小説
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動く(位置が変わる)
体や物が、方向を定めずに位置を変える。崖の岩棚で体がずれる、綱場に置いた荷が微かに動く、などの文脈で使う。
krúelo unlóur dulglüno só.
読み:クルーエロ ウンロール ドゥルグリュノ ソー。
| krúel-o | unlóur | dulglüno | só. |
| 動く-<(重いものが)> | まだ | つらら<主格> | この<重性> |
「「まだ、このつららは揺れている。」」
凍りの頃の日常の言葉。重性o語幹の単数主格で、指示詞 só を後ろに添えている。副詞 unlóur は動詞の直後に置く。
krúelo vrunó
読み:クルーエロ ヴルノー
| krúel-o | vrunó |
| 動く-<(重いものが)> | 巻き胴<主格> |
「巻き胴が動いている。」
降ろし場で巻き胴が動き始めることを告げる文。重性o語幹の名詞 vrunó を主語に受け、動詞は重性の3人称単数語尾 -o をとる。時制や相は語形には表れない。
lúin krúelo fáron, trolþála faronár.
読み:ルーイン クルーエロ ファーロン、トロルサーラ ファロナール。
| lúin | krúel-o | fáron, | trolþál-a | faron-ár. |
| とき | 動く-<(重いものが)> | 荷<主格> | 踏ん張る-<(軽いものが)> | 荷-<〜する人> |
「荷が揺れると、運び人が踏ん張る。」
lúin で導く時節も動詞が節の先頭。荷 fáron は重性なので krúelo。主語 faronár は人を表す語で軽性なので、動詞は 3人称単数・軽性の -a を受ける。
krúelan ráuvul anórel.
読み:クルーエラン ラウヴル アノーレル。
| krúel-an | ráuv-ul | anórel. |
| 動く-<彼らが> | 森の氏族-<〜たちが> | 昨日 |
「森の氏族たちが昨日動いた。」
年代記・公式記録の場面。krúel- を換喩的に用い、森の氏族が動きを見せたことを示す。主語は複数 ráuvul。
揺れる
物が固定された位置を中心に小刻みに動く。綱が揺れる、荷が揺れる、など。krúelo fúnel.「綱が揺れている」。
krúelo krélvo.
読み:クルーエロ クレルヴォ。
| krúel-o | krélvo |
| 動く-<(重いものが)> | 鉤<主格> |
「鉤が揺れている。」
壁や枠に取り付けた鉤などが、固定点を中心に小刻みに動く状態。道具の微細な揺れを述べる。
身を移す・体勢を変える
自分の体を、ある位置から別の位置へずらす。安全の命令の文脈では「(今の位置から)動かぬこと」の意味になる。
mé krúel!
読み:メー クルーエル!
| mé | krúel! |
| <禁止・願いの打ち消し> | 動く<命令法><あなたが> |
「動くな!」
崖縁で用いる定型命令。命令法の否定では mé を動詞の前に置く。安全上の合図として「今の位置から動かさないこと」を命じる。
体や物の位置が、特定の方向を定めずに変わることを指す自動詞。行く(gél-)・下る(dúl-)・昇る(áur-)・歩く(ráum-)のように方向を伴う動きとは区別され、「体を移す」「荷が揺れる」「体勢が変わる」のような、位置のずれる・揺れる全般に用いる。崖や綱場での安全の命令(「動くな」)や、荷の微調整、岩棚での体勢の崩れなどを表す基本的な動詞である。重性(体・物)の一致を取る。命令形 krúel! は「動くな」「揺れるな」の安全指示に頻出する。くだけた崖道の言葉では語末の母音が落ちて krúel → krúel のまま(強勢が語根にあるため変化しない)だが、市の取引言葉では krúel として使われる。
自動詞。重性(体・物)の一致を取る(3単・重:krúelo)。完了相は長母音の語根のため -s- を足す(krúels-)。命令形2単:krúel!。禁止:mé krúel!
内部の派生関係が確認されない基本的な語根。
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