sáindaran un téir ombrénail.

    読み:リセーサ リサール サインダラン ウン テール オンブレーナイル。

    lis-és-alis-ársáindar-anuntéirombrén-ail
    書く-<〜すべし>-<(軽いものが)>書く-<〜する人>証文-<対格>内三十日-<〜らに>

    「書記は三旬のうちに証文を書くべし。」

    法典や役所の定めの文体で、当為法を使っている。勤めや期限は十日を単位に数えるので、「三つの十日」でおよそ一か月を表す。三以上の数詞の後ろでは名詞が複数になり、un「〜の内に」と組むので与格をとる。

    toríþa ráuvan kelárais un krévan, salóur na kélan kelárai árnelan.

    読み:トリーサ ラウヴァン ケラーライス ウン クレーヴァン、サロール ナ ケーラン ケラーライ アルネラン。

    tor-íþ-aráuvankel-ár-aisunkréva-n,salóurnakél-ankel-ár-aiárnel-an.
    来る-<〜させる>-<(軽いものが)>森の巫<主格>伐る-<〜する人>-<〜たちを>内に練習の場-<対格>しかし<〜ない>伐る-<彼らが>伐る-<〜する人>-<〜たちが>木-<対格>

    「森の巫は樵たちを稽古の場へ呼び寄せるが、樵たちは木を伐らない。」

    un と対格を組み合わせると「〜の中へ」の意味になり、un krévan は「稽古の場へ」となる。伐り出しの詞を稽古で唱えても本番の儀式にはならず、樵はそこでは斧を入れない。そのことを言った文である。使役の toríþ-「呼び寄せる」は、後ろに強勢のある接辞がないので、-íþ- が強勢をとる。逆接の salóur は二つめの文の頭に置く。立っている木 árnel は軽性なので、対格は -an になる。

    drénan kloimárai un krévan, duói léunan mélnan rainiþárei, si na rímba rainiþár virán gráisan.

    読み:ドレーナン クロイマーライ ウン クレーヴァン、ドゥオイ レウナン メルナン ライニサーレイ、シ ナ リンバ ライニサール ヴィラーン グライサン。

    drén-ankloimár-aiunkréva-n,duóiléun-anméln-anrainiþár-ei,sinarímb-arainiþárvir-ángráis-an.
    参る-<彼らが>弟子-<〜たちが>内に練習の場-<対格>それから申す-<彼らが>詩-<対格>師-<与格>と<〜ない>数える-<(軽いものが)>師<主格>言葉-<対格>悪い-<対格>

    「弟子たちは稽古の場へ参り、それから師に詩を申し上げる。師は言い誤りを数えない。」

    宮廷や学び舎での詩の稽古を言った文。弟子の行いは謙譲の補充形で表し、drén-「参る」と léun-「申す」を使っている。un krévan は「稽古の場へ」で、本番ではない場であることを示す。virán gráisan「悪い言葉」は、ここでは無礼な言葉ではなく、言い損なった語を指す。形容詞 gráis は名詞の後ろに置かれ、軽性・対格の -an で一致している。

    éso aurbúl un hóumoi.

    読み:エーソ アウルブール ウン ホーモイ。

    és-oaurbúlunhóum-oi
    いる-<(重いものが)>薪<主格>内に炉-<与格>

    「炉に薪がある。」

    家庭の日常で、祀りや火起こしの準備として炉(hóum)の中に薪を備えていることを確認する文。存在文の標準形(és-+主語+前置詞+与格)。aurbúl は重性なので動詞は -o をとる。un+与格で「〜の中に」。fálno(世俗的な「薪」)ではなく aurbúl を使うのは、この炉の火が単なる暖房ではなく、息を天へ送るための火として扱われる場面であるから。

    drelésa aurbúl un aurándoi, ré aurénde selvá an ilánais.

    読み:ドレレーサ アウルブール ウン アウランドイ、レー アウレンデ セルヴァー アン イラーナイス。

    drel-és-aaurbúlunauránd-oi,réaur-énd-eselváanilán-ais
    焚く-<〜すべし>-<(軽いものが)>薪<対格>内に社-<与格><〜と(節)>昇る-<〜しますように>-<(軽いものが)>息<主格>上手灯-<〜たちを>

    「社は薪を焚くべし。息が星々のもとへ昇りますように。」

    社の碑文や祀りの手引書に刻まれる当為法の文。主語を言わないので「人は」の意味になり、軽性の形をとる(当為法・3SG.LT)。ré+願望法で目的(祈り)を示す。aurándo「社」は重性o語幹で与格 -oi。度量衡の碑の mé duliþésa… と同じく、法定的・規範的な文書に当為法が用いられる例。

    orveléimim gandér un kórvino.

    読み:オルヴェレーミン ガンデール ウン コルヴィノ。

    orveléim-imgandérunkórvino.
    並べ替える-<私が>硬木<対格>内に移動倉<対格>

    「私は硬木を移動倉の中に並べる。」

    市や硬木検め場での日常会話。orveléim-「並べ替える」で品を移動倉に並べる。un kórvino は「移動倉の中に」。

    ké éso dulilmó un kórvoi?

    読み:ケー エーソ ドゥリルモー ウン コルヴォイ?

    kéés-odulilmóunkórv-oi?
    <〜か>いる-<(重いものが)>水汲み桶<主格>内に倉-<与格>?

    「倉の中に汲み桶はあるか。」

    存在の問い。動詞は持たれている物(汲み桶、重性)に一致して -o。un+与格で「〜の中で」。答えは éso(ある)または na éso(ない)で、人称は変わらない(所有・存在の動詞は物に一致するため)。

    un kórvoi, éso dulilmó klér.

    読み:ウン コルヴォイ、エーソ ドゥリルモー クレール。

    unkórv-oi,és-odulilmóklér.
    内に倉-<与格>,いる-<(重いものが)>水汲み桶<主格>冷たい

    「倉の中では、汲み桶が冷たい。」

    述語の形容詞の文(és-+主語+述語)。場所を動詞の前に出すと場面の枠として機能し、存在の文にはならない(統語論4.1)。動詞は主語の汲み桶(重性)に一致して -o。凍りの頃に井戸や谷の湧き水を汲んで倉に置いた桶が冷たい。

    séna senár séulo tambóros só un plíndoi.

    読み:セーナ セナール セウロ タンボーロス ソー ウン プリンドイ。

    sén-asen-árséulotambór-ossóunplínd-oi.
    見る-<(軽いものが)>見る-<〜する人・主格>配分<対格>雑穀-<属格>この<重性>内に札-<与格>

    「目付が、この札に書かれた雑穀の配分を見る。」

    縁の市の公式な場面。市の目付(senár)が、脂の木の薄板で作った札(plíndo)に書かれた与え分を確認する。重性の対格は主格と同形なので、動詞直後の senár が主語、次の séulo が目的語と語順で決まる。指示詞 só で名詞句を閉じ、その後に前置詞句 un plíndoi が続く。

    krélo tambór un kórvoi.

    読み:クレーロ タンボール ウン コルヴォイ。

    krél-otambórunkórv-oi
    足りる-<(重いものが)>雑穀<主格>内に倉-<与格>

    「倉の中の雑穀は足りている。」

    倉や貯蔵所で在庫の充足を確認する日常の言い方。主語の tambór「雑穀」は重性なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。un+与格で「倉の中に」。くだけた言葉では krél tambór un kórv-oi とも言うが、語末の -o が落ちた形(krél)でも、文脈から「足りている」と読み取れる。

    súla endríña lúsan un hóumoi.

    読み:スーラ エンドリーニャ ルーサン ウン ホーモイ。

    súl-aendríñalús-anunhóum-oi.
    すする-<(軽いものが)>子ども<主格>粥-<対格>内に炉-<与格>

    「子どもが炉のそばで粥を吸い上げている。」

    椀を口元まで傾けて汁を直接吸い上げる動作(意味2)。un+与格で「〜の内で」を表す。hóum は重性名詞(炉・世帯の量名詞)で、与格は -oi。endríña は指小辞 -íña でできた軽性名詞(子ども)。日本語話者は endríña の ñ を「ニャ」と聞き取れるが、語末の -a を「エ」と聞き、主格だと気づきにくい。

    éso houmbrúndo un kórvoi.

    読み:エーソ ホウンブルンド ウン コルヴォイ。

    és-ohoumbrúndounkórv-oi.
    いる-<(重いものが)>寄り合い<主格>内に倉-<与格>

    「「倉の中に、寄り合いがある。」」

    存在文。重性o語幹の単数主格は houmbrúndo そのまま。un+与格は「〜の中で」。

    vróelo fáron un kórvoi.

    読み:ヴローエロ ファーロン ウン コルヴォイ。

    vróel-ofáronunkórv-oi.
    ずれる-<(重いものが)>荷<主格>内に倉-<与格>

    「倉の中で荷がずれている。」

    un+与格で「〜の中で」。荷は重性なので動詞は3人称単数・重性の語尾を取る。

    þréulo krúndo un orénoi

    読み:スレウロ クルンド ウン オレーノイ

    þréul-okrúndounorén-oi
    積もる-<(重いものが)>泥<主格>内に縁-<与格>

    「縁に泥が積もっている。」

    重性の名詞 krúndo「泥」が主語なので、動詞は 3 人称単数重性 -o をとる。un+与格で場所を示す。縁 orén の与格は orén-oi。

    glünlúin, éso súm múl un hóumoi.

    読み:グリュンルーイン、エーソ スーン ムール ウン ホーモイ。

    glünlúin,és-osúmmúlunhóum-oi.
    凍りの頃,いる-<(重いものが)>煤<主格>厚い内炉-<与格>

    「凍りの頃には、炉の中に厚い煤がある。」

    季節の記録文。glünlúin は時の語として動詞の前に置き、読点で区切る。存在文の動詞 és- は主語 súm が重性なので3人称単数重性語尾 -o をとる。形容詞 múl も重性単数主格で無標。un hóumoi は前置詞 un と炉の与格。

    léimim sáko un trélmo.

    読み:レーミン サーコ ウン トレルモ。

    léim-imsákountrélmo.
    置く-<私が>塩<対格>内に棚<対格>

    「私は棚の中に塩を置く。」

    意味1。 léim-「置く」に、収納の棚としての trélmo を un trélmo の形で与える。 un は「〜の中へ・中に」の前置詞。重性o語幹 trélmo の単数対格は主格と同形で、用例では見出し語 trélmo がそのまま現れる。

    un kórvoi, éso unlóur vrúndo só húmel.

    読み:ウン コルヴォイ、エーソ ウンロール ヴルンド ソー フーメル。

    unkórv-oi,és-ounlóurvrúndosóhúmel.
    内倉-<与格>,いる-<(重いものが)>まだ束<主格>この<重性>湿った

    「倉の中では、この束はまだ湿っている。」

    場面の枠に前置詞句を置いた状態文。見出し語 vrúndo は単数主格のまま使う。

    bréunim tambór un kórvoi.

    読み:ブレウニン タンボール ウン コルヴォイ。

    bréun-imtambórunkórv-oi
    積む-<私が>雑穀<対格>内に倉-<与格>

    「私は倉の中に雑穀を積んでいる。」

    倉の中で雑穀を積む作業の発話。場所 un kórvoi は前置詞 un と与格からなる。tambór は重量名詞で、単数目的語は無標識。

    un drúnoroi, glǘno þreílo.

    読み:ウン ドルーノロイ、グリューノ スレイロ。

    undrúnor-oi,glǘn-oþreílo.
    内に崖道-<与格>凍る-<(重いものが)>しぶき<主格>

    「崖道では、しぶきが凍る。」

    凍りの頃の日常用法。un+与格で「〜の中で」という場面の枠を作る。þreílo は重性 o 語幹で、単数主格は citation form を保つ。

    un lóuroi, púlo þreílo nóumo.

    読み:ウン ローロイ、プーロ スレイロ ノーモ。

    unlóur-oi,púl-oþreílonóumo.
    内に瀬-<与格>軽く叩く-<(重いものが)>濺ぎ<主格>顔<対格>

    「瀬の中では、濺ぎが顔を叩く。」

    意味2の用法。早瀬のそばで身体にかかる範囲の水飛沫を表す。púl- は他動詞で、主語 þreílo に合わせて3人称単数・重性の語尾 -o をとる。

    un kórvoi, éso tendándo.

    読み:ウン コルヴォイ、エーソ テンダンド。

    unkórv-oi,és-otendándo.
    内に倉-<与格>いる-<(重いものが)>織る所<主格>

    「「倉の中に織る所がある。」」

    un kórv-oi は「倉の中で」。ここでは tendándo を機具そのものとしてではなく、機を据えた場所・織場として指す意味で使う。動詞 éso は主語 tendándo に合わせて重性の形になる。

    éso kórviño un kórvoi.

    読み:エーソ コルヴィニョ ウン コルヴォイ。

    és-okórviñounkórv-oi.
    いる-<(重いものが)>箱(小倉)<主格>内倉-<与格>

    「箱が倉の中にある。」

    所在表現。存在文で所在を un+与格で示す。

    sénim krénmo un kórvoi.

    読み:セーニン クレンモ ウン コルヴォイ。

    sén-imkrénmounkórv-oi.
    見る-<私が>環<対格>内に倉-<与格>

    「私は倉の中に環を見る。」

    日常の作業場面。sén- の目的語 krénmo は重性o語幹の単数で、対格語尾がなく主格と同形。un+与格で「〜の中に」。

    mé þrákir un aurándoi!

    読み:メー スラーキル ウン アウランドイ!

    méþrak-irunauránd-oi!
    <禁止・願いの打ち消し>舌打ちする-<皆で〜せよ>内に社-<与格>

    「社の中では、舌打ちをしてはならない。」

    祀りや社の場での禁止表現。命令法の2複語尾 -ir を用いて、複数人に発された制約を示す。無言でも尖った音は「沈む」ものとして嫌われ、改まった詞や朗唱の間では避ける。

    gélim un préndo.

    読み:ゲーリン ウン プレンド。

    gél-imunpréndo.
    行く-<私が>内に路地<対格>

    「私は路地の中へ行く。」

    日常の道案内の場面。un+対格で「〜の中へ」という進入方向を示す。préndo は重性o語幹名詞で、単数対格は単数主格と同形になる。

    kléla endríña un kórvo.

    読み:クレーラ エンドリーニャ ウン コルヴォ。

    klél-aendríñaunkórvo.
    走る-<(軽いものが)>子ども<主格>内に倉<対格>

    「子どもが倉の中へ走っていく。」

    ふだんの叙述文。主語 endríña「子ども」は人を指す軽性の名詞なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。un は「〜の中へ」で対格と組む。kórvo「倉」は重性o語幹で、対格も無標のため un kórvo のまま。

    kramboráuma raumvirá un keréloi.

    読み:クランボラウマ ラウンヴィラー ウン ケレーロイ。

    kramboráum-araumviráunkerél-oi
    素早く進む-<(軽いものが)>噂<主格>内に谷-<与格>

    「谷では、噂が崖山羊のように早く伝わる。」

    比喩用法。書物や格言で詠まれる語調。raumvirá は「言葉」系の語として軽性。un keréloi は「谷の中で」を表す。

    múnim un kórvo.

    読み:ムーニン ウン コルヴォ。

    mún-imunkórvo.
    入る-<私が>内に倉<対格>

    「私は倉に入る。」

    労働・帳場のような日常場面。mún-は自動詞で、入る先はun+対格で表す。一人称直説法では語根に強勢が残り、múnimとなる。

    muníþim tambór un kórvo.

    読み:ムニーシン タンボール ウン コルヴォ。

    mun-íþ-imtambórunkórvo.
    入る-<〜させる>-<私が>雑穀<対格>内に倉<対格>

    「私は雑穀を倉に入れる。」

    使役形の用法。語根mún-に使役接辞-íþ-が結合し、強勢が接辞に移るため語根の ´ は消えてmuníþimとなる。入れられる物は対格、入る先はun+対格。

    trúno fáron sáunin un kéndoroi.

    読み:トルーノ ファーロン サウニン ウン ケンドロイ。

    trún-ofáronsáun-inunkéndor-oi.
    転がる-<(重いものが)>荷<主格>良い-<〜して・〜く>内に市-<与格>

    「荷が市の中でうまく回る。」

    市や取引の場で、商いが順調に進むことを「荷がうまく転がる」と言って表す。形容詞 sáun に -in をつけて「よく・うまく」の意の副詞を作る。un+与格で「〜の中で」。

    un sélnarail, snénan torárai.

    読み:ウン セルナライル、スネーナン トラーライ。

    unsélnar-ail,snén-antorár-ai.
    内宿場-<〜らに>泊まる-<彼らが>客-<〜たちが>

    「宿場では客が泊まる。」

    意味2。宿場の複数与格un sélnarailを場面枠として動詞前に置く。toráraiは客の複数主格。

    mé þandésa þám un aurándoi.

    読み:メー サンデーサ サーン ウン アウランドイ。

    méþand-és-aþámunauránd-oi.
    <禁止・願いの打ち消し>打つ-<〜すべし>-<(軽いものが)>釘<対格>内に社-<与格>

    「社の中で釘を打ち込んではならない。」

    法文・碑文の禁止表現。当為法に mé を添える。主語を言わない一般の主語なので動詞は軽性形 þandésa。aurándo は重性o語幹で、与格は aurándoi。祭祀・聖域の細部に関する決まりとして読める。

    ké ésa ín píma un kórvoi?

    読み:ケー エーサ イーン ピーマ ウン コルヴォイ?

    kéés-aínpímaunkórv-oi?
    <〜か>いる-<(軽いものが)>一紙<主格>内に倉-<与格>

    「倉に紙が一枚あるか。」

    倉・帳場での確認の文。意味2「数える対象としての紙一片」を、単位として数える。紙一枚は「ínn píma」と表し、主語は軽性なので存在動詞はéさ。un kórv-oi「倉の中で」。

    klúno món un drúmoi.

    読み:クルーノ モーン ウン ドルーモイ。

    klún-omónundrúm-oi.
    埋もれる-<(重いものが)>石<主格>内に苔-<与格>

    「石は苔に埋もれている。」

    日常。主語は埋もれる対象。un+与格で「〜の中に」を示し、苔を覆い層として述べる。mónは重性子音語幹で、主格単数は無標。

    klúno gólvo un krúndoi.

    読み:クルーノ ゴルヴォ ウン クルンドイ。

    klún-ogólvounkrúnd-oi.
    埋もれる-<(重いものが)>旧道<主格>内に泥-<与格>

    「旧道は泥に埋もれている。」

    記録文。主語はgólvo「旧道」。泥の中に沈んで、道の痕跡が取り出せなくなっている状態を示す。主語が重性o語幹なので動詞は-oで受け取る。

    sénim vróundan un orénoi.

    読み:セーニン ヴローンダン ウン オレーノイ。

    sén-imvróund-anunorén-oi.
    見る-<私が>人ごみ-<対格>内に縁-<与格>

    「縁のあたりに人ごみが見える。」

    道案内・日常会話向けの知覚文。vróunda は人を数える語ではなく、密集した状況を単数の集合名詞として扱う。軽性の目的語なので対格語尾 -an をつける。

    ké gélimor un þóuno?

    読み:ケー ゲーリモル ウン ソーノ?

    kégél-imorunþóuno?
    <〜か>行く-<我々が>内に夜用の用足し<対格>

    「私たちは夜用の用足し場へ行くか。」

    日常の問い。þóuno は場所を指す意味。un と対格は「〜の中へ」を表す。þóuno は重性o語幹で、対格は主格と同じ形。ké は文頭に置く。

    un drúnoroi, krándan faronárai dulfáronul

    読み:ウン ドルーノロイ、クランダン ファロナーライ ドゥルファーロヌル

    undrúnor-oi,kránd-anfaron-ár-aidulfáron-ul
    内に道-<与格>奪う-<彼らが>荷-<〜する人>-<〜たちが>下ろし荷-<〜たちを>

    「崖道で、運び人たちが下ろし荷を掠め取る。」

    道での争いや混乱に乗じて、荷を取り合う場面。un+与格の場所句を動詞の前に置くと、そこで起きた出来事として述べる。運び人は faron「荷」+-ár「〜する人」で表し、複数主格は faronárai。下ろし荷 dulfáron は重性複数名詞で、主格と対格が同形。

    þréula snéula un kórvoi.

    読み:スレウラ スネウラ ウン コルヴォイ。

    þréul-asnéulaunkórv-oi.
    積もる-<(軽いものが)>埃<主格>内に倉-<与格>

    「倉の中に埃が積もっている。」

    日常の生活空間での表現。軽性名詞 snéula を主語に受け、動詞 þréul- は軽性の語尾 -a を取る。un+与格で「〜の内側で」。

    monlína lisár lisáis un plánei

    読み:モンリーナ リサール リサイス ウン プラーネイ

    monlín-alis-árlis-áisunplán-ei
    並べる-<(軽いものが)>書く-<〜する人・主格>字-<〜たちを>内帳簿-<与格>

    「書記は帳簿の中に字を並べる。」

    帳簿・書物の中で字を列や行として整える用法。平らな面に整列させる含みがある。

    ésa snǘra un kórvoi.

    読み:エーサ スニューラ ウン コルヴォイ。

    és-asnǘraunkórv-oi
    いる-<(軽いものが)>鼠<主格>内に倉-<与格>

    「倉の中に鼠がいる。」

    日常の所在を言う文。存在の文で、主語 snǘra は軽性単数なので動詞は -a。un+与格で「〜の中に」。

    senomúnim un kórvoi.

    読み:セノムーニン ウン コルヴォイ。

    senomún-imunkórv-oi.
    慎んでのぞく-<私が>内倉-<与格>

    「私は倉の中を慎んでのぞく。」

    暗い内側を点検する日常の場面。`senomún-` は体ごと入り込む動作を直接言わず、目だけを入れ込む慎みを含ませる。`un`+与格が「内側に」という場所を補う。

    senomún un snúloi, ende.

    読み:セノムーン ウン スヌーロイ、エンデ。

    senomúnunsnúl-oi,ende.
    慎んでのぞく<命令法><あなたが>内穴-<与格>どうぞ

    「穴の中を慎んでのぞいて、頼む。」

    狭い穴の奥を確かめさせる、くだけた依頼。命令法は語幹のみを用いる。`ende` は軽い依頼・願いを表す定型として後に添える。

    glíma snóur un nébroi.

    読み:グリーマ スノール ウン ネーブロイ。

    glím-asnóurunnébr-oi.
    滲む-<(軽いものが)>輪郭<主格>内に霧-<与格>

    「輪郭が霧の中で滲む。」

    霧期に物の境界が薄れて区別が曖昧になることを述べる文。 snóur「輪郭・姿の輪」は形を指す語として軽性とし、glíma を受ける。 nébro は重性o語幹で、与格は nébr-oi。

    glímo ílmo un plánan.

    読み:グリーモ イルモ ウン プラーナン。

    glím-oílmounplán-an.
    滲む-<(重いものが)>水<主格>内に帳簿-<対格>

    「水が帳簿の中へ滲む。」

    書き物の場で、水分が帳簿の中へ移る動作を中立的に述べる日常の文。主語の ílmo は地を流れる水として重性なので、動詞は 3人称単数・重性の -o をとる。un+対格は「〜の中へ」。

    glíma filá un nébroi.

    読み:グリーマ フィラー ウン ネーブロイ。

    glím-afiláunnébr-oi.
    滲む-<(軽いものが)>線<主格>内に霧-<与格>

    「線が霧の中で滲む。」

    霧で見ている物の線がぼやける日常の表現。un+与格は「〜の中で」。

    gúnimor un kórvoi.

    読み:グーニモル ウン コルヴォイ。

    gún-imorunkórv-oi
    集まる-<我々が>内に倉-<与格>

    「私たちは倉の中で集まる。」

    炉ばたや倉・市などでのふだんの集合を表す。un+与格で「〜の中で」。1人称複数語尾が主語を示すため、主語代名詞は不要。

    funelérim fláumo un plánan.

    読み:フネレーリン フラウモ ウン プラーナン。

    funelér-imfláumounplán-an.
    書き留める-<私が>枠<対格>内に帳簿-<対格>

    「帳簿に枠を書き留める。」

    帳簿・書記の場面。fláumo は重性o語幹で、単数の主格と対格は同形。un+対格で「〜の中へ」。

    sán dáumbar báronul tanfílar un plánei.

    読み:サーン ダウンバル バーロヌル タンフィーラル ウン プラーネイ。

    sándáumbarbáron-ultanfíl-arunplán-ei
    いる<彼らが>二十本-<〜たちが>経糸-<〜らの>内に帳簿-<単数・与格>

    「帳簿には経糸が二十本ある。」

    帳簿の記述。数を単位 báron と併記する形で、数詞 dáumbar が量の名詞 báron を複数主格で受け、数える tanfíl は軽性子音語幹なので複数属格は -ar を取る。un は与格を要求するため、帳簿は複数主格ではなく単数与格 plánei を用いる。帳簿語としては数え単位との併記が定型。

    huenéra húena un sóndelei.

    読み:フエネーラ フーエナ ウン ソンデレイ。

    huenér-ahúenaunsóndel-ei.
    抜ける-<(軽いものが)>ため息<主格>内に書物-<与格>

    「書物のなかで、ため息が漏れる。」

    書物・文学的な表現。文章の行間から語り手の心持ちが漏れ出る意。húena は軽性。抽象的な場にも un + 与格を用いる。感情を直接述べるのではなく、静かににじませる書き方。

    wéiro monáur un plánei.

    読み:ウェーロ モナウル ウン プラーネイ。

    wéir-omonáurunplán-ei.
    いる<〜し終えた>-<(重いものが)>繰り上がり<主格>内に帳簿-<与格>

    「帳簿に繰り上がりが生じた。」

    帳簿の書きつけや教示文のような、記述的でやや改まった言い方。wéir- は és- の完了相で、「〜があるようになった」「〜が生じた」という成立の含みをもつ。un は与格と組んで「〜の中に」。plána は軽性 a 語幹・語根強勢型なので、与格単数は plán-ei となり、綴りは plánei となる。

    éso unlóur houmkreló só un kórvoi.

    読み:エーソ ウンロール ホウンクレロー ソー ウン コルヴォイ。

    és-ounlóurhoumkrelósóunkórv-oi.
    いる-<(重いものが)>まだ家分<主格>この<重性>内に倉-<与格>

    「倉にはまだこの家分がある。」

    備蓄を確かめる場面。存在文の動詞 és- は主語に一致し、houmkreló が重性o語幹の単数主格なので -o を受ける。相の副詞 unlóur は動詞の直後、主語の前に置く。un kórvoi は前置詞 un と与格の組み合わせで「倉の中で」。

    ésa filíña un plánei.

    読み:エーサ フィリーニャ ウン プラーネイ。

    és-afilíñaunplán-ei.
    いる-<(軽いものが)>字母<主格>内帳簿-<与格>

    「帳簿の中に字母がある。」

    filíña は軽性名詞として単数主格の辞書形で用い、格語尾を添えない。存在文 ésa の主語になる。un+与格で「〜の中で」を表す。

    sén báwal só un nébroi!

    読み:セーン バーワル ソー ウン ネーブロイ!

    sénbáwalsóunnébr-oi!
    見る<命令法><あなたが>身振り<対格>この<重性>内に霧-<与格>

    「霧の中で、この身振りを見ろ。」

    崖道や縁の市で、声が届かない・声を出せない場に使われる実務的な合図を示す名詞。báwal は干潟語からの借用で重性。単数対格は主格と同形。指示詞 só は名詞句の終わりに置く。un+与格で「〜の中で」。

    snelíþim fáron un kórvoi.

    読み:スネリーシン ファーロン ウン コルヴォイ。

    snelíþ-imfáronunkórv-oi.
    隠す-<私が>荷<対格>内に倉-<与格>

    「私は荷を倉の中に隠す。」

    荷や道具を、人目に触れない場所に納める日常の場面。`un`+与格で「〜の中に」を表す。単に置いておく動作より、隠して保護・帳じりとする含みが強い。

    aurénde aurselvá un aurándoi.

    読み:アウレンデ アウルセルヴァー ウン アウランドイ。

    aur-énd-eaurselváunauránd-oi.
    昇る-<〜しますように>-<(軽いものが)>祖先に届く言葉<主格>内に社-<与格>

    「社の中で、祖先に届く言葉が昇りますように。」

    祭祀の祈願文。aurénde は aur- +願望法 -énd- +軽性主語の語尾 -e。un +与格で「〜の中で」。aurándo は重性 o語幹の名詞で、与格は auránd-oi。

    sénim frélul un sávrail.

    読み:セーニン フレールル ウン サーヴライル。

    sén-imfrél-ulunsávr-ail
    見る-<私が>魚-<〜たちを>内に葦-<〜らに>

    「葦原の中に、魚が見える。」

    sávra は生えている草として軽性で受けるが、複数 sávrai はそのまま「葦の茂み・葦原」を指す。un sávrail は「葦原の中に」で、un と葦の与格複数 sávr-ail が組み合わさっている。frélo は魚として文法上重性だが、重性の単数主格と対格は同じ形であり、1人称の語尾が主語を兼ねるため frélul は目的語として読まれる。

    þór un þóvoi!

    読み:ソール ウン ソーヴォイ!

    þórunþóv-oi!
    立つ<命令法><あなたが>内に陰-DAT.

    「陰に立て!」

    会話の命令。同輩・目下に対する命令法。þór は語末に r が残る語幹命令形。un þóvoi は「陰の中に」。目上に対しては命令法ではなく願望法を使う。

    éso ílmo klér un dulúnoi.

    読み:エーソ イルモ クレール ウン ドゥルーノイ。

    és-oílmoklérundulún-oi.
    いる-<(重いものが)>水<主格>冷たい内に底-<与格>

    「底のほうに冷たい水がある。」

    器物や空間の底を日常の所在文で述べる例。un は与格と組んで「〜の中で/側に」を示し、dulún の与格は重性語幹に -oi が付いた形。

    buldúla faronár dulfáron un krailándoi

    読み:ブルドゥーラ ファロナール ドゥルファーロン ウン クライランドイ

    buldúl-afaronárdulfáronunkrailánd-oi
    支える-<(軽いものが)>運び人<主格>下ろし荷<対格>内に継ぎ場-<与格>

    「運び人が継ぎ場で下ろし荷を根を下ろすように支える。」

    降ろし場での仕事の手順を示す日常の文。主語 faronár は人なので軽性、動詞は 3人称単数・軽性 -a をとる。dulfáron は重性で、対格が主格と同形。un は与格支配の前置詞。krailándo の与格は krailándoi で、形態素は krailánd-oi となる。buldúl- は krún- より、荷をその場で長くとどめて支えるニュアンスが強い。

    þóro krunþrén só un kórvoi.

    読み:ソーロ クルンスレーン ソー ウン コルヴォイ。

    þór-okrunþrénsóunkórv-oi.
    立つ-<(重いものが)>棚<主格>この<重性>内に倉-<与格>

    「この棚は倉に立っている。」

    倉や家での物の配置を表す文。krunþrén は重性子音語幹の主格で無語尾。動詞 þór- は重性主語に合わせて3人称単数重性語尾 -o をとる。un+与格 kórvoi は「〜の中に」という静的な場所を示す。

    gélim un dravénan némes

    読み:ゲーリン ウン ドラヴェーナン ネーメス

    gél-imundravén-anném-es
    行く-<私が>内に氏族の谷-<対格><私>-<属格>

    「私はわが森の中へ行く。」

    森の氏族の用法で、dravéna は単に木々の土地ではなく、氏族が代々住んできた谷筋そのものを指す。dravénan némes は「私の森」であり、そのまま「私の氏族の地・わが谷」を意味する。前置詞 un と対格は「〜の中へ」を表す。

    un drúnoroi, þráilo gául só.

    読み:ウン ドルーノロイ、スライロ ガウル ソー。

    undrúnor-oi,þráil-ogáulsó.
    内に崖道-<与格>しびれる-<(重いものが)>脛<主格>この<重性>

    「崖道では、この脛がしびれる。」

    崖道をun+与格で動詞前の場面に置き、身体の状態を言う日常文。gáulは重性単数主語として動詞þráil-を重性の語尾-oで受け取る。指示詞sóは名詞句の末尾に置かれ、格ではなく性で形を選ぶ。

    ké éso helándo un méndalei?

    読み:ケー エーソ ヘランド ウン メンダレイ?

    kéés-ohelándounméndal-ei?
    <〜か>いる-<(重いものが)>休み場<主格>内に中-<与格>

    「休み場はありますか。」

    日常会話での問い。存在・繋辞の és- が重性名詞 helándo を主語として受けるため、動詞は 3 人称単数・重性の éso。helándo は主格単数。存在文で場所も持ち主も言わない場合は un méndalei「この世に」を添える。

    éso reinplén ín un kórv-oi.

    読み:エーソ レインプレーン イーン ウン コルヴォイ。

    és-oreinplénínunkórv-oi
    いる-<(重いものが)>雨よけ<主格>一内に倉-<与格>

    「倉の中に雨よけがある。」

    存在文。不定の閉じínを名詞句の終わりに置いている。存在する対象の雨よけが重性なので、繋辞は3人称単数・重性。倉の中に仕舞っているものを数える場面の書きつけにも使える。

    éso tambór wáim un kórvoi.

    読み:エーソ タンボール ワイン ウン コルヴォイ。

    és-otambórwáimunkórv-oi
    いる-<(重いものが)>雑穀<主格>相当の内に倉-<与格>

    「倉に相当の雑穀がある。」

    存在文。重性単数の tambór に形容詞 wáim が主格単数で後続し、場所 un kórvoi がそれに続く。

    un kórvoi, séna senár mirkrilíman.

    読み:ウン コルヴォイ、セーナ セナール ミルクリリーマン。

    unkórv-oi,sén-asen-ármirkril-ím-an.
    内倉-<与格>見る-<(軽いものが)>見る-<〜する人>分ける-<〜の技・〜さ>-<対格>

    「倉の中で、目付が持ち場割りを確かめる。」

    確認・立ち合いの場面。senár「目付」は見る者ではなく検査役。sén-a は軽性の主語 senár に一致する。mirkrilíman を直接目的語に取ることで、持ち場割りが配置そのものとして確かめられているニュアンスが出る。un kórv-oi が場面枠。

    glǘno ílmo un ilmándoi.

    読み:グリューノ イルモ ウン イルマンドイ。

    glǘn-oílmounilmánd-oi
    凍る-<(重いものが)>水<主格>内に井戸-<与格>

    「井戸の中で、水が凍る。」

    季節の観察・記録向きの文。un は前置詞で、与格 ilmándoi と組んで「井戸の中で」を表す。主語 ílmo は重性o語幹なので、動詞の一致は重性3人称単数 -o になる。

    un fíndoi ésa selvá selvapúl.

    読み:ウン フィンドイ エーサ セルヴァー セルヴァプール。

    unfínd-oiés-aselváselvapúl.
    内に耳-<与格>いる-<(軽いものが)>息<主格>(息による)くすぐったい

    「耳のあたりでは息がくすぐったい。」

    耳元や首筋にかすかに触れる息に向く用法。述語形容詞の句に場所を添える場合は、前置詞+与格を動詞の前に出すと、存在文ではなく述語形容詞の句として読みやすい。

    un nébroi, gúma tíula.

    読み:ウン ネーブロイ、グーマ ティーウラ。

    unnébr-oi,gúm-atíula
    内に霧-<与格>くぐもる-<(軽いものが)>音<主格>

    「霧のなかでは、音がくぐもる。」

    日常の霧中の状況で使う文。場所の与格に un を添える。主体は tíula「音」。音は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a になる。

    un nébroi, gúma tíula faronáres.

    読み:ウン ネーブロイ、グーマ ティーウラ ファロナーレス。

    unnébr-oi,gúm-atíulafaronár-es
    内に霧-<与格>くぐもる-<(軽いものが)>音<主格>運び人-<属格>

    「霧のなかでは、運び人の声がくぐもる。」

    tíula に属格を添えた名詞句で、人に関わる音=声として読む。運び人 faronár は人の語なので軽性。動詞は主語の tíula に一致して軽性の3人称単数になる。

    ké líses plánan un þailviréi?

    読み:ケー リーセス プラーナン ウン サイルヴィレー?

    kélís-esplán-anunþailvir-éi?
    <〜か>書く-<あなたが>帳簿-<対格>内に都の改まった言葉-<与格>

    「帳簿を都の改まった言葉で書くか。」

    帳場や書記の日常で、書きぶりの改まりを確かめる文。un+与格で「〜という言語・文体で」と範囲を示す。þailviráは宮廷語と都の標準的な書き言葉を指す。

    ké vóilin þíles sóndelan un þailviréi?

    読み:ケー ヴォイリン シーレス ソンデラン ウン サイルヴィレー?

    kévóil-inþíl-essóndel-anunþailvir-éi?
    <〜か>読む-<〜して・〜く>分かる-<あなたが>書物-<対格>内に高原語(雅称)-<与格>

    「書物を高原語(雅称)で読めるか。」

    学び舎で能力を尋ねる文。副動詞+þíl-「分かる」で、やり方を身につけていてできることを問う。ここでのþailviráは、都の改まった言葉としてだけでなく、高原語全体を雅に呼ぶ名として使う。

    éso lirkrunó un kórvoi.

    読み:エーソ リルクルノー ウン コルヴォイ。

    és-olirkrunóunkórv-oi.
    いる-<(重いものが)>糸巻き<主格>内に倉-<与格>

    「倉の中に、糸巻きの小棒がある。」

    倉の帳簿や在庫の記録向きの文。un kórv-oi で「倉の中で」。この文脈では lirkrunó を sense 2 の「糸巻き用の小棒」として取る。

    un pǘlmoi glünvráno drólmo

    読み:ウン ピュルモイ グリュンヴラーノ ドロルモ

    unpǘlm-oiglünvrán-odrólmo
    内に草鞋-<与格>かじかむ-<(重いものが)>趾<主格>

    「草鞋の中では趾先がかじかむ。」

    日常会話向けの文。草鞋の中で趾先が冷えて感覚がなくなることを言う。drólmo は重性名詞で、五本の趾をひとまとまりとして扱う場合は主格単数とする。動詞 glünvrán- は重性単数の主語を受けて -o。un + 与格 pǘlmoi で「草鞋の中で」。

    un tráumoi slúnan drólmul

    読み:ウン トラウモイ スルーナン ドロルムル

    untráum-oislún-andrólm-ul
    内に渡り氷-<与格>滑る-<彼らが>趾-<〜たちが>

    「渡り氷の上では趾先が滑る。」

    凍りの頃の道や渡り氷についての注意文。tráumo は渡り氷。drólmul は趾を個別または複数として数えた重性名詞の複数主格で、動詞 slún- は複数主語を受けて 3PL の -an をとる。un + 与格で「渡り氷の中で/渡り氷の上で」。

    na éso dóulin fáron un kórvoi

    読み:ナ エーソ ドーリン ファーロン ウン コルヴォイ

    naés-odóulinfáronunkórv-oi
    <〜ない>いる-<(重いものが)>もはや荷<主格>内に倉-<与格>

    「倉の中にはもはや荷がない。」

    na と dóulin が組む否定の存在文。na は動詞の前に置かれ、dóulin は「その事柄のところを時の流れが通り過ぎた」という取り返しのかからない含みを添える。un+与格 kórvoi で倉の中の場所を示す。帳場・倉の記録などで用いられる語調。

    na éso dóulin múrno un méndalei

    読み:ナ エーソ ドーリン ムルノ ウン メンダレイ

    naés-odóulinmúrnounméndal-ei
    <〜ない>いる-<(重いものが)>もはや腐り氷<主格>内に中-<与格>

    「腐り氷はもはやこの世にない。」

    場所を特定しない不在文には un méndalei を添える。重性の自然名詞 múrno を主語に取り、na+未完了の存在文+dóulin で「かつてあったが今はもうない」を表す。季節の終わりや消失を告げる、やや書面語的な語調。

    éso unlóur ílmo un kórvoi.

    読み:エーソ ウンロール イルモ ウン コルヴォイ。

    és-ounlóurílmounkórv-oi.
    いる-<(重いものが)>まだ水<主格>内に倉-DAT.

    「倉の中には、まだ水がある。」

    肯定の存在文で、ある状態がまだ続いていることを表す。否定の小辞 na は伴わない。存在・所有の文では、動詞は持ち主ではなく持たれている物 ílmo に一致する。

    un nébroi, éso raumvirá tó múr.

    読み:ウン ネーブロイ、エーソ ラウンヴィラー トー ムール。

    unnébr-oi,és-oraumvirátómúr.
    内に霧-<与格>いる-<(重いものが)>噂<主格>あの<重性>濁った

    「霧の中では、あの陰口は濁っている。」

    霧期を背景にした日常的な評。un nébroi は「霧の中」と場を限定する。重性一致により、霧が下の国から湧くものとされる含みが重なり、múr は内容の根も葉なさにも転じている。

    éso slóvo só un fildúroroi.

    読み:エーソ スローヴォ ソー ウン フィルドゥーロロイ。

    és-oslóvosóunfildúror-oi
    存在-<(重いものが)>一人枠<主格>この<重性>内列-<与格>

    「この一人枠は列の中にある。」

    配置列の中で一人が占める区画を指す意味。slóvo は重性単数の主格で、指示詞 só が性一致する。un fildúroroi は「列の中に」という配置域を示す。

    káulo kúrmo só un aurándoi.

    読み:カウロ クルモ ソー ウン アウランドイ。

    kául-okúrmosóunauránd-oi
    満ちる-<(重いものが)>大壺<主格>この<重性>内社-<与格>

    「この大壺は社の中で満ちている。」

    祭祀で、社のうちに置かれた大壺が満ちていることを述べる言い方。動詞は自動詞「満ちる」で、重性 o 語幹の主語に一致する。

    éso kúrmo véun só un kórvoi.

    読み:エーソ クルモ ヴェウン ソー ウン コルヴォイ。

    és-okúrmovéunsóunkórv-oi
    存在-<(重いものが)>大壺<主格>空のこの<重性>内倉-<与格>

    「この空の大壺は倉の中にある。」

    倉庫での所在確認に使う日常の表現。大壺そのものを指す用法で、量としての用法ではない。形容詞は名詞句内で大壺を修飾し、指示詞が名詞句を閉じる。

    gél-o ílmo un filduló

    読み:ゲーロ イルモ ウン フィルドゥロー

    gél-oílmounfilduló
    行く-<(重いものが)>水<主格>内に刻み通路<対格>

    「水は刻み通路へ流れる。」

    日常の作業場面。un+対格は「〜の中へ」を示す。重性o語幹の対格は主格と同形なので、形態上は無変化だが、前置詞と語順によって対格になる。

    gláko fáron un trǘlmoi

    読み:グラーコ ファーロン ウン トリュルモイ

    glák-ofáronuntrǘlm-oi
    一点で止まる-<(重いものが)>荷<主格>内に裂け目-<与格>

    「荷が裂け目の中で一点で止まる。」

    VSO。un+与格で「〜の中で」。主語 fáron は重性なので動詞は 3人称単数・重性の gláko を取る。

    éso pláuvo un kórvoi.

    読み:エーソ プラウヴォ ウン コルヴォイ。

    és-opláuvounkórv-oi.
    いる-<(重いものが)>静けさ<主格>内に倉-<与格>

    「倉の中には静けさがある。」

    存在文。主語 pláuvo は重性単数なので存在動詞は éso を受ける。場所を示す un は与格を組み、「〜の中に」という所在を表す。

    gromtáulim pláuvo gróm un kórvoi.

    読み:グロンタウリン プラウヴォ グローン ウン コルヴォイ。

    gromtául-impláuvogrómunkórv-oi.
    感じる-<私が>静けさ<対格>重い内に倉-<与格>

    「倉の中で重たい静けさが感じられる。」

    商いや作業がいったんとまったあとの、場の重たい静まりを感覚として述べる文。pláuvo gróm は重性単数の目的語として同形のままで、un kórv-oi がその場を示す。

    éso unlóur sáko un beilíñoi éles.

    読み:エーソ ウンロール サーコ ウン ベイリーニョイ エーレス。

    és-ounlóursákounbeilíñ-oiél-es
    いる-<(重いものが)>まだ塩<主格>内に懐-<与格><3人称単数・軽性>-<属格>

    「彼の懐には、まだ塩がある。」

    くだけた日常会話。beilíño は「懐」の比喩用法で、物理的な腰袋そのものというより、身につけている少々の備えを表す。un +与格で「〜の中に」。所有者は名詞の後ろの属格 él-es で示す。unlóur は動詞の直後に置く。

    un kórvoi éso glimó.

    読み:ウン コルヴォイ エーソ グリモー。

    unkórv-oiés-oglimó.
    内に倉-<与格>いる-<(重いものが)>滲み・染み<主格>

    「倉に、滲み・染みがある。」

    日常の告げ。倉の中で、布や紙に生じた湿り・色移りの痕に気づいて言う言い方。glímó は重性語として、存在動詞 éis- の3人称単数・重性形 éso に主語として一致する。

    þrílo gromó só un aurándoi.

    読み:スリーロ グロモー ソー ウン アウランドイ。

    þríl-ogromósóunauránd-oi.
    震える-<(重いものが)>体<主格>この<重性>内に社-<与格>

    「この体は、社の中で震えている。」

    儀礼・書面的な描写。主語は gromó só「この体」で、重性名詞句。un は「〜の中」で、与格と組むと場所を表す。aurándo の与格は aurándoi。全身の震えを内発的事象として述べている。

    éso snúlvo un kórvoi.

    読み:エーソ スヌルヴォ ウン コルヴォイ。

    és-osnúlvounkórv-oi.
    いる-<(重いものが)>穴<主格>内に倉-<与格>

    「倉の中に穴がある。」

    日常の存在文。snúlvo は重性名詞で、存在動詞 és- は主語に一致して 3人称単数重性語尾 -o をとる。場所表現は un「〜の中」+与格。snúlvo は材質が欠けた「穴」の形状を指し、出入りの機能は含まない。

    un aurselvándoi ésa selvá gléin.

    読み:ウン アウルセルヴァンドイ エーサ セルヴァー グレーン。

    unaurselvánd-oiés-aselvágléin
    内に息の通路-<与格>いる-<(軽いものが)>息<主格>清い

    「息の通路の中で、息は清い。」

    儀礼・詩の場面。aurselvándo を「息の通路」として、息が清まる場所を示す比喩用法。述語の形容詞の文に場所を添えるとき、un+与格は動詞の前に出す(統語論3.2、例文48)。動詞の後ろに置くと存在文として読まれる。主語 selvá は軽性なので copula は -a をとる。

    ké sán síndul un senóei táses?

    読み:ケー サーン シンドゥル ウン セノーエイ ターセス?

    késánsínd-ulunsenó-eitás-es?
    <〜か>存在<彼らが>涙-<〜たちが>内に目-<与格><あなた>-<属格>

    「あなたの目に涙が浮かんでいますか?」

    日常会話で、相手の目に浮かぶ涙ぐみを尋ねる文。複数名詞 síndul が「涙ぐみ」という状態を表す。存在の文で複数の主語を受け、存在動詞は sán になる。un senóei は「目に」で、un に与格形 senóei が従う。後置の táses が所有を表す。

    éso sámon só un kórvoi.

    読み:エーソ サーモン ソー ウン コルヴォイ。

    és-osámonsóunkórv-oi.
    いる-<(重いものが)>生皮<主格>この<重性>内に倉-<与格>

    「倉の中に、この生皮がある。」

    未加工の生皮を倉に仕込んでおく場の所在を言う日常文。身体や未加工の材料としての sámon は重性で扱う。

    léim sámon só un kórvo!

    読み:レーン サーモン ソー ウン コルヴォ!

    léimsámonsóunkórvo!
    置く<命令法><あなたが>生皮<対格>この<重性>内に倉<対格>

    「この生皮を倉の中へ置け。」

    作業場面での命令。重性の直接目的語 sámon は主格形と同一形のまま、目的語として用いる。

    un kumbóroi, snourwéinau dulsúm si þéum.

    読み:ウン クンボーロイ、スノウルウェーナウ ドゥルスーン シ セウン。

    unkumbór-oi,snourwéin-audulsúmsiþéum.
    内に青銅-<与格>現れる-<双数>錆<主格>と色づき<主格>

    「青銅では、錆と色づきとが現れる。」

    金属の表面に起る変化を語る文。前置詞句 un kumbóroi が文頭の場面の枠。二つの単数名詞を si で並べると動詞は双数。þéumo は見出し語 þéum に重性o語幹の語尾 -o が付いた単数主格で、形態素分離は þéum-o。

  2. 〜の中へ・中から

    格によって、内側への移動、内側からの移動を表す。

    áura órel es órunes, dúla un vélunan.

    読み:アウラ オーレル エス オールネス、ドゥーラ ウン ヴェールナン。

    áur-aórelesórun-es,dúl-aunvélun-an.
    昇る-<(軽いものが)>日<主格>から日の出-<属格>下る-<(軽いものが)>中へ・中から西-<対格>

    「日は日の出の方から昇り、西へと沈む。」

    子どもに教える書物によく出る決まった言い方。後半の主語は動詞の語尾でわかるので省いている。un+対格で「西の内へ」と、方角に入っていく動きを表す。órun と vélun が対になる。

    léimir tambór un kórvo!

    読み:レーミル タンボール ウン コルヴォ!

    léim-irtambórunkórvo!
    置く-<皆で〜せよ>雑穀<対格>中へ・中から倉<対格>

    「雑穀を倉の中へ納めよ。」

    un+対格で「〜の中へ」を表す。kórvo は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。命令法の2人称複数で、働き手たちに指図している。

    tóra faronár un dáloros.

    読み:トーラ ファロナール ウン ダーロロス。

    tór-afaronárundálor-os.
    来る-<(軽いものが)>運び人<主格>中へ・中から下の国-<属格>

    「運び人が下の国の奥から上がってくる。」

    un+属格で「〜の中から」を表す。方向を問わない es+属格と違い、包まれた内側から出てくることを言う。

解説

内側を表す前置詞。対格と組むと「〜の中へ」、与格なら「〜の中で」、属格なら「〜の中から」。家・倉・帳簿の欄・霧などの内側を言う。無強勢で、次の語に寄りかかって発音される(un bóralei「家の中で」)。霧の中にいることは un nébroi と言い、よくないことの起こる場所の言い方として、決まり文句によく出てくる。

そのほかの用例

ésa kraselvá un lundéi.

読み:エーサ クラセルヴァー ウン ルンデー。

és-akraselváunlund-éi
いる-<(軽いものが)>割れ息<主格>中に歌-<与格>

「歌の中にしわがれ声がある。」

炉ばたでの日常の存在文。un+与格で「〜の中に」。kraselvá は軽性名詞なので、動詞は3人称単数・軽性の és-a をとる。

ráumimor un drúnoroi.

読み:ラウミモル ウン ドルーノロイ。

ráum-imorundrúnor-oi.
歩く-<我々が><〜で・〜に>崖道-<与格>

「私たちは崖道を歩く。」

日常の案内。動詞が文頭で、主語の代名詞は省略。unは「〜の内に」の前置詞で、drúnorは重性子音語幹なので与格はdrúnoroi。

múna torár un munándo

読み:ムーナ トラール ウン ムナンド

mún-atorárunmunándo
入る-<(軽いものが)>客<主格>中に土間<対格>

「客が土間の中へ入る。」

日常。「入る」mún- に方向句 un+対格を添える。munándo は重性o語幹で、単数対格が主格と同形。

léisim lím sándorul un plánan.

読み:レーシン リーン サンドルル ウン プラーナン。

léis-imlímsándor-ulunplán-an.
書く<〜し終えた>-<私が>五穂-<〜たちを>中に帳簿-<対格>

「帳簿に穂を五つ書き込んだ。」

帳簿の記入文。sándor は脱穀前の穂を数える単位として使うため、分類器なしで数詞と直接組み合わせる。plána は軽性a語幹で、対格語尾 -an が現れる。

glünlúin, múno duléumo un trǘlmo.

読み:グリュンルーイン、ムーノ ドゥレウモ ウン トリュルモ。

glünlúin,mún-oduléumountrǘlmo.
凍りの頃,入る-<(重いものが)>下風<主格>中に裂け目<対格>

「凍りの頃、下の風が裂け目の中へ通ってくる。」

意味2。凍りの頃の備忘のような記述調。下の風は重性なので、動詞は3人称単数・重性の語尾をとる。un+対格で、風が裂け目の内へ通る通路を示す。重性o語幹のtrǘlmoは主格と対格が同形だが、unが対格を要求する。

frándan plíndul un plánail.

読み:フランダン プリンドゥル ウン プラーナイル。

fránd-anplínd-ulunplán-ail.
並ぶ-<彼らが>荷札-<〜たちが>中に帳簿-<〜らに>

「帳簿の中に荷札が並んでいる。」

記録・書物についての文。札が帳簿の中で横に揃った状態を記述する。意図的な整列の行為は表さず、出来上がっている列の状態を言う。

kámim snélan un ílmoi.

読み:カーミン スネーラン ウン イルモイ。

kám-imsnél-anunílm-oi
浸す-<私が>布-<対格>中に水-<与格>

「私は布を水に浸しています。」

日常の家事の文。主語は動詞の語尾からわかるため省略できる。un は「〜の中に」の場所を表し、与格をとる。

káma líura snélan káilan un ílmoi.

読み:カーマ リーウラ スネーラン カイラン ウン イルモイ。

kám-alíurasnél-ankáil-anunílm-oi
浸す-<(軽いものが)>女<主格>布-<対格>乾いた-<対格>中に水-<与格>

「その女は、乾いた布を水に浸して扱いやすく戻す。」

「乾いた布」という文脈で、単に浸すのではなく元に戻す意味が出る。主語が軽性の女であるため、動詞は軽性の語尾 -a をとる。

na éso esfóndos vóor un análoroi.

読み:ナ エーソ エスフォンドス ヴォール ウン アナーロロイ。

naés-oesfóndosvóorunanálor-oi.
<〜ない>いる-<(重いものが)>そもそも紫<主格>中に上手の国-<与格>

「上手の国には、そもそも紫がない。」

書物・交易説明向きの存在否定文。vóorは干潟から来た語として重性扱いで、動詞はéso。un análor-oiは「上手の国の中に」。esfóndosは品切れではなく、この国では原理的に生じないという含みを与える。

ésa rimblóna un kórvoi.

読み:エーサ リンブローナ ウン コルヴォイ。

és-arimblónaunkórv-oi.
いる-<(軽いものが)>測り竿<主格>中に倉-<与格>

「倉に測り竿がある。」

物の所在を述べる存在文。主語 rimblóna は軽性なので、繋辞は 3人称単数軽性の ésa をとる。場所を un と与格 kórvoi で表す。

kúndim monsnembán un aurándoi.

読み:クンディン モンスネンバーン ウン アウランドイ。

kúnd-immonsnemb-ánunauránd-oi.
する-<私が>石写し-<対格>中に社-<与格>

「社の中で石写しの作業をする。」

儀礼の場での所作を示す文。un は与格と組んで「〜の中で」を表す。aurándo は重性 o 語幹の社名。

sneléra ilána un fléurei

読み:スネレーラ イラーナ ウン フレウレイ

snelér-ailánaunfléur-ei
隠れる-<(軽いものが)>灯<主格>中に雲-<与格>

「星が雲に隠れる。」

雲に覆われて見えなくなる意。雲は「天の屋根」なので、星は屋根の下に身を引いた扱いになる。この語を霧について用いるのは語法として認められない。

snelérau sílarau un fléurei

読み:スネレーラウ シーララウ ウン フレウレイ

snelér-ausílar-auunfléur-ei
隠れる-<双数>月-<双数>中に雲-<与格>

「二つの月が雲に隠れる。」

二つの月について自然に用いられる双数の文。月は星ではないので数えられ、双数にすることもできる。主語・動詞とも双数で一致している。

snelérim un snóvoi

読み:スネレーリン ウン スノーヴォイ

snelér-imunsnóv-oi
隠れる-<私が>中に小屋-<与格>

「私は小屋の中に姿を隠す。」

屋根のある建物の中に入って人目を避ける、ふつうの動作。「屋根をかぶる」という字義から、守られた場所に身を引く感じを含む。un と与格で場所を示す。

sneléra endríña un kórvoi

読み:スネレーラ エンドリーニャ ウン コルヴォイ

snelér-aendríñaunkórv-oi
隠れる-<(軽いものが)>子<主格>中に倉-<与格>

「子どもが倉の中に隠れる。」

子どもが人目につかない所へ行く日常の場面。軽性の単数主語 endríña に対して、動詞は3人称単数・軽性の語尾 -a をとる。

snelérim sórel un snóvoi

読み:スネレーリン ソーレル ウン スノーヴォイ

snelér-imsórelunsnóv-oi
隠れる-<私が>今日中に小屋-<与格>

「私は今日、小屋に引きこもっている。」

この日一日、人前に出ないでいる意。「人目に立たず、屋根の下にいる」ことを言う語で、単に家の中にいるより、外との関わりを断って内にいるニュアンスが強い。

wólers un nébroi.

読み:ウォーレルス ウン ネーブロイ。

wól-ersunnébr-oi.
迷う-<あなたがたが>中に霧-<与格>

「あなたたちは霧の中で迷っている。」

道案内・旅の場面で、視界が悪くなり一本の道が見えなくなった状態を述べる言い方。二人称複数語尾だけで主語がわかるため、代名詞は通常省く。

mé wól un nébroi!

読み:メー ウォール ウン ネーブロイ!

méwólunnébr-oi!
<禁止・願いの打ち消し>迷う<命令法><あなたが>中に霧-<与格>

「霧の中で迷うな。」

禁止の定型。命令法の下向き語形なので、目下の人やくだけた場で使う。

séima dóulin ólmar un nórloi.

読み:セーマ ドーリン オルマル ウン ノルロイ。

séim-adóulinólmarunnórl-oi.
身を横たえる-<(軽いものが)>もう年長者<主格>中に寝床-<与格>

「年長者はもう寝床についている。」

炉ばたの語りが済んだ後の家庭の描写。人語の主語に合わせて動詞は軽性三人称単数の語尾 -a をとる。相の副詞 dóulin は動詞の直後に置く。un+与格は、寝床という落ち着く場所を示す。

séim un nórloi!

読み:セーン ウン ノルロイ!

séimunnórl-oi!
身を横たえる<命令法><あなたが>中に寝床-<与格>

「寝床について。」

家庭で、床につくよう穏やかに促す二人称単数命令法。語根のみの形。un+与格は、命令であっても動き先というより、落ち着く位置を示す。くだけた日常の呼びかけより、静かな寝つきを促す改まった家庭の言葉として聞かれる。

kreuléla houmár, un houmbrúndoi.

読み:クレウレーラ ホウマール、ウン ホウンブルンドイ。

kreul-él-ahoumár,unhoumbrúnd-oi.
拒む-<〜だろう>-<(軽いものが)>家の主<主格>中に寄り合い-<与格>

「寄り合いの席では、家の主は拒むのでございましょう。」

改まった場での推し量り。直説法で断定せず、推量法で述べる。un+与格で「寄り合いの中で」。上位者や目上の人の行為を直接的に報告しない作法を示す。

un bóraloi, éso krén ául an þúlnoi.

読み:ウン ボーラロイ、エーソ クレーン アウル アン スルノイ。

unbóral-oi,és-okrénáulanþúln-oi.
中に家-<与格>いる-<(重いものが)>天井<主格>高い上手床-<与格>

「家の中で、天井は床より上にある。」

un+与格が場面の枠を作る。形容詞 ául に続く an+与格は比較で、家屋の構造上、天井が床より上にあることを示す。構造を説明する文脈向きの文。

kréuno ílmo un dulún

読み:クレウノ イルモ ウン ドゥルーン

kréun-oílmoundulún
沈む-<(重いものが)>水<主格>中に底<対格>

「水が底へ沈む。」

物理的な「沈む」の文。前置詞 un に名詞の対格を続けて「〜の中へ」「〜へ」を表す。水は重性なので、動詞は重性の3人称単数語尾 -o をとる。字義的な「深いほうへ沈む」として、夜の比喩から独立して用いる例。

kréuno rúndo un snúlvo

読み:クレウノ ルンド ウン スヌルヴォ

kréun-orúndounsnúlvo
沈む-<(重いものが)>走り水<主格>中に穴<対格>

「走り水が穴の中へ沈む。」

自然描写・地形記述の文。rúndo は「走り水」を表し、重性 o 語幹の名詞として扱われる。un + 対格で穴の中への方向を示す。kréun- の物理的意味「深いほうへ沈む」の用例。

un funelándo tóran fáronul.

読み:ウン フネランド トーラン ファーロヌル。

unfunelándotór-anfáron-ul.
中に綱場<対格>来る-<彼らが>荷-<〜たちが>

「荷が綱場へ入ってくる。」

在庫・入荷の記録。un+対格で「〜の中へ」。見出し語 funelando がそのまま形態素として現れる。

sórel, tóra funelár un funelándo.

読み:ソーレル、トーラ フネラール ウン フネランド。

sórel,tór-afunel-árunfunelándo.
今日来る-<(軽いものが)>綱-<〜する人・主格>中に綱場<対格>

「今日、綱番が綱場へ来る。」

到着連絡。funel-ár は「綱-AG」。主語が軽性なので tóra。見出し語 funelando は un funelando として現れる。

un kórvoi éso mélvo léimen.

読み:ウン コルヴォイ エーソ メルヴォ レーメン。

unkórv-oiés-omélvoléim-en
中に倉-<与格>いる-<(重いものが)>板戸<主格>置く-<〜した・〜された>

「板戸は倉に置かれている。」

物の所在や在庫を記す陳述文。述語受動の結果状態に場所を添えるため、前置詞句を動詞の前に出す。存在・状態を表す文では éso が主語の mélvo に一致し、他動詞 léim- の分詞 léimen が「置かれた」という結果の状態を作る。前置詞 un は与格と組んで「〜の中に」を表す。

文法

前置詞。無強勢。対格「〜の中へ」、与格「〜の中で」、属格「〜の中から」。

語源

古高原語 *un から

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