tambór

品詞
名詞
意味
雑穀
発音
[tamˈbor]
読み
タンボール
分野
生活・道具・衣食住

意味

  1. 雑穀

    高原の主食となる穀物。粥・蒸し餅・石焼きの平焼きにして食べる。

    ké éso tambór tásei? na éso tambór némei.

    読み:ケー エーソ タンボール ターセイ?ナ エーソ タンボール ネーメイ。

    kéés-otambórtás-ei?naés-otambórném-ei.
    <〜か>いる-<(重いものが)>雑穀<主格><あなた>-<与格><〜ない>いる-<(重いものが)>雑穀<主格><私>-<与格>

    「「お前、雑穀はあるか?」「私には雑穀はない。」」

    二人の発話。所有は「持つ」という動詞ではなく、「ある+持ち主の与格」で言う。動詞は持ち主ではなく、持たれている物 tambór(重性)に一致する。はい・いいえで答える問いは、文のいちばん前の ké で作る。答えは動詞を繰り返すが、動詞が物に一致しているので人称は変わらず、「はい」なら éso、「いいえ」なら na éso となる。ké máines?「食べたか」→ máinim「食べた」のような、人称を変える答え方と比べてほしい。

    ké vándes tambór? vándim.

    読み:ケー ヴァンデス タンボール?ヴァンディン。

    kévánd-estambór?vánd-im.
    <〜か>量る-<あなたが>雑穀<対格>量る-<私が>

    「「雑穀を量るか?」「量る。」」

    二人の発話で、倉や家で交わすくだけた問いと答え。高原語には「はい」にあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。時制がないので、「量ったか」「量ったよ」とも訳せる。tambór は重性なので、主格と対格が同じ形になる。

    dúmarim tambór, auríþen.

    読み:ドゥーマリン タンボール、アウリーセン。

    dúmar-imtambór,auríþen.
    いただく-<私が>雑穀<対格>かたじけない

    「雑穀をいただきます、かたじけない。」

    もてなしの席で、目下の者が食事をいただくときの言葉。dúmar- は「食べる」の謙譲の補充形。auríþen はお礼の決まり文句として、文の終わりに添える。

    ké éso tambór tásei? na éso.

    読み:ケー エーソ タンボール ターセイ?ナ エーソ。

    kéés-otambórtás-ei?naés-o.
    <〜か>いる-<(重いものが)>雑穀<主格><あなた>-<与格><〜ない>いる-<(重いものが)>

    「「お前、雑穀はあるか?」「ない。」」

    二人の発話。高原語には「はい」「いいえ」にあたる語がないので、問いの動詞を繰り返して答え、否定なら na をつける。所有は「ある+持ち主の与格」で言い、動詞は持たれている物 tambór(重性)に一致する。そのため答えでも人称は変わらず、「ある」なら éso、「ない」なら na éso となる。

    kúula kelár tambór.

    読み:クーラ ケラール タンボール。

    kúul-akel-ártambór.
    煮る-<(軽いものが)>伐る-<〜する人・主格>雑穀<対格>

    「樵が雑穀を煮ている。」

    日常の文。時制がないので「煮る」とも「煮ている」とも訳せる。tambór は重性の子音語幹名詞で、主格と対格が同じ形になる。主語と目的語は VSO の語順で見分ける。主語の kelár は人なので軽性で、動詞は -a をとる。綴りは〈tamboro〉で、古い脱落の前の形を残している。

    ké ésau tambór si sáko tásei?

    読み:ケー エーサウ タンボール シ サーコ ターセイ?

    kéés-autambórsisákotás-ei?
    <〜か>いる-<双数>雑穀<主格>と塩<主格><あなた>-<与格>

    「お前のところに雑穀と塩はあるか?」

    市での品の問い合わせ。所有は「ある+持ち主の与格」で言う。単数の名詞を si で二つ並べたので、動詞は双数の ésau になる。si には強勢がなく、後ろの語に寄りかかって発音される。

    na éso tambór némorei.

    読み:ナ エーソ タンボール ネーモレイ。

    naés-otambórnémor-ei.
    <〜ない>いる-<(重いものが)>雑穀<主格>我々-<与格>

    「我々には雑穀がない。」

    所有の言い方。「持つ」という動詞はなく、持ち主を与格 némorei で表す。動詞は持ち主ではなく、持たれている物 tambór(重性)に一致するので、3人称単数・重性の éso になる。凶作の年や倉が空になったときに、村でふつうに聞かれる言い方。

    méirim tambór társei.

    読み:メーリン タンボール タルセイ。

    méir-imtambórtárs-ei.
    与える-<私が>雑穀<対格>お前たち-<与格>

    「お前たちに雑穀をやろう。」

    受け手を与格 társei で表す。társ は同じ段か目下の複数の相手にしか使わないので、この文は下向きの話し方になる。家の主が働き手たちに食べ物を分けるような場面で使う。目上の相手には使わず、役職名を3人称で言う。

    méira houmár tambór kelárail ínin.

    読み:メーラ ホウマール タンボール ケラーライル イーニン。

    méir-ahoumártambórkel-ár-ailínin.
    与える-<(軽いものが)>家の主<主格>雑穀<対格>伐る-<〜する人>-<〜らに>それぞれ

    「「家の主は、樵たちそれぞれに雑穀を分け与える。」」

    炉ばたで食べ物を分ける場面。受け手を与格 íninei で言い、誰のそれぞれかを複数属格 kelárar で添える。ínin は子音語幹の軽性として変化する。

    éso tambór némes snír.

    読み:エーソ タンボール ネーメス スニール。

    és-otambórném-essnír.
    いる-<(重いものが)>雑穀<主格><私>-<属格>少ない

    「私の雑穀は少ない。」

    「AはBだ」の文で、繋辞 és- を先頭に置いている。主語 tambór némes「私の雑穀」は重性なので、繋辞は -o をとる。述語の snír は重性・単数・主格で、一致の語尾がつかない。税の取り立ての前後に、蓄えが乏しいことを言う言い方。

    méir déral tambóros némei.

    読み:メール デーラル タンボーロス ネーメイ。

    méirdéraltambór-osném-ei.
    与える<命令法><あなたが>半分<対格>雑穀-<属格><私>-<与格>

    「雑穀の半分を私にくれ。」

    下向きの命令。déral は重性の子音語幹名詞なので、対格は主格と同じ形。何の半分かは属格(tambóros)で後ろに示す。語順は動詞–目的語–与格(受け手)の順。

    méira houmár tambór faronárei, ré eséndo gromó éles krán.

    読み:メーラ ホウマール タンボール ファロナーレイ、レー エセンド グロモー エーレス クラーン。

    méir-ahoumártambórfaronár-ei,rées-énd-ogromóél-eskrán.
    与える-<(軽いものが)>家の主<主格>雑穀<対格>運び人-<与格><〜と(節)>いる-<〜しますように>-<(重いものが)>体<主格><3人称単数・軽性>-<属格>硬い

    「家の主は、体が丈夫であるようにと、運び人に雑穀を与える。」

    「ré+願望法」で目的を表す文。ここでの願望法は丁寧さではなく、「そうなってほしいこと」を表す。主語の gromó は重性なので、願望法の語尾は -o になる。

    léimim tambór un múndo.

    読み:レーミン タンボール ウン ムンド。

    léim-imtambórunmúndo.
    置く-<私が>雑穀<対格>内に口<対格>

    「雑穀を口に運ぶ。」

    食事の日常の言い方。un+対格で「〜の中へ」を表す。重性の múndo は対格でも主格と同じ形になる。主語は動詞の語尾 -im でわかるので言わない。

    sén bélo gróm tó, máno tambór némores!

    読み:セーン ベーロ グローン トー、マーノ タンボール ネーモレス!

    sénbélogrómtó,mán-otambórnémor-es!
    見る<命令法><あなたが>欲<対格>重いあの<重性>食べる-<(重いものが)>雑穀<対格><我々>-<属格>

    「あの欲張りを見ろ、俺たちの雑穀を食ってやがる!」

    人を bélo gróm(重い欲)と呼ぶ陰口で、指示詞も動詞も重性の形(tó、máno)で受けている。人を重性の一致で受けるのは侮辱なので、強いあざけりの響きがある。主節を二つ並べているので、あいだに区切りを入れる。

    kúula anlóur téir lóurul némes tambór.

    読み:クーラ アンロール テール ロールル ネーメス タンボール。

    kúul-aanlóurtéirlóur-ulném-estambór.
    煮る-<(軽いものが)>上の世代の血族<主格>三瀬-<〜たちを><私>-<属格>雑穀<対格>

    「私の曾祖母(曾祖父)が雑穀を煮ている。」

    「三瀬上」で曾祖父母を言う。三以上の数詞の後ろなので、瀬は複数の lóurul になる。どれだけ隔たっているかを表す道のりの対格の句が名詞のすぐ後ろに来て、そのあとに属格が続く。男女は区別しない。

    lúin hóina ambrél némes, mánimor tambór.

    読み:ルーイン ホイナ アンブレール ネーメス、マーニモル タンボール。

    lúinhóin-aambrélném-es,mán-imortambór.
    とき帰る-<(軽いものが)>兄・姉<主格><私>-<属格>食べる-<我々が>雑穀<対格>

    「兄(姉)が帰ってきたら、みんなで雑穀を食べよう。」

    家の中の会話の文。時を表す lúin の節を前に置いている。主節の動詞は1人称複数の直説法で、時制がないので、これからの予定としても読める。家の中のくだけた言い方なので、mán- を敬語の補充形にしていない。tambór は重性なので、対格でも語尾がつかない。

    mé mán tambór éul!

    読み:メー マーン タンボール エウル!

    mémántambóréul!
    <禁止・願いの打ち消し>食べる<命令法><あなたが>雑穀<対格>よその家の

    「よその家の雑穀を食べるな。」

    子どもに言い聞かせる日常の禁止。親族名称以外の名詞に添えると、éul は「自分の家の流れに属さない、よその家の」の意味になる。tambór は重性なので主格と対格が同じ形で、éul も重性・対格の語尾なしの形で一致する。

    kúula líura té tambór.

    読み:クーラ リーウラ テー タンボール。

    kúul-alíuratétambór.
    煮る-<(軽いものが)>女<主格>あの<軽性>雑穀<対格>

    「あの女の人が雑穀を煮ている。」

    líura は軽性の a 語幹の名詞で、語根に強勢がある。指示詞 té は名詞の後ろに置く。tambór は重性なので、対格に語尾がつかない。時制がないので、「煮ている」とも「煮た」とも訳せる。

    lúin mána houmár, mánimor tambór.

    読み:ルーイン マーナ ホウマール、マーニモル タンボール。

    lúinmán-ahoumár,mán-imortambór.
    とき食べる-<(軽いものが)>家の主<主格>食べる-<我々が>雑穀<対格>

    「家の主が箸をつけてから、我々は雑穀を食べる。」

    家の中の食事の作法を言う文。年長の者、家の主が先に箸をつける。「〜とき」の節は lúin で始め、主節の前に置く。houmár は人を指すので軽性で、動詞は3人称単数・軽性の -a をとる。tambór は重性なので、対格も主格と同じ形。

    meirésan houmárai meiró tambóros brándalei.

    読み:メイレーサン ホウマーライ メイロー タンボーロス ブランダレイ。

    meir-és-anhoumár-aimeirótambór-osbrándal-ei.
    与える-<〜すべし>-<彼らが>世帯主-<〜たちが>税<対格>雑穀-<属格>司-<与格>

    「世帯主は、雑穀の税を司に納めるべし。」

    法典の条文の文体。当為法 -és- で「〜すべし」を表す。強勢が接尾辞に移るので、語根 méir- の ´ は消える。受け手の司は与格 -ei で表す。

    mé mán, endríña! na ésa hílva tambór.

    読み:メー マーン、エンドリーニャ!ナ エーサ ヒルヴァ タンボール。

    mémán,endríña!naés-ahílvatambór.
    <禁止・願いの打ち消し>食べる<命令法><あなたが>子ども<〜ない>いる-<(軽いものが)>雪<主格>雑穀

    「食べちゃだめよ、坊や。雪はごはんじゃないの。」

    大人が子どもをたしなめる、ごく日常的な言い方。日常では呼格を使わず、呼びかけの語を読点で区切って添える。「AはBではない」は na+繋辞で言い、繋辞は主語の hílva(軽性)に一致する。

    léimimor tambór órelei.

    読み:レーミモル タンボール オーレレイ。

    léim-imortambórórel-ei.
    置く-<我々が>雑穀<対格>日の光-<与格>

    「我々は雑穀を日なたに置く。」

    乾風期の初めに、刈った穂を干すときの農作業の言い方。órelei は場所の与格で「日の光の当たる所に」。tambór は重性の子音語幹なので、対格は主格と同じ形になる(綴りは〈tamboro〉)。

    mána méula tambór.

    読み:マーナ メウラ タンボール。

    mán-améulatambór.
    食べる-<(軽いものが)>毛山羊<主格>雑穀<対格>

    「毛山羊が雑穀を食べてしまう。」

    段々畑のそばで毛山羊を放しているときの、よくある困りごと。méula は軽性a語幹で、主語なので主格の形をとる。動詞は軽性の -a で一致する。tambór は重性なので、主格と対格が同じ形になる。

    mánimor frélo si tambór.

    読み:マーニモル フレーロ シ タンボール。

    mán-imorfrélositambór
    食べる-<我々が>魚<対格>と雑穀<対格>

    「我々は魚と雑穀を食べる。」

    ふだんの食事についての文。frélo は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。si は無強勢の等位の小辞で、目的語を二つ並べている。主語は動詞の語尾 -imor でわかるので、代名詞は言わない。

    lúin na éso tambór némorei, éso bóula kúulen tambór némores.

    読み:ルーイン ナ エーソ タンボール ネーモレイ、エーソ ボーラ クーレン タンボール ネーモレス。

    lúinnaés-otambórnémor-ei,és-obóulakúul-entambórnémor-es.
    とき<〜ない>いる-<(重いものが)>雑穀<主格><我々>-<与格>,いる-<(重いものが)>どんぐり<主格>煮る-<〜した・〜された>雑穀<主格><我々>-<属格>

    「雑穀がないときには、煮たどんぐりが我々の雑穀になる。」

    凶作の年の暮らしを語る文。どんぐりは飢えの年の食べ物でもある。所有は「ある+持ち主の与格」で言い、動詞は持たれている物の tambór(重性)に一致する。lúin の節の中では、na が動詞の直前に来る。落ちた実を煮たどんぐりは重性で扱うので、繋辞は éso、分詞 kúulen は重性・単数・主格の形(語尾なし)になる。

    mánimor tambór si frélo sórel.

    読み:マーニモル タンボール シ フレーロ ソーレル。

    mán-imortambórsifrélosórel.
    食べる-<我々が>雑穀<対格>と魚<対格>今日

    「今日は雑穀と魚を食べる。」

    家の中のふつうの会話。直説法には法の印がなく、語根に1人称複数の語尾 -imor が直接つく。二つの目的語を si で並べている。雑穀も魚も重性なので、主格と対格が同じ形になる。時を表す語 sórel は文末に置く。

    nelisénde aulisár tambór só.

    読み:ネリセンデ アウリサール タンボール ソー。

    nelis-énd-eau-lis-ártambórsó.
    召し上がる-<〜しますように>-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-書く-<〜する人>雑穀<対格>この<重性>

    「書記の方に、この雑穀を召し上がっていただきたく存じます。」

    目上の客に食べ物を勧める、上向きの言い方。命令法は使わず、願望法の3人称を使って、目の前の相手を「書記の方は」という主語として扱う。nélis- は mán-「食べる」の尊敬の補充形で、名詞の aulisár にも au- がつく。願望法の3人称単数・軽性の語尾は -e になる。

    auríþen, dúmarim tambór só.

    読み:アウリーセン、ドゥーマリン タンボール ソー。

    auríþen,dúmar-imtambórsó.
    かたじけないいただく-<私が>雑穀<対格>この<重性>

    「かたじけない、この雑穀をいただきます。」

    目上の人から食べ物を出されたときの返し。dúmar- は mán-「食べる」の謙譲の補充形で、強勢は語根の最初の音節にある。礼の言葉 auríþen を先に言い、読点で区切ってから動詞を置く。

    þráuna kelár tambór.

    読み:スラウナ ケラール タンボール。

    þráun-akel-ártambór.
    投げる-<(軽いものが)>伐る-<〜する人・主格>雑穀<対格>

    「樵が雑穀を投げる。」

    日常の文。語順は動詞–主語–目的語。tambór は重性なので、対格も主格と同じ形で、語順から目的語とわかる。手で雑穀を投げて播く動作にも使える。

    þráunsim tambór trúum.

    読み:スラウンシン タンボール トルーン。

    þráuns-imtambórtrúum.
    投げ捨てる<〜し終えた>-<私が>雑穀<対格>古びた

    「古くなった雑穀は捨ててしまった。」

    家での日常の文。語根に二重母音 au があるので、完了相は語根の後ろに -s- を足して þráuns- とする。形容詞 trúum は重性・単数・対格の tambór に一致し、一致の語尾はつかない。

    dúmarim tambór sáun, houmár.

    読み:ドゥーマリン タンボール サウン、ホウマール。

    dúmar-imtambórsáun,houmár.
    いただく-<私が>雑穀<対格>良い家の主

    「よい雑穀をいただきます、ご主人。」

    招かれた家で食事を受けるときの言い方。dúmar- は「食べる」の謙譲の補充形。tambór は重性なので主格と対格が同じ形になり、それに一致する sáun にも語尾がつかない。日常の呼びかけには呼格を使わず、役職や立場の名を文末に読点で区切って添える。

    éso tambór só gráis.

    読み:エーソ タンボール ソー グライス。

    és-otambórsógráis.
    いる-<(重いものが)>雑穀<主格>この<重性>悪い

    「この雑穀は質が悪い。」

    市で品質に文句をつけるときの言い方。「AはBだ」の文は繋辞 éis- で始める。主語の tambór が重性なので、繋辞は -o になる。述語の形容詞も重性・単数・主格の形をとり、語尾はつかない。

    méira houmár tambór kelárail pírail.

    読み:メーラ ホウマール タンボール ケラーライル ピーライル。

    méir-ahoum-ártambórkel-ár-ailpír-ail.
    与える-<(軽いものが)>炉-<〜する人>雑穀<対格>伐る-<〜する人>-<〜らに>若い-<軽性・〜ら(古い母音交替)・与格>

    「家の主は、若い樵たちに雑穀を与える。」

    語順は「動詞–主語–目的語–与格」。人は軽性なので、形容詞は軽性の複数与格 -ail で一致する。

    lúin méira séulin tambór némei, glénim élei méldo.

    読み:ルーイン メーラ セウリン タンボール ネーメイ、グレーニン エーレイ メルド。

    lúinméir-aséulintambórném-ei,glén-imél-eiméldo.
    とき与える-<(軽いものが)>友<主格>雑穀<対格><私>-<与格>返礼する-<私が><3人称単数・軽性>-<与格>蜜<対格>

    「友が私に雑穀をくれると、私はその人に蜜でお返しをする。」

    「返礼する」の意味では、お返しの品を対格に、相手を与格にとる。村の暮らしでよく聞く、くだけた言い方。

    duglénim ausenárei tambór só.

    読み:ドゥグレーニン アウセナーレイ タンボール ソー。

    du-glén-imau-sen-ár-eitambórsó.
    <〜させていただく>-返礼する-<私が><お〜になる・御〜>-見る-<〜する人>-<与格>雑穀<対格>この<重性>

    「目付殿に、お返しとしてこの雑穀を差し上げます。」

    もてなしを受けたあとの改まった返礼の言葉。謙譲の du- で自分の行いを低め、相手には au- のついた与格を使って、上下の関係を文法に表している。tambór は重性なので、対格も主格と同じ形で、指示詞も重性の só になる。

    ké éso tambór káil?

    読み:ケー エーソ タンボール カイル?

    kéés-otambórkáil?
    <〜か>いる-<(重いものが)>雑穀<主格>乾いた

    「雑穀は乾いているか。」

    乾風期の前半、干した雑穀の穂を脱穀する前に確かめるときの問い。「AはBだ」の文なので、繋辞 és- を文頭に置く。tambór は重性なので、繋辞は -o の形、述語の形容詞は語尾のない káil になる。

    kúula líura tambór, bróla muró.

    読み:クーラ リーウラ タンボール、ブローラ ムロー。

    kúul-alíuratambór,bról-amuró.
    煮る-<(軽いものが)>女<主格>雑穀<対格>作る-<(軽いものが)>濁り酒<対格>

    「女は雑穀を煮て、濁り酒を作る。」

    濁り酒の作り方を言う文。後半では主語を言わず、動詞の語尾から前半と同じ女が主語だとわかる。時制がないので、習慣としての営みを表す。

    ésa lúsa tambóros némei.

    読み:エーサ ルーサ タンボーロス ネーメイ。

    és-alúsatambór-osném-ei.
    いる-<(軽いものが)>粥<主格>雑穀-<属格><私>-<与格>

    「私には雑穀の粥がある。」

    台所での日常の文。所有は「ある+持ち主の与格」で言う。動詞は持たれている物 lúsa(軽性)に一致して -a になる。材料は属格 tambóros で後ろに添える。tambór は重性なので、属格は -os になる。

    kúulim nímbo si tambór.

    読み:クーリン ニンボ シ タンボール。

    kúul-imnímbositambór.
    煮る-<私が>乳<対格>と雑穀<対格>

    「乳と雑穀を煮る。」

    家で煮炊きするときの言い方。乳と雑穀を合わせて煮た粥は、湖盆の村でふだんから食べられている。どちらも重性なので、対格は主格と同じ形になる。主語は動詞の語尾 -im でわかるので言わない。

    ké kúulses tambór? kúulsim.

    読み:ケー クールセス タンボール?クールシン。

    kékúuls-estambór?kúuls-im.
    <〜か>煮る<〜し終えた>-<あなたが>雑穀<対格>煮る<〜し終えた>-<私が>

    「「雑穀はもう炊いたか?」「炊いたよ。」」

    二人の発話。kúul- は長母音の語根なので、完了相は語根の後ろに -s- を足して kúuls- になる。「はい」にあたる語がないので、問いの動詞を自分の人称に変えて繰り返して答える。

    kúulim tambór.

    読み:クーリン タンボール。

    kúul-imtambór.
    煮る-<私が>雑穀<対格>

    「雑穀を煮ている(粥を炊いている)。」

    主食の雑穀を煮て粥にする、日常の言い方。直説法の語尾には強勢がないので、強勢は長母音の語根 kúul- に残る。tambór は重性なので、対格は主格と同じ形になる。時制がないので、「煮る」とも「煮た」とも訳せる。

    éso kórvo némei, na éso tambór.

    読み:エーソ コルヴォ ネーメイ、ナ エーソ タンボール。

    és-okórvoném-ei,naés-otambór
    いる-<(重いものが)>倉<主格><私>-<与格><〜ない>いる-<(重いものが)>雑穀<主格>

    「倉はあるが、雑穀がない。」

    凶作の年の嘆き。高原語には「持つ」という動詞がないので、所有は「és- + 物 + 持ち主の与格」で言う。kórvo は重性o語幹で、主格と対格が同じ形になる。動詞は持たれている物(倉、雑穀)に一致して -o をとる。

    vándo kórvo tambór.

    読み:ヴァンド コルヴォ タンボール。

    vánd-okórvotambór
    量る-<(重いものが)>倉の司<主格>雑穀<対格>

    「倉の司が雑穀を量る。」

    役所としての倉の司が主語の文。主語が重性なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる(vánda ではなく vándo)。雑穀 tambór も重性で主格と対格が同じ形なので、動詞のすぐ後ろが主語、その次が目的語という VSO の語順で役割が決まる。乾風期の前半に税の雑穀を量って取り立てる場面の言い方。

    élþa elþá, kúula houmár tambór.

    読み:エルサ エルサー、クーラ ホウマール タンボール。

    élþ-aelþá,kúul-ahoumártambór.
    燃える-<(軽いものが)>火<主格>煮る-<(軽いものが)>家の主<主格>雑穀<対格>

    「火が燃え、家の主が雑穀を煮ている。」

    日々の炊事を言う文。主節を二つ、接続詞なしで読点で区切って並べている。どちらの節も VSO で、動詞が先に来る。tambór は重性なので、対格は主格と同じ形。

    funeléra lisár tambór houmárar.

    読み:フネレーラ リサール タンボール ホウマーラル。

    funelér-alisártambórhoumár-ar.
    書き留める-<(軽いものが)>書記<主格>雑穀<対格>家の主-<〜らの>

    「書記は家の主たちの雑穀を書き留める。」

    役所の書記の務めを言う文。税として納められた雑穀を、家ごとに書き留めておく。tambór は重性なので、対格は主格と同じ形。houmárar は複数属格で「家の主たちの」。

    méiran houmárai tambór brándalei.

    読み:メーラン ホウマーライ タンボール ブランダレイ。

    méir-anhoumár-aitambórbrándal-ei.
    与える-<彼らが>家の主-<〜たちが>雑穀<対格>司-<与格>

    「家の主たちは司に雑穀を納める。」

    乾風期の前半に、倉の司が税の雑穀を取り立てることを言う文。受け手の司は与格 -ei で言う。

    vándan lisárai meiró tambóros.

    読み:ヴァンダン リサーライ メイロー タンボーロス。

    vánd-anlis-ár-aimeirótambór-os.
    量る-<彼らが>書く-<〜する人>-<〜たちが>税<対格>雑穀-<属格>

    「書記たちが雑穀の税を量る。」

    乾風期の前半、倉の司が雑穀の税を取り立てる場面の文。meiró は méir-「与える」に重いものを表す -ó がついた語で、もとは「差し出されるもの」の意味。重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。何の税かは、属格を後ろに置いて表す。

    léimir tambór un kórvo!

    読み:レーミル タンボール ウン コルヴォ!

    léim-irtambórunkórvo!
    置く-<皆で〜せよ>雑穀<対格>中へ・中から倉<対格>

    「雑穀を倉の中へ納めよ。」

    un+対格で「〜の中へ」を表す。kórvo は重性o語幹なので、主格と対格が同じ形になる。命令法の2人称複数で、働き手たちに指図している。

    dúmarim tambór te auméira aulisár. auríþen.

    読み:ドゥーマリン タンボール テ アウメーラ アウリサール。アウリーセン。

    dúmar-imtambórteau-méir-aau-lis-ár.auríþen.
    いただく-<私が>雑穀<対格><関係節><お〜になる・御〜>-与える-<(軽いものが)><お〜になる・御〜>-書く-<〜する人>ありがたく

    「書記の方がくださった雑穀を、いただきました。ありがたく。」

    贈り物への礼状の結び。用件を書いたあと、最後に auríþen 一語を置いて結ぶのが手紙の決まった形である。関係節 te auméira aulisár では、目的語にあたる部分が空いたままになっている。méir- は補充形のない動詞なので、規則どおり au- をつけて尊敬の形にする。

    méir tambór, ende. nés, sórel nés.

    読み:メール タンボール、エンデ。ネース、ソーレル ネース。

    méirtambór,ende.nés,sórelnés.
    与える<命令法><あなたが>雑穀どうぞない(品切れ)今日ない(品切れ)

    「「雑穀をくれ、頼む。」「ない、今日はもうない。」」

    縁の市の取引言葉。品切れを、時を表す語と組み合わせて繰り返す言い方。動詞はむき出しの語幹、目的語は格語尾なしで言い、ende を添えて頼む。

    lísa lisár kórvino si tambór plíndoi.

    読み:リーサ リサール コルヴィノ シ タンボール プリンドイ。

    lís-alis-árkórvinositambórplínd-oi.
    書く-<(軽いものが)>書く-<〜する人>移動倉<対格>と雑穀<対格>札-<与格>

    「書記が、移動倉と雑穀を、札に書く。」

    帳簿や荷札の記録に使う文。plíndoi は与格(書かれる場所)。si は名詞の並列。

    séna senár séulo tambóros só un plíndoi.

    読み:セーナ セナール セウロ タンボーロス ソー ウン プリンドイ。

    sén-asen-árséulotambór-ossóunplínd-oi.
    見る-<(軽いものが)>見る-<〜する人・主格>配分<対格>雑穀-<属格>この<重性>内に札-<与格>

    「目付が、この札に書かれた雑穀の配分を見る。」

    縁の市の公式な場面。市の目付(senár)が、脂の木の薄板で作った札(plíndo)に書かれた与え分を確認する。重性の対格は主格と同形なので、動詞直後の senár が主語、次の séulo が目的語と語順で決まる。指示詞 só で名詞句を閉じ、その後に前置詞句 un plíndoi が続く。

    éso séulo tambóros só hóumoi.

    読み:エーソ セウロ タンボーロス ソー ホーモイ。

    és-oséulotambór-ossóhóum-oi.
    いる-<(重いものが)>配分<主格>雑穀-<属格>この<重性>炉-<与格>

    「この雑穀の配分は、炉の前にある。」

    炉ばたでの日常の場面。倉から与えられた雑穀の与え分が炉の前にある状態を示す。重性o語幹の séulo は主格と対格が同形。裸の与格で場所「炉のところに」を表す。

    krélo tambór un kórvoi.

    読み:クレーロ タンボール ウン コルヴォイ。

    krél-otambórunkórv-oi
    足りる-<(重いものが)>雑穀<主格>内に倉-<与格>

    「倉の中の雑穀は足りている。」

    倉や貯蔵所で在庫の充足を確認する日常の言い方。主語の tambór「雑穀」は重性なので、動詞は3人称単数・重性の -o をとる。un+与格で「倉の中に」。くだけた言葉では krél tambór un kórv-oi とも言うが、語末の -o が落ちた形(krél)でも、文脈から「足りている」と読み取れる。

    krélau vrélmo só si tambór só

    読み:クレーラウ ヴレルモ ソー シ タンボール ソー

    krél-auvrélmosósitambórsó
    足りる-<双数>毛皮<主格>この<重性>と雑穀<主格>この<重性>

    「この毛皮とこの雑穀が足りている。」

    森の民や湖畔の市で、物々交換の持ち寄りを確かめる場面。単数の名詞を si で二つ並べると、動詞は双数になる。双数動詞 krélau は性を区別しないので、重性の vrélmo と tambór を並べてもこの形を使う。

    bréunim tambór un kórvoi.

    読み:ブレウニン タンボール ウン コルヴォイ。

    bréun-imtambórunkórv-oi
    積む-<私が>雑穀<対格>内に倉-<与格>

    「私は倉の中に雑穀を積んでいる。」

    倉の中で雑穀を積む作業の発話。場所 un kórvoi は前置詞 un と与格からなる。tambór は重量名詞で、単数目的語は無標識。

    sál tambór, ende.

    読み:サール タンボール、エンデ。

    sáltambór,ende.
    ならす<命令法><あなたが>雑穀<対格>どうぞ

    「「雑穀を平らにしてくれ、頼む。」」

    家庭でのくだけた依頼。命令法2人称は語幹 sál をそのまま用いる。対象 tambór は重性で対格が主格と同形。依頼の小辞 ende を添えて、単なる命令を軽くする。

    muníþim tambór un kórvo.

    読み:ムニーシン タンボール ウン コルヴォ。

    mun-íþ-imtambórunkórvo.
    入る-<〜させる>-<私が>雑穀<対格>内に倉<対格>

    「私は雑穀を倉に入れる。」

    使役形の用法。語根mún-に使役接辞-íþ-が結合し、強勢が接辞に移るため語根の ´ は消えてmuníþimとなる。入れられる物は対格、入る先はun+対格。

    kailérim tambór.

    読み:カイレーリン タンボール。

    kail-ér-imtambór.
    乾く-<〜でする>-<私が>雑穀<対格>

    「私は雑穀を乾かす。」

    日常の保存作業。名詞から動詞を作る接辞 -ér- を含む直説法。1人称単数の語尾 -im をとる。重性子音語幹とされる tambór の単数対格は主格と同形。

    lúin fǘro ílmo, kúulimor tambór.

    読み:ルーイン フューロ イルモ、クーリモル タンボール。

    lúinfǘr-oílmo,kúul-imortambór
    とき沸く-<(重いものが)>水<主格>煮る-<我々が>雑穀<対格>

    「水が沸くと、我らは雑穀を煮る。」

    日常の炊事。時間節を lúin で導き、主節を続ける。主語「我ら」は動詞語尾に含み、名詞では繰り返さない。重性名詞 tambór の対格は主格と同形。

    mánim tambór míil.

    読み:マーニン タンボール ミール。

    mán-imtambórmíil.
    食べる-<私が>雑穀<対格>甘い

    「私は甘い雑穀を食べる。」

    食事の場面。重性名詞 tambór を修飾する形容詞は単数で、対格でも語尾がつかない。

    ké kánþes tás tambór?

    読み:ケー カンセス タース タンボール?

    kékánþ-estástambór?
    <〜か>立っている穀物を刈る-<あなたが><あなた・主格>雑穀<対格>

    「お前は雑穀を刈るのか。」

    日常会話で、作業の最中に直接問いかける場面。ké は文頭に置く。明示的な tás は確認や念押しの響き。tambór は重性で、目的語も無変化。

    kánþa dóulin houmár tambór.

    読み:カンサ ドーリン ホウマール タンボール。

    kánþ-adóulinhoumártambór.
    立っている穀物を刈る-<(軽いものが)>もう家の主<主格>雑穀<対格>

    「家の主はもう雑穀を刈った。」

    帳簿的な記録に近い言い方。相を表す語尾はないが、副詞 dóulin が「もう」を表し、干し上げ・脱穀へ送る前の収穫作業が済んだことを示す。

    krála snǘra kórvos tambór.

    読み:クラーラ スニューラ コルヴォス タンボール。

    král-asnǘrakórv-ostambór
    かじる-<(軽いものが)>鼠<主格>倉-<属格>雑穀<対格>

    「倉の鼠が雑穀をかじる。」

    場所を示す属格 kórvos を名詞に添え、家屋や倉に出入りする害獣としての意味を作る。主語が単数なので動詞は -a。

    mirkrílim tambór némes.

    読み:ミルクリーリン タンボール ネーメス。

    mirkríl-imtambórném-es.
    分ける-<私が>雑穀<対格><私>-<属格>

    「私は自分の雑穀を分ける。」

    家庭で自分の持ち分をいくつかの分量に分ける基本的な用法。重性名詞 tambór は主格と対格が同形。所有は名詞の後に人称代名詞の属格を置いて表す。

    mirkrílim tambór némes es kórvos.

    読み:ミルクリーリン タンボール ネーメス エス コルヴォス。

    mirkríl-imtambórném-eseskórv-os.
    自分の分を切り出す-<私が>雑穀<対格><私>-<属格>から倉-<属格>

    「私は倉から自分の分の雑穀を切り出す。」

    共同の物から自らの取り分を区別する意味。es+属格で切り出す元を示す。共同の倉のような蓄えからの分前の場として自然。所有の属格は名詞の後ろに置く。

    vándim ín rimbó tambóros.

    読み:ヴァンディン イーン リンボー タンボーロス。

    vánd-imínrimbótambór-os.
    量る-<私が>一枡<対格>雑穀-GEN.

    「雑穀を枡一枡、量る。」

    日常の計量の場面。数量の単位として rimbó を用いる。不定の数量詞 ín は名詞の前に置き、測られた物は部分属格 tambóros で表す。

    éso tambór wáim un kórvoi.

    読み:エーソ タンボール ワイン ウン コルヴォイ。

    és-otambórwáimunkórv-oi
    いる-<(重いものが)>雑穀<主格>相当の内に倉-<与格>

    「倉に相当の雑穀がある。」

    存在文。重性単数の tambór に形容詞 wáim が主格単数で後続し、場所 un kórvoi がそれに続く。

    flína endríña tambór káil.

    読み:フリーナ エンドリーニャ タンボール カイル。

    flín-aendríñatambórkáil.
    嫌う-<(軽いものが)>子<主格>雑穀<対格>乾いた

    「子どもは乾いた雑穀が嫌いだ。」

    食卓で子どもが食べ物を拒む場面。主語éndríñaは人を指す軽性の名詞なので、動詞は3人称単数軽性の-aを取る。対象tambórは重性で、主格・対格同形により対格語尾は形態素として分けない。形容詞káilも重性単数では語尾をもたない。語順はVSOで、目的語句は名詞+形容詞の順になる。

    gánim tambór endríñei.

    読み:ガーニン タンボール エンドリーニェイ。

    gán-imtambórendríñ-ei.
    贈る-<私が>雑穀<対格>子-<与格>

    「私は子どもに雑穀を贈る。」

    日常の会話向けの文。売買・税・単なる物の受け渡しではなく、家庭での好意や思いやりから品を渡す言い方。渡す品は対格、受け手は与格に取る。

    gánimor tambór torárei.

    読み:ガーニモル タンボール トラーレイ。

    gán-imortambórtorár-ei.
    贈る-<我々が>雑穀<対格>客-<与格>

    「我らは客に雑穀を贈る。」

    客をもてなす場面での人情としての贈与を表す文。1人称複数で、家や炉ぐるみでの行為を示す。市での取引や値の約束ではなく、好意として渡すことを含みを持つ。

    na mána unlóur brál tambór

    読み:ナ マーナ ウンロール ブラール タンボール

    namán-aunlóurbráltambór
    <〜ない>食べる-<(軽いものが)>まだ父<主格>雑穀<対格>

    「父はまだ雑穀を食べていない。」

    日常の食事の場面。直説法の否定で、na は動詞の直前に置く。brál は人を指すので、動詞は軽性 3 単数 -a で受ける。unlóur は動詞の直後、主語の前に置く。tambór は重性の目的語で、主格と対格が同じ形になる。

解説

高原で古くから作られてきた主食の穀物。粥にする、蒸して餅のようにする、平たく伸ばして熱した石の上で焼く。雨期の初めに播き、雨期の終わりに刈り、乾風期の風で干して倉に納める。粒の色・大きさ・粘りけ・実るまでの日数で数種類が呼び分けられ、倉の司が税も雑穀で取り立てる。重性の子音語幹名詞で、綴りは古い脱落の前の形〈tamboro〉を残すが、発音は tambór。森の言葉では tambóro の形が残る。古い形が干潟語 taboro の源とされる。

文法

重性・子音語幹。主格・対格 tambór、属 tambóros、与 tambóroi。綴りは〈tamboro〉。

語源

古高原語 *tambóro。古い脱落で語末の母音が落ちた。脱落より前の形が干潟語に借りられ、鼻音が落ちて taboro になった。森の言葉では tambóro。

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