小説
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座
炉の北側などに設けた、一段高い座席。
aldána aldár áuren an dúnoi.
読み:アルダーナ アルダール アウレン アン ドゥーノイ。
| aldán-a | aldár | áur-en | an | dún-oi |
| おわす-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 上手 | 丘-<与格> |
「高き座は丘の上におわします。」
aldán- は「いる」の尊敬の補充形。áuren は軽性・単数・主格の分詞で、一致の語尾はつかない。an+与格で「上手の側で」。
lúin fléira aldár áuren es dúnos, snéiman éndrai.
読み:ルーイン フレーラ アルダール アウレン エス ドゥーノス、スネーマン エンドライ。
| lúin | fléir-a | aldár | áur-en | es | dún-os, | snéim-an | éndr-ai. |
| とき | お出ましになる-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | から | 王の丘-<属格> | 身をかがめる-<彼らが> | 人-<〜たちが> |
「高き座が王の丘からお出ましになると、人々は身をかがめる。」
都での王の行幸を言う文。単に dún と言っても、文脈から湖都の北の、王の居所がある丘を指す。fléir- は「行く」の尊敬の補充形。lúin の時の節は主節の前に置く。
aldána aurél aldárei áurenei.
読み:アルダーナ アウレール アルダーレイ アウレネイ。
| aldán-a | aurél | aldár-ei | áur-en-ei. |
| お就きである-<(軽いものが)> | あの方 | 座-<与格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・与格> |
「あの方は、高き座にお就きであられる。」
王や高位の人が位にあることを言う。座は与格 aldárei で表し、分詞 áuren は軽性・単数・与格の -ei で一致する。今の王を個人名で呼ばず、aurél「あの方」と言っている。
aldanénde aurél aldárei áurenei.
読み:アルダネンデ アウレール アルダーレイ アウレネイ。
| aldan-énd-e | aurél | aldár-ei | áur-en-ei. |
| お就きである-<〜しますように>-<(軽いものが)> | あの方 | 座-<与格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・与格> |
「あの方が、高き座にお就きあそばしますように。」
即位の儀のころに宮廷で唱えられる言祝ぎ。願望法の3人称単数・軽性は -énde となり、強勢が語根から接尾辞へ移る(aldánа → aldanénde)。
auelénde autorár aldárei sé.
読み:アウエレンデ アウトラール アルダーレイ セー。
| au-el-énd-e | au-tor-ár | aldár-ei | sé. |
| <お〜になる・御〜>-座る-<〜しますように>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-来る-<〜する人> | 座-<与格> | この<軽性> |
「お客人には、この座にお座りいただきたく存じます。」
客を上座へ招くときの改まった言い方。目の前の相手を2人称で呼ばず、au- をつけた名詞の3人称で言い、願望法で頼む。au- と h- がくっつくと h が落ちて auél- になる。指示詞 sé は格変化しない。
aldanéla aulisár aldárei?
読み:アルダネーラ アウリサール アルダーレイ?
| aldan-él-a | au-lis-ár | aldár-ei? |
| おわす-<〜だろう>-<(軽いものが)> | <お〜になる・御〜>-書く-<〜する人> | 座-<与格> |
「書記の方は、お席においででしょうか。」
目上の人の居場所を尋ねる丁寧な言い方。目上の人については ké を使わず、推量法で推し量る形にする。場所は前置詞なしの与格 aldárei で言う。強勢は推量法の -él- に移る。
héla houmár aldárei áurenei.
読み:ヘーラ ホウマール アルダーレイ アウレネイ。
| hél-a | houm-ár | aldár-ei | áur-en-ei. |
| 座る-<(軽いものが)> | 炉-<〜する人> | 座-<与格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・与格> |
「家の主は、高い座に座る。」
家の中の上座を言う。炉の北側(上手)の一段高い座が、家の主と年長者の席である。分詞 áuren は修飾する aldárei(軽性・単数・与格)に一致して -ei をとる。houmár は hóum「炉」に -ár「〜する人」がついた語。
luuménde aldár áuren sáindaran sé.
読み:ルーメンデ アルダール アウレン サインダラン セー。
| luum-énd-e | aldár | áur-en | sáindar-an | sé. |
| ご覧になる-<〜しますように>-<(軽いものが)> | 座<主格> | 高い-<〜した・〜された> | 証文-<対格> | この<軽性> |
「高き座に、この証文をご覧いただきたく存じます。」
宮廷で王に書きものを差し出すときの、上向きの依頼。命令の代わりに願望法の3人称を使い、「見る」は尊敬の補充形 lúum- にする。aldár áuren「高き座」は王の位の総称で、今の王はふつうこれだけで指す。
mé vír þelán aldáres te áursa!
読み:メー ヴィール セラーン アルダーレス テ アウルサ!
| mé | vír | þel-án | aldár-es | te | áurs-a! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 言う<命令法><あなたが> | 名前-<対格> | 座-<属格> | <関係節> | お昇りになる<〜し終えた>-<(軽いものが)> |
「お昇りになった座のお名を口にするな。」
王の崩御から一年のあいだの禁忌を言う文。この間は座名も声に出さず、aldár te áursa「お昇りになった座」と言う。aldár áuren「高き座」の分詞ではなく、関係節に完了形を入れて区別している。関係節は文の終わりまで続く。
éso þrén nadúlen aldárei áurenei.
読み:エーソ スレーン ナドゥーレン アルダーレイ アウレネイ。
| és-o | þrén | na-dúl-en | aldár-ei | áur-en-ei. |
| いる-<(重いものが)> | 段<主格> | <〜ない>-下る-<〜した・〜された> | 座-<与格> | 昇る-<〜した・〜された>-<与格> |
「下りぬ段は高き座のものである。」
宮廷の語りや詩で、王の身分を言う改まった文。所有は「ある+持ち主の与格」で言い、動詞は持たれている物 þrén(重性)に一致して -o をとる。分詞 nadúlen「下りぬ」は、重性・単数・主格の þrén に一致しているので語尾がつかない。áurenei は、軽性の与格 aldárei に一致した形。王の段は数を使わず、「下りぬ段」とだけ言う。
na vírimor þelán aldáres áurenes.
読み:ナ ヴィーリモル セラーン アルダーレス アウレネス。
| na | vír-imor | þel-án | aldár-es | áur-en-es. |
| <〜ない> | 言う-<我々が> | 名前-<対格> | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> |
「我々は高き座の御名を口にしない。」
王の個人名は即位と崩御のときに一度ずつしか唱えないという決まりを述べた文。na は直説法の動詞の直前に置く。分詞 áuren は座 aldár に一致して、軽性の属格 -es をとる。書くことは息を使わないので、この禁忌には当たらない。
lísa aldár sé sáindaran.
読み:リーサ アルダール セー サインダラン。
| lís-a | aldár | sé | sáindar-an. |
| 書く-<(軽いものが)> | 座<主格> | この<軽性> | 証文-<対格> |
「この座が証文を書く。」
王は自分を「我」と言わず、aldár sé「この座」と3人称で言う。そのため動詞は3人称単数・軽性の -a になる。実際の座は石や木でできていても、aldár は人を指すので軽性で、指示詞も軽性の sé を使う。
aldána aldár áuren þáiles selúin.
読み:アルダーナ アルダール アウレン サイレス セルーイン。
| aldán-a | aldár | áur-en | þáil-es | selúin. |
| おわす-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 澄んだ-<属格> | 今の世 |
「今の世には、澄みの高き座がおわします。」
年代記や碑文の改まった文体。ここでの selúin は「この瞬間」ではなく、今の王が座にある時代全体を指す。書き言葉なので座名をそのまま書いてよく、文字では上げ書きにする。aldán- は「いる」の尊敬の補充形。
dúlan ombár þrénul es aldáres áurenes.
読み:ドゥーラン オンバール スレーヌル エス アルダーレス アウレネス。
| dúl-an | ombár | þrén-ul | es | aldár-es | áur-en-es. |
| 下る-<彼らが> | そろった | 段-<〜たちが> | から | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> |
「欠けのない段は、高き座から下っていく。」
身分の秩序を説く、改まった言い回し。ombár þrénul は「十の段」だが、数えた結果を言うのではなく、「一段も欠けない階段の全体」という意味で使っている。主語の þrénul は重性の複数主格。es+属格で「〜から」。
meirésan hóumul meiró aldárei áurenei.
読み:メイレーサン ホームル メイロー アルダーレイ アウレネイ。
| meir-és-an | hóum-ul | meiró | aldár-ei | áur-en-ei. |
| 与える-<〜すべし>-<彼らが> | 世帯-<〜たちが> | 税<対格> | 座-<与格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・与格> |
「世帯(炉)はそれぞれ、高き座に税を納めるべし。」
法典の文体。当為法の3人称複数で義務を定める。税を負うのは個人ではなく炉(世帯)で、主語は重性の複数主格 hóumul。méir-「与える」は、ここでは「納める」の意味。受け手の aldár áuren「高き座」は与格で、分詞も軽性の与格 -ei で一致する。
snéimim du autról aldáres áurenes.
読み:スネーミン ドゥ アウトロール アルダーレス アウレネス。
| snéim-im | du | au-tról | aldár-es | áur-en-es. |
| 身をかがめる-<私が> | 下手 | <お〜になる・御〜>-足<対格> | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> |
「高き座の御足もとへ、身をかがめ奉ります。」
宮廷で王の前に出るときの儀礼の言い方。du+対格で「下手へ」を表し、相手より低いほうへ身を下げることを言葉にしている。目上の人の体の部分なので au- をつける。分詞 áurenes は軽性の aldáres に一致する。
lúin glóira aldár áuren, snéiman lisárai.
読み:ルーイン グロイラ アルダール アウレン、スネーマン リサーライ。
| lúin | glóir-a | aldár | áur-en, | snéim-an | lis-ár-ai. |
| とき | お越しになる-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 礼をする-<彼らが> | 書く-<〜する人>-<〜たちが> |
「高き座がお越しになると、書記たちは礼をする。」
目上の人に頭を下げて敬意を示す意味。lúin で始まる時の節は主節の前に置く。glóir- は「来る」の尊敬の補充形。宮廷の作法を記した文の言い方。
duliþésa gráun du augráun aldáres áurenes.
読み:ドゥリセーサ グラウン ドゥ アウグラウン アルダーレス アウレネス。
| dul-iþ-és-a | gráun | du | au-gráun | aldár-es | áur-en-es. |
| 下る-<〜させる>-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 頭部<対格> | 下手 | <お〜になる・御〜>-頭部<対格> | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> |
「頭は、高き座の御頭より下へ下げるべし。」
宮廷の礼法書にある決まりの文。当為法で主語を言わないので、「人は〜すべし」という一般の人が主語になり、軽性の形をとる。「du+対格」は「〜の下手へ」で、ここでは「〜より低く」の意味になる。目上の人の頭には au- をつけて augráun と言うが、名詞の性は重性のままなので、対格に語尾はつかない。
fléira aldár áuren es véinoros.
読み:フレーラ アルダール アウレン エス ヴェーノロス。
| fléir-a | aldár | áur-en | es | véinor-os. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | から | 湖-<属格> |
「高き座が湖からお出ましになる。」
王の動きを言う、改まった言い方。fléir- は「行く」の尊敬の補充形。座 aldár は人を指すので軽性で、動詞は -a をとる。es+属格で、方向を問わない「〜から」を表す。重性の véinor は、属格が -os になる。
dúla dulána an álmarei, émbela aldár áuren.
読み:ドゥーラ ドゥラーナ アン アルマレイ、エンベラ アルダール アウレン。
| dúl-a | dulána | an | álmar-ei, | émbel-a | aldár | áur-en. |
| 下る-<(軽いものが)> | 流れ星<主格> | 上手 | 白月-<与格> | 祀る-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> |
「白月の上手に流れ星が下る。高き座が祀りを行う。」
年代記の流れ星の項の書き方。年代記は直説法の短い文を並べ、主節のあいだには区切りの印を打つ。星の位置は指さしの代わりに、an álmarei「白月の上手に」のように月との位置関係で示す。時制の語形はないので、過去の出来事でも直説法の形のままで書く。王は総称の aldár áuren「高き座」で書く。
fléira aldár áuren an þráinul.
読み:フレーラ アルダール アウレン アン スライヌル。
| fléir-a | aldár | áur-en | an | þráin-ul. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 上手 | 峰-<〜たちを> |
「高き座が北の高みへお出ましになる。」
王家の聖地や納骨所のある北の高みへの行幸を言う文。峰の複数 þráinul が「北の高み(峰々の連なり)」を表す。an+対格で「上手へ」。重性の複数は主格も対格も -ul。fléir- は「行く」の尊敬の補充形。
ésa aurá símbo aldáres áurenes.
読み:エーサ アウラー シンボ アルダーレス アウレネス。
| és-a | aurá | símbo | aldár-es | áur-en-es |
| いる-<(軽いものが)> | 縁鷲<主格> | 印<主格> | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> |
「縁鷲は高き座のしるしである。」
「AはBだ」の文なので、繋辞 és- が文頭に来る。縁鷲が王家のしるしであることを述べる、書物風の言い方。述語の名詞 símbo は主格のまま置き、主語に一致させない。aldáres áurenes は、王を指す総称 aldár áuren「高き座」の属格。分詞も軽性・属格の -es で一致している。
nélisa aldár áuren muró.
読み:ネーリサ アルダール アウレン ムロー。
| nélis-a | aldár | áur-en | muró. |
| お飲みになる-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 濁り酒<対格> |
「高き座は濁り酒をお飲みになる。」
nélis- は、目上の人が食べることにも飲むことにも使う。aldár áuren「高き座」は軽性なので、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。分詞 áuren は軽性・単数・主格なので一致の語尾がつかない。宮廷の宴を述べる、記録風の文。
duséiran lisárai aldáran áurenan.
読み:ドゥセーラン リサーライ アルダーラン アウレナン。
| du-séir-an | lis-ár-ai | aldár-an | áur-en-an. |
| <〜させていただく>-控えて待つ-<彼らが> | 書く-<〜する人>-<〜たちが> | 座-<対格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・対格> |
「書記たちは高き座(のお指図)を控えて待つ。」
宮廷の記録の文体。王に仕える者の行いを、王に対して低めて謙譲の duséir- で書く。aldár áuren「高き座」は対格になり、分詞 áuren も軽性・対格の -an で一致する。
élþa elþá du aldárei.
読み:エルサ エルサー ドゥ アルダーレイ。
| élþ-a | elþá | du | aldár-ei. |
| 燃える-<(軽いものが)> | 火<主格> | 下手 | 座-<与格> |
「上座の手前で火が燃えている。」
家の中の日常の文。elþá「火」は élþ- に -á「〜するもの(軽)」がついた語で、軽性なので動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。炉の北側(上手)に上座があるので、炉の火は上座から見て「下手」にあり、du+与格で言う。時制がないので「燃えている」とも「燃えた」とも訳せる。
ké élþa elþá du aldárei? élþa.
読み:ケー エルサ エルサー ドゥ アルダーレイ?エルサ。
| ké | élþ-a | elþá | du | aldár-ei? | élþ-a. |
| <〜か> | 灯る-<(軽いものが)> | 火<主格> | 下手 | 座-<与格> | 灯る-<(軽いものが)> |
「「上座の手前の火は灯っているか?」「灯っている。」」
二人のやりとり。はい・いいえで答える問いは文頭の ké で作る。「はい」にあたる語はないので、答えでは動詞を繰り返す。動詞は主語の火に一致しているので、答える人の人称に変える必要はない。「いいえ」なら na élþa と言う。
séira lisár senáran du aldárei.
読み:セーラ リサール セナーラン ドゥ アルダーレイ。
| séir-a | lis-ár | sen-ár-an | du | aldár-ei. |
| 待つ-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 見る-<〜する人>-<対格> | 下手 | 座-<与格> |
「書記は上座の手前で目付を待つ。」
日常の文。待つ相手は対格で示す。senár「目付」は軽性の子音語幹なので、対格は -an になる。du+与格で「〜の下手で」と言い、目上の座より低い位置で待っていることを表す。
dunéulimor aldáran áurenan.
読み:ドゥネウリモル アルダーラン アウレナン。
| du-néul-imor | aldár-an | áur-en-an. |
| <〜させていただく>-慕う-<我々が> | 座-<対格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・対格> |
「我らは高き座をお慕い申し上げる。」
改まった場での言い方。自分たちの行いなので謙譲の du- をつける。分詞 áuren は、目的語の aldár(軽性・単数・対格)に一致して -an をとる。
gremésa aursárar si aldáres áurenes.
読み:グレメーサ アウルサーラル シ アルダーレス アウレネス。
| grem-és-a | aursár-ar | si | aldár-es | áur-en-es. |
| 畏れる-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 祖先-<〜らの> | と | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> |
「人は祖先と高き座を畏れるべし。」
教えの書や詞に見える当為法の文。主語を言わないので「人は」という一般の主語になり、軽性の形をとる。強勢が -és- に移るので、語根の ´ は消える。畏れる対象は属格でとり、分詞 áurenes も aldáres の属格に一致する。
ausáila aldár áuren es lisímes sélvanes.
読み:アウサイラ アルダール アウレン エス リシーメス セルヴァネス。
| au-sáil-a | aldár | áur-en | es | lis-ím-es | sélvan-es. |
| <お〜になる・御〜>-嘉する-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | から | 書く-<〜の技・〜さ>-<属格> | セルヴァン-<属格> |
「高き座は、セルヴァンの書法を嘉された。」
年代記の地の文に見える直説法の文。時制がないので、過去の出来事も直説法で言う。理由を es+属格で示している。
lísa lisár þelán aldáres áurenes þáiles sáindarei.
読み:リーサ リサール セラーン アルダーレス アウレネス サイレス サインダレイ。
| lís-a | lis-ár | þel-án | aldár-es | áur-en-es | þáil-es | sáindar-ei. |
| 書く-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 名前-<対格> | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> | 澄み-<属格> | 証文-<与格> |
「書記は証文に「澄みの高き座」の名を書く。」
座名「aldár áuren+称えの語の属格」で、名詞として使った þáil「澄み」が称えの語になっている。座名ごと属格で þelán にかかる。書き言葉では座名を記してよく、上げ書きにする。
duméiran kelárai meiró pelsós aldárei áurenei.
読み:ドゥメーラン ケラーライ メイロー ペルソース アルダーレイ アウレネイ。
| du-méir-an | kel-ár-ai | meiró | pels-ós | aldár-ei | áur-en-ei. |
| <〜させていただく>-与える-<彼らが> | 伐る-<〜する人>-<〜たちが> | 貢ぎ物<対格> | 樹脂-<属格> | 座-<与格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・与格> |
「樵たちは、高き座に樹脂の貢ぎ物を献上する。」
森の氏族が王に産物を納めることを述べる文。差し出す側を低める謙譲の du- を動詞につけ、受け手の「高き座」は与格で表す。分詞 áurenei は aldárei(軽性・単数・与格)に一致する。同じ meiró でも、受け手が王なら「貢ぎ物」、倉なら「税」と訳し分ける。
lúuma aldár áuren meiró kumbóros.
読み:ルーマ アルダール アウレン メイロー クンボーロス。
| lúum-a | aldár | áur-en | meiró | kumbór-os. |
| ご覧になる-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 貢ぎ物<対格> | 青銅-<属格> |
「高き座は青銅の貢ぎ物をご覧になった。」
年代記のような書き言葉の文。lúum- は「見る」の尊敬の補充形。時制がないので「ご覧になる」とも「ご覧になった」とも読める。書き言葉では aldár áuren を上げ書きにする。
na ésa aldár áuren anlúinei.
読み:ナ エーサ アルダール アウレン アンルーイネイ。
| na | és-a | aldár | áur-en | anlúin-ei. |
| <〜ない> | いる-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 昔-<与格> |
「昔は、高き座はなかった。」
統一より前の時代を語る、書物や語りの文。「昔に」のように時を言うときは与格 anlúinei を使う。否定の na は動詞の直前に置く。aldár áuren は「高き座」で、分詞 áuren は軽性・単数・主格に一致しているので語尾がつかない。
aldána aldár áuren lóuvan es némores.
読み:アルダーナ アルダール アウレン ローヴァン エス ネーモレス。
| aldán-a | aldár | áur-en | lóuvan | es | némor-es. |
| おわす-<(軽いものが)> | 座<主格> | 昇る-<〜した・〜された> | 隔たった | から | 我々-<属格> |
「高き座は、我々からは遠く隔たったところにおわす。」
身分の隔たりを言う、改まった文。王について述べるので、「いる」の尊敬の補充形 aldán- を繋辞に使っている。aldár áuren「高き座」の後ろに述語の lóuvan が並ぶ。es+人称代名詞の属格で「我々から」を表す。
lisésa aldáran áurenan aurlisímei.
読み:リセーサ アルダーラン アウレナン アウルリシーメイ。
| lis-és-a | aldár-an | áur-en-an | aurlisím-ei. |
| 書く-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 座-<対格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・対格> | 上げ書き-<与格> |
「「高き座」は上げ書きで書くべし。」
書の作法を教える書物の一句。当為法で主語を言わないので一般の人が主語になり、軽性の -a をとる。分詞 áurenan は aldáran(軽性・単数・対格)に一致する。手段の「〜で」を与格 aurlisímei で言っている。
éso houmíño aldáres áurenes món ál.
読み:エーソ ホウミーニョ アルダーレス アウレネス モーン アール。
| és-o | houmíño | aldár-es | áur-en-es | món | ál. |
| いる-<(重いものが)> | 椀<主格> | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> | 石<主格> | 白い |
「高き座の椀は白い石(の器)である。」
宮廷の器の記述。aldár áuren(高き座)の属格が椀の持ち主をなす。述語の名詞句 món ál は自分の性・主格のまま置かれ、主語に一致しない。白い石英(聖なる石)を素材とする王の器の記述。
dúlo houmíño es aldáres áurenes.
読み:ドゥーロ ホウミーニョ エス アルダーレス アウレネス。
| dúl-o | houmíño | es | aldár-es | áur-en-es. |
| 下りる-<(重いものが)> | 椀<主格> | から | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> |
「高き座から、(恵みの)椀が下りてくる。」
詩的用法。houmíño は器そのものではなく、高き座から下される食物(恵み)を器の形で指す。es+属格の「〜から(出どころ)」は運動動詞の論項なので、動詞の後ろに置く(統語論1.2節、基本語順:動詞…主語 目的語 [与格] [前置詞句])。重性名詞 houmíño が主語なので動詞は -o。
mé bresdulésa an aldáran.
読み:メー ブレスドゥレーサ アン アルダーラン。
| mé | bresdul-és-a | an | aldár-an. |
| <禁止・願いの打ち消し> | 胸を下げる-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 上手 | 座-<対格> |
「高き座へ向かって胸を下げてはならない。」
礼法・書物の定型。主語を置かず、当為法で一般の行いを禁じる。否定に mé を使う。an aldár-an は方向の前置詞句で、aldár「座」に対格 -an がついた形。動詞 bresdul-「胸を下げる」を使うことで、単に近づくのではなく、高座に無遠慮に寄るのを戒める表現になる。
klonhéla unlóur senár aldárei.
読み:クロンヘーラ ウンロール セナール アルダーレイ。
| klonhél-a | unlóur | senár | aldár-ei. |
| 跪座する-<(軽いものが)> | まだ | 目付<主格> | 座-<与格> |
「目付は御座の前で跪座したままいる。」
単に膝を落とす動作ではなく、膝を床につけた低い姿勢を保っている様子。unlóur「まだ」が動詞の直後におかれ、その姿勢が続いていることを示す。
senáura ólmar aldáran áurenan.
読み:セナウラ オルマル アルダーラン アウレナン。
| senáur-a | ólmar | aldár-an | áur-en-an. |
| 見上げる-<(軽いものが)> | 年長者<主格> | 座-<対格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・対格> |
「年長者は高き座を見上げる。」
敬意を伴う仰ぎ。高き座(aldár áuren)を見上げる作法。対象の名詞と分詞が軽性単数対格に一致する。-an を LT.ACC として独立の形態素で示す。
éso slóimo aldáres ormároi.
読み:エーソ スロイモ アルダーレス オルマーロイ。
| és-o | slóimo | aldár-es | ormár-oi |
| いる-<(重いものが)> | 隣<主格> | 座-<属格> | 左-<与格> |
「席の隣は左にある。」
儀礼・座席に関する表現。名詞句 slóimo aldáres は「席の隣(の席)」を示し、属格 aldáres が slóimo を限定する。述語の与格 ormároi が位置を示し、動詞は主語 slóimo に一致する。
lóima ilanár aldarviran aldáres áurenes.
読み:ロイマ イラナール アルダルヴィラン アルダーレス アウレネス。
| lóim-a | ilanár | aldarvir-an | aldár-es | áur-en-es |
| 唱える-<(軽いものが)> | 星読み<主格> | 敬称-<対格> | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<属格> |
「星読みが高き座の座名を唱える。」
宮廷儀礼の場面。名詞句の中心を対格 aldarviran とし、その後に「高き座の」という属格句 aldáres áurenes を修飾として置く。「高き座」の属格は aldáres áurenes。王や高位の人の座につけられた固有名を唱える用法。意味2。
léimim noralúsan an aldárei.
読み:レーミン ノラルーサン アン アルダーレイ。
| léim-im | noralús-an | an | aldár-ei. |
| 置く-<私が> | 夜粥-<対格> | 上手 | 座-DAT. |
「私は夜粥の膳を上手の座に据える。」
家庭での動作。「粥そのもの」より「定まった晩の膳」を指す用法。場所を表すには前置詞 an と与格を用いる。
aurénde anaurím an aldáran áurenan
読み:アウレンデ アナウリーン アン アルダーラン アウレナン
| aur-énd-e | anaurím | an | aldár-an | áur-en-an |
| 昇る-<〜しますように>-<(軽いものが)> | 高き座の秩序<主格> | 上手 | 座-<対格> | 昇る-<〜した・〜された>-<対格> |
「高き座の秩序が高き座の方へ高まりますように。」
儀礼・祈りの文。願望法 aurénde で高き座の秩序の向上を願う。an aldáran は「高き座へ」という方向。形容詞 áurenan も名詞 aldáran に一致する対格。
éso sindrasímbo símbo aldáres.
読み:エーソ シンドラシンボ シンボ アルダーレス。
| és-o | sindrasímbo | símbo | aldár-es. |
| いる-<(重いものが)> | 役札<主格> | 印<主格> | 座-<属格> |
「役札は座の印である。」
書物や帳場での定義文。繋辞és-による述語名詞文で、述語名詞は自分の格と性を保つ。名詞+属格の順で「座の印」を作り、役札が座(役)を象徴するしるしであることを説明する。
ésa aldár slóura torárei.
読み:エーサ アルダール スローラ トラーレイ。
| és-a | aldár | slóura | torár-ei. |
| いる-<(軽いものが)> | 座<主格> | 空欄<主格> | 客-<与格> |
「客用の座は、空欄になっている。」
座席・役割の扱いが決まっていない状態。与格 torárei は受益者「客にとって」を表す。
ésa torár sé ormároi aldáres áurenes.
読み:エーサ トラール セー オルマーロイ アルダーレス アウレネス。
| és-a | torár | sé | ormár-oi | aldár-es | áur-en-es. |
| いる-<(軽いものが)> | 客<主格> | この<軽性> | 左-<与格> | 座-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<属格・軽性> |
「この客は高き座の左側にいる。」
儀礼・書物での位置記述。人を指す名詞 torár には軽性の動詞形が対応する。左側を ormároi で示し、その持ち主を属格句 aldáres áurenes「高き座の」で後に受ける。左は尊い側とされる。
bála houmár aldáran torárei.
読み:バーラ ホウマール アルダーラン トラーレイ。
| bál-a | houmár | aldár-an | torár-ei. |
| 空ける-<(軽いものが)> | 家の主<主格> | 座-<対格> | 客-<与格> |
「家の主が客のために座を空ける。」
炉ばたの上座の作法。席を次の人、ここでは客に譲るため空ける。与格単数で利益者を示す。
ésa aldár sé dúlen.
読み:エーサ アルダール セー ドゥーレン。
| és-a | aldár | sé | dúlen |
| いる-<(軽いものが)> | 座<主格> | この<軽性> | 低い |
「この席は低い。」
主語は軽性名詞 aldár。指示詞 sé は名詞の後ろに置く。述語形容詞 dúlen は軽性主格単数で無語尾。
þréula sírna aldárei múlin.
読み:スレウラ シルナ アルダーレイ ムーリン。
| þréul-a | sírna | aldár-ei | múl-in. |
| 着く-<(軽いものが)> | 霜<主格> | 座-<与格> | 厚い-CVB. |
「霜は座に厚く着いている。」
改まった描写でも、時制を表す語形がないため未完了で現在結果の状態を言う。裸の与格が着く場所を示す。霜は軽性なので軽性の3人称単数語尾-aで受ける。
nunésa an aldáran áurenan
読み:ヌネーサ アン アルダーラン アウレナン
| nun-és-a | an | aldár-an | áur-en-an |
| 目を伏せる-<〜すべし>-<(軽いものが)> | 上手 | 座-<対格> | 昇る-<〜した・〜された>-<対格> |
「高き座へ向かう際には、目を伏せるべきである。」
作法書や碑文の当為法。主語を言わない一般主語は軽性の -a で現れる。an aldáran áurenan は「高き座へ向かって」。
王の位
aldár áuren「高き座」の形で王の位と今の王を指す。
fléira aldár áuren du orén.
読み:フレーラ アルダール アウレン ドゥ オレーン。
| fléir-a | aldár | áur-en | du | orén. |
| お出ましになる-<(軽いものが)> | 王の位 | 昇る-<〜した・〜された> | 下手 | 縁<対格> |
「高き座が、縁へお出ましになる。」
aldár áuren「高き座」は、王の位と今の王をあわせて指す総称で、今の王を指すときはこれだけで足りる。fléir- は「行く」の尊敬の補充形。王が縁の方へ下る行幸の知らせに使われる。
funeléra lisár þelán aldáres áurenes.
読み:フネレーラ リサール セラーン アルダーレス アウレネス。
| funelér-a | lis-ár | þel-án | aldár-es | áur-en-es. |
| 書き留める-<(軽いものが)> | 書く-<〜する人> | 名前-<対格> | 王の位-<属格> | 昇る-<〜した・〜された>-<軽性・属格> |
「書記は、高き座の名を書き留める。」
記録の場面の文。属格にすると、分詞も -es で一致して aldáres áurenes「高き座の」となる。王の名は口にできない場合でも、書くことは息を使わないので禁じられない。書くときは上げ書きにする。
王(の自称)
aldár sé「この座」の形で、王が自分を指す。
ausáila aldár sé.
読み:アウサイラ アルダール セー。
| au-sáil-a | aldár | sé. |
| <お〜になる・御〜>-喜ぶ-<(軽いものが)> | 王 | この<軽性> |
「この座(朕)は、喜ばしく思う。」
詩合わせや献上の席で、王が返しとして言う短い言葉。王の自称の文では、補充形のない動詞にも尊敬の接頭辞 au- をつける。au- は s- の前では形が変わらない。
lúuma aldár sé sáindaran.
読み:ルーマ アルダール セー サインダラン。
| lúum-a | aldár | sé | sáindar-an. |
| ご覧になる-<(軽いものが)> | 王 | この<軽性> | 証文-<対格> |
「この座(朕)は、証文を見た。」
王は自分を「我」と言わず、aldár sé「この座」と3人称で言う。そのため、動詞は3人称単数・軽性になり、自分の行いにも尊敬の補充形 lúum- を使う。時制がないので「見る」とも「見た」とも訳せる。
座る場所、とくに北側(上手)の高い上座。そこから王の位そのものを指し、aldár áuren「高き座」で王を表す。王は名前で呼ばれず、座っている場所の高さで言い表されるためである。座名は「〈称えの語〉の高き座」の形をとる。実際の座は石や木でできているが、人を指す語として軽性に入る。
軽性・子音語幹。対 aldáran、属 aldáres、与 aldárei、双 aldárau、双属与 aldáraun、複 aldárai。王を指すときは数詞をつけない。
aldán-「おわす」と同じ源。
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